TikTokは15秒~1分程度の動画を簡単にアップできるプラットフォームとして若年層を中心に高い人気を誇っています。
一般ユーザーに限らず企業も公式アカウントを持つTikTokに広告を出稿したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事ではTikTok広告の種類や利用するメリットなどについて解説します。
TikTok広告の成功事例や費用の目安・課金方式の詳細に関してもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
TikTok広告の概要
TikTokはByteDance社が開発・運営しているショートビデオプラットフォームです。
TikTokの持ち味といえば、何といっても短くてユニークな動画を次々に視聴して楽しめることでしょう。
映像を加工することも簡単で、誰でも手軽に「盛れる」動画が撮影できると世界的に高い人気を誇っています。
TikTokが広告方式を採用したのは2018年のことです。瞬く間に話題となり、企業はこぞって利用を始めました。
ビジネス用にTikTokアカウントを取得する企業も増え、あらゆる業界から注目を浴びている広告形体となっています。
URLやリンクを貼り付けることもできて、YoutubeやInstagramなど他の媒体と併用すれば大規模な拡散も期待できます。
インターネット広告の事例はこちら
TikTok広告の種類
TikTokで配信することができる広告には4つの種類があり、いずれも価格の面や拡散性などで違いがあります。
運用の際は自社商品・サービスの特徴とターゲット層との関係を踏まえて適切な種類を選択しましょう。
以下それぞれ詳しくご紹介します。
起動画面広告
起動画面広告はTikTokを起動した際に表示される広告のことです。
ユーザーすべてが必ず目にするという点で広告として大きなメリットがあるといえるでしょう。
広告内に貼りつけ可能なリンクからは、アプリ内ページや公式サイトなど外部へとスムーズに誘導も可能です。
アニメーション表示型広告となっており、静止画なら全体で3秒、GIFファイル形式なら3~5秒での入稿が可能とあります。
1日につき1枠しか配信できないので出稿費用が非常に高く、枠の確保がとても困難なことがデメリットといえるでしょう。
インフィード広告
インフィード広告はTikTokで最も視聴時間が長いとされる「おすすめ投稿」に表示できる動画広告です。
5~15秒程度の画面専有の全画面表示の形となり、音声の挿入が必須となっています。
期間保証やユーザーへの広告表示数の保証もあり、1日4枠までの枠型となっている点が特徴といえるでしょう。
広告上にはリンクを貼ることもできて、別個のページ・外部サイト・アプリストアなどへの誘導が可能です。
またダウンロード欄などユーザーへ向け様々な行動喚起のためのテキストやイメージの設定が可能になっています。
「いいね」「コメント」「シェア」を付けられる点も見逃せません。
TikTok内のみならず他SNSへの拡散も狙うことができ、発想次第で大きな広告効果を出すことも可能です。
ただ、インフィード広告が配信者のクリエイティブ性に大きく関わる広告である点には注意しなければなりません。
制作にあたって社内のリソースに不安がある場合は外部に委託した方が良いでしょう。
ハッシュタグチャレンジ
ハッシュタグチャレンジはユーザーを巻き込んで展開されるとても珍しい方式の広告です。
企業はハッシュタグを設定・公開し、ユーザーにそのハッシュタグと関連した動画の投稿を促します。
このユーザーに投稿を促すという方式はチャレンジの楽しさが話題を呼び、少ない期間でも大規模な拡散を可能としました。
イベント開催や新商品の宣伝に効果てきめんです。タレントやインフルエンサーを起用したタイアップ企画も多く見られます。
ハッシュタグチャレンジとタイアップの相乗効果はとても大きく、短い期間で結果を出したい時には特におすすめです。
他にも、TikTok運営サイドからの手厚いサポートが受けられる点も大きな特徴でありメリットといえるでしょう。
ハッシュタグチャレンジはユーザーからの人気も高く、日常的な話題に繋がってバズりやすい点も見逃せない利点です。
デメリットは広告費が最も割高なことです。
運用型広告
運用型広告はユーザーによる一般投稿動画に紛れ込む形で配信できる広告です。
運用型広告は内容の工夫の仕方や作り込み次第で投稿動画とも遜色ないものに仕上げることができます。
より良い広告を制作できれば、広告に対するユーザーの抵抗感・不快感を軽減する効果が期待できるでしょう。
また運用型広告はとても詳細なターゲティングが可能で、海外への拡散効果も期待できます。
TikTok広告の強み
TikTok広告をはじめとする動画広告全般の強みは、コンテンツのイメージを想起させやすい点にあるといえます。
質の高いコンテンツを提供すればするほど評価され、ユーザーによって拡散されていくというシステムも魅力的です。
この他、TikTok広告が持つ強みを4つピックアップしてご紹介します。
高精度なターゲティング機能
TikTok広告の強み、1つ目は高精度なターゲティング機能です。
TikTokのデータベースに蓄えられたユーザーの登録情報や使用媒体・興味・関心など詳細なデータに基づいた配信を行います。
これらの基本データを用いた配信だけではありません。
TikTokでは以下に挙げるような項目でユーザーを絞ってさらにカスタマイズした広告配信をすることが可能です。
- 視聴カテゴリー
- サイト閲覧履歴
- デモグラフィックデータ
高い訴求力
TikTok広告の強み、2つ目は高い訴求力です。
誰もがスマホを所持していることが当たり前となりつつある現代ではTikTokの広告方式そのものに莫大な訴求力が備わっています。
音と動画による広告は印象にも残りやすく、なかなか記憶から薄れません。
また、TikTokの全利用者のうち70%近くは20代前半という事実も見逃すべきではないでしょう。
若者文化に溶け込み日常の一部となっていくことで、より高い拡散性と訴求力を確保することができます。
若年層への影響力
TikTok広告の強み、3つ目は若年層への影響力です。
ターゲット層を主にティーン世代のユーザーに絞った媒体なだけあって若年層に対してはかなりの力を発揮します。
SNS疲れを起こした若者たちが再びTikTokを活用しはじめる傾向も見られので、影響力は相当なものといえるでしょう。
国内ユーザー数は停滞気味ですがアメリカなどでは海外ユーザーも増加傾向にあります。
今後は海外の若年層を意識した広告の運用をしていくことが経済効果を高める第一歩となるでしょう。
効果測定ツール
TikTok広告の強み、4つ目は効果測定ツールの存在です。ここではPixelについて解説します。
Pixelは単体で複数イベントを管理できたりGoogleChromeの拡張機能として使えたりとメリットの多いツールです。
広告の目標達成には広告セット毎の解析・コンバージョン数・広告経由の誘導数といったデータの可視化・分析が欠かせません。
TikTok広告ではこれらのデータを元にPDCAサイクルを回していくことが肝心です。
さらに広告効果測定データ基盤「ART DMP」と連携していることも注目に値するといえるでしょう。
TikTokはこれによってリアルタイムで手早く自動的にデータ連携し、広告運用の効率化を目指しています。
また同時にAIによる学習機能が用いられている点も見逃せません。
こうした様々な最新技術を駆使しより詳細なターゲティングを行うことで、需要に合わせた広告の配置が可能です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
TikTok広告が効果を発揮するのはどんな時?
TikTok広告が効果を発揮するのはメインユーザーである若年層に広く受け入れられた時です。大規模な拡散が期待できます。
ただ、広告を視聴の邪魔だと感じるユーザーはかなりの割合を占めます。
ユーザーに好まれるような広告を制作しなければマイナスイメージを与えてしまう可能性もあるので注意しましょう。
TikTok広告の成功事例
ハッシュタグチャレンジ広告ではユニクロの行った「#UTPlayYourWorld」CMが特に大規模なものでした。
世界的に行われたこのチャレンジは世界に通用するインフルエンサーを発掘するという目的も含む戦略的な広告でした。
国内で成功したTikTok広告としては森永製菓の「ハイチュウ」が挙げられます。
「#ハイチュウダンスなう」として売り出した広告は大きな反響と再現投稿を呼ぶ結果となりました。
またミクシィ運営の「モンスターストライク」のTikTok広告も成功例の1つでしょう。
片目を閉じて見るとキャラクターが浮かび上がって見えるなどのユニークな工夫がなされていて人気を博しました。
TikTok広告の費用目安
ハッシュタグチャレンジは2ヶ月間の期間契約式です。800万円と2,000万円の2つのプランが用意されています。
起動画面広告はインプレッション課金型で、1,000回の視聴ごとに費用が上乗せされます。
より短期間で認知度向上を目指す場合におすすめといえるでしょう。
インフィード広告は選択したタイプにより費用が変化します。
金額によって1日の請負い件数や表示タイミングに差が出るシステムで、金額は以下の通りです。
- 最高値「TopView」 640万円/日
- 中程度「OneDayMax」 300万円/日
- 最低値「Brand Premium」 42万円/日
運用型広告は少ない予算でも金額に合わせたグレードでの出稿が可能です。
1円からでも適用可能なので、個人で広告を載せたい方には運用型がおすすめです。
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TikTok広告の課金方式
TikTok広告の課金方式は4つあります。以下それぞれ詳しくご紹介します。
インプレッション課金型(CPM)
インプレッション課金型は広告の表示回数1,000回ごとに費用が発生します。
何らかの背景で広告表示がなかった場合、費用は発生しません。
ユーザー満足度が高い広告を提供できれば拡散も期待できるため費用対効果は高くなることでしょう。
デメリットはクリックや動画再生がゼロであっても費用がかかることです。
クリック課金型(CPC)
クリック課金型は広告内のリンク先をクリックしてページ移動が発生するたびに費用が発生する仕組みです。
たとえ広告が表示されてもユーザーからのアクセスがなければ費用はかかりません。
再生課金型(CPV)
再生課金型は広告が一定時間を越えて再生されるたびに費用が発生する仕組みです。
広告が再生されなかった時は費用は発生しません。
広告をクリックしてもらえるようユーザー目線に立ったブラッシュアップを行うことが重要です。
最適化クリック課金型(oCPC)
最適化クリック課金型は、仕組み自体はクリック課金型(CPC)とほぼ同様の特徴を持っています。
アクセスがなければ費用はかかりません。
商品購入や問い合せなど、CV数に応じてクリック単価が自動調節されることが相違点です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
TikTok広告の注意点
TikTok広告を利用する際の注意点にも触れておきましょう。
運用にあたっては以下の2点に気をつけなければなりません。
広告不具合時の対応は基本ない
TikTok広告は原則として出稿した後では不具合に対応してもらえません。
広告を取り下げることはもちろんできますが、取り下げの有無に関わらず広告の費用は発生します。
出稿の時点で既に徴収された広告費は取り返しようがありません。
出稿前には焦りは禁物、念入りな確認が重要です。
申込後のキャンセルができない
TIkTok広告はメールで出稿申し込みを募り、先着順で広告出稿が割り当てられます。
出稿割り当て済みになるとその後のキャンセルは一切できません。
申し込みが見切り発車にならないよう広告制作サイドとの調整は入念に行いましょう。
TikTok広告の運用を検討しているなら
TikTok広告は詳細なターゲティングを行って適切に運用すれば高い広告効果が期待できます。
若者の間で人気を博して世界的にバズる可能性もあるので、挑戦しがいのある広告だといえるでしょう。
ただ広告の種類によってはかなりの費用がかかります。広告のクオリティや流すタイミングなどは非常に重要です。
もしもTikTok広告の運用を検討しているなら、ぜひデジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
マーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、場合に応じた適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではTikTok広告の種類や運用のメリット・費用面の問題などについて解説しました。
TikTok広告は適切に運用できれば高い効果が期待できる反面、人気が得られないと出費ばかりかさみがちです。
運用にあたっては広告のクオリティを確保できる体制を整えることが重要だといえるでしょう。
内部のリソースでまかなおうとするのではなく、訴求力の高い動画制作が可能な企業に委託することも必要ではないでしょうか。
本稿が効果的なTikTok広告運用のための一助となれば幸いです。