GCP(Google Cloud Platform)はGoogleが提供するクラウド上のサービスです。
Googleが使っているものと同じ技術・インフラを使って社内のインフラ環境をクラウド化できることで知られています。
GCP導入にはGoogleとの直接契約とパートナー経由の契約がありますが、パートナーとは一体どんな存在なのでしょうか。
今回の記事ではGCPパートナーになる方法やパートナーになるメリットについて詳しく解説します。
パートナー経由でGCP導入契約を結ぶメリットについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
GCPパートナーの概要
GCPパートナーとは、Googleによる厳正な審査を受けて選ばれたGCPの導入をサポートしてくれる企業のことです。
自社のインフラ環境のクラウド化を行うにあたってGCPを利用したいと思った時、GCPパートナーの支援が受けられます。
様々な専門分野に特化したGCPパートナーがいるので、自社の事業に適したパートナーがきっと見つかることでしょう。
この項目ではGCPパートナーとその役割についてそれぞれ詳しくご紹介します。
Google Cloud のパートナー
GoogleはGCPにパートナー制度を導入しています。
Google公認の企業が間に立って顧客のGCP導入を支援し、移行サポートを初めとする様々なサポートをする制度です。
GoogleのGCPパートナーとなるためには厳しい審査や高度なトレーニングを受けなければなりません。
それらをパスしたパートナー企業はGoogle Cloud Partner Advantageに登録されます。
顧客は登録された中から自社に最も適したパートナーを選択することになります。
GCPパートナーの役割
Google Cloud Partner Advantageに登録されたパートナーには様々な役割が期待されています。
その役割はGCP導入にあたって顧客の側に生じる技術的な問題をクリアすることだけに留まりません。
顧客が持つビジネス上の様々なニーズ・プロジェクトの迅速化・成果の向上に至るまで支援することが求められています。
顧客に新たな機会を提供するため、パートナーはGoogleのプロダクトを活用してソリューション開発を行うことができます。
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GCPパートナーのレベル分け
GCPパートナーには3段階のレベルがあります。
レベルに応じて利用できるGoogleのリソースに差がある上、得られるメリットにも大きな違いがあるので注意しましょう。
レベルを上げるためには、パートナーは技術力・ビジネスアライメント・顧客の成功事例の3要件を満たす必要があります。
この項目では3段階のレベルそれぞれについて詳しくご紹介します。
メンバーレベル
パートナー契約はGoogle Cloud Partner Advantageプログラムへの申し込みから始まります。
メンバーレベルとは、申し込み要件を満たしてはいるもののパートナーレベルには達していないパートナーのことです。
最も下のレベルであり、上位2つのレベルでは可能な顧客関係管理サポートや金銭的インセンティブが得られません。
Google Cloudからオンライントレーニングやオンラインリソースへのアクセスを行うことなどができます。
パートナーレベル
パートナーレベルは必要な実績やGoogle指定の資格を満たしているもののプレミアレベルには達していないパートナーです。
メンバーレベルで可能なことに加えて、顧客関係管理サポートやブランディング戦略のサポートを受けることができます。
Googleのパートナーディレクトリに掲載されることの他、金銭的インセンティブが得られることも魅力といえるでしょう。
またGoogle Cloud Partner Advantageバッジの使用も許可されます。
プレミアレベル
プレミアレベルはGoogleが要求するすべての条件を満たしているパートナーです。
パートナープログラムの主要特典の中にプレミアレベルのパートナーが利用できないものはありません。
プレミアレベルではパートナーマーケティングの資金などの金銭的インセンティブを利用することができます。
またプレミアレベルではパートナーレベルでは叶わなかったGoogleとの共同マーケティングの機会も与えられます。
GCPパートナーのエンゲージメントモデルの種類
Googleに認定されたGCPパートナーは3種類のエンゲージメントモデルでカテゴライズされます。
これはパートナーとしてどのようなことが可能かによって分類されるものです。
顧客は自身のニーズとエンゲージメントモデルを照らし合わせて最適なパートナーを選択することになるでしょう。
この項目では3種類のエンゲージメントモデルそれぞれについて詳しく紹介します。
Sell エンゲージメントモデル
GCPパートナーのエンゲージメントモデル、1種類目はSellエンゲージメントモデルです。
SellエンゲージメントモデルはGoogle Cloudのテクノロジーを顧客や間接販売パートナーに販売します。
Google WorkspaceやChromebookといったGoogle製品の代理販売が可能となるでしょう。
ディストリビュータや付加価値再販業者がこのモデルのパートナーとして挙げられます。
Service エンゲージメントモデル
GCPパートナーのエンゲージメントモデル、2種類目はServiceエンゲージメントモデルです。
このモデルのパートナーにはマネージドサービスプロバイダやシステムインテグレータなどが挙げられます。
コンサルティングやインテグレーションサービスの他、顧客にGoogle Cloud認定トレーニングも提供できるでしょう。
Googleサービスの利用の活性化を促すという役割を持ちます。
Build エンゲージメントモデル
GCPパートナーのエンゲージメントモデル、3種類目はBuildエンゲージメントモデルです。
Google Cloud上で動作する様々なGoogleプロダクトを強化・補完する独自ソリューションを開発・提供します。
独立系ソフトウェアベンダーやSaaS企業などがこのモデルのパートナーに当たるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Google Partners プログラムとの関係性
Googleが展開するパートナー制度にはGoogle Partners プログラムというものもあります。
名称がGCPと似通っているせいで混同している方もいらっしゃるかもしれません。
Google Partners プログラムは広告代理店や広告を扱う第三者企業向けのプログラムです。
パートナー契約を結んだ企業は顧客の代理としてGoogle広告アカウントを管理することができます。
GCPはプロダクトが対象の、Google Partners プログラムは広告が対象のパートナー制度と覚えましょう。
GCPパートナーになるメリット
GCPパートナーになることには、レベルにもよりますが以下の通り様々なメリットがあります。
- Googleのパートナーというネームバリューが得られる
- Googleが提供するツールや技術による支援が得られる
- Google認定パートナーコミュニティにアクセスできる
- Googleとの共同マーケティングのチャンスが得られる
上記の他にもGoogleのテクニカルサポートが得られたり新規顧客を紹介してもらえたりと特典は色々あります。
自社の事業に適性を感じた時は、GCPパートナーになることを目指すと新たなビジネスの可能性が見い出せるかもしれません。
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GCPパートナーに申請できる要件
GCPパートナーに申請できる要件についてはネット上に詳しい情報が出回っていません。
これはGoogleとNDA(秘密保持契約)を結ぶことになるからで、もしも情報を漏らせば相応の罰則を科せられるでしょう。
パートナーポータルのユーザーとなるための申請を行うと、まずはユーザーフォームで必要事項を記入することになります。
日本のGCPパートナー「株式会社トップゲート」のHPによるとメンバーレベルは「ほぼ全ての企業が無条件で認定」されます。
GCPパートナーになる方法
GCP導入の契約を結ぶ方法には「Googleとの直接契約」と「パートナー経由の契約」の2パターンがあります。
この項目では2つのパターンの特徴について詳しくご紹介します。
Googleと直接契約する
GCPの導入契約の結び方、1つ目はGoogleと直接契約をする方法です。
Googleとの直接契約ではWeb上の必要事項を埋める形で機械的に契約が進んでいきます。
契約にはクレジットカードの情報も必要なので、契約する際は必ず手元に準備しておきましょう。
GCPパートナー企業と契約する
GCPの導入契約の結び方、2つ目はGCPパートナー企業と契約する方法です。
パートナー企業と契約するとGoogleとの直接契約では得られなかった様々な特典を得ることができます。
パートナー企業と契約することのメリットについては以下の項目で詳しく取り上げているのでぜひ確認してください。
直接契約ではクレジットカードが必須だった所パートナーとの契約なら請求書払いが可能など、企業によってメリットは様々です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
パートナー経由での契約をするメリット
GCPの導入契約を結ぶにはGoogleとの直接契約とパートナー経由の契約という2つのパターンがあります。
このうちパートナー経由で契約をすると様々なメリットがあるのでおすすめです。
この項目ではパートナー経由でGCPの契約をする3つのメリットについて詳しく紹介します。
料金面での優遇制度がある
パートナー経由での契約をするメリット、1つ目は料金面での優遇制度があることです。
Googleとの直接契約でGCPの利用契約を結んだ場合、300ドル相当の無料クレジットが付いてきてお得です。
ただパートナー経由の契約の場合も割引や特典がある場合があり、比較すると後者の方がよりお得なことが少なくありません。
パートナーごとに割引や特典の内容には違いがあるので、より好条件で契約できるよう比較検討をしてみましょう。
契約にあたってお得なキャンペーンが展開されている場合もあるのでタイミングも重要です。
パートナー企業側と相談しながら導入を検討できる
パートナー経由での契約をするメリット、2つ目はパートナー企業側と相談しながら導入を検討できることです。
Googleと直接契約を結ぶ場合、ディスプレイに表示される必要事項を埋める形で淡々と契約を進めていくほかありません。
しかしパートナー経由での契約であれば、担当者と相談の上、何度か打ち合せの機会を得ることが可能となります。
導入を検討中の段階でも、不安なことや気になることなどを何でも相談できるので心強いことでしょう。
導入後にアドバイスが受けられる
パートナー経由での契約をするメリット、3つ目は導入後にアドバイスが受けられることです。
高機能で初心者には扱いにくい場合もあるGoogle Cloudを、プロからアドバイスを受けながら使うことができます。
予算内で効率的にGoogle Cloudを運用していくためのポイントなども教えてもらえるでしょう。
GCPパートナーに申請するか悩んだ時は?
Googleは世界に名だたる大企業で、その検索エンジンは日本における検索エンジンシェアの7割を占めるともいわれます。
またGoogleが使用するインフラは高速で安定したパフォーマンスを持ち、セキュリティもハイレベルなものを備えています。
GCPを導入することは、そんな安全で安定性の高いGoogleのITプラットフォーム環境を自社で持つことに他なりません。
そんなGCPの導入を希望する企業の増加が見込まれる今、市場におけるGCPパートナーの必要性は高まりつづけています。
もしもGCPパートナーに申請するか悩んでいる時には、ぜひデジマクラスのコンサルタントに相談してください。
Webマーケティング・IT分野のプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではGCPパートナーになる方法やそのメリットについて解説しました。
世界のGoogleが展開するGCPであるだけに、今後は導入を検討する企業がますます増えてくることが予想されます。
GCPパートナーとなることによって得られるメリットは計り知れません。
Googleの代理店的な働きをするなど新しい事業の展開も見込めるでしょう。
自社のリソースを活かし、日本ではまだ少ないGCPパートナーの1社として活躍してみてはいかがでしょうか。
今回の記事がGCPパートナーへの申し込みを検討する皆様の一助となれば幸いです。