デマンドセンターとは見込み案件の発掘・創出活動であるデマンドジェネレーションを行う組織や機能をいいます。
デマンドセンターは見込み客の獲得・育成・有望な見込み客の選別を行い営業担当者に引き渡すための組織です。
デマンドセンターで選別した確度の高い見込み客を営業に紹介すれば、効率の良い営業活動が可能になり成約に繋がるのです。
今回は営業推進に欠かせないデマンドセンターの役割と各プロセスの特徴を解説します。
目次
デマンドセンターの役割
デマンドセンターの役割はBtoB企業の営業効率を高められることから、BtoBビジネスを展開する企業には欠かせません。
受注確度が高い顧客を選別し、営業がその情報に基づきセールスをするビジネスモデルです。
デマンドセンターと営業が連携することで営業業績が飛躍的に伸びます。
まずデマンドセンターの役割について詳しく解説します。
デマンドジェネレーションを行う組織
デマンドジェネレーションには必要な要素が3つあります。
- コンテンツの確保
- インサイドセールスの確保
- ツール導入
リードを確保するならコンテンツが重要になります。
そのチャンネルがWebサイト・ランディングページのオンラインコンテンツ、展示会やセミナーなどのオフコンテンツです。
効果的な集客を目指すためには魅力あるコンテンツが欠かせません。
アウトソースなどしてコンテンツを充実させましょう。
確度の高いリードをナーチャリングするためには、メールや電話、SNSなどを活用します。
そのためにはインサイドセールスの人材が必要になります。
インサイドセールスを立ち上げるなら人材のマネジメントも重要になるのです。
さらに営業を効率よく推進するためには人材を揃え、ツールの導入も必要です。
代表的なツールがGoogleアナリティクス・MAツール(マーケティングオートメーションツール)・SFA(営業支援ツール)でしょう。
MAツールとは顧客の属性を知ることで、1人1人に合った体験を創造し長期的な関係を築くプラットホームです。
顧客の育成・選別からセールスまで自動化するシステムになります。
ただこうしたツールを使いこなすためには専門的な知識も必要で人材の確保をともないます。
効率よくデマンドジェネレーションを稼働させるためには、部門ごとにデマンドジェネレーション担当者を決めることです。
例えばマーケティング部門はリードジェネレーション、インサイドセールス部門はリードナーチャリングです。
そして、営業部門が顧客セールスというのが標準モデルになります。
MQLやSALを創出
MQLは「Marketing Qualified Lead」の略称で、マーケティング活動で認められた最良な見込み客のことです。
マーケティングではMQLの創出をして、育成のための活動をします。
一方、SALは営業部門における見込み客のことでSales Accepted Leadが正式名称です。
MQLの中から特に有力と思われる見込み客をSALとします。
SALは営業する価値が高いとされ、高い確率でコンバージョン(受注・成約)できる可能性があるというわけです。
受注を確実にするために各部との綿密に連携し、SALの必要条件を細かく設定しておくことが重要になります。
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リードジェネレーションの役割
リードジェネレーションは見込み客を集めることでマーケティングの第一歩になります。
この段階でリードの個人情報をいかに集められるかがポイントです。
そのための施策に展示会やセミナー、オウンドメディアの運営、広告出稿などを行います。
それではリードジェネレーションの役割について解説します。
見込み客の獲得
リードジェネレーションの役割として、見込み客の獲得のためのコンテンツマーケティングあります。
これは自社の商品やサービスに関心がありそうな層をターゲットにして魅力ある広告を配信することです。
他にはオウンドメディアに気になる商品情報や口コミを掲載したり、キーワードに適したランディングページに誘導したりする方法などがあります。
また、WebサイトやSNS、バーナーやリスティングから資料請求や問い合わせが来ることもあるので活用すべきでしょう。
SNSはBtoCのイメージがありますが、BtoBでも利用されるのでチャンネルは広く持つことをおすすめします。
コアターゲットへのアプローチ
ターゲット層を決めて効果的なマーケティングを施すことが企業収益には重要です。
しかし、さらに購買確率が高いコアターゲットの属性を分析しアプローチすれば売上を大きく伸ばせる可能性もあります。
企業はターゲットした層をナーチャリングしてコアターゲットに育成することが重要です。
いかにして顧客に商品やサービスをリピートしてもらえるかが企業の将来性を決めるポイントだからです。
そのためにはコアターゲットを育てる必要があります。
また、コアターゲットに集中投資することでビジネスチャンスが大きくなるのです。
コアターゲットへのアプローチはきめ細かく行い、彼らのニーズをいつでも把握できるようにアンテナを張っておくことが求められます。
リードナーチャリングの役割
リードナーチャリングの役割は、リードを育成し営業部門に送客することです。
リードナーチャリングが重要視されるのは、確度の高い顧客への営業はそのまま受注に繋がる可能性があるからです。
受注に至らなくても再度ナーチャリングして営業部門に送客してアプローチすることもあります。
ここではリードナーチャリングの役割をもう少し見ていきましょう。
見込み顧客の育成
リードナーチャリングではターゲットになった見込み客をさらに育成することで優良顧客にすることができます。
そのメリットは3つあります。
- マーケティングの効率が上がる
- 購入機会の創出と損失の最小化
- 確度が高い見込み客に営業リソースが注力できる
従来のマーケティングは購買意欲のある顧客をターゲットにしていく手法です。
一方、リードナーチャリングでは見込み客を育成するため、マーケティングの効率が上がり営業にも貢献できます。
そして、今までアプローチできていなかった顧客にリーチできるのです。
関心がある顧客をターゲットにしていたこれまでのマーケティングでは範囲が限定されていました。
しかし、リードナーチャリングすることで高い確率で受注できる顧客にアプローチできます。
また、リードナーチャリングは集客コストを抑える効果もあるのです。
展示会や集客のためのWebサイトなどにコストをかけて受注が伸びなければ損失に繋がります。
顧客のステータスに合わせたアプローチ
営業部門は成約のために時間をかけてセールスをします。
しかし、長期化すると取りこぼしや精神的な負担も大きくなります。
リードナーチャリングすれば顧客のステータスに合わせたアプローチができるので、営業活動の長期化が防げるのです。
営業担当者も成約率が高い顧客ならやりがいも感じられ、営業成績が伸びやすくなります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
リードクオリフィケーションの役割
リードクオリフィケーションとは購入する可能性が高いリードを選別する事です。
営業部門には購買の可能性が高い顧客を送客することが重要になります。
そのためにはリードジェネレーションをして見込み客を獲得します。
次にリードナーチャリングして育成を図るのです。
そして最終的にリードクオリフィケーションでほぼ確実なリードを選別します。
ではリードクオリフィケーションの役割について解説します。
見込み顧客の選別
リードジェネレーションで集客し、リードナーチャリングで育成したリードをリードクオリフィケーションで選別し営業部へ送客します。
リードクオリフィケーションで対象顧客を絞り込むことで高い受注に繋ぎ、営業成果にしていくのです。
アプローチの優先順位をつける
リードクオリフィケーションではスコアリングという手法を用います。
具体的には見込み客がとった行動と属性をスコアリングしていき、高いスコアの人が成約率も期待できることになります。
限られた人員の営業部はスコアリングで高得点を付けた見込み客を中心に営業すればビジネスチャンスを逃す心配がありません。
例えば、資料請求5点・展示会参加8点といった感じで合計が30点になれば営業に送客するなど社内でルールを決めましょう。
ただ注意点があります。
30点に満たないリードに営業しなければ商機を逸する可能性があるのです。
スコアリングが全てではなく、顧客属性や購入行動などきめ細かく分析してから判断しましょう。
スコアリングはあくまで1つの目安です。
データマネジメントも必要
デマンドジェネレーションを実施するためには大量の顧客情報を管理しなければなりません。
データには顧客の行動履歴や属性なども含まれます。
データはビジネスに活かせる貴重なものです。
あらゆる分析に活用されるデータの精度が低ければ正しい分析結果は導き出されません。
データは管理と同時に整理をすることが欠かせません。
ここではデータマネジメントについて解説します。
データマネジメントの役割
優れたデータは企業だけでなく顧客にもメリットがあります。
企業は顧客が関心のある商品やサービスを解析することで、ピンポイントで広告・情報を配信できます。
顧客側は自分が求める情報が早く入手できるのです。
データマネジメントができている企業は成長するといわれます。
その理由はいくつかあります。
- 必要なデータをすぐに取り出しやすくなるため、企業戦略を迅速に立てることができる
- データに基づく経営判断ができるので営業効率がよくなる
- 見込み客のステージごとに最適な施策ができる
- マーケティング担当者と営業担当者でゴールが共有化されるのでパフォーマンスが向上する
- データが一元管理できるためMAの精度が上がる
こうしたことから次に解説するABMが実践しやすくなるメリットがあります。
逆にデータマネジメントができていない企業の収益はどんどん減っていくのです。
ABMの概念
ABMとはAccount Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティン)の略称です。
特定の顧客を選定しマーケティングや営業リソースを集中的につぎ込むことをいいます。
大量の見込み客を獲得するリードジェネレーションやナーチャリングと異なる特徴があります。
ABMが対象にするのは有力顧客です。
マーケティングではリードへのアプローチ方法は2つです。
- 大量のリード獲得
- ナーチャリング活動での選別
大量にリードを獲得するためにはWeb広告やイベント、アンケートなどを企画し運営するためのコストがかかります。
しかし、ABMはアプローチすべき対象顧客を既に選別しているのでリードを獲得する必要がありません。
そのため費用対効果が高くコストが抑えられるのです。
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デマンドセンターが必要とされる理由
デマンドセンターが必要な理由は営業機会の創出です。
どれだけ優れた商品やサービスがあっても営業機会がなければ販売ができません。
また、顧客の確度もさまざまで、いくら時間をかけて営業しても成果に繋がらないケースもあります。
こうした問題を解決するのがデマンドセンターです。
既に選別と育成が終わったリードに営業をするため効果的なアプローチが実現でき、人材や時間の節約にも繋がります。
また、これまではマーケティング部門と営業部門では異なった視点で活動をすることが多く、そのため取りこぼしがあったのです。
デマンドセンターと連携することで商機を逃すことも抑えられます。
デマンドセンターが必要とされる理由について詳しく見ていきます。
生産性の向上
生産性を向上させるためにはMAツールが必要になります。
MAツールを使えば膨大なデータを管理して施策へ落とすことができます。
MAツールを導入するとリードジェネレーションの成果が向上し営業部門の生産性が上がるのです。
「モノ」から「コト」への転換
社会では価値観やライフスタイルが変化して、企業・個人もさまざまな影響を受けています。
「モノ」から「コト」への転換が進んでいて、商品やサービスを売るのではなく体験や経験を売る時代になっています。
性能がいい「モノ」を提供するだけでは顧客は満足しなくなってきているのです。
企業はいかにして「コトづくり」を実現するかが課題になっています。
「コト」が求められるようになったのは国内の消費の成熟化が要因だといわれています。
「コト」への転換で、今後も新しいビジネスが生み出されるでしょう。
最適な予算配分の実現
リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションは1つの組織で行います。
そのため、効果測定が正確にできること、売上への貢献度が可視化されるようになり、最適な予算配分が実現できます。
デマンドセンター構築に役立つツール
デマンドセンターでは膨大な量のリードを管理しています。
BtoCに比べBtoBは検討する時間も長くなり、1回のアクションで受注につながるのは少ないです。
そのため顧客開拓ではマーケティング活動を可視化することが重要となっているのです。
MAツールではデマンドジェネレーションの活動を最適化してくれます。
MAツールを導入すれば、獲得したリードの一元管理・スコアリング・メールによる情報提供が自動化できます。
リードを管理するのはMAツールです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
デマンドセンターの事例
ここでデマンドセンターの事例を見てみましょう。
MAツールの販売を手がけるある企業では、リードジェネレーションに展示会・セミナー・メルマガ・資料ダウンロードを活用していました。
セミナーは月3回程度開催しています。
獲得したリードはメルマガ・セミナーで引き続きナーチャリングします。
そして、ツールの導入やクロージングセミナーをクオリフィケーションとしていました。
その結果、ツール導入実績が2800社を越えたのです。
また、ある企業は顧客によるサービス利用の少なさに問題意識を抱いていました。
対策としてアクセス解析データをもとに、資料の更新やメルマガコンテンツの見直しを行いました。
リードナーチャリングのプロセスを改善したことで、顧客のサービス利用が大幅に増えたそうです。
デマンドセンターの構築で困った時は?
デマンドセンターはリードの獲得・育成・有望なリードの選別を行い、安定的な商談機会をセールスに提供します。
デマンドセンターを構築すれば営業効率が改善され売上向上に繋がるのです。
しかし、デマンドセンターでは大量のデータを健全な状態で保存する必要があります。
そのデマンドセンターの仕組みや活用方法が難しいという声もあるのです。
デマンドセンターの構築で困った時はすぐにデジマクラスに相談しましょう。
法人営業を行う企業では営業機会の創出のためデマンドセンターの需要は高まるといわれています。
デジマクラスにはデマンドセンターの高いノウハウと運用経験がある専門スタッフがいます。
安心してサポートを依頼してください。
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まとめ
デマンドセンターの役割と重要性について解説してきました。
デマンドセンターを円滑に活用するならMAツールの導入も必要です。
新しい試みであるデマンドセンターの立ち上げは負担もありますが、商機を逃さないために是非この機会に検討してはいかがでしょうか。