リファラースパムはアクセス解析をする人をスパムサイトへ誘い込むことを目的とした悪質な行為です。
リファラースパムの存在に気付かないまま解析を続けると正しい解析ができなくなる上、サーバーへの負担も大きくなります。
またスパムだと知らずにURLにアクセスしてしまうと悪質な詐欺に遭う可能性もあるので十分に気を付けなければなりません。
今回の記事ではリファラースパムへの対策方法について解説します。
リファラースパムによる影響や見極めのポイント・確認方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
リファラースパムの特徴
リファラースパムの特徴はWebサイト管理者の「アクセス元のサイトをよく知りたい」という心理を利用する悪質さにあります。
アクセス解析ツールで簡単に確認できる「リファラー(参照元)」の情報を利用した狡猾な罠と呼ぶこともできるでしょう。
知らない相手から届いたメールは絶対に開けない人でも、リファラーに表示されたURLにはついアクセスしてしまうものです。
うっかりアクセスして被害に遭わないためにもリファラースパムの特徴を今一度確認しておきましょう。
悪質なスパム行為
悪質なスパム行為は後を絶ちません。
インターネットを利用している方の中で以下のような怪しいメールを見たことのない方はいないのではないでしょうか。
- 配達員を装ったメール
- 芸能人・著名人を装ったメール
- 購入した覚えのない宝クジの当選メール
- 購入した覚えのないチケットの当選メール
スパム行為の目的はフィッシングサイトへの誘導や個人情報の聞き出しなど様々です。
中でもリファラースパムはWebサイト管理者に狙いを絞ったとても悪質なスパム行為だといえます。
リファラーを悪用
リファラースパムの大きな特徴は、それが「リファラー(参照元)」の情報を利用したものであることです。
Webサイトには訪問者がどこからやって来たか記録が残ります。管理者はこの情報に強い関心を寄せずにはいられません。
Webサイトをより良くしていくためには訪問者についてよく知ることが欠かせないからです。
このような管理者心理を突いた悪質さはリファラースパムに特有のものだといえるでしょう。
アクセス解析の事例はこちら
本来のリファラーの役割
Webサイトの運営者はリファラーを確認することによって訪問者がどんな経路を辿ってきたか知ることができます。
運営者はその情報を、たとえばアクセス数増加のための工夫や顧客に適したページ作りなどに活かしていきます。
どのリファラーが多くのユーザーの流入に関係しているかを知ることで、より多くのアクセスが期待できるようになるでしょう。
こうしたポジティブな用いられ方こそがリファラーの本来の役割だといえます。
リファラースパムの目的
リファラースパムの目的は何なのか、ここで改めて確認しておきましょう。
未知の参照元に興味を抱いたWebサイト運営者を自分のサイトに誘い込むことで、一体何をしようとしているのでしょうか。
理由は大きく分けて2つあります。それぞれ詳しくご紹介します。
ウイルス感染
リファラースパムの目的、1つ目はウィルス感染を促すことです。
Webサイト運営者が参照元についてよく知ろうとURLをクリックすると、それをきっかけにパソコンがウィルスに感染します。
保存している大切な資料・会社の顧客情報・個人情報などの重要なデータが危険に晒されることになるでしょう。
パソコンがフリーズしたり指示とは違った動きをしたりするなど悪質なイタズラをされることもありえます。
企業の場合、社内ネットワークを通じてすべてのパソコンが悪影響を受ける可能性もあるので十分気を付ける必要があります。
悪質サイトへの誘導
リファラースパムの目的、2つ目は悪質サイトへの誘導です。
参照元に興味を持ってURLをクリックしたWebサイト運営者を、主に詐欺行為のために用意されたサイトへと導きます。
Webサイト運営者に対してよく響く内容になっているせいで、うっかり詐欺に遭ってしまうケースも少なくありません。
詐欺に遭った場合、身に覚えのない高額な金銭の支払いを要求されることがあります。
詐欺行為の陰には反社会的勢力の存在がある場合もあるので、詐欺かもしれないと感じたらすぐに通報する必要があります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
リファラースパムによる影響
リファラースパムの存在にメリットは1つもないといえるでしょう。
その脅威はWebサイト運営者を悪質サイトへ誘導しての詐欺行為やパソコンのウィルス感染といった被害だけにとどまりません。
この項目ではリファラースパムによって被ることになる悪影響について詳しくご紹介します。
正確なアクセス解析ができない
リファラースパムによる影響、1つ目は正確なアクセス解析ができなくなることです。
Webサイトの運営はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを用いてデータ分析した結果を元に進めていきます。
その際、リファラースパムという分析するに値しない情報が入り込むことでアクセス解析に狂いが生じるかもしれません。
日に何十万というアクセスがある大規模なWebサイトならともかく、小規模なサイトの場合、悪影響はいっそう大きくなります。
リファラースパムはそこに存在するだけでWebサイトの運営に支障をきたす可能性があるのです。
サーバーに負荷がかかる
リファラースパムによる影響、2つ目はサーバーに負荷がかかる可能性があることです。
パソコンをウィルスに感染させることや運営者を詐欺に陥れることだけがリファラースパムの目的ではありません。
誘導先でCookieを付与して特定の広告を表示させることやサイトの脆弱性を調べることが目的の場合もあります。
中にはアクセスを集中させることでサーバーに高い負荷をかけ、サーバーダウンを引き起こすことが狙いのものもあります。
これらはどれもWebサイトの円滑な運営に大きな悪影響を及ぼすでしょう。
SEO評価が落ちる
リファラースパムによる影響、3つ目は検索エンジンによるSEO評価が落ちる可能性があることです。
Googleの検索エンジンはユーザーファーストを掲げており、Webサイトがユーザーにとって有益なことを高く評価します。
また外部サイトから自社サイトへ向けられた被リンクの存在も重視しており、その質と量は無視できません。
リファラースパムという悪質な行為を受け続けていると、何も対策していないと見なされて評価が下がる可能性があります。
リファラースパムを確認するには?
リファラースパムを確認するためにはどのような方法が考えられるでしょうか。
もちろんURLをクリックして確かめるわけにはいきません。一度のクリックで大損害を被る可能性もあるので気を付けましょう。
この項目では確認方法を2つ取り上げてご紹介します。
Googleアナリティクスで確認する
リファラースパムを確認する方法、1つ目はGoogle アナリティクスを使った確認です。
Google アナリティクスはアクセス解析ツールですが、スパムを除外したりブロックしたりする手段も備えています。
まずはこのGoogle アナリティクスを使う方法で対策を講じましょう。
大規模なネットワークを有する世界的な企業であるだけにGoogleのセキュリティは非常に優秀です。
具体的な確認・対策の方法については後の項目で詳しくご紹介します。
判別が難しい場合はドメインを検索
リファラースパムを確認する方法、2つ目はドメインを検索する方法です。
怪しい、判別が難しいと思った場合はドメインそのものを検索エンジンで検索してみましょう。
たとえば知らない番号から電話がかかってきた時、その番号を検索してどこからかかってきたか確かめるという方法があります。
これと同じことをドメインで行うのです。
件数が多い場合は一苦労ですが、先例がある場合が多いので不審なサイトであれば判別することができるでしょう。
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リファラースパムの対策方法①:ボットフィルタリング機能
ここではGoogle アナリティクスを用いたリファラースパム対策のうち「ボットフィルタリング機能」を紹介します。
この対策を講じることによって、登録済みのボットやスパイダーからのヒットを除外することができるでしょう。
操作は簡単で、管理画面から「ビュー設定」を開いて「ボットのフィルタリング」チェックボックスにチェックを入れるだけです。
最後に画面最下部にある「完了」をクリックすることを忘れないようにしましょう。
短時間でできる有効なリファラースパム対策なのでまだ実行していない方はぜひ行ってみてください。
リファラースパムの対策方法②:フィルタ設定
同じくGoogle アナリティクスを用いたリファラースパム対策にフィルタ設定があります。
フィルタ設定とは指定したキーワードを含むメールやドメインを受け取らないようにできる設定のことです。
リファラースパムに対して有効なフィルタ設定は2種類あるのでそれぞれ詳しくご紹介します。
言語で除外
リファラースパムの特徴として「言語設定がない」というものがあります。
こうした訪問者によるアクセスは言語で除外することが可能です。
Google アナリティクスの管理画面から「アカウント」を選び、「すべてフィルタ」からフィルタ情報を追加してください。
フィルタ設定では言語だけでなく国を設定することもできます。
もしも言語だけでは不安な場合は国をフィルタにかけることも検討してみてください。
指定URLからの訪問を除外
言語や国でフィルタリングしてもまだ特定のURLから繰り返しアクセスが届くという場合もあるでしょう。
そのような場合は「URLの指定」をすることでそのURLからのアクセスを除外することができます。
Google アナリティクス管理画面からアカウントを選んで設定を進め「外したいリファラスパムのURL」を入れます。
Google アナリティクスの設定で多くのリファラースパムを除外できます。まだ未設定の方はぜひ対策してください。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
リファラースパムを見極めるポイント
Google アナリティクスの参照元を見て「これはリファラースパムだ」と判別できればついクリックすることもなくなります。
この項目ではそんなリファラースパムを見極めるポイントについてご紹介します。
ドメイン名
リファラースパムを見極めるポイント、1つ目はドメイン名です。
Google アナリティクスの参照元に今まで見たことのないURLがある場合はリファラースパムの可能性を疑いましょう。
特にそれが海外サイトである場合、リファラースパムである場合が少なくありません。
日本語で書かれた日本人向けのサイトに海外のサイトからアクセスをするというケースは非常に希だからです。
もしも怪しい海外サイトを見つけたら、クリックして相手を確かめようとはしない方が無難です。
ホスト名
見覚えのないドメイン名よりもさらに確かな見極めのポイントがホスト名です。
自社サイトではないホスト名に着目します。
リファラースパムはサイトを経由することなくGoogleアナリティクスに直にデータを送信する場合が少なくありません。
そんな時はホスト名が異なるのですぐに判別できます。
Googleアナリティクス内でホスト名を検索し、悪質なリファラースパムだと判断したらアクセスは控えましょう。
リファラースパム対策に困った時は?
リファラースパムはWebサイト運営者の心理を突いた悪質な行為です。
特にサイト運営を初めて間もない頃は、訪問してきてくれた相手のことを知ろうとついついアクセスしてしまいがちです。
そういったある種の弱みに付け込む手口という意味で、リファラースパムは実に質が悪いといえるでしょう。
しかし上の項目で触れた通り対策の方法はいくつもあります。フィルタリングを行うなどして対策を万全にしておきましょう。
もしもリファラースパム対策で困ったことがあれば、ぜひデジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
インターネットに精通したスタッフが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
アクセス解析の事例はこちら
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではリファラースパムの影響や対策について解説してきました。
悪質なサイトに誘導されたりウィルスに感染させられたりと、リファラースパムには何のメリットもありません。
正しいアクセス解析を邪魔される可能性もあって、その場合は小さなWebサイトほど被害が大きくなってしまいます。
Googleがスパムサイトとして認識しているサイトからリンクがあれば、評価が下がってランキングが落ちるかもしれません。
実害が出てしまう前に、できる対策はすべて施しておきましょう。
本稿がリファラースパム対策のための一助となれば幸いです。