類似ユーザーターゲティングとは、既存のユーザーと似た特性を持つユーザーに対してインターネット広告を配信する手法です。
Google広告では、類似ユーザーリストが自動生成されるため別途リストを作る必要がありません。
既存ユーザーの行動履歴や特性に基づいて作成されたリストは、新規ユーザー獲得に役立ちます
今回は類似ユーザーターゲティングのマーケティングにおけるメリットや設定方法について解説します。
目次
類似ユーザーターゲティングの概要
類似ユーザーターゲティングは、自社にサイトを訪問した既存ユーザーと類似しているユーザーに広告を配信する方法です。
広告主が新規ユーザーにアプローチをしたい時に活用する有効な手法と考えられています。
企業ではリマーケティング広告を配信する所も多いでしょう。
リマーケティングは一度サイトを訪問したユーザーにターゲットを絞り広告を配信する手法で、コンバージョン率が高いことで知られます。
しかし、サイトを訪問してマーケティングのターゲットになるユーザーは絶対数が限られます。
新規ユーザーを獲得してリピーターになってもらうのが最終目標なのです。
そのためには、既存ユーザーの特性を踏まえて、年齢・性別・関心・興味でセグメントし、類似したユーザーに広告を配信するのが効果的なのです。
類似ユーザーターゲティングはまさにこうした機能を備えた理想の新規ユーザー開拓のためのツールといえるでしょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
類似ユーザーターゲティングをするメリットは?
Google広告では、リマーケティングリストを作成すると類似ユーザーリストが自動作成されます。
このリストに基づいて自社に興味や関心がある新規ユーザーを集客すれば、収益が伸ばせるのです。
類似ユーザーターゲティングを利用する際は、既存ユーザーの特性を解析した上で、Web上の行動が類似しているユーザーに広告配信します。
リマーケティングより配信対象を拡大し、新規ユーザーまでリーチした類似ユーザーターゲティングは画期的な手法といえます。
配信の対象者である新規ユーザーに、既存ユーザーと似た特性という条件を加えることでより確度の高い広告配信が可能になるのです。
類似ユーザーターゲティングを活用する際に抑えておくべきメリットは主に3つあります。
- 成果に繋がりやすい
- 新規ユーザーの獲得ができる
- 設定が簡単である
それでは類似ユーザーターゲティングのそれぞれのメリットについて解説します。
コンバージョン率向上が期待できる
類似ユーザーターゲティングでは、コンバージョンに至ったことがあるユーザーに近い特性を持つ新規ユーザーにアプローチします。
従来の新規ユーザー獲得のための広告に比べ、類似ユーザーの数は少なくなりますが、高い確率でコンバージョンに繋がる可能性が出てくるのです。
類似ユーザーターでゲティングするユーザー層は、既存ユーザーと同じように自社の製品に興味がある人たちです。
そのためコンバージョンに繋がりやすいのはある意味当然なのかもしれません。
しかし、後で述べるように既存ユーザーの選定を見誤れば、類似ユーザーターゲティングに思わぬ悪影響を及ぼします。
新規ユーザーの獲得が期待できる
類似ユーザーターゲティングではアプローチする対象が新規ユーザーのため、自社にとって貴重な新規ユーザーの獲得ができる可能性があります。
新規ユーザーは企業にとっては重要であり、そのために多額の広告費を使って宣伝する大手企業もあるくらいなのです。
リマーケティング広告は成果が良いといわれますが、サイトを訪れたユーザー数には限りがあります。
広告配信量やコンバージョン獲得数も次第に低迷していく可能性が出てきます。
類似ユーザーターゲティングは既存ユーザーの特性を活かすため、コンバージョンに至る見込みが高い新規ユーザーにアプローチができるのです。
簡単に設定できる
Google広告では類似ユーザーはリマーケティングリストを元にして自動作成されます。
リマーケティングを既に利用していれば、別途リストを作成することは不要です。
ちなみにYahoo広告にも同じような機能がありますが、こちらはリターゲティングリストを元に作成していくことになります。
類似ユーザーターゲティングを行うデメリットは?
類似ユーザーターゲティングは新規ユーザー獲得に大きなメリットがありますが同時にデメリットもあります。
詳しく解説しましょう。
対象ユーザーが少ない場合は機能しづらい
類似ユーザーターゲティングを利用する場合、対象ユーザーが少ないと利用しにくいといった面があります。
Google広告では、類似ユーザーターゲティングはリマーケティングリストを元に作成されます。
しかし、元になるリマーケティングリストの対象者が少なければ、特性が引き出せず利用しても効果は限定的でしょう。
約5,000以上のCookieを保有するリマーケティングリストですが、このリストを元に類似ユーザーリストを作成します。
既存ユーザーがいないか極端に少ない場合は、正確な情報が取得できないため類似ユーザーターゲティングは利用できないということになります。
対象ユーザーの質によって結果が左右される
類似ユーザーターゲティングの成果は、リマーケティングリストの質によって大きく影響されます。
リマーケティングリストの質が悪ければ、類似ユーザーもまた同じようにクオリティが悪くなるのです。
リストの質に気づかず、広告をそのまま配信すれば、無駄な広告を作りコストがかかることになります。
広告を出すことに満足せずその効果を検証し、問題があるようならリマーケティングリストを見直すことも必要です。
広告ユーザーの質を左右するのは結局、ツールではなく広告主の手腕そのものなのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
類似ユーザーターゲティングの広告別の設定方法
ここでは類似ユーザーターゲティングの設定方法をわかりやすく解説します。
Google広告とYahoo広告と多少違うため別々で解説しましょう。
Googleではリストの作成は不要なため設定のみとなります。
Googleディスプレイネットワーク
事前にGmailアカウントを取得しておきましょう。
それでは、Google広告のアカウントにログインします。
画面にある「ディスプレイキャンペーン」をクリックします。
ページメニューに表示される「オーディエンス」を選択してください。
鉛筆アイコンが出てきたら「オーディエンスを編集」をクリックします。
次に、配信したい類似ユーザーリストを選びクリックしてください。
最後に「保存」ボタンを押せば完了となります。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク
まず、「ディスプレイ広告」を開いてください。
「ツール」から「ターゲットリスト管理」を選択します。
「ターゲットリスト追加」から「選択したターゲットリストを基に類似を作成」を選択しましょう。
ターゲットリスト作成画面で「ターゲットリスト名」を入力、「ターゲットリストのサイズ」を10段階から選び、「保存」ボタンを押下します。
ここまで来たら、「広告グループ」の編集画面に移動しましょう。
オーディエンスにある「サイトリターゲティング」の「設定する」をクリックしてください。
ターゲットになる類似ユーザーリストを「配信」に設定して、「保存」ボタンを押下で完了となります。
Google広告(GDN)で類似ユーザーを設定するメリット
GDNで類似ユーザーを設定するメリットは、キャンペーンのリーチを最大5倍まで拡大できることです。
既存のユーザーの特性に類似したユーザー向けに広告が配信できるので、新規であってもコンバージョンの確率も向上します。
さらに、既存のユーザーデータから類似性に基づいて作成されるため、新規ユーザーとしてGoogle広告アカウントに自動で表示されます。
手間がかからずに管理が簡単にできるのが特徴です。
ただ単に広告を配信するのではなく、類似ユーザーを元にピンポイントで配信するため、幅広く新たな見込み客獲得に貢献できます。
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Google広告(GDN)で活用すべき類似ユーザーリスト
過去にコンバージョンまで至ったリマーケティングリストを元に、類似ユーザーリストを作成するのでコンバージョンも高くなります。
こうした質の高いリマーケティングリストがなければ、類似ユーザーリストは機能しません。
全てはリマーケティングリストを作成する段階で決まるといっても過言ではないでしょう。
類似ユーザーを元にターゲティングをする際の注意点は?
類似ユーザーターゲティングは大変便利な手法ですが、運用するにあたり注意点がいくつかあります。
ここではその注意点にフォーカスしていきます。
適宜ユーザーの類似度を調整する
類似ユーザーターゲティングでは、元となる既存ユーザーに類似した特性を持つユーザーを見つけることがカギになります。
そのために「類似度」をあらかじめ設定しておく必要があるのです。
類似度が高いユーザーを探す目的で、その類似度を上げ過ぎるとハードルが高くなりすぎて広告量が減るという現象が起きます。
従って、希望する広告量が配信できるように、ユーザーの類似度を適宜必要に応じて調整する必要があります。
入札価格を下げて損失を抑える
2つ目の注意点は、入札価格を下げて損失を抑えていくことです。
入札価格が下がるとクリック単価も下がります。
仮に広告が成果を出せなくても、損失を最小限に抑えることが可能になるのです。
広告費とコンバージョンによってもたらされる利益を比較して、広告費が上回るようでは意味がなくなります。
広告費と入札価格は表裏一体です。
目先の利益に惑わされないように入札価格は実績に応じた範囲で設定しましょう。
YDNは除外リストの設定が必要な場合がある
GDNは、類似ユーザーリストから既にサイトを訪れたことがある人は自動的に削除されます。
しかし、YDNは類似ユーザーリストにサイトの訪問者が含まれるため除外の設定を別途行うことになります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
類似ユーザーターゲティングは慎重に使うべき便利な機能
新規ユーザーの獲得は容易なことではありません。
類似ユーザーターゲティングを使えば低コストで成果が出せる便利な機能を持っています。
そのためには類似ユーザーターゲティングを利用する際は、慎重に使わなければなりません。
ここでは類似ユーザーターゲティングの機能について解説します。
集客できるサイトへと改善できる
類似ユーザーターゲティングは、既存ユーザーの行動記録に似ているユーザーをターゲットにする方法です。
広告費をかけて大々的にプロモーションしても商品が売れるとは限りません。
また、そういう時代でもありません。
類似ユーザーターゲティングを利用すれば、自社の商品に関心が高そうな新規ユーザーを集客できます。
これまでサイトで新規ユーザー獲得に悩んでいた方も集客できるようになるでしょう。
カスタマージャーニーを活かした施策
顧客がどのようにして商品を知り、購入に至ったかという一連の流れをカスタマージャーニーといいます。
類似ユーザーターゲティングでは、既に実績があるユーザーのデータに基づいて精度の高い配信をするため、コンバージョンも高くなるのです。
類似ユーザーターゲティングは、カスタマージャーニーをうまく活かした手法といえるでしょう。
優良なコンテンツの制作も重要
類似ユーザーターゲティングには優良なコンテンツ作成も欠かせません。
いくら特性が類似しているからといって、広告内容に魅力がなければコンバージョンしないからです。
コンテンツマーケティングという言葉があります。
対象になるユーザーに対してクオリティの高いコンテンツを提供し、商品そして企業のファンになってもらうことで収益を上げる手法です。
良質なコンテンツがあれば、潜在的なユーザーも見込み客になり商品の購入に結びつきます。
このように、類似ユーザーターゲティングとコンテンツマーケティングをうまく組み合わせることで新規ユーザーを顧客にできるのです。
類似ユーザーターゲティングのメリットで悩んだら
類似ユーザーターゲティングは、新規ユーザーをターゲットにしてコンバージョンを訴求する広告を配信できる機能です。
設定も手軽にできることから導入する企業も多くあります。
事業の伸び悩みや行き詰まりを感じている場合は、類似ユーザーターゲティングを利用してみましょう。
ただ、類似ユーザーターゲティングの設定や運用方法がわかりにくいという方もいるでしょう。
原因を追求してみると質の悪い類似ユーザーターゲティングを使っていたというケースもあります。
そういう方におすすめなのがデジマクラスです。
広告運営に関するコンサルティングに携わり、豊富な経験と知識があります。
デジマクラスに相談して、類似ユーザーターゲティングでコストを抑えた効率の良いコンバージョンを獲得しましょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
類似ユーザーターゲティングのマーケティングを解説しました。
メリットもデメリットもある類似ユーザーターゲティングですが、使い方次第でコストを抑えてコンバージョン獲得も十分可能です。
デメリットもよく理解して、類似ユーザーターゲティングで成果を上げてください。
また、類似ユーザーターゲティングは年々改善が進んでいるので、前回効果が納得できなかった方も再挑戦してみてはいかがですか。