Googleがサイトに対して悪質と判断し、与えることのある「ペナルティ」。
その中でもGoogleスタッフが人力で判定しているものが「手動ペナルティ」と呼ばれるペナルティです。
この手動ペナルティはどのような原因で与えられるのでしょうか。
そして解除するためにはどのような方法が必要なのでしょうか。
手動ペナルティを受けた時にいち早く対応し、手動ペナルティを受けないための対策を立てるための方法を解説します。
目次
手動ペナルティの概要
Googleがサイトに「ウェブマスター向けガイドラインに沿っていない」「悪質なスパムなどを行っている」と判断を下すことがあります。
すると、検索順位を下げる「ペナルティ」が与えられるのです。
このペナルティをGoogleのスタッフが人力で確認・判断して与えるものを「手動ペナルティ」といいます。
Googleによる手動ペナルティを受けると、サイトの検索順位が下がったり、検索結果に反映されなくなってアクセス数が減ったりしてしまうことも。
せっかく作成したサイトも検索上位に上がらなければ訪問者の増加は見込めません。
では、Googleからの手動ペナルティを受けてしまう原因は一体何なのでしょうか。
今回は手動ペナルティを受けてしまう原因やその解除方法、解除後のSEO対策についてご紹介いたします。
手動ペナルティを受ける主な原因
手動ペナルティを受ける主な原因には、以下の4つのものが挙げられます。
ひとつずつ確認していきましょう。
不自然なリンクがある
Googleはユーザーに有益なサイトを判断する指標を掲げていますが、その指標に沿わない内容が手動ペナルティを受ける傾向にあります。
ペナルティを受ける主な原因は4つあり、そのうちの1つは「不自然なリンク」があることです。
関連するコンテンツに関連が高いページにリンクがあることは、ユーザーに有益なサイトであると判断される指標になります。
しかし、下記のようなリンクは不自然と判断されるため、注意が必要です。
- サイト内のリンク先のコンテンツが、関連性の無いページ
- SEO対策のために作られた、内容の薄い低品質なサイト
- 被リンク増殖ツールで貼り付けられたリンク
このような不正なリンクを貼っている場合は、すぐに削除しましょう。
コンテンツの質が低い
ペナルティを受ける主な原因の2つ目は、コンテンツの質が低いことです。
検索キーワードが含まれているだけのコンテンツはプログラムによって自動生成することができます。
しかしこれらはただキーワードが含まれているだけでユーザーにとって有益な情報がありません。
そのため、ユーザーの役に立つコンテンツとはいえないのです。
その他にもアフィリエイト(成功報酬型広告)のために他のコンテンツへの誘導を目的に作られたサイトも該当することがあります。
特に内容が薄ければ質が低いコンテンツとみなされるためペナルティの対象となる場合があるのです。
また、同じような内容のページが複数ある時も、コピーされたコンテンツ=「質が低い」とGoogleが判断することがあります。
その場合もペナルティの対象になってしまいます。
同じページが複数のURLで表示されているものも対象になりますので、確認が必要です。
クローキングの使用
意識せずにサイトで使用している「クローキング」も、スパム行為とみなされてペナルティを受ける場合があります。
「クローキング」とは、人間のユーザーが見た時と検索エンジンでコンテンツの表示を変えることです。
例えば以下のような場合が考えられます。
- 人間のユーザーがアクセスした時には画像を表示するが検索エンジンではHTMLテキストのページを表示する
- パソコンとスマートフォンなどアクセスするための端末によって異なるページを表示する
- 外国からアクセスした場合は外国語のページを表示する
これらはユーザーによっては有益とみなされる場合もあるため、一概にペナルティの原因になるとはいえません。
これが自サイトでクローキングを使用する上で難しいところです。
しかし、使い方によってはペナルティを受けてしまう場合もあるため、クローキングの導入には注意が必要といえるでしょう。
隠しテキストがある
4つめは、隠しテキストです。
画像とテキストを重ねる、背景色とテキストを同じ色にするなどが該当します。
サイトを閲覧している人間の目には見えないけれど検索エンジンでは読み取れるようになっている文字は隠しテキストとみなされるのです。
サイトのコンテンツとは関係が無いキーワードを隠しテキストとして入れておくとどんな効果があるのでしょうか。
この方法を使えば、検索したキーワードが人間のユーザーには見当たらないサイトが作成できるのです。
つまり検索とは関係のないサイトに誘導することができてしまいます。
そのため、ペナルティの対象となってしまうのです。
意図せずペナルティ対象の施策を実装してしまうことがある
人間には画像を表示したほうが見栄えがして好まれます。
一方HTMLテキストのページはシンプルなため検索順位が上位になりやすいです。
そのため、以前はクローキングの手法が多くとられていました。
しかし現在ではGoogleのウェブマスター向けガイドラインに違反する、とみなされペナルティを受ける例が多くなっているようです。
また、意図せずサイトの背景色と文字色が似てしまい、それが隠しテキストとして認定されペナルティを受けてしまう可能性もあります。
テキストが画像に隠れていて削除し忘れていないか、背景色と同じになっていて削除し忘れているテキストは無いか、今一度確認してみましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
手動ペナルティの確認方法
Googleのスタッフによって問題があると判断された場合は「Google Search Console」にメッセージが届きます。
件名は「サイトの品質に関する問題」であることが多いです。
もしくは、「手動による対策」という項目にペナルティに関するメッセージが届きます。
これらのメッセージを確認することで、何が原因でペナルティを受けているのかを判断できるのです。
参考にしながらペナルティの原因を取り除いていきましょう。
なお、自動ペナルティの場合は上記のようなペナルティに関するメッセージは届きません。
手動ペナルティを解除する方法
ペナルティの内容を確認
実際にペナルティを受けてしまった場合、どのように解除すると良いのでしょうか。
まずは、Google Search Consoleを利用してペナルティの内容を確認しましょう。
Google Search Consoleに届くメッセージは、違反した内容によって異なります。
例えば不自然なリンクがあった場合は、「不自然・不適切なリンクがある」といった内容のメッセージが届くのです。
メッセージを確認して、それぞれのペナルティの原因に合った対応を行いましょう。
ペナルティの原因の改善
上記の例のように、ペナルティの原因が不自然なリンクであった場合は、そのリンクを探し削除しましょう。
何が原因になるかはメッセージに記されている場合もありますが、全てではないため自力で探す必要が出てきます。
Search Consoleでリンクの一覧を確認することもできますが、ここに表示されているリンクがすべてではありません。
被リンクチェックツールなどを使い、すべてのリンクを確認するのがおすすめです。
再審査リクエストの送信
ペナルティの原因を改善したら、次は再審査をリクエストしましょう。
もし再審査リクエストを送ってもペナルティが解除されなければ、再度原因の改善が必要になります。
原因を見落とさないようにしっかりとサイトを確認し、改善していきましょう。
再審査リクエストも、Google Search Console内で行うことが可能です。
【審査をリクエスト】ボタンをクリックすると、ポップアップでメッセージ入力フォームが出てきます。
Google側は入力フォームに記載された内容を参考に再審査を行いますので、何を記載するかが重要です。
どの部分をどのように修正したか内容を可能な限り具体的に、分かりやすく記載するのがおすすめ。
相手に伝わりやすく、また誠意が伝わるような内容で記載していきましょう。
手動ペナルティの解除期間
再審査リクエストを送信しても、すぐに結果は分かりません。
早くても確認までに数日かかります。
遅いと数週間は時間がかかることがありますので、早くペナルティを解除したい場合は早めに審査リクエストを送りましょう。
しかし、素早く改善対策をして再審査リクエストを送信しても、原因がすべて取り除かれていなければペナルティは解除されません。
ペナルティが解除されるまで繰り返し審査リクエストを送っていれば、それだけ解除にかかる期間が長引いてしまいます。
素早い修正対応が望ましいのですが、修正漏れがないよう焦らずに自サイトを確認しペナルティの原因を解除することが大切です。
手動ペナルティの対策方法
手動ペナルティの解除手順を把握しておく
手動ペナルティを受けてしまっても、解除の手順を事前に把握しておけば慌てることはありません。
Googleからのメッセージを参考にサイトを修正し、修正箇所を添えて再審査リクエストを送る。
この手順を知っておけば、ペナルティを受けても慌てることなく解除もスムーズに行えます。
ガイドラインに則ったサイト運営を心がける
手動ペナルティを受けなければ、解除のためのサイト修正や審査リクエスト送信を送る時間がかかりません。
既存サイトを更新・修正する時にだけでなく、ウェブサイトをこれから立ち上げる時も、ウェブマスター向けガイドラインを把握しておきましょう。
ペナルティを受けないサイト作りを心がけることが大切です。
Googleのウェブマスター向けガイドラインはGoogle公式サイトに掲載されていますので、いつでも確認することができます。
コンテンツの質を上げる
コンテンツの質が高いことは、ペナルティの対象から外れるだけでなく検索順位を上げるためにも有効な手段です。
質が低いコンテンツは検索順位が上がらないだけでなく、ウェブスパムとして扱われる場合もあります。
ペナルティ防止対策としても自サイトのSEO対策としても、コンテンツの質を上げることはメリットしかありません。
これを機にコンテンツの内容も見直してみることをお勧めします。
また、質の高いコンテンツを充実させることは、ペナルティ対策と同時に検索順位を上げることにもつながります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
手動ペナルティ解除後のSEO対策
ペナルティ解除後に順位が戻らない可能性もある
手動ペナルティが無事解除されたとホッとするのもつかの間、サイト全体の評価が下がり、検索順位が上がらない場合もあるのです。
その原因の1つに、「リンク数の減少」があります。
例えば、サイトの検索順位が上がっていた理由が「リンク数が多かった」場合です。
リンク数が多いために検索順位が上位になっている場合を考えてみましょう。
ペナルティの原因であった「不自然なリンク」を削除することでペナルティは解除されます。
ですが、他サイトからのリンク数は検索順位に影響があります。
リンク数が減ることで、サイトの検索順位が下がってしまうのです。
元の順位に戻すためには、不自然なリンクではないリンク先を貼ったり、コンテンツの質を高めたりなどが有効でしょう。
ペナルティを受けない方法で順位を上げるための工夫が必要になります。
新規ドメインを取得しサイトを移転する
ペナルティの原因が「被リンク」であった場合、既存の被リンク数が多ければ多いほど見直し・削除作業に多くの時間を割かなければいけません。
そして何度も再審査を依頼しても原因となるリンクが残っていればペナルティが解除されることはありません。
そんな時は、思い切ってサイトの移転を検討してみてはいかがでしょうか。
何度もペナルティを受ける場合は大幅にサイトの見直しが必要でしょう。しかし多くの時間と手間がかかります。
それならば、新規ドメインを取得してサイトを移転しイチからサイトを作成したほうが早い場合があります。
既存サイトのペナルティを解除する必要が無くなるため修正の手間を省くことができるのです。
中古ドメインの場合は問題ないか事前に確認する
ドメインを取得する場合、新規と中古、どちらのドメインを使用するかの選択肢があります。
中古ドメインは以前使われていたことがあるため、被リンクが付いているのが特徴です。
ドメインパワー(ドメインが検索エンジンから得ている評価)があるので、それを活用すればイチから被リンクを得る手間が省けます。
また、検索上位に表示されやすいため旧ドメインでのペナルティ解除後に落ちた検索順位の回復を待つよりも良い場合も。
しかし、中古ドメインには注意したい点もいくつか存在します。
一度ペナルティを受けているドメインや、ペナルティになりそうな被リンクがついている危険性もあるでしょう。
そういった注意点は念頭に置いておく必要があります。
せっかくドメインを変更しても、このような中古ドメインではまたペナルティを受けてしまうと本末転倒。
中古ドメインを利用する場合はそのドメインに問題がないかを事前にしっかりと確認しましょう。
中古ドメインにはメリットもデメリットも存在します。使用する際は、事前にそのドメインに問題がないかどうかしっかり調べておきましょう。
手動ペナルティの対策に困った時は?
意図せずにペナルティを受けた時の解除は、原因がすべてメッセージで通知されないために解除に時間と手間がかかってしまう場合があります。
ペナルティを確認するためのツールもありますので、上手に活用しましょう。
また、少しでも早く原因をすべて突き止めペナルティを解除したほうが、サイトの損害は最小限で済みます。
有料ではありますが専門業者に解除を依頼し「プロの力を借りてペナルティを解除する」という選択肢もあります。
自サイトがペナルティ対象になるかもしれない、と不安な場合も、専門業者に依頼してチェックしてもらうのもおすすめです。
まとめ
手動ペナルティを受けてしまう原因やその対処法をご紹介しました。
もし自サイトが自動ペナルティを受けてしまったら、その原因になる要素をサイトから取り除くなど、速やかに対応することが大切です。
一度手動ペナルティを受けると解除や検索順位の回復に時間が掛かってしまうため、ペナルティを受けないためのサイト作りが重要になります。
ぜひ手動ペナルティを受けてしまう前に自サイトをよく見直して、手動ペナルティの原因になりそうな要素がないか確認してみてください。