個人事業主の確定申告のやり方を解説!確定申告に必要な書類は?確定申告をしない場合の罰則や経費の考え方を一緒に紹介します

個人事業主として働いている場合、確定申告を自分で行わなければなりません。

これまで会社員として働いていた人は、初めての確定申告は戸惑うことも多いでしょう。

しかし、確定申告はポイントを押させておけば難しいものではありません。

今回は、個人事業主の確定申告のやり方について解説していきます。

個人事業主の確定申告のやり方を解説

個人事業主になるハードルのひとつに、確定申告を自分でしなければならないという点があります。

確定申告をした経験がないという人は特に、やり方がわからないという人も多いのではないでしょうか?

今回は個人事業主の確定申告のやり方をご紹介します。

確定申告で悩んでいる個人事業主の人は、この記事を参考にしてください。

確定申告前の準備

確定申告は、当日になっていきなり行えるものではありません。

余裕を持って準備できているかどうかが、確定申告をスムーズに進めるための鍵です。

それでは、確定申告前にしておくべき準備を紹介しましょう。

確定申告が必要かどうか確認

まず確認すべきは、自分は確定申告が必要かどうかです。

確定申告が必要な場合かどうかは、こちらのステップで確認してください。

  1. 1月1日から12月31日の期間での収入と経費の差を求める(差額が所得となる)
  2. 所得から所得控除を引く
  3. 所得税の速算表を使い、②の金額を元に所得税額を計算する
  4. ③の金額から税額控除を引く
  5. ④の金額が1円以上なら、確定申告が必要

このステップを見てみると、事業で利益が得られなければ確定申告をしなくて良いと思う人もいると思います。

しかし、確定申告はする必要がない場合でも住民税の申告が必要です。

そのため、所得がない場合でも個人事業主であれば確定申告をしておくことをおすすめします。

確定申告の時期と期限を確認

個人事業主の人であれば、所得がなくても確定申告をするようにしましょう。

そして、確定申告をすると決めたら書類の提出期限を必ず確認してください。

基本的には3月15日が確定申告の期限となっているので、余裕を持って準備するようにしましょう。

そして、確定申告の時期は年度末ということもあり、バタバタする人もいるかもしれません。

余裕を持って準備することで、提出の期日に間に合わないといった事態を避けることもできます。

年間の取引きを記録・保管しておく

確定申告を行う場合、年間の取引について報告しなければなりません。

そのため、毎日の取引を記録しておけば、確定申告はスムーズになります。

毎日の取引を入力するなら、会計ソフトを使っておくと良いでしょう。

会計ソフトに入力していれば、確定申告の書類も自動的に作成することが可能です。

ソフトをうまく活用しながら、確定申告をスムーズに進めましょう。

また、個人自業主としての活動以外に収入源がある人はご注意ください。

アルバイトとして勤務している場合、アルバイト代は給与所得となります。

そして、不動産の貸し出しでの収入がある場合、こちらの収入は不動産収入です。

もし、ブログ運営をしていてアフィリエイト等の収入があれば、雑収入として計上しましょう。

このように収入源によって項目が異なるので、適切な項目で計上するようにしてください。

青色申告と白色申告の関連性について

白色申告は、青色申告よりも簡単に確定申告ができることがメリットです。

貸借対照表を提出する必要がないので、数字に強くない人は白色申告を選んだ方が良いかもしれません。

しかし、控除額赤字繰り越しといった経営でのメリットを考えると、青色申告を選ぶことをおすすめします。

以前は、白色申告の場合は記帳の必要がなかったため、記帳の手間を減らしたい人が選んでいました。

ところが2014年から白色申告も記帳の必要が出たため、青色申告を選ぶ人が増えています。

確定申告で節税効果を重視したい人は、青色申告を選ぶようにしましょう。

確定申告に必要な書類

確定申告を行うためには、必要な書類がいくつかあります。

これから紹介する書類を用意して、確定申告に臨みましょう。

収支内訳書もしくは青色申告決算書

白色申告を行う場合は収支内訳表青色申告を行う場合は青色申告決算書を提出しなければなりません。

この書類では事業の収入と経費を示すこととなります。

収支内訳表の種類は、一般用用紙・農業所得用用紙・不動産所得用用紙の3種類です。

事業所得の場合は一般用用紙なので、特別な業種ではない人は一般用用紙を使用しましょう。

そして青色申告決算書は、4種類の書類を提出しなければなりません。その書類がこちらです。

  • 損益計算書
  • 損益計算書の内訳(2枚)
  • 貸借対照表

青色申告決算書にも一般用用紙・農業所得用用紙・不動産所得用用紙の3種類があります。

こちらも特別な業種ではない場合、一般用用紙を使用するようにしてください。

確定申告書B

確定申告書Bとは、個人事業主が使用する書類なので、必ず提出するようにしましょう。

こちらには収支内訳表もしくは青色申告決算書をもとに事業収入の金額も記録されます。

そして、扶養控除や生命保険料控除の額・所得税額なども確定申告書Bにはまとめることとなります。

ちなみに確定申告書Aは会社員が使う書類なので、間違えないようにしましょう。

各種控除の証明書

確定申告の際に控除を受ける場合は、各種控除の証明書を提出しなければなりません。

どの書類が必要となるのは、自分が控除を受ける種類によって異なります。

どれを用意すれば良いか不安な人は、事前に確認するようにしておくと良いでしょう。

 

ワンポイント
確定申告に必要な書類は3種類
・収支内訳表もしくは青色申告決算書
・確定申告書B
・各種控除の証明書

確定申告の流れ

確定申告に必要なものがわかったところで、確定申告の流れを見ていきましょう。

これらの手順に従って、確定申告は進めていきます。

必要な書類を準備する

まずは、確定申告に必要な書類を準備してください。準備する書類はこちらです。

  • 収支内訳書もしくは青色申告決算書
  • 確定申告書B
  • 各種控除の証明書

こちらの3種類の書類を確定申告の際は準備するようにしてください。

書類については国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。

わざわざ税務署に出向く必要がないので、近くに税務署がない場合でも安心です。

経費をまとめる

利益を出すためには、さまざまな経費がかかっていると思います。

確定申告では、1年間でかかった経費に関しても申告しなければなりません。

1年間でかかった経費を1度に記載しようとすると、なかなか手が進まないでしょう。

確定申告ギリギリになって慌てずに済むよう、定期的に経費はまとめておくことをおすすめします。

定期的に記載ができていれば、確定申告ギリギリで慌てる必要はありません。

日常から確定申告することを視野に入れて、取引を行うようにしましょう。

確定申告のための書類を作成する

確定申告の準備ができたら、書類を作成してください。

もし会計ソフトを利用している場合は、会計ソフトを使って書類を作成することも可能です。

手書きや手計算で作成することもできますが、不備が出てしまう可能性もあります。

会計ソフトに定期的に日々の取引を記載しておけば、手間もかからず書類を作成できるでしょう。

そして、確定申告の書類の作成が不安な人は、税理士に頼むという手もあります。

依頼料はかかってしまいますが、税理士に依頼する金額は経費計上することも可能です。

確定申告まで頭を回したくない人は、税理士に依頼するということも検討してください。

期限内に管轄税務署へ提出する

書類が完成したら、期限内に管轄税務署へ提出しましょう。確定申告書類の提出期限は3月15日です。

3月15日が土日祝の場合、翌平日が提出期限となります。

管轄税務署は、事務所ではなく自宅がある地域を管理している税務署です。

もしどこの税務署かわからなければ、ホームページで確認することができます。

誤った税務署に送ってしまわないよう、どこに送るべきかはしっかりと確認してください。

管轄税務署への提出方法は、こちらの3種類です。

  • 税務署に郵送する
  • 税務署に直接出向いて手渡しする
  • e-Taxという電子申告システムでオンライン提出する

おすすめの提出方法はe-Taxでの提出方法です。

e-Taxの提出方法であれば、最大で65万円の控除(青色申告の場合)を受けることができます。

ただ、手続きにマイナンバーカードが必要なので、持っていない人はこの機会に作っておくと良いでしょう。

期限内に所得税を納付する

支払うべき所得税額が決定したら、期限内に支払うようにしましょう。

所得税の支払い期日は、現金支払いと口座振替で異なります。

現金支払いの場合は、3月15日が期日となります。

確定申告の期日も3月15日なので、余裕を持って提出した方が慌てずに済むでしょう。

そして、口座振替で支払う場合は、4月下旬に口座から引き落とされます。

引き落とし日はその年によって異なるので、4月中旬までに所得税額の金額を口座に入れておきましょう。

経費の考え方

確定申告で計上する経費ですが、どこから経費にして良いのかわからないという人も多いでしょう。

特に自宅を事務所にしている人は、家賃や光熱費に関しても経費の計上が可能です。

しかし、どれくらいの金額を計上するべきか悩んでいる人もいらっしゃるのではないでしょうか?

家賃や光熱費など、プライベートとも関わりがある経費の場合は、家事按分という考え方が使われます。

仕事で使っている割合とプライベートで使っている割合で、どれくらいの割合を計上するか決めましょう。

基本的に経費の考え方としては、費用が売上につながっているかどうかです。

プライベートの飲食代や交際費は経費として計上することはできません。

また、事業主自身の税金・年金・保険料等も経費としての計上は認められていないのでご注意ください。

 

ワンポイント
経費として計上するかどうかは、事業に関わりがあるかどうかで決める。

確定申告をしないと罰則はある?

業務で忙しい毎日を送っていると、確定申告まで手が回らないことがあるかもしれません。

もし、確定申告をしない場合、どのような弊害があるかも気になるところです。

それでは、確定申告をしないとどうなるのか解説していきます。

収入を証明できない

確定申告は、自分自身の収入の証明となります。

そのため、確定申告をしないと、あなたがどれだけ稼いだかを国が知ることができません。

一歩間違えれば脱税行為になってしまう可能性もあります。

健全な経営をしていくためにも、一定の収入がある個人事業主は確定申告をするようにしてください。

納税額が増える

確定申告を行っていない場合、無申告加算税が課せられるかもしれません。

納付税額50万円以下なら15%、50万円を超えたら20%上乗せして税金を払うこととなります。

ただ、税務署からの調査が入る前に自主的に申告すれば、割合は軽減される場合がほとんどです。

もしも確定申告ができていない人は、税務署からの調査が入る前に自己申告するようにしましょう。

売上が1,000万円を超えれば消費税の確定申告も必要

事業が拡大していくと、年間の売上が1,000万円を超えるようになるかもしれません。

もし、売上が1,000万円を超えれば、消費税の確定申告も必要となります。

消費税の支払い期日は、3月31日です。もし3月31日が土日祝の場合、翌平日となります。

売上が1,000万円を超えた場合は、消費税の申告も忘れないようにしてください。

 

ワンポイント
売上が1,000万円を超えたら、消費税の確定申告をしなければならず、支払い期日は3月31日。

確定申告を忘れた場合の対処法

うっかりしていて、確定申告を忘れてしまうというケースに陥るかもしれません。

もし、確定申告が期日より遅れてしまうと、延滞料がかかってしまいます。延滞料の計算方法はこちらです。

納付すべき本税の金額×延滞税の割合×延滞日数÷365

遅れたら遅れた分だけ、支払うべき税金の金額が上がってしまいます。

確定申告を忘れていることに気づいたら、1日も早く申告を行うようにしましょう。

 

ワンポイント
確定申告が期日より遅れたら延滞料がかかってしまうので、期限内に済ませるようにしよう。

確定申告の手続きで困った時は?

確定申告は、慣れれば難しいものではありません。

しかし、数字が苦手な人や確定申告の経験がない人は、どのように進めれば良いかわからなくなるときもあるでしょう。

そのような場面に遭遇してしまったら、デジマクラスやコンサルに相談することをおすすめします。

わからない状態で確定申告を進めていると書類に不備が出てしまい、期日に間に合わないかもしれません。

間違った書類を作成したり、期限が遅れたりしてしまう前に、プロの力を借りましょう。

まとめ

今回は個人事業主の確定申告のやり方についてご紹介しました。

確定申告は難しそうなイメージがあった人もいるかもしれませんが、ポイントを押さえれば簡単に行うことができます。

また、定期的に取引の内容を記載していれば、確定申告をすることに時間はかからないでしょう。

もし確定申告で困ったことがあれば、デジマクラスやコンサルを頼って、しっかりと確定申告するようにしてください。

最新情報をチェックしよう!