セルフブランディングは、自分自身を一つの商品と捉え、顧客に対する自分の価値を高める戦略です。
マーケティングで使われるブランディングと同じ手法になります。
顧客は付加価値が高い商品を求めています。
ただ見栄えが良いだけでなく、クオリティも高く信頼される商品であることが重要です。
今回はセルフブランディング戦略について解説します。
セルフブランディングのメリットやステップも紹介していきます。
目次
セルフブランディングの概要
セルフブランディングに関心がある人は、どうすれば自分のビジネスがもっと際立ち収益に繋がるのか考えているでしょう。
ブランディングとは共感とともに信頼を高めていくマーケティング手法です。
広く認知されることだけがブランディングではありません。
知名度を上げるために意識的に相手に自分の価値を伝えることで、ビジネスにおいて優位に立てるのです。
具体的にセルフブランディングについて見ていきます。
セルフブランディングの定義
セルフブランディングは自分をブランディングすることで、差別化しビジネスチャンスを広げる施策です。
企業に所属していても自分の価値は上げられますが、個人というより企業としてのブランドになるのです。
セルフブランディングは企業に所属している時とは異なり、あなた自身という質（価値）が問われます。
ある意味厳しい面もありますが、企業の後ろ盾がない分自由に自分の個性を前面に出して思うままに仕事ができるのです。
パーソナルブランディングと何が違う
セルフブランディングと一緒に取り上げられるのが、パーソナルブランディングです。
セルフブランディングはどこにも属さない個人としてのブランド化を示します。
一方、パーソナルブランディングは組織や会社内での「個」をブランド化するのです。
最終目的は組織や企業の業績アップになります。
セルフブランディングはもっと自由に自分の価値をアピールする特徴があります。
そして、あなたの価値が高く評価されることで商品の魅力も増してくるのです。
セルフプロモーションと何が違う
セルフブランディングとセルフプロモーションも似て非なるものです。
セルフプロモーションとは、自分を売り込んだり、集客したりするためにどうPRすればいいかといった戦術にフォーカスするものです。
セルフブランディングはあくまでブランディングが主な目的であり戦略という捉え方をします。
セルフブランディングでは、パーソナリティを活かして価値を高めるために戦略の立案を検討します。
そのためには自分自身の本質を客観的に知ることが必要です。
セルフブランディングの核心
セルフブランディングは、自分自身の価値を高めブランド化することだといいました。
しかし、それはあくまで等身大の自分を捉えてのことです。
虚像に魅せられる人もいますが一時的であり、いずれ魅力の無さに気づいた人は去って行くでしょう。
本当に求められるのは本質なのです。
本質そのものに魅力がなければいずれ飽きて忘れ去られるのです。
つまりセルフブランディングの核心とは、自分自身の本質と向き合い表現できるかに尽きます。
そして、実力と実績が備わって初めて等身大以上の自分をブランド化することも可能です。
実力や実績がなければできないのか？
セルフブランディングをするのに実力や実績は必要なのでしょうか。
デザインやマーケティングを考えるためには実力や実績は欠かせません。
そのためには実力を磨き、実績を積み重ねるしかないのです。
実力や実績がない人ほど自分を大きく見せようとします。
しかし、実力や実績に裏打ちされたものでなければ、ユーザーはいつかその巨像を見抜くでしょう。
その瞬間ブランドの輝きはなくなってしまうのです。
高みを目指し日々努力を重ねる人は、人を感動させる唯一のブランドになれるのです。
セルフブランディングの主な戦略
セルフブランディングをするためには2つの視点から戦略的にPRする必要があります。
- 人
- 商品
この2つについて解説します。
「人」を戦略的にPRする
「人」を戦略的にPRするとは、自身の中にあるネガティブな部分、つまりコンプレックス・エゴなどを素直に表現することです。
人間性があるからこそ、そこにストーリーがあります。
ストーリーはユーザーの共感を呼び、いいものは拡散され人が人を呼び込むようになるのです。
「商品」を戦略的にPRする
「商品」を戦略的にPRするとは、ペルソナと呼ばれる顧客像ごとに商品を見せていくことです。
ターゲットによって、受け取るメッセージや感じ方は異なります。
例えば、誰もが知っている有名ブランド「ルイ・ヴィトン」を考えてみましょう。
「ルイ・ヴィトン」の魅力は以下の通りです。
- 有名人が持っている
- ストーリーがある
- 大量生産しない
- 時代を越えてニーズがある
- ファッション雑誌などで取り上げられる
「ルイ・ヴィトン」がブランディングで成功しているのは、競合他社との差別化ができているからです。
顧客からのロイヤリティを獲得することで長期的な売上が見込めます。
有名人が持っていることでもブランド力を上げる魅力であり、ユーザーがSNSで拡散してくれます。
そして知名度が上がれば新規顧客が獲得できるのです。
長く培った独自の技術力があり世界中に顧客がいることで、ブランド自体に価値が生まれ強気の価格設定ができます。
大量生産をしないことでブランドの価値は普遍であり、誰もが憧れるブランドになるのです。
「ルイ・ヴィトン」は自社の強みを理解し、ターゲットとする層を明確にできています。
さらにSNS・Instagram・X（旧Twitter）を活用し、有名人を起用して戦略的にPRすることで高い効果を上げているのです。
セルフブランディングを行なうメリット
企業に属しているよりフリーランスでビジネスを展開している人にとって、継続した受注は重要です。
そのため、いかにプロモーションをするかがセルフブランディングのポイントになります。
SNSやブログなどを通じて、自分自身のプロフィール・過去の実績・人となり・関心を紹介することも必要です。
それではセルフブランディングを行なうメリットについて解説しましょう。
信頼感が上がり、継続した発注につながる
フリーランスは受注が不安定であり、安定した長期的なプロジェクトを企画・立案するのを目指す人が多くいます。
SNSなどを通じて仕事を得る人もいますが、こうした媒体でビジネスを成功させるためには記事の内容やプロフィールに気を配る必要があります。
信頼を勝ち得ていくことで継続した受注に繋がるのです。
自分が目指すブランディングに合わせてSNSを使い分けるのも重要になります。
自分の価値が上がれば、売上もアップする
自分の商品が認められれば信頼度が上がり、自分の価値も上がります。
今までビジネスをしてこなかった顧客から案件の打診が来て、単価交渉が有利になります。
単価交渉で有利になれば売上もアップするのです。
自分の価値を上げるためにはSNSを活用することが重要です。
さらに、SNSを介して自分のブログへ誘導して自分自身と商品の魅力を知ってもらい価値を上げる方法もあります。
書籍発行や講演など、新たなビジネスにつながる
自分を知ってもらうためにはさまざまなチャネルを持つことも欠かせません。
露出度を上げれば注目され認知されるからです。
ブランディングをする場合、他からもオファーを受けることがあります。
例えば書籍の発行・コラムの執筆・講演会などでブランドが確立できれば、ビジネスチャンスが広がります。
自らブランディングするなら書籍の出版や講演会は強力な集客に繋がるといえるでしょう。
見込み客に感銘を与えられれば、商品やサービスを活用してくれる可能性も出てきます。
自分の方向性が明確になり、キャリアプランが立てやすい
自分の方向性が明確になるまでは、来る仕事はなんでも受けなければ次がないかもしれないという不安がつきまといます。
そして、セルフブランディングが成功するとイメージが定着し次第に仕事の発注が減っていきます。
この段階では自分のキャリアに合わせてプロジェクトに参加するスタンスで行きましょう。
なんでもやるスタンスから自分で仕事を選ぶスタンスで行くことも大事なのです。
自分の強みを見出し、商品に結び付けることで、仕事を選びやすくなり自身が選ばれるようになります。
セルフブランディング のステップ
セルフブランディングに必要なステップでは自分の強み・能力を活かせる市場を見つけ出すことが大切です。
自己分析をして、自分が求めるものを突き止め社会に発信していきます。
注意したいのはそれが単なる自己主張で終わってしまわないようにすることです。
また、セルフブランディングをするためには市場調査が欠かせません。
ここではセルフブランディングのステップについて解説します。
自分自身を深く理解する
セルフブランディングを始めるにあたり、まず自分の経験と実績を棚卸しすることが大切になります。
棚卸しすることで気づかなかった実績・強み・専門性を見つけ出すことができます。
そこで是非試してもらいたい手法が、パーソナルSWOT分析です。
SWOTとはStrength（強み）・Weakness（弱み）・Opportunity（機会）・Threat（脅威）の略です。
企業が経営戦略のために利用するフレームワークの1つです。
セルフブランディング戦略では、セルフSWOT分析といい非常に有効な手法になります。
さらに、企業に所属しているならそこでの評価、既にフリーランスとして歩き始めているなら周囲からの評価でも構いません。
それらをプロフィールに加えることで自分自身の魅力がアピールできるでしょう。
独りよがりになるのではなく、あくまで客観的な評価に基づくプロフィール作成が重要なのです。
顧客ターゲット設定する
自分の専門性を活かし、誰をターゲットにしたいか分析しましょう。
競合相手が多い市場ではニッチな分野を狙う方が効果的です。
例えば名刺のデザインを考えましょう
大企業を顧客にすれば売上としては大きいですが、フリーランスの人の名刺を担当すれば個性的でデザイン性豊かな名刺ができます。
そして、口コミで人気が広まれば自分のコンセプトを活かせる仕事になるでしょう。
大企業相手を取引先にするより、将来を見据えた幅の広いビジネスチャンスになるでしょう。
このように顧客にするターゲットを設定することで、受注を伸ばせればセルフブランディングで成功できるというわけです。
あなたのストーリーを作る
セルフブランディングで大切なことはあなた自身のストーリーを作れるかどうかです。
自分の専門性・実績・ターゲットからあなたのストーリーを作りましょう。
これはあなた自身のブランドプロデュースの第一歩になります。
次のポイントを織り込みながらストーリーを作りましょう。
- あなたという人物像
- これまでの経歴・実績
- 今の仕事をする動機
- あなたが大切にしている信念
ストーリーは常に繰り返すことが大切です。
簡潔で覚えやすい内容の方が親しみも湧くものです。
ストーリーを通してオンリーワン的存在価値であることを発信しましょう。
一貫性を持たせることこそブランディングに欠かせないのです。
ウェブサイトを作成する
オンライン上でセルフブランディングを実践していくなら、SNSを利用しないのはもったいないです。
ウェブサイトを利用すれば検索エンジンで多くの人に閲覧してもらえるチャンスになります。
ブログを利用してあなたの人柄・価値観・活動内容などを発信し続けましょう。
ブログは手軽にいつでも情報がアップデートできるので便利です。
検索エンジンに引っかかりやすくなれば、評価を得やすく効果的です。
SEO対策をすれば検索エンジン上位に入ることも可能で、多くの人にアクセスしてもらえます。
SEO対策とは検索エンジン最適化とも呼ばれ、自分のサイトへ多くのアクセスを獲得するための取り組みを示す手法です。
セルフブランドを伝える方法を解説
セルフブランディングは自分の価値を作り、伝えることで成り立つマーケティング手法です。
セルフブランドを伝えるためには、自分自身のコンセプトを伝えるだけでなく、デザイン性も重要です。
セルフブランドの完成度が高いウェブサイトは「美」にこだわりがあります。
サイトは顧客との出会いの場です。
いかに自分のコンセプトを表現し、訪れた人を魅了できるかがポイントになります。
そして、ロイヤリティを築くことが重要になります。
セルフブランディングの戦略を持てば勝つ
セルフブランディングの戦略で勝つためには切り口が決め手になります。
- 新規性
- 優位性
- 意外性
- 人間性
- 社会性
- 貢献性
セルフブランディング戦略に盛り込むべきポイントは新規性が必要です。
あなたの経験や商品の特徴に目新しさがあればユーザーからは新鮮だと評価されます。
誰もやったことがない、見たことさえないものは多くの人を魅了するでしょう。
他と比べて優位なものがあれば積極的にアピールしましょう。
そして意外だと思わせることも必要です。
時として非常識と思われがちですが意外性があるのも魅力の1つになることもあるのです。
自分が経験した挫折やそこから学んだ経験などを打ち出すことで共感を呼ぶことができます。
近年、地球温暖化や環境破壊などが問題になっています。
こうした社会的な問題に関するメッセージも多くの人の心を掴むでしょう。
社会貢献やボランティアに関する情報は多くの人が注目します。
あなたの事業がそうした活動に貢献するものであれば共感されやすいのでPRするといいかもしれません。
セルフブランディングで悩んだら
フリーランスのセルフブランディングは、企業がコストをかけて行うブランディングとは大きく異なります。
地道な作業の積み重ねと長期戦に耐えられる精神力が必要です。
そして、信頼性・優位性・独自性あるブランディングを心がけることが求められます。
しかし、初めてセルフブランディングに取り組む方はやり方や方向性さえ掴めないこともあるでしょう。
自分の魅力を伝えると一言でいっても意外と難しいものです。
こうしたセルフブランディングで悩んだ時は、デジマクラスに相談してください。
ブランディング戦略を手がけてきた経験とノウハウが、あなたのセルフブランディングに必ず役立つはずです。
デジマクラスであなたの価値を伸ばし、あなただけのブランディングを見つけましょう。
まとめ
セルフブランディング戦略を解説してきました。
自分自身のブランディングをして、ビジネスに活かせるのはフリーランスの強みといっていいでしょう。
なりたい自分を見つけて、セルフブランディングをマーケティング戦略に活用してみましょう。