業務効率化ツールは人員不足やコストパフォーマンス・生産性向上の切り札として期待されています。
すでに導入成功実績を積み上げているツールも数多く登場し、導入検討中の企業も少なくありません。
目的・特徴など多種多様なので、自社にあったツールを見つけるためにはポイントを押さえた選び方と効果検証が必要です。
まずは、業務効率化に向けた段階の踏み方や代表的なツールをチェックしてみましょう。
目次
業務効率化が求められる背景と目的
業務効率化が注目される背景には多くの企業が抱えている下記のような課題があります。
- 人員不足
- 人員育成にかかるリソースの不足
- 社内・部署内の情報共有不足
- 情報・業務の属人化
- 生産性向上
- コストパフォーマンスの向上・適正化
つまり、企業活動上欠かせないリソースであるひと・もの・かね・情報・時間は最小限に抑えたいのが企業側の本音ではないでしょうか。
また、同時に最小限のリソースで最大限の効果・利益を得たいという本音もあります。
特にひとに関する問題は切実です。
労働人口が減少している中で転職によるキャリアアップが当たり前となり、さらに働き方改革に伴う法改正についても対応を迫られています。
さらにコロナ禍によるテレワーク推進により、これまでの企業活動ができなくなっている背景も見逃せません。
企業規模や業種を問わず業務効率化は切実な問題なっているといえるでしょう。
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業務効率化の進め方
業務効率化の進め方は大きく分けて4つのステップが考えられます。
特に何を・どのように選び・どのような方法で効率化できるかが焦点です。
現状を把握し業務を可視化する
生産性向上・業務効率化ツールの導入にあたり絶対必要な事前準備が、各作業の把握と各作業にかかる工数の把握です。
つまり、現状どのような作業が必要なのかを明らかにすることが重要となります。
特に下記ポイントに注目してヒアリングしてみてください。
- 担当者・対応できる社員数・部署
- 業務フロー・現在使用しているツール・業務に必要なツール
- 業務にかけている時間的コスト・業務発生頻度 など
まずは何を業務効率化するべきなのか、その候補をピックアップしてみましょう。
効率化が必要な業務を選択する
業務に必要なリソースやコストなど全貌が把握できたら、その中から業務効率化できそうな業務を選択しましょう。
特に下記のような業務は効率化の難易度があまり高くありません。
- テンプレート化できそうな業務
- 単純作業化できそうな業務
- 反復作業で成り立っている業務
- ルーティン化できそうな業務
- 発生する頻度が比較的高い業務 など
また業務効率化ツールを導入できそうな業務だけでなく社員が対応しなくてもよい業務という選択方法もあります。
社員が担当している業務の中でも特にマネジメント・クリエイティブでない業務を効率化できないか、という視点も有効になるでしょう。
新しい方法を検討して実施する
効率化する業務が決まったらどのように効率化するのかを検討してみる段階に進みます。
下記4つの方向性から検討してみましょう。
- 排除:その業務をショートカットできないか?
- 結合:他の業務とまとめて行うことはできないか?
- 交換:順番を交換することで効率化できないか?
- 単純化:その業務をもっとシンプルにできないか?
この中でまず考えるべきは「排除」です。
効率化を図りたい業務を丸々やらずに済むのは最もシンプルな効率アップの方法といえるでしょう。
また、他の業務とあわせて行えないか、業務フローの順番変更でより効率的にできないかも有効な視点です。
単純化はその業務が必要なままではあるものの、業務そのものをシンプルにできます。
そのため「スキルを持った一部の人しか対応できない」という属人化の回避が期待できるでしょう。
検証と評価をして改善策を立案する
業務効率化をいざ実施しても、実際に効率化できていないのであれば意味がありません。
そこで、実際に効率化することができたのか、できていないとすれば理由は何なのか検証が必要です。
検証のフレームワークとしてはPDCAが定番の方法になります。
特に工数や金額といった定量的な評価は必ず行いましょう。
業務効率化ツールを選定するポイント
業務効率化ツールの導入に失敗する要因としてよくあるのが次の3つです。
- 導入したものの課題解決に至らなかった
- ツールを使いこなせる人材が増えなかった
- 一気に全社的に導入したため、費用対効果が見合わなかった
つまり、これらの問題点をクリアできるツールを選べば導入成功確率が一気に高まります。
導入することで課題が解説できるか
まずは、業務効率化ツールの導入によって解決しなければならない課題・導入目的を明確にしましょう。
例えば業務の属人化を解消したいのか、工数を削減したいのかで導入すべきツールは異なります。
検討時に導入目的がブレなければ選ぶ基準もブレにくくなるでしょう。
ツールは使いこなせそうか
業務効率化ツールの導入失敗事例としてよくあるのが使いにくいという理由です。
そのため「操作しやすい」「簡単」というのは業務効率化導入の成功を考える上でとても重要なポイントになります。
- 少ない動作で操作が可能
- マニュアルの説明がシンプル
- 事前の導入研修に時間がかからない
- 利用する端末を選ばない など
操作に慣れていない人でも使いやすいものがおすすめです。
少しずつ始められるか
業務効率化ツールの中には導入に失敗した場合のリスクが高すぎるものもあります。
例えば、業種や業務効率化の目的が特殊でツールの仕様をフルオーダーした場合などです。
そこで、初期導入を小規模スタートできるツールを検討してみてください。
- 無料お試しサービス期間が2~3か月設けられている
- 人数制限有の無料プランがある など
少数での運用からスタートし実際の使用感やサポート体制、運用上の課題を検証できるのがメリットです。
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支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
業務改善ツールを導入するメリット
業務効率化ツール導入のメリットとしてコストパフォーマンス向上や生産性向上が挙げられます。
また、ヒューマンリソースの適切な配分を実現できるのもメリットです。
結果的に労働環境改善や商材の品質・サービスレベル向上も期待できるようになるでしょう。
それぞれどのように実現できるのか、メリット発生のメカニズムをみてみましょう。
コスト削減が可能
業務効率化ツールの導入によって単純作業や反復作業をツールが請け負うことができます。
そのため、それまでかけていたヒューマンリソースをかける必要がなくなるのがメリットです。
また、ヒューマンリソースの中には新人採用・教育にかかるリソースも含まれます。
例えば、新人社員の人件費や新人採用・教育にかかるコストです。
対して業務効率化ツールは10万円を超えることはめったにありません。
目先のコストカットが実現できるのも業務効率化ツール導入のメリットといえるでしょう。
生産性が向上する
業務効率化ツール導入による生産性向上はメリットの中でも大きなものですが、その要因は2つあります。
1つは雑務にマンパワーを割かなくてもよいので、よりクリエイティブな業務にヒューマンリソースを投資できるようになること。
また、人が行う作業はヒューマンエラーが無縁ではありません。
業務効率化ツール導入は「ひと」によるミスの未然防止にもつながり、社員の生産性向上にもつながるでしょう。
労働環境が改善する
企業の経営活動に欠かせないリソースで最も上位に位置するひとは基本的に売り手市場が続いています。
すでに優秀な人材ほど、より条件の良いところに転職しキャリアアップを図るのが当たり前です。
優秀な人材が求める条件の中にはワークライフバランスも含まれます。
多くの人材は不必要な業務を嫌うため、それをカバーする方法として業務効率化ツールが注目されているのです。
品質が向上する
業務効率化ツール導入メリットとして品質向上への期待値が高まる点も見逃せません。
特に期待できるのがヒューマンエラーの排除です。
人間がやる以上ヒューマンエラーの可能性は100%排斥することはできません。
例えば、人間とExcelが10桁の足し算・引き算を行う場合、より正解の確率が高いのはExcelです。
100%ミスなく業務を遂行する能力については人間よりも機械やソフトウェアの方が得意としています。
特にものづくりの現場では不良品が生まれる確率が限りなく0に近づくため品質向上が期待できるでしょう。
顧客へのサービス提供が向上する
業務効率化ツールの導入によるサービス品質向上の事例として、下記のような例があります。
<例>3名体制の営業チーム
- 3人がそれぞれ蓄積していた顧客ごとの対応注意点をリアルタイム共有できる業務効率化ツールに登録
- 各顧客対応ノウハウ共有により顧客へのアプローチがより効率的に
- 個々で顧客対応リストを作成する時間の省略
- 個々の顧客に対し、より繊細で有効な提案を戦略的にできる時間を確保
各顧客の対応ノウハウの属人化を解消し、リスト作成の時間短縮ができたことで業務効率化ツールのメリットを享受できた事例です。
また結果的に労働環境や商材品質・サービスレベル向上も期待できます。
業務効率化ツールにはどんな種類がある?
業務効率化ツールの主な種類は下記の通りです。
- コミュニケーションツール
- RPA
- 名刺管理
- 営業支援ツール
- 顧客管理ツール
- ペーパーレス化促進ツール
- タスク・プロジェクト管理ツール
- 会計処理支援ツール
- 人事労務支援系ツール
- 勤怠管理支援ツール
- マニュアル作成ツール など
中でも特に浸透している種類を絞るとしたら下記5つになるでしょう。
- コミュニケーションツール
- RPA
- 名刺管理
- ペーパーレス化促進ツール
- タスク・プロジェクト管理ツール
まずは自社の業務効率化目的を明確にし、課題を解決できる種類のツールを選びましょう。
おすすめ業務効率化ツール
多くの企業が特に業務効率化に悩んでいるのが次の5つです。
- 社内外のコミュニケーション
- 単純作業や反復作業にかかるコスト
- 名刺管理の煩雑化・属人化
- ペーパーレス化対応
- タスク・プロジェクト管理の煩雑化
そのため、この5つの改善ポイントを効率化するツールは多くの企業ですでに導入スタートしています。
各ツールの特徴をそれぞれ確認してみましょう。
コミュニケーションツールの場合
<Chatwork>
UIがシンプルかつオーソドックスなチャット形式で直感的な操作ができます。
ビデオ通話・・ファイル共有・ファイル管理などの様々な機能がありますが、特に便利な機能はタスク化です。
チャットルームで投稿したメッセージをタスク化して返信期限などを設けることができます。
また、無料プランがありスモールステップでの導入も可能です。
<Slack>
チャット機能を持った社内コミュニケーションツールで、チャンネルという括りをカスタマイズしてコミュニケーションが取れます。
部署全体・チームメンバーのみ・プロジェクトに関わっている社員だけといったように、チャンネルを使い分けることができるのです。
また、外部ツールとの連携のしやすさはコミュニケーションツールの中でもトップクラスです。
<Zoom>
オンラインでビデオ会議ができるコミュニケーションツールです。
コストパフォーマンスがよく、世界各国での導入実績も豊富にあります。
また、営業・マーケティングツールとしての活用事例も多くある点は注目すべき特徴といってよいでしょう。
セキュリティレベルが高い点もユーザーにとっては安心感を得る要素となっています。
RPAの場合
<WinActor>
日本企業が開発したツールで国内企業、特にこれまでにRPAツールを導入したことがない企業での導入実績が多いです。
プログラミングに関する知識がなくても使えます。
<BizRobo!>
ドラッグ&ドロップなど基本的なPC操作ができれば十分使いこなすことが可能なRPAツールです。
セキュリティ面も他RPAツールより突出しています。
名刺管理の場合
<Sansan>
国内トップシェアを誇る名刺管理ツールで、名刺をスキャンし直すだけで更新できます。
急な部署変更や役職変更にもすぐに対応できるため、社内外問わず組織内の動きが見えやすくなるのが魅力です。
名刺管理機能とあわせて顧客管理機能も十分な内容を備えています。
<CAMCARD>
端末を選ばず使える名刺管理ツールです。
営業部での活用に強いツールで、アポイントメントごとの概要を名刺と関連付けることもできます。
<Wantedly people>
無料アプリツールで、名刺交換でつながった相手の動きが見えやすいのが特徴です。
例えば、名刺交換によってスキャンした相手がWantedly peopleに登録した情報を確認できようになります。
一度つながりを持った取引先との縁が切れにくいのが魅力です。
ペーパーレス化ツールの場合
<セキュアSAMBA>
業務上必要なデータの管理・共有・保管をクラウド上でできます。
社内だけでなく遠方にある支社、テレワークで対応する社員、出張・出向中の社員とのデータ共有も簡単です。
<クラウドサインSCAN>
業務上必要なデータの中でも契約書をデジタルデータベースとして管理することに優れたツールです。
過去の契約書をデータベース化して検索・参照したり契約更新期日や契約満了日を知らせてくれるアラートも設定できます。
<Xーpoint cloud>
デジタルデータを紙の契約書のように取り扱えるようにUI/UXが追求されたツールです。
端末を問わず利用でき、書類の承認・決済にかかる操作をワンクリックで済ませることができます。
タスク・プロジェクト管理ツールの場合
<Backlog>
部署を問わず幅広く導入できるタスク・プロジェクト管理ツールです。
プロジェクトの進捗、プロジェクト達成に必要な各タスクの進捗がガントチャートで表示されるため、直感的に進捗・期限を把握できます。
<Trello>
Trelloの最も特徴的な点は管理する際のUIです。
各プロジェクトを1つのカードに見立て優先度順に並び変えたりできます。
カードにはメモ・プロジェクトに必要なデータファイル・期限などの重要事項を記載できるようになっています。
個人やチームなど小規模なタスク・プロジェクト管理に向いているツールです。
<jooto>
Trelloがカード形式のUIなのに対し、jootoは看板形式です。
必要な操作はドラッグ&ドロップだけでもできるので、パソコンの操作に慣れていない人でも扱いやすくなっています。
業務効率化ツールを活用して生産性を向上させよう
実は業務効率化と生産性向上は似ているようでベクトルが違います。
生産性向上とは投入するリソースの量や質をなるべく変えずに効率を高めることで、得られる成果を増やす方法です。
対して業務効率化は業務に必要なリソースの量の削減といったニュアンスを含みます。
業務効率化と生産性向上を両立するならば、まずは業務効率化ツールと生産性向上ツールをどちらも導入できないか検討してみましょう。
もしくはどちらも実現できるツールの導入もおすすめです。
紹介した業務効率化ツールの中には結果的に生産性向上を期待できるツールもあるため、しっかり効果検証してみてください。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
業務効率化ツールを自作する場合は
業務効率化ツールには様々なものがありますが、細かい部分の仕様が自社や各部署にマッチしないことも珍しくありません。
そこで検討したいのが各企業・各部署・各チームで業務効率化ツールを作成・カスタマイズできるツールです。
例えばUnitBaseというツールは各社員の個別Excelファイルを統合し自社にあったデータベースツールとしてカスタマイズできます。
特にニッチな業界・商材の企業であれば自作を選択肢に入れる価値は十分あるでしょう。
業務効率化ツールで悩んだら
業務効率化ツールは導入・運用に成功すれば社内リソースの効率的な運用につながります。
しかし、導入にあたり、下記のようなお悩みを持っている企業や担当者は少なくありません。
- どのように選べばいいのか?
- 何を導入すればいいのか?
- 本当に導入した方がいいのか? など
もし、業務効率化ツールについてこのようなお悩みをお持ちでしたらデジマクラスに相談してみませんか?
デジマクラスはWebマーケティング・デジタルマーケティング分野のコンサルティングで強いノウハウを持っています。
マーケティングとは企業が生み出す商材が半永久的に売れ続ける仕組みづくりです。
そのために必要な社内リソースの適切な配分やおすすめのツールについても各企業の事情や要望を汲んだ提案ができます。
また、第三者的な目線でアドバイスできるパートナーとして客観的な判断ができるのも強みです。
マーケティングツール導入・活用の事例はこちら
まとめ
業務効率化ツールは上手に活用できれば、コストパフォーマンスや生産性向上につながります。
また、ワークライフバランスの実現・品質向上・マーケティングノウハウ構築も期待できるでしょう。
すでに導入成功実績のあるツールも様々なものが登場しています。
自社にあった目的・特徴のツールを見つけるためにスモールスタートで効果検証を繰り返すのがポイントです。