インパクトのある効果を求め広告の手法も革新的なものが求められていますが、VR広告もその1つです。
VR広告とはその名のとおりAR(=仮想現実)を用いた広告手法であり、各業界・マーケター・クリエイターなどから注目を集めています。
とりわけマーケターは商材にマッチしたマーケティングを行う上で、常に新しい広告の手法を理解し取り入れることが大切す。
この記事ではVR広告のメリット・活用事例に加え、導入に適した業界や成功事例についてわかりやすく解説します。
目次
VRの仕組み
VRは目の動きに合わせて画像を動かす仕組みを用いて、立体的な映像に基づく仮想現実の世界を作り出しています。
目の動きに合わせて画像を動かすために必要となるのが、ヘッドセットと呼ばれるゴーグルです。
ヘッドセット内には、ディスプレイの液晶を右目と左目の別に映し出す仕組みが施されています。
なお、ヘッドセットにはより立体感のある映像が映し出すために、ピント調節機能などが搭載されているのがポイントです。
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VR広告の概要
VR広告とはVRによる仮想現実において表示される広告のことであり、ユーザーの視聴する動画内に映し出されるのが一般的です。
商品を映し出す場合、VR効果によりどの方向からでも商品を見ることができるため、ユーザーの購買意欲を大きく刺激します。
また、実際に手に触れた感覚も味わえるなど、従来の「見る」広告から「体験する」広告に進化しているのがVR広告です。
ただし、VR広告を体験するにはヘッドセットが必要となることが課題となります。
VR広告の活用方法
VR広告の特徴は「体験型」の広告であることですが、その特徴を引き出す活用方法は次のとおりです。
- 全方位型の商品画像
- 洋服・メイクなどの試着
- プロモーション動画
- 不動産の内見
VRは立体的な画像を提供するコンテンツであることから、いわゆる「お試し」が簡単にできることがポイントです。
また、出かけなくともヘッドセット内で世界中、どこにでも行けることも大きなポイントであり様々な活用方法につながります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
VR広告の活用事例
ここまでVR広告の概要や活用事例を紹介してきましたが、イメージしにくい部分もあると想定されます。
VR広告を導入するには、実際に活用している事例を確認して明確なイメージを持つことが大切です。
そこで、ここでは既にVR広告を導入して成功を収めている事例について紹介します。
MITEKURE
不動産を取扱う「株式会社リニューアルストア」ではVRを活用した「MITEKURE」を展開しています。
MITEKUREでは賃貸物件の内見のほか、リフォーム後の物件イメージの体感が可能です。
これまで賃貸物件の内見といえば、多大な時間を要することが大きな負担となっていました。
また、リフォームについてはイメージしていた雰囲気と完成後のミスマッチは大きな課題であり、VRの貢献度は非常に大きいといえます。
トヨタ
自動車メーカーの「トヨタ」では、安全装置を手軽に体感するたにVRを活用したシミュレーターを導入しています。
VRシミュレーターで体感できる先進技術は次のとおりです。
- 自動ブレーキ機能
- 踏み間違いサポート機能
両方とも実際に自動車に運転している感覚で体感できることから、安全装置の大切さを実感することができます。
トヨタでは積極的にVRを導入しており、今後も様々な形でVRを活用した広告・サービスが展開されるでしょう。
Davos Klosters
スイス・チューリッヒのスキーリゾート「Davos Klosters」では、VRを活用したプロモーションを行い注目を集めました。
イベント会場内に設置したリフトに乗り込み、ヘッドセットを装着した習慣からイベントは始まります。
リフトを登りきるとDavos Klostersの雪景色が前面を多い、まさに雪の別世界です。
また、料理が運ばれるシーンでは実際の料理が運ばれてくるなど、Davos Klostersの魅力を存分に伝える内容でした。
まさに体験型といえる内容で、Davos Klostersへの訪問者アップにつながったことが想定されます。
VR広告が使われる業界
VR広告は多くの企業に注目されていますが、具体的にはどういった業界が向いているのでしょうか。
ここではVR広告が向いている業界と、使われる理由・活用方法について解説します。
ファッション業界
ファッション業界は常に新しいマーケティングの手法を問い入れ、最先端の広告動画を提供しています。
したがって、多くの企業がVR広告を導入しており、ファッションショーにVRを用いる企業も少なくありません。
さらにはヘッドセント専用のバッグを制作・販売しているブランドもありVRの普及に貢献しています。
また、多くのユーザーはファッションアイテムを購入する際には試着をしていますが、時間がかかり面倒であるのも事実です。
そこで、ファッション業界では試着にもVR広告を活用して、消費者のニーズに応えています。
化粧品業界
化粧品業界ではプロモーション動画にVR広告を活用して、ブランディング効果の向上を目指しています。
また、化粧品を購入する際、消費者はテスターを活用して決めますが複数の色味を試すことは不可能です。
しかし、VR広告であれば何度でも様々な商品を試すことが可能であり、購入後に後悔することもありません。
また、メイク法をVR動画によって解説することで、一般の動画では伝えきれないコツを説明することも可能です。
スポーツ業界
スポーツ業界ではジムなどの会員募集にVR動画を活用して、疑似体験を行うことで会員拡大に努めています。
マリンスポーツなど言葉だけでは伝えきれない魅力もVRであれば、五感に訴えかけることが可能です。
また、プロ野球「横浜DeNA」では実際のトレーニング風景をVR動画に落とし込み、ファン拡大に向けた取組みに活用しています。
コロナ禍の状況下において、体験入会やファンとの触れ合いが制限される中にあって、VR広告は大きな成果を上げることが可能です。
食品業界
食品業界ではユーザーを仮想空間に招待することで、自社製品のアピールに成功しています。
製菓メーカーのグリコでは人気女優を起用して、「お疲れさま」と語りかけるVR動画を作成して商材のイメージアップに成功しました。
マクドナルドでは、商品を梱包している箱でVRゴーグルを組み立てる企画を実践し、マーケティング業界を驚かせています。
さらに、VRで仮想店舗を作成することで、自宅に居ながら店舗で注文する雰囲気を提供する企業も出てきているのが現状です。
不動産業界
不動産業界はVR広告と非常に相性の良い業界だと知られています。
なお、不動産業におけるユーザーの主な要望・課題は以下のとおりです。
- 複数の物件を短時間で内見したい
- 遠方の物件を内見したい
これらの要望・課題に簡単に応えられるのがVR広告であり、多くの自動産業に導入されたいます。
また、最近ではリフォームにVR広告を活用する不動産会社も少なくありません。
リフォーム後に失敗に気付いても修正することは簡単ではありませんが、リフォーム前にVRで確認しておくと安心です。
自動車業界
自動車業界はVR広告の導入が進んでいる業界の1つです。その理由が簡単に複数の車種に試乗できる点です。
自動車を購入する際には大半の消費者が試乗しますが、時間の成約や公道に出る不安から試乗に躊躇する人も少なくありません。
VR広告を導入すればショールームから外に出ることなく、思う存分に試乗することが可能です。
また、自動車の製造過程をVR動画に落とし込むことで、ブランディングを促す自動車メーカーも増えています。
VR広告のメリットや効果
IT技術の進化は凄まじくVR広告は、今後さらに拡大・進化することが想定されており、マーケターはその波に乗り遅れてはなりません。
そのためには、VR広告のメリットを適切に理解し、ユーザーの興味を惹くVR広告を作品として制作することが大切です。
ここでは、マーケターが理解しておきたいVR広告の具体的なメリットについて解説します。
没入感がある
VR広告のメリットは没入感があること、すなわちユーザーの集中力を高めやすいことです。
テレビやYouTubeなどの動画広告では、商材の内容をコンパクトに伝えることに重点が置かれているため「説明」が内容となります。
これに対してVR広告は「体験」を主たる内容としているため、ユーザーが広告に没入しやすく視聴時間が長くなるのが一般的です。
したがって、VR広告を制作する際には、より「没入感」が得られるよう仕掛けを施すことが重要になります。
ユーザー目線になれる
ユーザー目線となれることもVRを広告に活用する大きなメリットだといえます。
VR広告の特徴はユーザーが実際に商材を疑似体験できることであり、マーケターが強く意識しなくてはならないポイントです。
洋服を購入する際、多くの消費者は試着をしますが、VR広告では洋服だけでなく、あらゆる商材を自宅で「お試し」できます。
しかも極めてリアルな空間で疑似体験できることから、これまでの広告の作成方法とは全く異なることを理解すべきです。
したがって、VR広告を制作する際には、より「ユーザー目線」を意識したストーリー作りが重要になります。
自然な流入が見込める
VRを広告に導入することで、ユーザーの自然な流入が見込めることもメリットの1つです。
VR広告はいきなり動画広告を流すのではなく、まずユーザーを仮想現実に引き込むことからスタートします。
ユーザーは仮想現実の中で興味を持ったものに対し、一定時間視線を傾けることで動画が流れるため不自然さや押し付け感がありません。
まるで、散歩中に目に止まった看板を眺める感覚で、動画広告を体験できるのがAR広告のメリットだといえます。
VR広告の今後の課題
VR広告は極めて効果的な広告手法である反面、発展途上の手法であり課題も山積しているのが現状だといえます。
もちろん、VR広告の普及・浸透は時間の問題ですが、現時点における課題を把握しておくことはとても大切です。
ここでは、VR広告の導入を前提に、現時点で抱える課題を将来性とともに解説します。
ヘッドセットの流通量
VRの浸透を阻む最大の「壁」がヘッドセットの流通量の問題です。
VR広告を視聴するにはAR専用のヘッドセットが不可欠であり、その価格も大きな課題です。
当初は3万円を超えていたヘッドセットでしたが、最近では5千円を下回るものも増えています。
ただし、VR広告を体験するためだけでヘッドセットを購入する人はいません。
ゲームや映画などのコンテンツに頼らざるを得ないのが現状ですが、最近では徐々にVRコンテンツも増えています。
したがって、今後はヘッドセットの流通量拡大も十分に見込まれており、将来性は明るいといえます。
制作コスト
VR動画は特殊な技術を用いて撮影するため、以下のとおり制作コストが割高です。
- 3DCG制作費:40万円以上
- 撮影費:5万円~30万円
- 編集:5万円~25万円
- 音響・ナレーション: 5万円~10万円
- オプション:5千円~2万円
この中でVR動画固有のコストが3DCG制作費40万円であり、単純に40万円以上のコストが上乗せされます。
これらのコストについて経営者が割高だと感じるか割安だと感じるかは、VR広告によって得られる結果・実績次第です。
テレビCMであれば内容によって数百万円の制作コストが必要ですが、リターンが大きいことから割高と考える経営者は多くありません。
VR広告については発展途上の手法であり、成果が不明瞭な点も多くため割高だと感じている経営者もいます。
しかし、インターネットを通じて配信するVR広告は、面白い内容であればSNSなどで拡散され大きな効果が現れることも少なくありません。
つまり、VR広告の制作費を割高と考えるか否かは、経営者の考え方や得られる効果によって変わるものだといえます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マーケティングで活用するポイント
VRをマーケティングで有効活用するには、既成の概念にとらわれず「体験型」の広告表現を追求することが重要です。
商品を紹介する際にも単に商品画像を見せるのではなく、普段はあまり見ない方向から見せることで発見できるポイントを紹介します。
ファッション系であれば、VR内でいくつもの商品を試着できるだけでなく、その背景を変えるといった工夫も大切です。
大切なのはユーザーが体験したいこと、またそれを上回るアイデアを踏まえてVR広告をつくることだといえます。
VR広告で悩んだら
VR広告の導入で悩んだらデジマクラスのコンサルティングの活用を検討してみましょう。
VRは開発途上の技術であり、経験の浅いマーケターだと悩みを抱え込むばかりで前に進めないことになりかねません。
デジマクラスにはVRを活用したマーケティングに関する、様々なノウハウをもったコンサルタントが在籍しています。
業種や目的にマッチしたAR広告の作成・活用方法をしっかりとレクチャーしてもらえるでしょう。
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まとめ
VR広告は次世代のマーケティング手法として注目されており、多くの企業で導入が検討されています。
VR広告の特徴は「体験型」の広告を提供できる点であり、商品画像や特定の場所を立体的に表現できる点です。
したがってユーザーは仮想現実の中で商品を実際に手に取っている感覚や、その場所に居る感覚を味わうことで購買意欲がアップします。
様々な可能性ももったVR広告ですが、発展途上の技術でありマーケティングの手法も確立されていません。
今後、VR広告を導入するにはデジマクラスのコンサルティングに相談し、有効な活用方法に関するレクチャーを受けると良いでしょう。