「トキ消費で成功した事例を知りたい!」と思っている方もいるかと思います。
トキ消費とは、「その場・その時でしか体験できない体験を経験する消費」のことです。
トキ消費はコト消費の次に出てきた概念で、ビジネスチャンスを生むきっかけにもなり得ます。
そこで今回は、トキ消費の事例付きで詳しく解説していきます!
トキ消費が注目される背景や、トキ消費の特徴についても紹介しているので、こちらも参考にしてください。
目次
モノ・コト消費からトキ消費へ
モノ消費・コト消費ときて、次はトキ消費へと変容しつつあります。
その流れについて軽くお伝えします。
最初に注目されたのは「モノを持っていることに価値がある」とするモノ消費でした。
これは大量消費・大量生産が大きく関係していて、ブランド品や高級車など他の人とは違うモノを持っていることに価値があった時代です。
しかしこれをずっと続けていくと、いずれ飽きますし、ものが余ってしまいます。
そこで次に注目されたのが、「モノではなくて体験をすることに価値がある」とするコト消費でした。
ここでより人々は、自分が何かをすることに価値を見出し、消費を続けていったのです。
ただ、IT化がより進展しつつあり、より個別化が進み、どこにいても同じような体験ができるようにもなってきました。
そこで台頭してきたのが、「その場・その時でしか体験できない体験を経験する」というトキ消費なんです!
トキ消費が注目される背景
ここではトキ消費が注目されるようになった背景について紹介していきます。
トキ消費注目されるようになった理由は以下の2つです。
- 音声メディア利用者の増加
- 若者が牽引
それでは順に見ていきましょう。
音声メディア利用者の増加
音声メディアを利用する人が増えたのもトキ消費が注目されるようになった理由の1つです。
例えば次のようなものが挙げられます。
- Sportify
- Podcast
- Clubhouse
特にSportifyなどの音楽配信サービスの利用者が増えています。
いつでもどこでも音楽をダウンロードして聞くことができるのが大きな理由でしょう。
あとは、Audibleなどの音声で聴く読書なども着々と増えつつあります。
若者が牽引
若者がこういったトキ消費を牽引しているという理由もあります。
2021年時点、20代の若者はスマホ世代ということもあり、スマホを取り扱うことに慣れています。
そのため上記で挙げた音声メディアなども積極的に使っている印象です。
その他にもいろんな情報にアクセスすることができるので、自分が気になったものをどんどん検索する傾向にあります。
そこから体験してみたいという感情につながり、実際に体験するという行動へと移っていくんです。
以上のことから、デジタルネイティブだからこそ、若者はトキ消費との親和性が高いため牽引しているともいえます。
トキ消費の特徴
ここでは、トキ消費の特徴について簡単に紹介します。
トキ消費の特徴は、次の3つです。
- 非再現性
- 参加性
- 貢献性
それでは順に紹介していきます。
非再現性
非再現性とは、時間や場所が限定され、同じものは二度と味わえないというものです。
アーティストのライブで考えてみましょう。
アーティストのライブは、ツアーで回ることもありますが、基本的にセットリスト(曲順)は変わりません。
ただし、その会場やアーティストのテンションによっても、日が違うと全く違う体験をすることもあります。
つまりライブは生ものなので、同じライブは二度と体験できないんです。
以上のようなことが非再現性となります。
参加性
参加性とは、不特定多数の人たちと一緒に、その体験や経験を共有することです。
これもライブで考えてみましょう。
例えば、特定のアーティストのライブに行くと、だいたいそのアーティストが好きな人が多いです。
そこで好きな曲や、その時のライブの印象などを共有することができます。
つまり、そういったライブに参加することで、同じ価値観の人とその時の体験や経験を共有することができるのです。
以上のようなことが、参加性という特徴になります。
貢献性
最後に貢献性です。これもライブで考えてみましょう。
例えば、ライブ中に、アーティストが観客に向けて「歌ってほしい」と促すこともあります。
そこでみんなで一緒になって歌うことで、ライブの盛り上がりに貢献しているのです。
つまり、一緒に参加してその場を盛り上げようと貢献することが、貢献性となります。
- 時間や場所が限定されていて二度と同じ体験ができないのが非再現性
- 不特定多数の人と時間を共有するのが参加性
- 一緒に参加してその場を盛り上げようとするのが貢献性
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
トキ消費をビジネスに変える手がかり
ここでは、トキ消費をビジネスに変える手掛かりについて紹介していきます。
主に以下の3つです。
- トキのテーマを与える
- 新たなトキを想像する
- モノ・コト・トキの循環
それでは解説していきます。
トキのテーマを与える
これはいわゆるお題のことです!
テーマを何をするかによって、参加する層も変わってきます。
テーマが決まったら、例えば次のようなものを手掛かりにユーザーが参加できそうなものを考えてみるといいです。
- キャンペーン
- X(旧Twitter)などのハッシュタグ
特に、顧客が参加できて盛り上がれるようなテーマを選ぶことが重要です。
新たなトキを創造する
テーマが決まったら、新たなトキを創造するフェーズに移りましょう。
いわゆる、顧客の新しい習慣を作れるようにしていくことが重要です。
例えば、次のようなものは決まった日・季節の風物詩みたいに新たな習慣になっています。
- ポッキーの日
- 夏の初めに放送されるサマーウォーズ
この2つからわかるように、短期的ではなく長期的なものになるように意識することが大切です。
モノ・コト・トキの循環
モノ・コト・トキの循環サイクルで必ず考えるようにしましょう。
モノ消費の後にコト消費がきて、次にトキ消費がくるように、順序があるのです。
同時に全て進めても全て中途半端になってしまいますし、最初からトキ消費だけでできることは限られてしまいます。
なので、まずはモノを作ることから始めていくことが大事です。
加えて、ずっと同じようなトキ消費が続くわけでもありません。いずれ終わりがきます。
なので、先手先手でモノを作って新たな体験をできないか模索する姿勢が大事になってきます。
- トキのテーマを考える
- ポッキーの日など新しいトキを創造する
- モノ・コト・トキの循環サイクルを意識しておく
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トキ消費ビジネスの成功事例
ここではトキ消費ビジネスの成功事例について3つ紹介します。
- Glico
- フレッシュネスバーガー
- オンラインダイニング「ズムメシ」
しかし、事例ですのであくまで参考にする程度にしてください。
Glico
Glicoはポッキーの日(11月11日)が代表的なトキ消費です。
またX(旧Twitter)などで「#ポッキー」と呟くことでSNS上で参加したり、繋がれたりもします。
他にも2021年時点で、「ポッキー VS プリッツ組 バーチャル運動会」などのイベントも開催したりしています。
このようにユーザーに参加できるようなイベントも提供しているのが、Glicoの事例です。
フレッシュネスバーガー
フレッシュネスバーガーは、2017年に「スパムバーガー生き残りキャンペーン」というものを開催していました。
これは、売り上げがワースト1位だったスパムバーガーをメニューとして続けるかどうかを決めるキャンペーンです。
条件として以下の内容が提示されました。
- 売り上げランキングベスト8に2週間続けてランクインすれば継続
- ベスト8に入らなければ販売終了
結果2週間連続でベスト8内にランクインし、売り上げも3倍に増やすことができたのだそうです。
このようにメニュー存続を利用者に参加して決めてもらい、非再現性の日常を体験してもらうというトキ消費の事例です。
オンラインダイニング「ズムメシ」
最後にズムメシです。
ズムメシは、お気に入りのお店にオンラインで集まって、その場に居合わせた人と同じ時間を一緒に楽しめるサービスです。
居合わせた人と話すだけではなく、作り手側の作る過程も見ることができるのが特徴として挙げられます。
また、2020年以降、リモートワークや巣篭もり需要が少しずつ増えてきたのも大きな理由です。
巣篭もり需要が増えたからこそ、このサービスを利用するとネット上で普段会えない人とも会え、その場限りの体験をできる非再現性を味わうことができます。
新たな生活様式が浸透しつつある現代だからこそ、注目されるトキ消費です。
トキ消費のビジネスを成功させるポイント
ここではトキ消費のビジネスを成功させるポイントとして、2つ紹介します。
- 企業と消費者の交流
- 消費者の満足感
それでは順番に紹介していきます。
企業と消費者の交流
企業と消費者が交流できるような仕組み設計を作ることが重要です。
これはライブでいうアーティストと観客のようなものです。
一方的にアーティストが歌うだけであれば、観客側はつまらなくなってしまいます。
なので、適度に観客が参加できるような状況を作ってあげるのがポイントになってくるのです。
これは他のイベントに当てはめても同じです。
例えばある企業の社長が講演会を行う時、次のようなことがあると顧客と交流を図ることができます。
- 指名制でディスカッションする場を設ける
- サイン会を式の終わりに行う
参加して貢献し、非再現性を味わえることがキーになってくるので、どうやって交流を図るかが重要になってきます。
消費者の満足感
消費者の満足感知ることは、今後トキ消費のビジネスを加速させていくには重要です。
結局のところ、消費者の方に参加してもらえなければトキ消費は成立しません。
なので、アンケートや調査を行い、どういうところに満足感を感じてどこに不満を持ったかを知る必要があります。
もちろんその日と同じ体験をすることはできませんが、今後のビジネスのためにも消費者の意見をデータして取っておくことが大事です。
- 企業と消費者の交流できる場を設ける
- 消費者の満足感をイベント後にデータとして蓄積する
マーケティング戦略の事例はこちら
消費者ニーズへの柔軟な対応が大切
トキ消費では、消費者ニーズへの柔軟な対応が必要になってきます。
なぜなら、その時々によって求められるニーズが変わっていくからです。
特にトレンドを常に追いかけて、ブラッシュアップしていく姿勢が大事です。
また、季節なども関係してきます。
例えば夏であればマリンスポーツが求められ、冬であればスキーやアイススケートが求められるように、季節性のものもあります。
もちろん、年中を通して体験できるトキ消費もありますので、そちらを軸に展開していくのもありです。
総じて、消費者が今どういうニーズを抱えているかをしっかり追っていくようにし、柔軟に対応していくようにしましょう!
- 現在のトレンドを追っていくべし
- 季節なども考慮していくべし
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
トキ消費で新たなビジネスチャンスを
モノが飽和し、巣篭もりの需要が高くなってきたからこそ、トキ消費にはビジネスチャンスがあります。
加えてトキ消費は、競合が少ない傾向にあります。
なのでやり方次第にはなりますが、市場を独占できる可能性もあるんです。
そうすると独自のポジションを築くことができるので、リピーターが増えるきっかけにもなるでしょう。
ぜひトキ消費をビジネスに取り入れて、自身のビジネスチャンスに活かしてみてください。
トキ消費のビジネスに悩んだら
トキ消費については今まで解説してきた通りです。
ただ、中にはどういうビジネスで勝負したらいいかわからないという方もいらっしゃるかと思います。
そんな時はデジマクラスまでご相談ください。
デジマクラスでは、マーケティングの観点から、上記以外の様々なトキ消費の事例を紹介します。
加えて、現在の状況を踏まえて、どういうビジネスを展開していくべきかの提言も行わさせていただきます。
弊社と一緒に、トキ消費のビジネスチャンスを広げていきましょう!
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
ここまでトキ消費について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
簡単にここまでのことをおさらいしておきましょう。
- トキ消費は、非再現性・参加性・貢献性の3つが重要な指標
- 企業と消費者の交流の場を設けるべし
- 最新のトレンドは必ず追っていくようにしよう!
トキ消費では、非再現性・参加性・貢献性の3つの特徴が大事になってきます。
どれか1つでも欠けてしまうと、顧客の満足度はグッと下がってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、非日常を体験してもらい、トキ消費を成功させるには企業と消費者の交流の場を設けるといいでしょう。
さらに、ユーザーのニーズに対応するためにも、最新のトレンドは必ず追っていくようにしてください。
もしトキ消費で何をしていけばいいかわからない場合は、デジマクラスまでご連絡ください!
この記事があなたに取って参考になれば幸いです。