BtoB企業ではSNSマーケティングはあまり重要視されてきませんでしたが、最近では積極的に導入している事例が散見されます。
そもそもX(旧Twitter)やInstagramに代表されるSNSは個人間のコミュニケーションツールと認識されてきたのがその理由です。
しかし、近年では企業がSNSを通じて様々な情報を発信しており、BtoB企業においても無視できないツールとなりました。
この記事ではBtoB企業におけるSNSマーケティングの効果やメリットに加え運用のポイント・活用事例を紹介します。
目次
BtoB企業のSNSマーケティングの効果
SNSマーケティングの導入を検討するにあたって大切なことは、その効果を明らかにすることです。
「競合他社が導入している」「何となく効果がありそう」といったアバウトな考え方では、期待する効果を得ることはできません。
SNSマーケティングの目的を明確にするためにも、その効果を把握しておくことは必須です。
ここでは、BtoB企業がSNSマーケティングを実践することで期待できる効果について考えてみましょう。
見込み顧客のロイヤリティ向上
SNSマーケティングを実践することで、見込み客のロイヤリティ向上が見込まれます。
SNSの特徴はタイムリーな情報をベストなタイミングでカジュアルに発信できることです。
見込み客は気になる企業のアカウントをフォローすることが大半ですが、タイムリーに情報が発信されることで「親しみ」を覚えます。
つまり、見込み顧客のロイヤリティの向上が期待されるとともに、売り上げに結び付きやすくなるでしょう。
情報収集にもなる
SNSは情報を発信するだけでなく、情報収集を行うツールとしても非常に優秀です。
例えばX(旧Twitter)を活用した場合、新商品やキャンペーン情報を発信すると、即座に「リツイート」「いいね」などの反応が返ってきます。
高評価がたくさん得られればマーケティング戦略が順調であることを示し、評価が芳しくなければ改善が必要です。
加えてSNSは見込み客から様々な意見が寄せられることからも、情報収集を行うには最適なツールだといえます。
解約抑止効果がある
BtoB企業がSNSマーケティングを導入することで解約抑止効果も認められています。
BtoBでは長期契約を行うサービスも少なくありませんが、解約を抑止するには定期的な情報提供が不可欠です。
その点、SNSであれば定期的に情報提供を行うことが可能であり、自動配信を利用すれば「漏れ」を防ぐこともできます。
もちろんX(旧Twitter) などにおいてはDM機能も充実していますから、個別の顧客に向けた情報発信も可能です。
BtoB企業にSNS運用が重要な理由
BtoB企業においてSNS運用が重要視されるようになった理由に、多くの企業が情報収集にSNSを利用していることがあげられます。
インターネットの普及により、BtoBマーケティングを円滑に進めるには情報の精度に加えスピードも求められているのが現状です。
その点、SNSはタイムリーな情報をスピーディに流すことができるため、企業のトップがメッセージを発信することもあります。
SNSはもはやBtoCやCtoCだけのものではなく、BtoBにあっても大きな成果が期待されるツールです。
言い換えれば、SNSが使いこなせない企業は市場から取り残されてしまう可能性もあります。
SNS運用のメリット
前項で紹介したとおり、BtoB企業においてもSNSの運用は不可欠ですが、具体的なメリットとはどういったものでしょうか。
BtoB企業がSNSの運用を始める場合、その効果をいち早く実感するには運用メリットを把握しておくことが不可欠です。
ここではBtoB企業においてSNS運用を開始するにあたって、必ず把握しておきたい運用メリットについて紹介します。
商品やサービスの認知度向上
BtoB企業がSNSを運用するメリットとして、真っ先に思い浮かぶのが自社商品やサービスの認知度が向上することです。
SNSは迅速に情報を発信できるため、最適なタイミングで自社商品・サービスの情報を発信することができます。
したがって、自社アカウントを既にフォローしている顧客であれば、実績に直結させることが可能です。
また、SNSは不特定多数のユーザーに向けて情報発信することから、リードの獲得に結びつけられることもメリットだといえます。
ブランディング効果も
BtoB企業がSNSを運用することで、ブランディング効果も大いに期待できます。
かつて、SNSの利用年齢層は若年層が中心でしたが、幅広い世代に浸透して居るのが現状です。
したがって、ターゲットに合わせたアカウントのデザイン・内容とすることが課題となります。
デザインについては、ターゲット層にアピールできるおしゃれなもの、内容はユーザーに役立つコンテンツを意識しましょう。
ターゲットのニーズに応えられるアカウントとなれば高評価につながり、ブランディング効果を得ることができます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
SNS運用のデメリット
BtoB企業においてSNSを運用する場合、メリットばかりではなくデメリットがあることも理解しておきましょう。
なお、SNS運用におけるデメリットは以下のとおりです。
- 誤った情報・コンテンツの訂正が困難
- 悪評がすぐに拡散してしまう
- ユーザー離れを引き起こすことがある
SNSは情報が瞬く間に拡散されてしまうため、誤った情報・コンテンツを流してしまった場合、そのフォローは極めて困難です。
一度流れてしまった情報は尾びれ背びれがついて拡散されるため、収集がつかなくなることも少なくありません。
また、コンテンツの内容に関係なく自社に不祥事が発生すると、アカウントが炎上してしまうと企業のイメージを大きく損ないます。
さらに、一度炎上してしまうとユーザー離れに歯止めが効かなくなることも大きなデメリットです。
SNSマーケティングの事例はこちら
SNSマーケティング実施の流れ
SNSマーケティングには実施の流れがあり、これを理解しておくことでBtoB企業におけるマーケティング戦略がスムーズになります。
ここではマーケターが理解しておきたい、SNSマーケティング実施の流れについて解説します。
ゴールを明確化する
BtoB企業においてSNSマーケティングを実施するには、まずゴールを明確化することから始めます。
なお、ゴールを定める際には、以下のとおり具体的に定めることが大切です。
- 既存顧客の平均LTVの引き上げ
- 新規のリードの獲得件数
- SNS経由の商談の成約率
SNSマーケティングのゴールとしてフォロワー数や「いいね」の数を上げる人もいますが「適切ではない」といえます。
BtoB企業においてSNSを運用する目的は実績につなげることであり、人気アカウントを作り上げることではありません
SNSマーケティングにおけるゴールはあくまでも実績につながるものにすることが重要です。
ターゲットや提供価値を選定
前項で紹介したとおりSNS運用におけるゴールが明確になったら、ターゲットや提供価値を選定しましょう。
単に情報を流すだけのアカウントだとターゲットに訴求することはできません。
具体的には「誰に」「何を伝え」「どういった課題を解決するのか」もしくは「どういった情報を提供するのか」から考えます。
また、ターゲット及び提供する価値が定まれば運用するSNSの種類も自ずと決まるでしょう。
継続的に更新する
BtoB企業がSNSを運営していく中で課題となるのが、誰がどういったタイミングでコンテンツを更新するかといった点です。
SNSは一般的なWebサイトと異なり、コンテンツは継続的に更新しなければ、すぐに忘れ去られてしまいます。
また、コンテンツの質が低いとユーザーからの反応もなくなり、SNS運営に限界を感じる人も少なくありません。
ユーザー離れを起こさせないためにも、一定期間で質の高いコンテンツを更新することが重要です。
一定期間に漏れなく質の高いコンテンツを更新するには、以下の方法が有効になります。
- あらかじめシナリオを作って更新する
- 外注に更新を依頼する
- ツールを活用して自動更新を行う
なお、SNS運営に本腰を入れて取り組むなら、責任者を配置し役割を明確にすることも良い方法です。
PDCAを回していく
BtoB企業においてSNSを運用し目的を達成するには、PDCAサイクルを回して検証・修正を重ねることが不可欠です。
SNSは簡単に様々なコンテンツを発信することができる上、ユーザーの反応を即座に確認することができます。
したがって期待する効果が得られなかった際には、改善点を見つけ出し即座に実行することが重要です。
PDCAサイクルを回すごとに、徐々に顧客のニーズにマッチしたSNSアカウントに成長させることができます。
SNS運用のポイント
BtoB企業においてSNSを運用する際には、以下のポイント押さえておきましょう。
- 目的に合わせてSNSを使い分ける
- 宣伝・広告を控える
- 新着性・信頼性・親近感を意識する
- 配信日時に配意する
SNSにはX(旧Twitter)をはじめFacebook・Instaglam・LINEなどがありますが、それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
また、SNSにおいて宣伝・広告が多いとユーザー離れにつながりかねないことから、できる限り控えることが得策です。
SNSは情報が短時間で拡散される媒体であることから、新着性・信頼性・親近性を意識することが大切になります。
なお、ターゲットとなるユーザーが稼働している時間帯に配信することもSNS運用のポイントです。
SNSマーケティングの事例はこちら
SNS運用の注意点
BtoB企業がSNSを運用する場合、単に情報を発信すれば良いというものではありません。
SNSの場合、有益だと評価されたコンテンツは拡散しますが、間違った投稿をすると炎上してしまうこともあります。
ここでは、BtoB企業がSNSを運用する際に注意すべき点について解説します。
価値のあるコンテンツが必要
BtoB企業においてSNSを運用する場合、価値あるコンテンツを提供し続けることが必要不可欠です。
SNSを利用しているユーザーは価値あるコンテンツを求めて、様々なアカウントをフォローしています。
また、同じジャンルのアカウントを複数フォローする傾向があるため、常に競合他社のアカウントと比較されているのが現状です。
ユーザーから「価値がない」と判断されると、フォローが外されるだけでなく競合他社に流れてしまうことも少なくありません。
なお「価値のあるコンテンツ」とは、ユーザーによって大きく異なります。
特にBtoB企業の場合、購買プロセスにおけるフェーズや担当者の立ち位置によっても異なることを理解しておきましょう。
運用を間違えると炎上する可能性も
SNSは様々なコンテンツを迅速に発信できる反面、運用を間違えると炎上する可能性があることを心得ておきましょう。
炎上するパターンとして考えられるのが、自社における不祥事や発信したコンテンツの内容が配慮を欠いた場合です。
なお「コンテンツの内容に配慮を欠く」とは、コンテンツの内容に虚偽・悪意がある場合が大半であり、発信者において避けられます。
SNSで情報発信する際には、チェック体制を強化するなど、コンテンツの内容については十分に注意しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
SNSマーケティングの活用事例
既にSNSを活用しているBtoB企業においては、様々なアイデアを用いてブランディングやリードの獲得につなげています。
これからSNSの運用を考えている企業においては、活用事例をチェックすることで、思いもよらないアイデアを見つけることも可能です。
ここでは、素晴らしいアイデアを用いてSNSを運用している企業の活用事例を紹介します。
「コルペコ建機」における活用事例
建設機械メーカー「コルペコ建機」はブランディング・自社商品の認知・集客を目的にX(旧Twitter)を運用しています。
建設機械を身近なものに感じてもらうため、自社商品の説明やイベント情報・企業の沿革などをわかりやすく配信しているのが特徴です。
特に建機を題材とした「ぬり絵」は細部まで細かく作成されており、遊び心満載で多くのユーザーから支持されています。
また、オウンドメディアやYouTubeと連携することで、リードの獲得にも繋げといった戦略も秀逸です。
「デンソー」における活用事例
自動車部品メーカー「デンソー」はブランディング・自社商品の認知を目的にInstagram及びFacebookを運用しています。
Instagramではその特性を活かし、普段では見られない自動車部品の珍しい画像を投稿しているのが特徴です。
Facebookでは週に1回、自動車部品の役割や地球環境との関係性などを中心としたミニコラム的な内容の記事を投稿しています。
それぞれのSNSの特徴を理解して使い分けることはSNS運用の基本であり、デンソーのアカウントから学ぶべき点は多いでしょう。
SNS運用に関する悩みの解消方法
BtoB企業においてSNSを適切に運用するには、その特徴を理解した上で質の高いコンテンツを提供し続けなければなりません。
また、フォロワーをいかにリードに結び付けていくかも大きな課題であり、豊富な経験が必要です。
そのためSNSの運用に悩んでしまうマーケターも少なくありません。SNS運用に悩んだらデジマクラスに相談してみましょう。
デジマクラスではBtoB企業のSNS運用に関して多くのノウハウを持っており、企業の現状に即したコンサルティングを行っています。
SNSマーケティングの事例はこちら
まとめ
BtoB企業におけるSNSマーケティングが重要視されるようになり、マーケターの力量が問われています。
SNSの特徴は情報伝達が早い事であり、マーケティングに活用するメリットは商品・サービスの認知度向上及びブランディング効果です。
しかし、単に情報を発信するのではなく、ターゲットを絞りSNSを活用する目的を明確にすることが重要になります。
そして何より大切なことは、ユーザーにとって価値あるコンテンツを配信し続けPDCAサイクルを回すことです。
ただし、SNSは運用を間違えると炎上することもあり、上手に活用するには豊富な経験とノウハウが必要となるでしょう。
デジマクラスではBtoB企業のSNS運用に関して、確かなノウハウと豊富な経験で企業の現状に応じたコンサルティングを行っています。