ブランドストーリーの事例を解説!ブランドストーリーの作成方法やブランドストーリーを活用したブランディングのコツもご紹介

多くの企業がブランディングに取り組み、企業自体はもちろん、商品やサービスのアピールやマーケティングに活用しています。

ブランディングに有効な手段の1つがブランドストーリーの活用です。

ブランドストーリーやブランディングの重要性は感じているものの、どう対応すべきか悩んでいる人は多いことでしょう。

このような疑問、悩みを解消すべく、今回はブランドストーリーについて解説します。

ブランドストーリーの概要

モノ・サービスともに飽和状態ともいえる状況になっている中、ライバル企業との勝負材料はそう多くありません。

こうした状況での戦略として真っ先に思いつくのが価格競争です。

しかし、販売する内容によっては薄利多売作戦が通用しないケースも往々にして出てきます。

また、価格が安いから売れるという市場ではないケースもあるでしょう。

そこで注目されているのがブランドストーリーです。

商品やサービスに物語=ストーリーを持たせ、より多くの人の“共感”を得る…これがブランドストーリーの核となります。

商品やサービスにかける熱い想いや完成までの道のりを紹介し、人々の共感を武器として“買いたい”と思わせるようにします。

 

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企業ブランディングにおけるブランドストーリーの価値

ブランドストーリーを構築し、ブランディングが成功した際の価値はいくつかありますが、価格競争と縁遠くなることが最大の価値といえます。

消費者は同じ品質の商品が2つ並んでいた場合片方が有名ブランドであれば、そちらを選ぶ場合が大半です。

両方とも知名度が低い場合、商品の説明があれば、それに目を通して共感したほうを選びます。

つまり、ブランディングを確立できれば、競合商品やサービスよりも高額でも購入してもらえる可能性が高くなるということです。

これにより安売りに頼らずとも安定的な利益を上げられるようになるのです。

 

ワンポイント
ブランドの確立は価格競争からの脱却にもつながる。

ブランドストーリーの事例

人々の共感を得るためにはどのようにはどのようにすべきなのでしょうか。

実際の事例から読み取るのがもっとも効率的です。

ブランドストーリーを確固たるものとし、成功を収めている3つのブランドを紹介します。

ココマイスター

「ココマイスター」は熟練の革職人が希少な欧州の皮革で作る革製品の手掛ける日本のブランドです。

同社のHPでは職人たちの紹介、そして品質レベルの高さをアピールしています。

それによって価格相応、人によってはそれ以上の価値を見出だせるようになっているのがポイントです。

また、ココマイスターで購入する場合は会員になることで手厚いアフターサポートを受けられるようになっています。

一般的な観点では、同社の商品価格は高額な部類に入るブランドです。

しかし、品質の高さ、そして万全のサポート体制など、こだわりの革製品を手にしたいユーザーの共感を得ています。

Glossier

「Glossier(グロシエ)」はニューヨーク発のコスメブランドです。

同ブランドはまさにストーリーありき、という成り立ちとなっています。

ファッション誌『VOGUE』のスタッフだった創業者のエミリー・ワイスが立ち上げたブログがその原点です。

ファッション業界に関する情報を発信するブログ『Into The Gloss』で、有名人の日常的なスキンケアを紹介していました。

これがまたたく間にSNSで拡散され、一気にファンを獲得したのです。

同ブログには読者や有名人からのアイデアや要望が多数寄せられ、それをもとにしてGlossierコスメの発売につながりました。

販売形式としてはいわゆるDtoC(Direct to Customer)のスタイルを採っています。

ユーザーが求めるものを作り、それをユーザーにSNSで拡散してもらうというブランドストーリーが確立しているのです。

Red Bull

言わずとしれたエナジードリンクブランド「Red Bull」もブランドストーリーを活用しているブランドの1つです。

エナジードリンクの従来の宣伝では成分の効能を強調されました。

しかし、Red Bullの宣伝は「レッドブル、翼をさずける」というコピーのみです。

例えば、Red BullのCMでは、登場人物がRed Bullを飲むことで驚異的なパフォーマンスを実現しています。

これは「Red Bullを飲めばパフォーマンスが向上して、困難に打ち勝てる」というストーリーの提供にほかなりません。

このほかにもRed Bullでは「エクストリームスポーツ」と呼ばれる、人間の限界を競うようなスポーツのスポンサーも数多く行っています。

これも、Red Bullを口にすることでこのような競技にもチャレンジできるというストーリーを伝えているのです。

国内での一般的なエナジードリンクと比較してかなり高価ではありますが、若年層を中心にRed Bullが指名買いされる状況になっています。

ブランドストーリーの作成方法

続いて、ブランドストーリーの作成方法を解説します。

ターゲットを設定する

まず、自社の商品やサービスを「誰に」提供するのかを明らかにしなければなりません。

性別、年齢層といった基本的な分類に加え、ターゲットユーザーの人となり、家族構成や職業・趣味といった要素を付け加えましょう。

これにより、より明確なターゲット像が浮かび上がります。

自社の強みを分析する

商品やサービスは一度脇に置いて、自社の強みを洗い出します。

単に自社について分析するのではなく、競合他社のほか、類似した業務を行う他社との比較も加えましょう。

このようにして洗い出した強みが顧客にどう映るのか、どの強みが顧客に価値として見出されるのかを検討します。

筋書きを作る

ここまでの段階で得られた情報をもとにして、ブランドストーリーをラフに組み立てます。

この際、顧客がこのストーリーに触れる時間は、企業サイドが考えるよりもずっと短いと考えておくのが無難です。

したがって、ストーリーを文章に起こす際はできるだけ短く、かつ目に留まるように、ということを心がけます。

根拠を示す

自社の想いの筋書きがある程度完成すると、作り手としてはだいぶ満足できる域に達します。

しかし、ターゲットはあくまでも一般顧客であることを忘れてはいけません。

そして、こうしたブランドストーリーは競合他社も手掛けている場合がほとんど、ということも考えられます。

自社・自社製品(サービス)を手にしてもらうための理由付けとして、効能・成分・実績といった定量的なデータを添えましょう。

顧客が共感できる結論にする

ここまでの内容に顧客に「共感」してもらえるポイントはきちんと含まれているかを再度確認します。

ブランドストーリーの最大のテーマは、顧客の共感の獲得にほかなりません。

ひとりの顧客から共感を得られれば、その顧客が口コミでほかの人にそれを伝えることになります。

 

ワンポイント
ブランドストーリー作成の際には、自社の分析を深めることが重要。

ブランドストーリー作成のポイント

ここまで、ブランドストーリー作成方法をご紹介しました。

その中に以下の3つのポイントを加えるとより精度の高いブランドストーリーに仕上がります。

ブランドの存在意義を考える

まず、ブランドの存在意義を考えましょう。そのための項目としては以下のような問いが考えられます。

  • そもそも、そのブランドはどうして存在しているのか?
  • ブランドで世の中に貢献できることはなにか?
  • ブランドに課せられた使命は?
  • ブランドを維持するモチベーションは?

これらの問いを通して、手掛けている商品やサービスではなく、ブランド自体の目的を見つめ直してみます。

存在意義はすぐに出てくるものではありません。

この場合は最初にブランドを立ち上げた際の情熱をいま一度思い起こしてみましょう。

自社の商品について理解する

ブランドストーリーを乗せるのが商品・サービスである場合、商品自体をもっと深く理解しなければなりません。

顧客よりも常にその商品について知っていれば、販売から時間が経過しても顧客からの信頼を得られます。

商品についての理解のファーストステップとしては、以下の3点を徹底的に把握しておきましょう。

  1. 品質と価格
  2. その商品が顧客に与えるメリット
  3. 競合商品との違い

上記を把握することでブランドストーリーの説得力を高めることができるでしょう。

ターゲット層の特徴をよく知る

先述した通り、ターゲットの設定が重要なことに加え、ターゲットの特徴もしっかりと把握する必要があります。

ターゲットによって好まれる商品の傾向や消費行動などは異なるものです。

そのため、どういったブランドストーリーであれば興味をひくことができるのかも異なります。

ターゲット層の特徴をしっかりと捉え、それに合わせたブランドストーリーを考える必要があるでしょう。

 

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ブランドストーリー作成時の注意点

ここまでご紹介したブランドストーリー作成方法に加え、最後に注意すべき点をまとめて紹介します。

大前提として、作成したブランドストーリーはほかの社員とも共有し、活用する場合にはできるだけ短文にしておくのが好ましいです。

ブランドストーリーの原本となるものは、もっと文字数が多くなってもかまいません。

しかし、長いままではターゲットが最後まで読まない可能性が高まってしまいます。

そのため、実際に公開する際には負担無く読める長さに調整しましょう。

そして、なるべく誰が読んでも理解できるような平易な言葉づかいを選択するのもポイントです。

ブランドストーリーは完成したら終わりではありません。

そのストーリーを長く使うのが前提となります。したがって、後になって変更というのは止めるべきです。

こうなってしまわないようにあらかじめ芯がぶれないブランドストーリー作りを心がけます。

そして、せっかく構築したブランドストーリーが競合他社と似かよってしまったら意味がありません。

同業他社がどんなブランドストーリーを提示しているかもリサーチしておき、独自性が出るようにしましょう。

最後に、顧客がそのブランドストーリーを目にした際、惹かれるものになっているかを十分に吟味します。

作成する当事者は長く携わっているので実感が湧きづらいかもしれません。

そのため、他部署などブランドストーリーにあまり目を通していない人からのヒアリングも重要になります。

 

ワンポイント
独自性とわかりやすさを両立させることが重要。

ブランドストーリーを活用したブランディングのコツ

これまでに紹介した作成方法をもとにしてブランドストーリーが完成したら、ブランディングにもつなげましょう。

その際、以下で紹介する2つのポイントが重要になります。

ブランドストーリーに基づいたブランド運営を行う

作成したブランドストーリーを陳腐化させないためには、ブランドストーリーを社内で周知徹底しなければなりません。

最初はそのとおりに運営をしても、途中で方向転換してしまうとせっかく付いた顧客=ファンが離れてしまいます。

ファンが離脱するだけでもダメージは大きなものです。

さらにそこにSNSなどにネガティブな口コミが加わってしまうとその評判を覆すのは並大抵の努力では実現できません。

ブランドストーリーは世間にあふれるモノやサービスの中から、消費者に選んでもらうための施策であることを改めて意識しましょう。

競合が真似できない独自の価値をアピールする

独自の価値=オリジナリティを追求していけば、それがブランドストーリーの構築にも好影響を及ぼします。

商品やサービスの内容としては他社とそれほど変わらないから差別化は難しい、と考えるのはNGです。

商品そのものの再確認や、自社をくまなく検証することでオリジナリティをなんとしてでも付け加えるようにします。

ブランドストーリーを企業ブランディングに活用しよう

せっかく素晴らしいブランドストーリーを完成させたとしても、それが消費者の目に触れなければ有効活用できているとはいえません。

このような事態を避けるために、ブランドストーリーができたらなるべく多くの消費者の目に触れるような施策も考えましょう。

その第一歩、それほど予算をかけずに実行できるのが自社サイトやSNS(FacebookやInstagramなど)アカウントでの発信です。

これまでに紹介した内容をもとにブランドストーリーを構築していれば、きっと多くの人の共感を得られることでしょう。

共感が多く得られればどんどん拡散していく図式となります。

これが企業ブランディングにもつながります。

 

ワンポイント
SNSで発信することでより多くの人の興味をひくことができる。

ブランドストーリーの作成で悩んだら

ブランドストーリー作成は一朝一夕にできるものではありません。

作成過程において「こういう場合はどうすべきか?」などの疑問や悩みが出てくるでしょう。

こうした場合はデジマクラスに相談してみてください。

デジマクラスではマーケティングの専門家として、デジタルマーケティングを中心としたコンサルティングを行っています。

第三者の視点からのアドバイスをもらえることで、新たな発見をすることもできるでしょう。

ブランドストーリーの活用でお困りの際は、ぜひデジマクラスへご相談ください。

 

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まとめ

今回はブランドストーリーの作成方法やコツについて解説しました。

あくまでも基本的な一般論で、企業の数だけブランドストーリーがある、といっても過言ではないでしょう。

したがって「こうすれば成功する」という型はありません。

しかし、ブランドストーリーの根底にあるのは「消費者の共感を得ること」です。

これを軸に自社や、商品・サービスについてどのようなストーリーを持たせるのかを考えてみましょう。

作成したブランドストーリーは、できるだけ多くの人の目に触れるような施策を考えることも大切です。

その施策の1つとして、SNSを利用することで多くのリソースを割かずに実践できます。

ブランドストーリーを活用して、自社や自社商品・サービスのファンを獲得していきましょう。

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