会社法の改正やビジネスモデルの多様化・IT技術の高度化により、アイデア次第で誰でも起業を目指せるようになりました。
その一方で起業に失敗する人も多くなり、起業したくとも不安で1歩踏み出せない人が多いのも事実だといえます。
起業で失敗しないためには「なぜ失敗してしまうのか」を明確にして、成功するために必要な姿勢を把握することが大切です。
この記事では起業で失敗しないためのポイント・パターンに加え、起業の成功に必要な姿勢や見落としがちな注意点について解説します。
目次
起業したい一方で失敗が不安な人は多い
起業するためのハードルは会社法の改正などにより低くなりましたが、一方で失敗したときのリスクに不安を感じる人が多いのも事実です。
起業前は「大きな負債を抱えるのではないか」「社会的に立ち直れないのではないか」とネガティブなことを考えるのも仕方ありません。
しかし、失敗する人は「失敗すべき人が失敗している」のが現実であり、しっかりと準備すればそのリスクを回避することができます。
大切なのは失敗しないためのポイントやパターンを具体的に理解して、起業家としてのスキルを磨くことです。
起業の成功率は?
起業家が増えている一方で廃業も増えており、必然的にその成功率は低くなっています。
厳密に成功率を示す指標はありませんが、2011年に発表された起業後の生存率は概ね以下のとおりです。
- 5年後:80%程度
- 10年後:70%程度
- 15年後:60%程度
実に起業して5年間生存しているのは全体の80%程度であり、5年ごとに10%程度ずつ廃業しているのがわかります。
ただし、比較的大規模な事業所を対象としたデータであり、起業家が激増している状況から成功率はさらに低下しているのが現状です。
しかし、失敗のリスクばかり考えていても前に進むことはできません。起業でしか得られないメリットも多くあります。
起業家として成功できるよう、失敗のリスクを回避し成功に必要な姿勢・スキルを身につけましょう。
起業で失敗しないためのポイント
起業で失敗しないためにはいくつかのポイントを押さえて準備することが大切になります。
言い換えれば、企業で失敗する人はポイントを押さえず、自分の感覚・方法だけで起業してしまっているのが現状です。
ここでは、起業を目指す人が把握しておきたい、起業に失敗しないためのポイントを紹介します。
失敗によくある原因を知って対処しよう
起業に失敗しないためには、よくある失敗の原因を把握して可能な限り早い段階で対処することが大切です。
なお、起業の失敗によくある原因は以下のとおりとなります。
- 見込み客の集客・リピーターが確保できない
- キャッシュフローが把握できていない
- 業界の仕組みが理解できていない
- 補助金・助成金・融資に頼り過ぎている
これらの原因に共通しているのは、事前の準備がしっかりとできていれば回避可能な点です。
言い換えれば、起業さえすれば「儲かる」といった甘い考えが根底にある結果だといえます。
成功談ばかり情報収集するのではなく、失敗談を数多く情報収集し、自身が負のパターンに陥っていないか確認するのも良い方法です。
目的を明確にしてしっかりと計画を立てよう
起業の目的を明確にするとともに地に足の着いた堅実な計画を立てることも、起業に失敗しないためのポイントです。
インターネットの普及により、ネット上には成功談ばかりが散見されており、いわゆる「うまい話」も少なくありません。
しかし、起業することが目的では成功させることは不可能であり、目的を明確にするとともにしっかりとした計画が必要です。
どういったターゲットに対して、どういった商品・サービスをいつまでに提供し、どれだけの実績を上げるのかを明確にしましょう。
また、最初から大きな目的を立てるのではなく、期間を区切って徐々に目的を大きくするのが得策です。
コミュニケーションを十分に取ろう
様々な人とコミュニケーションを十分に取ることも、起業の失敗を回避するポイントの1つです。
現在では1人で起業することが可能となりましたが、外部とのコミュニケーションを取らないのはとてもリスキーだといえます。
市場は常に動いており、活きた情報を得るには同業の起業家を始め、様々な人々とコミュニケーションを取ることが大切です。
また、顧客とコミュニケーションを取ることで提供している商品・サービスの改善点を見出すことも可能になります。
したがって、起業に失敗しないためにはより多くの人々とコミュニケーションを取ることが不可欠です。
起業での失敗するパターンの特徴
起業で失敗するにはいくつかのパターンがあり、事前に把握しておくことで失敗する確率は大幅に低くすることができます。
ここでは起業家を目指す人が理解しておきたい、起業での失敗するパターンの特徴を考えてみましょう。
目的が明確でない
起業で失敗するパターンで多いのが「目的が明確でない」ことです。言い換えれば「起業すること」が目的となってしまっています。
インターネットなどには「起業すれば儲かる」といった記事がたくさん投稿されており、起業することが目的となるのも無理はありません。
しかし、起業することは簡単であっても「存続させること」「儲けること」は別物であることを心得ておきましょう。
起業で失敗しないためには、長期的・中期的・短期的な目的を具体的な期限・数字を掲げて明確にすることが大切です。
なお、明確な目的を設定した後は、効果検証を頻繁に行いPDCAサイクルを回すことも忘れてはなりません。
資金計画の立て方が甘い
資金計画の立て方が甘いことも、起業での失敗には多くあるパターンの1つだといえます。
起業するには初期経費が必要であり、起業後は収入・支出の差が利益となり企業規模を徐々に大きくしていくのが通例です。
起業に失敗する人は、初期費用の内訳が曖昧だったり、必要以上に経費をかけている事例が散見されています。
また、起業後のキャッシュフローが明確にされていないため「収入=自分の使えるお金」だと勘違いしている人も少なくありません。
固定費や税金など企業運営には様々なコストがかかります。どういったコストが必要なのかを明確にしておくことが重要です。
人への感謝・思いやりが足りない
起業で失敗しないためには、人への感謝・思いやりを忘れないことが非常に重要なポイントです。
起業すれば一部の例外を除いて、必然的に自身が「代表者」もしくは「社長」となります。
しかし、会社を起業・存続させるためには顧客・事業協力者・メンター・取引先など様々な人々に支えられているのが通例です。
例え起業が成功したとしても決して自分の力だとおごらず、人への感謝・思いやりを常に意識しましょう。
成功はいつまでも続くものではありません。窮地に立たされた時に、手を差し伸べてくれる人がどれだけいるかがポイントだといえます。
起業で失敗を回避するための準備
起業で失敗しないためには「失敗を回避するための準備」が大切であることは、ここまでも解説してきました。
しかし、具体的にはどんな準備をすれば良いのでしょうか。ここでは、起業で失敗を回避するための準備について具体的に解説します。
相談相手やメンターを作る
特に初めて起業する人は相談相手やメンターを作ることが、起業で失敗を回避するための準備において重要です。
起業の準備に関する知識は様々な書籍やWebサイトから取得できますが、実際には様々な出来事が発生します。
このとき我流で判断・対処していると大きなミスにつながることも少なくありません。
こういった場合に頼りになるのが相談相手やメンターの存在であり、同じ業界で起業に成功している人が適任です。
なお、周りに相談相手やメンターの候補となる人がいない場合、デジマクラスのコンサルタントに相談すると良いでしょう。
パートナー選びは慎重に
パートナーとともに起業する人も少なくありませんが、パートナー選びは慎重に行うことが鉄則です。
ビジネスパートナーは決して「友達」ではありません。当たり前のことですが、理解できていない人が多いのも事実だといえます。
特に以下の4点については事前に明確にしておきましょう。
- お金の問題
- ビジネスの方向性
- それぞれのポジション(役職)
- 免責事項
なお、パートナーにはビジネスライクに物事を考えられ、その業界における専門家である人材を選ぶと良いでしょう。
情報収集や勉強を欠かさない
ここまで解説してきたとおり、起業の目的は「起業すること」ではなく、「実績を上げ会社を存続させること」です。
会社の実績を拡大もしくは継続させるには、常に情報収集や勉強を欠かさないことが不可欠になります。
市場の動向を意識し、新たな手法を理解して会社の状況に応じて取り入れるには常に勤勉であることが大切です。
なお、情報収集や勉強を効果的に行うには、同じ業界の起業家が集まるセミナーや勉強会に参加するのも良い方法だといえます。
ビジネスモデルをしっかりと組み立てる
ビジネスモデルをしっかりと組み立てることも、起業で失敗を回避させる準備として必要不可欠です。
成功している起業家は「利益を生み出すためにはどうすべきか」「企業価値を高めるためにはどうすべきか」を明確にしています。
ビジネスモデルが明確になれば、取り組むべき課題も明確になり、効率的に起業を進めることが可能です。
起業の成功に必要な起業家の姿勢・スキル
起業を成功に導くには失敗を回避するための準備に加えて、起業家としてのスキル・姿勢が重要です。
いくら準備を進めても姿勢・スキルが不十分だと成功はあり得ません。ここでは起業の成功に必要な起業家の姿勢・スキルを解説します。
責任感とやり抜く覚悟
起業家として成功を手に入れるには、責任感とやり抜く覚悟を持ち続けることが必要不可欠です。
1人で起業することは可能ですが、顧客・メンター・相談相手を始め多くの人々が関わっています。
したがって、起業を成功させるためには、そこに関わった全ての人に対して責任感を持って接することが重要です。
また、起業を成功させるには多くの困難を乗り越えることが必要であり、生半可な気持ちで成し遂げられるものではありません。
最後までやり抜く覚悟がなければ成功させることどころか、関係する人々に対する責任感を持ち続けることもできないでしょう。
論理的な思考と判断力
起業の成功には論理的的な思考と判断力を持ち続けることが不可欠です。起業の成功には必ず原因があり、失敗にも必ず原因があります。
これらの原因を論理的な思考を持って分析する力がないと、次に活かすことができません。
ラッキー、アンラッキーで済ましていては、例え一時的に成功を収めても長続きさせることはできないでしょう。
また、起業すると様々な場面で判断力が求められ、状況によっては「撤退」といった辛い判断を下さざるを得ないこともあります。
このとき大切なのが論理的な思考に基づく、ゆるぎない判断力であることはいうまでもありません。
柔軟な考えで臨機応変に対応する姿勢
柔軟な考えで臨機応変に対応する姿勢も起業を成功させるには重要だといえます。
我流で起業する人もいますが、成功できる起業家はごく僅かです。反対にマニュアルどおりにしか進められない人も大成しません。
市場は常に動いており、新たな手法は日々生み出されていることを起業家は意識し、積極的に取り入れることが大切です。
そのためには、我流やマニュアルに固執せず、常に柔軟な考えで臨機応変に対応する姿勢が求められます。
起業後に見落としがちな注意点
起業後に見落としがちな点として注意したいのは「納税」「社会保険」に関することです。
とりわけサラリーマンから起業を目指す人は、これまで会社が行っていた手続きを自ら行わなければなりません。
また、家賃や光熱費・人件費も起業後に思ったよりも必要であったことに気付かされる項目です。
起業後に見落としていることに気付いて慌てないよう、相談相手やメンターに事前に確認しておきましょう。
失敗をよく踏まえることこそが成功へとつながる
有名な起業家も最初から成功している人は僅かです。多くの失敗を経験して、大きな成功を手にした人が大半だといえます。
失敗しても成功できる人と失敗し続ける人の違いは、失敗した経験を次に活かせるか否かです。
また、失敗における金銭的・精神的ダメージを最小限に止めて、切り替えることも大切な要素だといえます。
起業で成功させることは決して簡単なことではありませんが、失敗をよく踏まえることこそが成功へとつながると心得ておきましょう。
起業を着実に成功させるためには?
起業を着実に成功させるためには、ノウハウや勢いのあるベンチャーに入って経験を積みましょう。
起業で成功することは非常に簡単であるといった風潮が漂っている一方で、失敗の不安から足踏みをしている人が多いのも実情です。
起業で失敗しないためには正しく準備することが必須ですが、自分1人では何が正しいのかを見極めることも簡単ではありません。
本気で起業を考えるなら、起業する力が身につく「Wedia」への入社・転職を検討してみましょう。
まとめ
会社法の改正などの外的環境の変化から、誰もが起業を目指す環境が整いましたが、成功している人はごく僅かです。
失敗する起業家が多い原因としては、失敗しないためのポイントや回避するための準備が理解できていないことがあげられます。
また、起業の成功に必要なスキル・姿勢を理解せず、我流で感覚的に起業を進めていることも大きな理由です。
したがって、起業を成功に導くには失敗する原因を把握し、事前に失敗が回避できるよう覚悟を持って準備することが重要になります。
しかし、未経験から1人で起業を目指すには限界があり、起業したいなら、起業する力を身につけることが近道です。
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