多くのユーザーが利用するLINEでは、LINEミニアプリを提供しています。

マーケティング戦略の1つとして、LINEミニアプリの導入を検討している方は多いのではないでしょうか。

しかし、LINEミニアプリの機能や活用方法に悩む方もいるでしょう。

今回は、そんなLINEミニアプリについて活用事例を含めて詳しくご紹介します。

LINEミニアプリの概要

LINEミニアプリ（LINE Mini app）とは、LINE株式会社が提供するミニアプリサービスです。

コミュニケーションアプリ「LINE」のプラットフォーム上で活用できます。

ここでは、LINEミニアプリの概要を詳しくみていきましょう。

なぜ注目されるているのか

LINEミニアプリが注目されている理由についてみていきましょう。

ミニアプリとは、スーパーアプリというプラットフォーム上で利用するアプリのことをいいます。

スーパーアプリとは、メッセージ・通話・オンライン予約・決済などさまざまな機能を統合したアプリのことです。

コミュニケーションアプリである「LINE」が、ここでいうスーパーアプリにあたります。

多くのユーザーがスマートフォンを利用し、アプリをインストールしているでしょう。

しかし、そのすべてのアプリを毎日使うことは少なく、より利便性の高いスーパーアプリの利用率が高くなります。

そんなスーパーアプリの中で提供するミニアプリは、単体でインストールする必要がないのが特徴です。

スーパーアプリの利便性の一環として活用できることから、LINEミニアプリへの注目が集まっています。

ネイティブアプリとの関係性

ミニアプリと比較されやすいものに、ネイティブアプリというものがあります。

ネイティブアプリとは、「Google Play ストア」や「App store」のようなアプリケーションストアからインストールするアプリのことです。

顧客獲得・育成のためにネイティブアプリを導入する企業・店舗は多いです。

上手く活用することで集客力を上げたり囲い込みができたりしますが、もちろんデメリットもあります。

ネイティブアプリのデメリットは、インストールしても活用されないリスク・アンインストールされるリスクです。

また、ネイティブアプリには開発費用がかかることも忘れてはいけません。

一方、LINEミニアプリはすでにインストールされたLINEというスーパーアプリ内で利用するのが特徴です。

そのためネイティブアプリのように、新たにインストールする必要はありません。

また、すでに存在するプラットフォーム上でミニアプリを提供するため開発費用を抑えることもできるのです。

利便性が期待できることから、もともとネイティブアプリを提供している企業・店舗がLINEミニアプリも導入するという事例もあります。

LINE公式アカウントとの関係性

LINEをマーケティングに活用するとき、LINE公式アカウントを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ビジネス用アカウントであるLINE公式アカウントですが、これは顧客とのコミュニケーション・認知度向上・集客を目的とします。

つまりリピーター獲得の役割を担うのがLINE公式アカウントです。

一方、LINEミニアプリはサービスの提供を目的としています。

ユーザーがLINEミニアプリを利用する際、LINE公式アカウントの友だち登録は必須ではありません。

しかし、両方の機能を活かすことで顧客データの管理もでき、より効果的なマーケティング活動につながるでしょう。

LINEミニアプリの活用事例

LINEミニアプリをどのように活用すればいいか悩む方も多いのではないでしょうか。

どのような活用方法があるのか検討する際には、これまでの事例を知っていくといいでしょう。

ここでは、LINEミニアプリの活用事例を4つご紹介します。

ジョルダン株式会社

ジョルダン株式会社は、公共交通機関の乗り換え案内サービスを提供する企業です。

もともとネイティブアプリを提供していたジョルダン株式会社ですが、2019年にLINEミニアプリの活用を開始しました。

出発駅から到着駅までの経路検索ができるという点で、ネイティブアプリとLINEミニアプリの機能は同じです。

しかし、LINEミニアプリには検索結果をシェアする機能があります。

このシェア機能で便利なところは、「そのままシェア」と「待ち合わせシェア」の2種類があることです。

「そのままシェア」は検索結果を友だちにそのまま伝えるものですが、「待ち合わせシェア」は受け取った友だちが再検索できます。

相手の到着時刻（待ち合わせ時間）に合わせて、自分が何時に出発すればいいかが分かるのです。

LINEミニアプリで検索した結果をそのままLINEで共有できるため、送信する側も受信する側も使いやすいでしょう。

クラスメソッド株式会社 | Developers.IO CAFE

決済方法が完全にキャッシュレスというDevelopers.IO CAFEは、もともと自社アプリ上で事前モバイルオーダーを行っていました。

体験型カフェとして、いち早くモバイルオーダーや、レジ決済を行わないウォークスルーを導入していたのです。

そして、より多くのユーザーの利便性を高めるためにLINEミニアプリを導入し、LINEでのモバイルオーダーを可能にしました。

ルイ・ヴィトン

ルイ・ヴィトンは、LINEミニアプリ上でショッピングができるようになっています。

それだけだと普通のEC機能だと思う方も多いでしょう。

ルイ・ヴィトンが行うLINEミニアプリならではの施策は、「欲しいアイテム」「プレゼントしたアイテム」などを友だちにシェアすることです。

友だち同士でルイ・ヴィトンの商品を共有できるのは、LINEミニアプリならではの体験ではないでしょうか。

株式会社リザービア

株式会社リザービアは、美容サロンの予約サービスを扱う企業です。

LINEミニアプリにある予約機能を活かして、2つの美容サロンのミニアプリを導入しました。

予約の手順は一般的な予約サイトと同様ですが、LINEミニアプリでは予約日の前日に通知を送ることができるのが特徴です。

予約完了通知や前日の確認通知は、メールだと見落としてしまうこともあるでしょう。

しかし、利用率の高いLINEなら通知に気づきやすく予約忘れを防ぐことができるのです。

LINEミニアプリの特徴

LINEミニアプリには、ユーザーの利便性を考えたさまざまな特徴があります。

その特徴を押さえておくことで、より効果的な活用につながるでしょう。

ここでは、LINEミニアプリの特徴を3つに分けてご紹介します。

簡易なサービス起動

簡易なサービス起動は、LINEミニアプリの中でも利便性の高い特徴です。

ユーザーが利用したいLINEミニアプリを登録するだけで、LINEのホーム画面から起動することができます。

また、先述したようにLINE公式アカウントと連携させてリッチメニューから起動できるように設定するのもいいでしょう。

どちらの方法にしても、ログイン操作やページ移動がなくサービスを起動できるのがポイントです。

LINE内外からリピート利用可能

LINEミニアプリは、LINE内外からリピート利用ができるという特徴があります。

LINEミニアプリはLINE上で利用するため、LINE内からアクセスできるのは当たり前でしょう。

それが、LINEを立ち上げていない状態からもLINEミニアプリへのアクセスができるのです。

LINEミニアプリにアクセスするためのパーマネントリンクがあれば、直接ミニアプリに行きつきます。

これによって、Webサイトや実店舗のチラシからLINEミニアプリへの誘導が可能です。

ただし、ユーザーがLINEアプリをインストールしていない場合は、先にインストールが必要なので注意しましょう。

友だち間の共有やユーザー通知

LINEミニアプリで予約したり検索したりした結果は、友だち間で共有することができます。

活用事例でご紹介したジョルダン株式会社やルイ・ヴィトンが、この特徴を上手く活かした例です。

また決済や予約日の連絡などを、ユーザーに通知してくれることも大きな特徴といえます。

これらの機能によって、LINE自体がよりユーザーの身近な存在になっていくでしょう。

LINEミニアプリのメリット

LINEミニアプリには、顧客にとって利便性の高い特徴が多く存在します。

しかし、その特徴には顧客だけでなく企業にとってもメリットがあるのです。

ここではLINEミニアプリのメリットを顧客と企業の視点に分けてそれぞれご紹介します。

顧客にとってのメリット

顧客にとってのLINEミニアプリのメリットをみていきましょう。

• 新たにアプリをインストールする必要がない
• スマホの画面がすっきりする
• 面倒な登録作業なく利用開始できる
• LINEという安心感がある

LINEミニアプリは、LINEをインストールすれば利用できます。

ミニアプリごとにインストールする必要がないため、スマホの画面がアプリで埋め尽くされたり、容量が重くなったりする心配はありません。

また、ユーザーは新たに属性や連絡先などを登録することなく利用を開始することができます。

すでにLINEで登録したデータがLINEミニアプリに反映されるからです。

データが反映されるということに不安を覚えるユーザーも少なからずいます。

しかし、国内で約8,800万人が利用するLINEというところに安心感を覚え、メリットと考えるユーザーは多いのです。

企業にとってのメリット

次にLINEミニアプリの企業にとってのメリットをみていきましょう。

• 開発費用を抑えることができる
• アンインストールのリスクが低い
• ユーザーにメッセージが届きやすい
• アプリのアップデートはLINE側が行う

ネイティブアプリの場合、iOSやAndroid向けにそれぞれアプリを開発しなければなりません。

しかし、LINEミニアプリはLINEのプラットフォームを使うため、それぞれ開発しなくてもいいのです。

また基盤ができているということもあり、開発費用はネイティブアプリの半分程度をいわれています。

ユーザーは、ときに利用しないアプリをアンインストールして整理することがあるでしょう。

しかしLINEミニアプリはLINE上にあるため、アンインストールされにくいのがメリットです。

ユーザーがアプリを削除していたため、プッシュ通知やメッセージが届かないという事態を防ぐこともできます。

また、アプリのアップデートはLINE側が行ってくれるので、自社で行う必要がないこともメリットの1つです。

LINEミニアプリの機能

LINEミニアプリを上手く活用することで、継続した顧客との接点を作ることができます。

そのためには、LINEミニアプリの機能を理解し適切な使い方をする必要があるでしょう。

ここでは、そんなLINEミニアプリの主な機能を5つご紹介します。

予約機能

予約機能とは、LINEミニアプリの中で予約ができるという機能です。

あらかじめ設置された予約フォームと、LINEミニアプリが連携されています。

外部の予約フォームに飛ばずに入力ができるため、ユーザーにとっても利便性が高いでしょう。

お知らせ機能

お知らせ機能とは、その名の通り企業や店舗からのお知らせを配信する機能です。

プッシュ通知を使い、予約やキャンペーンのお知らせを通知することができます。

ネイティブアカウントと同じようにプッシュ通知ができるのは、LINEミニアプリの強みです。

お支払い機能

LINEミニアプリにはお支払い機能も備わっています。

LINEには「LINE Pay」という決済サービスがあることは多くの方がご存知でしょう。

そのLINE Payでの支払いを、LINEミニアプリでも行うことができるのです。

実店舗でも利用可能なので、ユーザーの利便性も高まります。

クーポン機能

LINEミニアプリにはクーポン機能があり、手軽にクーポンを作成することが可能です。

ミニアプリ上でクーポンを作成したら、タイムラインに投稿するという方法でユーザーに届けます。

LINEミニアプリの利用目的としてクーポンをあげるユーザーも多いため、ぜひクーポン機能を活用しましょう。

ポイントカード機能

LINEミニアプリには、ポイントカード機能も備わっています。

魅力的なポイントサービスは、顧客の購買行動を左右するものの1つです。

顧客獲得やリピーター育成を目指すのであれば、ポイントサービスを活用しない手はありません。

しかし、紙やプラスチックのカードは財布を圧迫したり忘れたりすることがあるため敬遠するユーザーもいます。

一方で、ネイティブアプリのインストールは気が進まないというユーザーも少なからずいるでしょう。

双方の悩みを解決しつつ、ポイントサービスを利用できるのがLINEミニアプリのポイントカード機能なのです。

LINEミニアプリ導入方法

LINEミニアプリを導入するにあたり、どのような手順を踏めばいいのでしょうか。

ここではLINEミニアプリの導入方法をご紹介します。

1. エントリー窓口で必要事項を入力
2. サービス企画書の作成
3. サービス内容の審査
4. 許諾されたサービスの開発開始
5. リリース審査（開発されたミニアプリの審査）
6. リリース

LINEミニアプリを導入するためには、以上の手順を踏まなければなりません。

リリース審査から完了までに、2～3週間ほどかかるといわれています。

審査に時間がかかる場合もあるため、余裕をもってスケジュールを立てましょう。

LINEラインミニアプリを活用しよう

LINEミニアプリのメリットや機能をみると、マーケティングへの活用の幅が広いことが分かるでしょう。

マーケティングにLINEミニアプリを活用するのであれば、ぜひ知っておいてほしいポイントがあります。

• 業種・業界に合った機能を使う
• LINE公式アカウントと連携させる
• ユーザーに成功体験を与える

さまざまな機能がある中で、ただ闇雲に導入すればいいという訳ではありません。

自社の業種・業界に合った機能を使うようにしましょう。

例えば、美容サロンには予約機能、飲食店ならクーポン機能ということです。

業界・業種に合った機能を十分に活用してこそ、効果的なマーケティング活動ができるでしょう。

その際、LINE公式アカウントと連携させて両方の機能を活用することをおすすめします。

そして、忘れてはいけないのがユーザーの成功体験です。

快適な利用体験や成功体験をしたユーザーは、またその店舗を利用したいと思ってくれるはずです。

LINEミニアプリの今後の展望

LINEミニアプリは、今度も需要が高まっていくといわれています。

それは、LINEのようなスーパーアプリの市場が拡大しミニアプリの利便性が広まっているからです。

コストを抑えて導入できることから、LINEミニアプリを活用する企業・店舗はますます増えていくでしょう。

そのため、より効果を発揮できる活用方法を考え、他社との差別化を図ることが求められます。

LINEミニアプリを活用したいなら

LINEミニアプリをマーケティングに活用するときは、機能の活かし方やLINE公式アカウントとの連携など検討すべきことがたくさんあります。

しかし、「どうすれば機能を十分活かすことができるのか」「自社に合った活用方法は何か？」と悩む方も多いのではないでしょうか。

LINEミニアプリをマーケティングに活かしたいという方は、デジマクラスのコンサルタントにご相談ください。

活用の目的や目指すところなどを伺いながら、最適な選択ができるようにサポートさせていただきます。

まとめ

今回はLINEミニアプリの活用事例や機能・メリットについてご紹介しました。

スーパーアプリであるLINE上で使えるのがLINEミニアプリです。

そんなLINEミニアプリには、ユーザーの利便性を考えたさまざまな機能があります。

企業だけでなくユーザーにもメリットがあるからこそ、マーケティングへの活用が期待できるでしょう。

LINEミニアプリを効果的に活用したいのであれば、ぜひデジマクラスまでご連絡ください。