ECサイトの運用にともなって、カートシステムの導入を検討している企業は多いでしょう。

オンラインにおける売上につながるカートシステムは、非常に効果の大きなシステムです。

しかし、機能が充実した自社にふさわしいカートシステムを選ばなければECサイト運用もうまくいかないでしょう。

今回は、ECサイトにおけるカートシステムの種類や選ぶ際のポイントなどをご紹介します。

本情報をもとに、ECサイトにあったカートシステム選定に役立ててください。

ECカートシステムの概要

ECカートシステム

ECカートシステムの選び方などを開設する前に、基本となる概要を整理していきましょう。

ECカートシステムは、ECサイトを運用するにあたり検討する人は多いでしょう。

基本的に、ECサイトでものを販売するには必須のシステムとされています。

それは、カートシステムが商品を購入する仕組みを提供するものだからです。

ユーザーが選んだ商品をカートに入れ購入するまでの仕組み。

これを構築しているものがカートシステムと呼ばれるものになります。

しかし、カートシステムと一言で表しても多種多様な機能をもったものが多数存在します。

選ぶ際は、上記の基本的な概要に加えてどんな機能やカスタマイズが可能なのかも選ぶ必要があるでしょう。

ECカートシステムの基本機能

基本機能

ECカートシステムの概要について整理しましたが、次は基本機能を押さえていきましょう。

基本的な機能はいくつかありますが、店舗側ユーザー側に分けられます。

まず店舗側の機能としては、以下の3つに分けられます。

  • 商品ページの管理機能
  • 売上データの管理機能
  • 購入者とのコミュニケーション機能

商品ページの管理は、商品を掲載するページを作成・管理する機能です。

売上データの管理は、購入された商品とその売り上げを管理する機能。

購入者とのコミュニケーション機能は、購入者からの問い合わせや訴求に使える機能となります。

次に、ユーザー側の機能の3つを紹介します。

  • 商品をカートに入れて注文する機能。
  • 配送先・配送方法の指定や配送状況の確認機能
  • 決済方法の指定・手続き・確認機能

ユーザー側の機能は、基本的に注文から決済までとその後の確認を行う機能になります。

店舗で商品を購入する際に必要となる、基本的な機能をカートシステムに搭載しているというイメージです。

 

ワンポイント
基本機能を理解して、ECカートシステムの特徴を把握しましょう。

ECカートシステムの種類

ECカートシステムの種類

基本的な機能について、把握することができました。

しかし、ECカートシステムにもいくつか種類がありそれぞれ特徴があります。

これらの種類や特徴を把握しなければ、自社に最適なものを選んだり機能を使いこなすことはできないでしょう。

ここからは、ECカートシステムの種類についてご紹介します。

オンプレミス方式

オンプレミス方式

1つ目に挙げられるのが、オンプレミス方式です。

この方式の特徴は、自社で運用している既存サービスなどにインストールしてカートシステムを導入できる点です。

自社サービスのうえに、カートシステムがくるので簡単な運用が可能となります。

ゼロからシステムを構築し、自社のサービスも含めたシステム構築をする必要がありません。

しかし、コストがかかる点や導入後にメンテナンスが必要となる点といった弱点もあります。

自社サービスを既存のままに、自由度の高いカートシステムを導入するにはこの方式がおすすめでしょう。

ASP方式

ASP方式

2つ目に紹介するのが、ASP方式です。

特徴としては、ECカートシステムを提供する企業と提携しシステムをレンタルすることです。

オンプレミス方式とは異なり、自社にECカートシステムを直接導入するわけではありません。

ECカートシステムを提供する企業と契約し、そのカートシステムをレンタルします。

レンタルしたカートシステムは、使用できますが提供企業の決めた環境下での運用になります。

オンプレミス方式と比べて、コストを抑えることが可能です。

手軽に始められて、企業だけでなく個人でオンラインショップを持ちたいと考えている人にもおすすめでしょう。

しかし、レンタルとなるため提供されたシステムは決められた環境下での運用となります。

そのため、自由度はかなり低くなるでしょう。

自由度を求めるのであれば、やはり自社での構築ができるものがおすすめになります。

手軽に始められて、コストを抑えたい場合にはASP方式を検討してみてください。

ECモールへの出店

ECモールへの出店

ECモールへの出店が3つ目の種類になります。

この方式はすでにあるECモールに商品を出店する形で、代表的な例がAmazonになります。

大型のECモールになれば、それだけで知名度もあるため多数のユーザーに見てもらえる可能性が高いです。

それでいて、すでにシステムが整っているので非常に使いやすく手軽さも最も高い方式といえるでしょう。

しかし、デメリットもあります。

それが、商品が売れるたびに手数料が発生する点。

また、ECモール内での価格競争が起こりやすい点も大きなポイントです。

出品している企業が沢山あるため、商品が同じ場合価格競争が起こりやすいのです。

さらに、自社の顧客リストが作りにくいといったデメリットもあります。

自社開発・運用のECカートシステムではないので、顧客リストが作りづらいのです。

 

ワンポイント
カートシステムを把握して、自社にあったものを選びましょう。

カートシステムを選ぶ際のポイント

カートシステム、ポイント

ECカートシステムの種類を把握できたところで、選ぶ際のポイントも紹介しましょう。

大小さまざまなECカートシステムがある中で、自社に最適なものを選ぶ必要があります。

適切なものでなければ、企業だけでなくユーザーにとっても必要な機能がない可能性もあります。

今後の商品販売と売上向上のためにも、選ぶ際のポイントを理解していきましょう。

顧客は「企業」か「個人」か

顧客

自社にとって、顧客が「企業」「個人」かで選ぶことが1つ目のポイントです。

BtoBやBtoCともいわれますが、顧客によって必要となる機能が変わってくるからです。

例えば顧客が「個人」の場合、一般的には基本機能で紹介したような機能が押さえてあれば問題はないでしょう。

そして、大手のECモールやレンタルで借りられるシステムは対「個人」としての機能は備えています。

したがって、特別な機能がない限りは一般的なレンタルなどで対応できる範囲なのです。

一方、対「企業」のECカートシステムを考えるのであれば簡単ではありません。

そもそも、BtoCのような基本機能を網羅したシステムが少ないのです。

さらに、「企業」を顧客にする場合の特別で必要不可欠な機能も多数あります。

一例としては、企業情報管理ボリュームディスカウントといった機能です。

こういった機能が必要と考えるのであれば、BtoC用のカートシステムでは対応不可能です。

自社にとって、顧客は「企業」と「個人」のどちらになるのか。

また、それにともなってどんな機能が必要でどのカートシステムであれば対応可能なのか。

対象顧客にともなって選ぶ項目が増えるので、この点は押さえておきましょう。

注文時のオプション

オプション

注文時のオプションについても、選ぶ際のポイントになってきます。

注文時のオプションとは、例えばカラーバリエーション量り売りの設定などです。

個人の注文での代表的な例でいえば、衣服のサイズやカラーの注文オプションです。

同じ服でもサイズやカラーが異なる服において、別の商品として1つずつ出品するわけにはいきません。

出品の際には、商品ページにてサイズやカラーの選択ができるように設定することでしょう。

こういった、注文時のオプションが自社の商品販売において適用できるか検討する必要があります。

また、企業が顧客の場合は特にこの注文オプションは検討を重ねなければならないポイントでしょう。

例えば、重さに対して量り売りをする商品を企業に売るような場合は検討が必要です。

カートシステムが、自社が販売したい量り売りに対応していない可能性があるからです。

既存のカートシステムを使用するのであれば、カスタマイズが可能なものを選ぶ必要があるでしょう。

自社で開発ができるのであれば、もちろん最適なものを自社で開発・運用できるのでこちらも最適です。

利用可能な決済手段

決済手段

目当ての決済手段がECカートシステムにおいて利用可能かどうかも選ぶ際のポイントです。

クレジットカードや代金引換など決済方法は様々あります。

これらの決済手段のうち、自社の決済手段としてどれを採用したいかは企業ごとで違うでしょう。

そして、その決済手段が対応しているかもまたカートシステムによって異なるのです。

特に特殊な決済手段となる場合は、注意が必要です。

掛け売りや後払いなどは、標準の決済手段として搭載していない可能性があります。

また、Amazonペイなどのサイト独自の決済手段が必要となればこちらも注意が必要でしょう。

自社の決済手段を検討し、これがカートシステムで対応可能かも選ぶ際には注目しましょう。

 

ECサイト制作の事例はこちら

 

ECカートシステムにかかる費用

費用

ECカートシステムの種類と選ぶ際のポイントを理解し、今後のシステム選びも具体性を増してきました。

各カートシステムで対応可能なことや注意点もあることがわかりました。

しかし、システムにかかる費用はいくらなのでしょうか。

この費用も様々で、月額料金制や販売手数料制のものに加えて両方の制度をとったものもあります。

どちらも一長一短あるので、特徴を踏まえて紹介しましょう。

月額料金

月額料金

まずは月額料金のかかる場合です。

費用として、幅は広いですが数千円から二万五千円程度が多い価格帯になります。

月額無料のカートシステムもありますが、その場合は手数料が異なってきます。

月額料金制のカートシステムの場合は、多くが手数料はやや安い価格設定です。

月額料金制に重点を置いているシステムの長所は、サポートの手厚さや機能を含めて自由度が高い点です。

販売にともなった機能の充実は、先述したとおり扱う商品によって必要となることがあります。

また、自社にあったページ作りでは機能だけでなくデザイン性なども色々と工夫できるものであるといいでしょう。

さらに、月額料金が無料のものと比べると問い合わせや相談会などサポートの違いにも表れてきます。

決済・販売手数料

決済・販売手数料

決済・販売手数料については、3%から5%程度のものが多いです。

一部のカートシステムには、手数料の掛け率に加えて固定の数十円がかかることもあるようです。

決済・販売手数料に重きを置いているカートシステムの場合、月額料金は無料からあり比較的安い傾向にあります。

特に個人でも手軽に利用可能な点をメリットにするシステムの場合、月額利用料金は無料のケースが多いです。

一方、決済・販売手数料が高く設定されている傾向があります。

また、決済・販売手数料を高く設定し月額料金を安くしているカートシステムでは機能やサポート内容も変わってきます。

機能については必要最低限なものになり、自由度は少ないでしょう。

さらに、先述したサポートについてもサイト上やメールなどのサポートのみの場合が多いようです。

料金の違いや、どちらの料金を重点的に払うかによって機能の充実さに関係します。

料金の価格や制度、それに対する機能を比べて適切なカートシステムを選びましょう。

 

ワンポイント
ECカートシステムの費用とその制度を理解しましょう。

モール型と自社カート型を選ぶポイント

モール型、自社カート型

ECカートシステムの費用も把握でき、これからの導入にあたって自社開発かモール型を選ぶか選択を迫られるでしょう。

ここからは、モール型自社カート型を選ぶポイントを解説していきます。

どちらを選ぶかは、今後のショップ運営などにおいて重要なポイントです。

集客や売上に直接かかわるポイントなので、理解したうえで適切な方を選択しましょう。

どのような顧客にアプローチするのか

顧客、アプローチ

まずは、どのような顧客にアプローチするかを考えて選びましょう。

カートシステムを運用し、アプローチするのは全くの新規顧客なのか。

それとも、これまでに実店舗を利用したりオンライン上で購入してくれた既存顧客なのか。

このアプローチ対象となる顧客によって、適切なものを考える必要があります。

例えば、新規顧客をターゲットにする場合はモール型を選ぶと多くの人には閲覧してもらえるでしょう。

自社カート型では、既存顧客へのアピールは強くできるかもしれませんが新規顧客を得るには時間がかかると考えられます。

一方で、独自サービスを既存顧客を中心に提供したいと考えるのであれば自社カート型が有効でしょう。

どの顧客にどういったアプローチをするかをもとに選びましょう。

安定した事業を目指す場合は?

安定、企業

どのような企業を目指し、安定した事業を目指すかを念頭に置いて選ぶことも重要です。

モール型と自社カート型とでは、集客や売上など今後の展望に大きな違いが出てくるからです。

仮にモール型を使って運用し続けていれば、新規顧客は望めても企業の展望は限られるでしょう。

しかし、自社独自のサービスを提供したり商品力を高めたいと考えるのであれば自社カート型が適しています。

今後の安定した事業を目指すのであれば、こういった面では自社カート型に軍配が上がるように見えます。

とはいえ、安定した事業の最初は顧客の集客から始まるのも事実です。

その場合は、最初はモール型から始めて自社カート型に移行する方法もあります。

現在の自社の状況、そして今後の事業の展望や安定を照らし合わせて適切なものを選びましょう。

ECサイト構築におすすめECカートシステム

おすすめ、ECカートシステム

ECカートシステムの選ぶポイントや企業の展望にあったものを選ぶことがいかに大事かわかりました。

それでは、具体的にどのようなECカートシステムがあるのでしょうか。

ここからは、ECサイト構築にあたっておすすめのECカートシステムをご紹介します。

BASE

BASE

1つ目におすすめのECカートシステムが国内でトップクラスの導入実績を誇るBASEです。

手軽に始められ、費用を抑えたい方におすすめのECカートシステムになります。

インターネット環境さえ整えていれば、登録当日に販売を開始することが可能となるので手軽さは非常に大きいです。

また、費用についてはアカウント開設だけでなくシステム利用についも無料で使用できます。

手数料に関しては、商品が購入された際に発生する仕組みになっています。

STORES

STORES

手軽さに注目するのであれば、STORESも無料で始められるおすすめのECカートシステムです。

こちらの特徴は、費用だけでなくアドオンにより豊富なデザインからカスタムすることができる点です。

デザインだけでなく、機能についてもアドオンを追加することでカスタムできます。

フリープランだけでなく、スタンダードプランと呼ばれる月額料金制のものもあります。

しかし、フリープランでも十分に機能は充実しており使いやすいのでおすすめです。

カラーミーショップ

カラーミーショップ

ASP方式の1つである、カラーミーショップもおすすめです。

このECカートシステムは、あらゆるECサイトに対応できるようにかなり幅広く高機能を備えています。

それでいて、コストも比較的安く抑えられる点も魅力なECカートシステムとなります。

また、公式でWordPressプラグインが提供されていることも便利です。

これによって、WordPressにカラーミーショップで登録した商品を自動生成してくれます。

MakeShop

MakeShop

ASP方式であれば、こちらのMakeShopもおすすめのECカートシステムです。

カラーミーショップと同じく、費用を抑えて高機能なカートシステムを導入できます。

満足度も高く、国内シェア率もトップクラスでこの点も非常におすすめの理由です。

さらに、機能が充実していることに加えてマーケティングにも利用できる点も魅力です。

ユーザーの行動履歴に合わせたおすすめ商品の紹介や、各種SNSとの連携。

メルマガ配信機能など、今後の商品展開にも役立つマーケティングツールとして役立てることができます。

 

ワンポイント
実際のECカートシステムの特徴を把握しましょう。

カートシステムは自社サービスにあったものを選ぶ

ECカートシステム、自社サービス

ECの選ぶ際のポイントや具体的なおすすめのECカートシステムを紹介しました。

しかし、これだけでは最適なECカートシステム選びとしては万全ではありません。

さらに確実にするには、カートシステムが自社サービスにあったものであるかを確認し選びましょう。

商品のジャンルやビジネス形態など自社サービスの内容によって、最適なシステムは変わってきます。

例えば、ECカートシステムを自社のブランディングにも使うのであれば相応の機能を求められます。

ユーザーにとって使いやすい機能はもちろん、デザインなどの自由度の高さも求められるでしょう。

また、もし既存のカートシステムから新たに移行する場合はサービスの向上が図れるものでなければなりません。

既存システムよりも、サービス内容が劣るようではユーザー離れが生じてしまいます。

このように、自社サービス内容などと照らし合わせて適したものを選ばなければなりません。

 

ECサイト制作の事例はこちら

 

ECカートシステムの導入で悩んだら

デジマクラス、相談

ECカートシステムについて、具体的なおすすめのシステムを踏まえてご紹介しました。

初めてECカートシステムを導入する人も、既存のシステム利用の方もいるでしょう。

それぞれが状況やサービスに応じて、最適なECカートシステムを選ぶ必要があります。

しかし、色々な情報や機能をもとにECカートシステムを選ぶのは簡単ではありません。

そんな時は、デジマクラスにご相談ください。

専門のコンサルタントが、企業やサービス内容にあったECカートシステムを一緒に選びます。

その後の不安なども一緒になって解決に導いてくれるでしょう。

 

ECサイト制作の事例はこちら

 

まとめ

まとめ

オンライン上で商品販売にあたり、ECカートシステムは必要不可欠ともいえるツールです。

しかし、自社にあったものを選ぶにはサービス内容や機能といろいろな面から判断しなければなりません。

間違って機能がないものを選んだり、機能が既存のシステムよりも劣っていればユーザー離れも招きます。

これから導入するシステムで、うまく売上向上させるためにも最適なシステムを選んでください。