ペンギンアップデートは悪質なスパム・被リンクを行うサイト・ページにユーザーがアクセスできないようにするGoogleの施策です。
SEO上避けて通れませんが、最も有効な対策はユーザビリティ向上に帰結し具体的な方法は明かされていません。
ただし、ペンギンアップデート対策・検索順位向上のヒントとして「Googleウェブマスター向けガイドライン」が提案されています。
ガイドラインに定義されたペナルティを掘り下げることで有効な対策を考えてみましょう。
目次
ペンギンアップデートの概要
ペンギンアップデートとはWebサイトの検索順位を適正化するために行われたGoogleの検索エンジンアップデートです。
<Googleの対応>
- 対象となるWebサイト・ページの評価下落
- 対象となるサイト・ページの検索順位を下げる
- 対象となるサイト・ページのインデックスを削除し検索結果にサイトを表示させない
ペンギンアップデートの目的はそのネーミングから汲み取ることができます。
Googleの目標はよいサイトと悪いサイトを明確に区別し、よりよいサイトをユーザーに早く提案することです。
そのためよいサイトと悪いサイトを白黒はっきり区別できる基準、つまりアルゴリズム構築に注力しています。
ペンギンが採用されているのはその理念を明確に表現できるモノトーンカラーのイメージが強い動物だからです。
先行して行われていたパンダアップデートでパンダが採用された理由も同様の理由となります。
ペンギンアップデートとパンダアップデートの違いは「何を」ペナルティ対象とするか、です。
ペンギンアップデートは主にスパム行為、クオリティの低い被リンクを対象としています。
対してパンダアップデートはコピペが疑われる重複コンテンツや中身がない低品質な情報コンテンツが主な対象です。
いずれもページを低品質化させる要素が対象となっています。
SEO対策の事例はこちら
ペンギンアップデートの歴史
ペンギンアップデートは2012年4月にスタートしました。
その後、2016年9月までの4年5か月間でトータル7回のアップデートが行われています。
<ペンギンアップデートの過去履歴>
- 2012年4月24日
- 2012年5月25日
- 2012年10月5日
- 2013年5月22日
- 2013年10月4日
- 2014年10月17日
- 2016年9月23日
アップデートの主な内容はアルゴリズムの改善とGoogleガイドラインに抵触するブラックハットSEOサイト・ページへのペナルティです。
<2016年9月以降のペンギンアップデート>
- ペンギンアップデートの実行がリアルタイム化
- ペンギンアップデートの対象となったページを再クロール・再インデックス
- ペンギンアップデートの更新に関する告知の廃止
- ペンギンアップデートの更新が継続的なものに
2016年9月23日に行われた7回目のアップデート以降、ペンギンアップデートは検索順位を決定するメインの要素となっています。
つまり、ペンギンアップデートはすでにGoogleの検索順位を決定する重要な要素となっているのです。
ペンギンアップデートの対策方法
ペンギンアップデート対策を最もシンプルにするとルールを守りユーザーファーストのサイト・ページを作る、となります。
具体的な方法を確認していきましょう。
Googleガイドラインに準拠する
Googleはサイト運営者向けにGoogleウェブマスター向けガイドライン」(品質に関するガイドライン)を公開しています。
ペンギンアップデート対策として最も確実な方法はそのガイドラインに沿ったサイト・ページ制作です。
そこで、まずは「Googleウェブマスター向けガイドライン」をしっかりと確認するところから始めてみましょう。
ガイドラインではユーザビリティ低下を重く捉え、UX低下につながる要素をペナルティ対象と設定しています。
そのペナルティ対象こそ、ペンギンアップデートで順位下降・インデックス削除となっているサイト・ページです。
つまり、ユーザビリティを最優先に考えたWebページ・サイトの制作・運用がペンギンアップデート対策の1番の近道となります。
ペナルティを受けたらまず解除する
ペンギンアップデートで自社サイトがペナルティ対象となってしまったら、直接の原因となっているページを確定しましょう。
サーチコンソールでペナルティに関する通知が来ていることがあるので、まずはそれを確認してみてください。
通知の内容がスパム・被リンクに関することであればペンギンアップデートによるペナルティを受けている可能性が高いです。
※サーチコンソールでメッセージが来ていないこともあります。
次にペナルティの原因となっているスパム・被リンクを見つけ出し削除・解除・否認しましょう。
その上でサーチコンソールからサイト・ページが改善済みであることをGoogleに報告し、再審査・インデックスを依頼します。
Googleが再審査によりOKを出せばペナルティ解除され、検索順位回復・インデックス再登録の可能性が復活する流れです。
ユーザーに有益なサイトを作成する
Googleは「多くのユーザーから被リンクを受けるサイトにはそれだけ有益な情報が記載されている」と考えています。
有益なサイトであれば情報へ再アクセスしやすいようにブックマーク機能を活用するからです。
つまり思わず拡散したくなる有益な情報を掲載することこそ、Googleが高評価を与えたい対策となります。
そもそもペンギンアップデート自体が有益なサイトの検索順位を上げるために始まった改善です。
だからこそユーザーニーズは何か、ユーザーにとって「何が」有益なのかを考えることがペンギンアップデート対策の第1歩となります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ペンギンアップデートの対象
ペンギンアップデートの対象はGoogleのガイドラインで定められた違反行為に該当するサイト・ページです。
特にスパム・低品質な外部からの被リンクがペナルティ対象となります。
キーワードの過度な多用
Googleが定めるペナルティ対象としてまず注目したいのが、不自然かつ過剰にキーワードを盛り込んだページです。
例えば、ページのテーマに無関係な住所・市町村名・電話番号などの不自然な羅列が挙げられます。
また、テキストの中に文法を無視する形で過剰に盛り込まれたキーワードもよくある手法です。
キーワードを盛り込めるだけ盛り込めばソースコード上はキーワードを多く含んだページとなります。
しかし、ユーザーにとっては読みづらい・何を伝えたいのかわからないためユーザビリティを低下させるスパム行為とされています。
隠しテキストや隠しリンク
ユーザーに見えないように設置された隠しテキスト・リンクも定番のスパム行為です。
<隠しテキスト・隠しリンクの例>
- ページ背景の色とフォントカラーを同じ色に設定
- フォントサイズをゼロに設定したリンクの設定
- テキスト内で使用されているキーワードにユーザーに気づかれないようなアンカーテキスト など
こうした方法はソースコード上リンク・キーワードが設定されています。しかし、ユーザーにとっては視覚的に邪魔になりません。
そのためユーザビリティを無視する形で多用されてきました。
現在では悪質なスパム行為・被リンク行為としてペンギンアップデートの対象となっています。
クローキング
クローキングとはソースコードに記載されている文章とユーザーが読む文章を故意に異なるものにすることです。
検索順位の決定に大きな役割を果たすクローラーの巡回・インデックスではキーワードを多く含んだ文章を認識させます。
対してユーザーが読む文章は自然な文章を表示させる手法です。
スパム行為
Googleガイドラインにはその他にもスパム行為として様々なペナルティが定められています。
中でも悪意のあるページ・LPへ誘導するケースに注目してみましょう。
<自動生成されたコンテンツの悪用>
特にアメーバブログやFC2ブログなど無料でアカウントを取得できるブログサイトを活用して行われていたスパム行為です。
まず、コンテンツを自動生成するプログラムなどを利用して複数ブログにページを作成します。
そのページに大量の被リンクを設定することで被リンク数を増やす手法です。
自動生成されたコンテンツは内容・文章ともに低品質でユーザビリティは一切考慮されていません。
<検索順位の高い誘導ページを不正に利用したリダイレクト>
検索結果が上位表示されているページを呼び水にしたスパム行為です。
ページにアクセスしたらまったく関係のない商品紹介ページやLPにリダイレクト(案内)されてしまいます。
<悪意のあるリッチスニペットマークアップ>
メタディスクリプション内にページと一切関係のない内容・虚偽の内容を書いたり、ユーザーには表示されない文言を盛り込む手法です。
その他にも下記のような事例がスパム行為として定義されています。
- オリジナル性のない重複情報がすべて、もしくはほとんどを占めるページ
- 無許可で行われる他コンテンツのコピペ
- 悪意のある不正行為が行われる可能性を持ったページ:フィッシング・ウイルス・トロイの木馬・マルウェア など
- Googleに対する自動化クエリ など
紹介したスパム行為は「Googleウェブマスター向けガイドライン」に記載されていますが、変更可能性も否めません。
定期的にチェックする機会を設けるようにしましょう。
ペナルティ改善のためのチェック項目
ペンギンアップデートによるペナルティ対象とならないために「Googleウェブマスター向けガイドライン」は欠かせない教科書です。
ウェブマスター向けガイドラインに違反していないか
ペンギンアップデートの対象は「Googleウェブマスター向けガイドライン」のペナルティ対象とイコールです。
そのためペナルティ改善施策のチェックポイントはガイドラインに抵触していないかどうか、が大原則となります。
<チェックポイントの例>
- 検索エンジンから訪れたユーザーの検索意図に沿ったページか?
- 他サイトと比較して有益な情報か?
- キーワードの使用のために文法や文脈を無視していないか? など
1点、注意が必要なのがアップデートによるガイドラインの変更可能性です。
もし、ペナルティ対象とならないか不安なのであればガイドラインの最新版や過去のペナルティ事例を確認するようにしましょう。
不要なリンクを貼られていないか
ペナルティ改善に向け、下記のようなリンクが貼られていないかどうかもチェックを要します。
- リンクの設定は適切か?
- スパムと判断されかねないリンクはないか?
- 隠しリンク設定されていないか?
- 不自然かつ過剰にアンカーテキストが盛り込まれていないか?
- ディレクトリ型登録サイトからの不自然かつ過剰な被リンクはないか?
- 他サイトへの記事・プレスリリース内のアンカーテキストリンクはないか?
- 同じフォーマットで大量生成されたページから受けている被リンクはないか?
- 自動生成プログラムによって作成された不自然なページからのリンクはないか?
- 低品質なディレクトリ・ブックマークにリンクされていないか?
- 様々なサイトのフッターに散らばってリンクが埋め込まれていないか?
- コメント欄の投稿・署名中に含まれた明らかに故意のリンクはないか?
こうしたリンクはユーザビリティ向上という本来の目的ではなく、検索順位向上のみを目的として設定されています。
また、他者から故意に不要なリンクを大量に貼られてしまう逆SEO攻撃のリスクも考慮に入れておくべきでしょう。
ページのテーマや本来の目的とはかけ離れた不要なリンクがないかどうか、が注目ポイントです。
SEO対策の事例はこちら
検索順位はホワイトハットSEO次第
検索順位向上の判断基準としてホワイトハットSEOが実行されているか、に注目が必要です。
<ホワイトハットSEOの施策例>
- 多くの人に需要のある適切な情報量のコンテンツページ作成
- クローラーの巡回しやすさを考えたシンプルなサイト構造、内部リンク
- インデックスしやすさを考えHTMLの構造をよりシンプルにするなど
- サイト・ページのUX向上
- ページの表示スピードアップ など
検索順位を上げるためではなく、シンプルにユーザーと検索エンジンの利便性を向上させるための施策がホワイトハットSEOです。
Webサイト運営者が考えるべきペンギンアップデート
Webサイトを運営する際、Googleがなぜペンギンアップデートを行ったのか考えることが重要です。
特に、ユーザーの検索意図を考えることはペンギンアップデート対策の重要なヒントとなります。
ユーザーのためにコンテンツ制作を行う
Webサイト運営者がサイト運営やページ制作で最も重要視するべきことはユーザーです。
Googleのそもそもの目的はユーザビリティの高いサイトやページの検索結果順位を高めることにあります。
そのため、ユーザビリティの低いサイト・ページの順位を下げる施策としてペンギンアップデートが行われました。
ペンギンアップデート以降、検索順位はユーザビリティ向上につながる施策が行われているかどうかに左右されます。
また、今後も「どうすればユーザビリティ向上につながるか?」という方向性での対策が求められるでしょう。
良質のコンテンツを作ること
ペンギンアップデート対策の本質はユーザーにとって有益なWebサイトを作ることです。
そのため、サイト内にある各ページも良質なコンテンツであることが求められます。
そこで問題になるのが良質なコンテンツとは何なのか?ということです。
1つだけ、確実な答えとしてユーザーの検索意図を満足させるコンテンツが挙げられます。
例えば「革財布 お手入れ」というキーワードで検索するユーザーの検索意図を考えてみましょう。
キーワードから目的は素材が革でできている財布を長持ちさせること、知りたい情報はおすすめのお手入れ方法です。
プロである革製品を取り扱うメーカーや工房のサイトであればコンテンツ制作意義があるのではないでしょうか。
さらに良質なコンテンツにするためには、ユーザーが満足する量と内容のお手入れ方法を提案する必要があります。
自社商材をアピールするチャンスでもありますが、ユーザーのページ訪問意図はあくまでもお手入れ方法に関する情報です。
主題がずれないような情報量と内容の濃さを意識すると良質なコンテンツ制作につながります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
今後のSEO対策のポイント
SEO対策の1つとして、ユーザビリティ低下につながるエラーにも注目してみましょう。
403 Forbidden
「403 Forbidden」とはエラーの1つでWebサイト自体が閲覧禁止になっている状態です。
特にユーザーがそのサイトにアクセスする権限が削除、もしくは制限されている状態が該当します。
Webサイトの管理者のケアレスミスが多いのですが、何らかの理由で管理者サイドが閲覧禁止にしているケースもあります。
例えば、ある企業で社外秘のデータを取り扱うために利用する社内ネットワークの場合などです。
403 Forbiddenはエラーそのものが検索順位決定の要素となっているわけではありません。
ただし、ユーザビリティ低下要因の1つではあるので発生した場合は適切かつ早急な対応をおすすめします。
502 Bad Gateway
「502 Bad Gateway」はサーバーを理由とするエラーの1つです。
例えば、一時的にサイト・ページへアクセスが集中してしまい表示速度が遅くなるなどの不具合が出た場合に発生します。
アクセス状況がサーバーのスペックを上回るレベルになってしまうと502 Bad Gatewayの表示が出る仕組みです。
502 Bad GatewayはGoogleが検索順位決定との関係を認めているわけではありません。
ただし、502 Bad Gatewayの状態になっている間は検索エンジンのクローラーもページ巡回不可となります。
巡回できない状態が長く続くと利便性低下も考えられるのでSEO上好ましい状況とはいえません。
また、ECサイトなどであればアクセス集中による閲覧不可の状態は離脱率につながる可能性も考えられます。
しかし、ユーザビリティ低下の懸念が考えられます。
ペンギンアップデートの対策で悩んだら
もし、ペンギンアップデートを考慮したSEOにお困りでしたらデジマクラスへご相談ください。
ペンギンアップデート対策はSEO対策の中でも特に重要な基本の部分にあたる対策です。
しかし、確実かつ最も有効な方法はGoogleのガイドラインを遵守しユーザビリティの高いページ・サイトを作成することとなっています。
具体的な方法を見いだせず困ってしまう企業や担当者も実は少なくありません。
そこでデジマクラスがこれまでに蓄積してきたWebマーケティング・デジタルマーケティングノウハウをお役立てください。
ペンギンアップデートを考慮に入れたSEOについても豊富な分析データに基づく提案が当然可能です。
多くの方が迷うポイントでもある具体的なSEO施策を提案できるのが強みです。
SEO対策の事例はこちら
まとめ
ペンギンアップデートとはスパム行為やユーザビリティ低下につながる被リンクを対象とした検索順位の適正化施策です。
最も有効な対策としてGoogleのWebマスター向けガイドラインに基づき、ユーザビリティを高める施策が求められます。
ユーザーが欲しい情報をもっとも良質な状態で届けるにはどうすればいいかという考え方を軸にサイト・ページを作成しましょう。