「サステナブルの事例について詳しく知りたい」という方もいるのではないでしょうか?
近年、自然環境の破壊やCO2の排出増加に伴う気温上昇など、様々な環境問題が起こっています。
そのため持続可能な社会にしていくためにも、多くの企業でサステナブルやSDGsという言葉が着目されているのです。
そこで今回は、具体的なサステナブルの事例について詳しく紹介していきます。
サステナブル経営をしようと考えている方は必見の内容です。
目次
サステナブルの概要
ここからはサステナブルの概要について紹介していきます。
- サステナブルの意味
- 注目されている理由
まずは基本をしっかり押さえておくようにしましょう。
「サステナブル」の意味
サステナブルとは、「持続可能な」という意味になります。
他にも「耐えられる」や「支えられる」という意味があります。
SDGsという概念が台頭してきたと同時にサステナブルという言葉が使用されるようになりました。
自然や環境を「持続可能」にしていくといった文脈で利用されることが多いです。
注目されている理由
サステナブルが注目されている理由は、貧困・飢餓・環境破壊などありとあらゆる問題が出てきているからです。
経済活動が発展してきたが故に、貧富の格差や環境破壊の進行がかからない状態になっています。
そのため、こういった現象に歯止めをかけるべく、SDGsという概念が作られました。
世界各国の企業や団体が、そういった問題を解決すべく活動を行っているのが現状です。
ちなみにSDGsに関しては、次の章で詳しく解説していきますので、そちらを参考にしてください。
サステナブルとSDGsの関連性
ここではサステナブルとSDGsの関連性について紹介していきます。
- SDGsの開発目標
- SDGsが採択された背景
SDGsは21世紀を生きていく上での重要な概念になりますので、しっかり押さえておきましょう。
SDGsの開発目標
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で、持続可能な開発目標のことを指します。
2016年から2030年内に達成することを目標としていて、以下の17項目が設定されています。
以下の17個の項目は必ず押さえておきましょう。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正を全ての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
引用元::https://ja.wikipedia.org/wiki/持続可能な開発目標
総じて、貧困や環境破壊など、21世紀において様々な問題となっていることを解決することが大きな目標となっています。
SDGsが採択された背景
SDGsが採択された背景としては、「環境配慮を無視した経済成長の発展」が大きな理由となっています。
1950年以降、主要国間の戦争が終結しつつあり、国家の立て直しのために本格的に経済発展を行っていきました。
例えば日本は、高度経済成長時代ともいわれる時代が存在し、経済成長をどんどん進めていくことに重きを置いたのです。
しかしその代償として、大きな環境破壊や貧富の格差が起こったりしました。
例えば大量生産・大量消費による資源の枯渇や、貧困率の上昇などが問題視されるようになったのです。
水俣病やイタイイタイ病などの公害が発生したことも、大きく関わってきます。
以上のように経済成長を重視するがあまり、環境問題を蔑ろにするということが世界中で起こっていたのです。
そこでまず最初に「MDGs」という概念が提唱され、2015年までに達成すべき7つの目標を掲げ問題解決に向けて取り組みを開始しました。
ちなみにMDGsとは、「Millennium Development Goals」の略で、ミレニアム開発目標と呼ばれます。
ミレニアム開発目標では「平和、安全および軍縮」や「開発および貧困撲滅」、などが目標としてあげられていました。
しかし、達成できたものもあれば、未達に終わった目標があったため、MDGsを踏まえ「SDGs」という概念が生まれたのです。
大量消費社会の抱える課題
大量消費社会とは、贅沢品やブランド物などを大量に生産し、購入したものを廃棄したりして消費する社会のことです。
要は大量に作って、大量に捨てるということです。
しかし、同時に大きな問題もあり、例えば以下の2つのような課題があげられます。
- 大量生産に伴う資源の枯渇
- プラスチックゴミやフードなどの大量廃棄
物をたくさん生産するということは、必要となる資源が当然増えます。
そのため、大量に生産するにしたがって資源がどんどん枯渇していってしまうのです。
例えばレジ袋などがあげられます。
レジ袋は主に石油で作られていますので、産出国も限られますしそもそも石油という資源が無限にあるわけではありません。
レジ袋は大量に作られますので、その分石油が使用されているということにもなります。
またプラスチックゴミやフードなどの大量廃棄も1つの問題です。
例えば、クジラの胃袋の中から40kgものレジ袋が出てきたことは、世界中からの注目を浴びました。
海洋汚染にもつながることになり、結果海洋生物の生存危機にもなってしまうのです。
以上のように大量消費社会によって資源が枯渇したり、大量廃棄による弊害がもたらされます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
業界別のサステナビリティデザイン
ここでは業界別のサステナビリティデザインについて紹介していきます。
今回は主に3種類のサステナビリティデザインを解説していきます。
建築
建築の場合は、環境汚染や生物生態系の破壊などが問題になっています。
そこで、その問題を解決すべく、「サステナブル建築」という概念が提唱されました。
例えば電気の節電による省エネの実現であったり、再生可能エネルギーを使って有害物質の排出を抑制するといったことがあげられます。
これを行うことで、資源を再活用することができ、地球の環境にも優しい状態が実現可能です。
また、地域の景観であったり、土壌への配慮を行ったりもします。
以上のようなことを目標に建築はサステナビリティデザインを設計しているのです。
食品
食品の場合は、フードロスが問題となっています。
そこでその問題を解決すべく「サスティナブルフード」や「サステナブルシーフード」という概念が提唱されました。
サスティナブルフードとは、生産から消費までの過程で環境に悪影響を与えない食材のことをいいます。
例えば次のような食品があげられます。
- オーガニック有機野菜
- 代替肉
- 認証コーヒー
例えばコーヒーは、生産や生産者に関する問題があげられます。
コーヒーはコーヒーノキという木から採取できる実から作成されます。
ただ木という特性上、大量伐採が進み、土壌の枯渇や生態系破壊にも繋がったのです。
そのため、「レインフォレスト・アライアンス」などそういった問題を解決する制度が設立されました。
その制度を突破したコーヒーを認証コーヒーといいます。
また、サステナブルシーフードとは水産資源や環境に配慮し、認証を得た漁業で取れた魚のことです。
水産資源に配慮した「MSCラベル」と環境絵の影響を最小限にした「ASC認証」の2種類があります。
日用品
日用品であれば、「リサイクル」して作られた物などがあげられます。
例えば、リサイクルして作られたトイレットペーパーや服などです。
他にも、木で作られた食器や、紙で作られた容器などがあります。
以上の他にも、再利用できる様々な資源を使って、日用品が作られているのがポイントです。
その他
その他にも例えばファッションなどがあげられます。
ファッションは大量に生産しやすく、同時に大量に廃棄されてきました。
そこで、次のようなところが現在注目されています。
- 廃棄された服で新しい服を作る
- コットン100%などオーガニック素材にこだわった製品を作る
以上のようなファッションを「サステナブルファッション」と呼びます。
サステナブルの事例
ここからはサステナブルの事例についてそれぞれ紹介していきます。
5社にわたって紹介していきますので、参考にしてください。
H&M
H&Mは、スウェーデン発祥のアパレルメーカーになります。
H&Mでは、例えば次のようなことが行われています。
- 古着回収サービス
- 使用素材の変化
- ショッピングバックの消費減少
H&Mでは、H&Mの製品のみならず様々なブランドの衣料品を回収しています。
回収すると引き換えに3,000円以上の買い物で500円割引できるクーポンを提供しているのです。
加えて回収した衣服をリサイクルして服を新たに作ったり、オーガニックコットンを素材として使っていたりもします。
また、ショッピングバックの消費を減少させるために、レジ袋の有料化を図ったりもしているのです。
アディダス
アディダスは、ドイツ発祥のスポーツ用品メーカーです。
「END PLASTIC WASTE」を掲げており、徹底的にプラスチック製の商品をリサイクルしています。
例えば、使用済みのシューズを分解・粉砕して、その資源を元に新たなシューズを生み出すということです。
2024年までには、リサイクルポリエステルを100%で使用すると公言しています。
NIKE
ナイキはアメリカを本社に置く、スポーツ用品メーカーです。
「Move to Zero」という理念を掲げており、二酸化炭素の排出量をゼロにすることを目標として活動しています。
例えばシューズの作成においてサステナブルデザインを実現しています。
プラスチック製品・織り糸などのサステナブル素材を利用して、シューズを作成しているのです。
結果、大幅な二酸化炭素削減に貢献しています。
ユニリーバ
ユニリーバはイギリスのロンドンに本社を置き、洗剤やヘアケアなどの家庭用品を販売する多国籍企業です。
中でも「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」というものを打ち出していました。
これは、環境負荷の削減やすこやかな暮らしができることを目標に、様々な活動を行うものです。
具体的には、例えば「温室効果ガスの負荷を半減」や「廃棄物の半減」などの目標が設定されていました。
なお、次の活動として、「ユニリーバ・コンパス」というものを打ち出しています。
これらも廃棄物・ジェンダー平等・気候変動などのSDGsの目標に沿って取り組んでいくものが多いです。
株式会社ユニクロ
ユニクロは日本発祥のアパレルブランドです
例えば次のような活動を行っています。
- RE:UNIQLO
- BLUE CYCLE JEANS
RE:UNIQLOは、全ての商品をリサイクルして作り直すといった取り組みです。
また、BLUE CYCLE JEANSは水の使用量を極限まで削って、ジーンズを作成する方法になります。
消費動向・購買モデルの事例はこちら
サステナブル経営の特徴
サステナブル経営とは、環境や社会などの持続可能性に配慮して行う経営のことです。
主に次の2つの特徴を持っています。
- 打ち出している事業が社会課題の解決を目的としていること
- 長期スパンでビジョンを策定している
そもそも打ち出している事業が、なんらかの社会問題を解決することを目的にしています。
例えばユニクロの「RE:UNIQLO」のように、資源の枯渇問題を解決するために行うものがあげられます。
また、基本的に長期スパンでビジョンを策定しているところが多いです。
これはそもそもすぐに解決できるような問題ではないからです。
「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」のように10年スパンで考えている事業もあります。
サステナブル経営を取り入れる際のポイント
サステナブル経営を取り入れる際は、「短期で結果を求めることをしない」ということです。
そもそも環境や貧困の問題というのは、長い時間をかけて形成されたものです。
そのため、1年頑張ったから解決されるということはありません。
解決するためにはかならず長期的な視点が必要となります。
そのため、短期的にビジョンを設定するのはやめておきましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
サステナブルな取り組みの今後の展望
サステナブルな取り組みは今後も活発に行われていくと予測されます。
なぜならSDGsが提唱されて、そもそも時間があまり経っていないからです。
加えて、2030年を一応の区切りとしているので、ここから本格的に動き出す企業や団体が多くなってくるでしょう。
以上のことから、サステナブルな取り組みは今後も増えていくと予測されます。
マーケティング戦略の事例はこちら
サステナブルの実践で困ったら?
サステナブルの事例に関してはこれまで述べてきた通りです。
しかし、「サステナブル経営をどう自分の事業に組み込んだらいいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そんな時はデジマクラスまでご相談ください。
デジマクラスでは、サステナブルの事例について熟知している専門のコンサルタントが在籍しています。
加えて、あなたの事業を踏まえ、どのようにサステナブル経営をしていくべきか提言することも可能です。
サステナブル経営が実現できるよう、弊社と一緒に効果的な事業を考えていきましょう。
消費動向・購買モデルの事例はこちら
まとめ
ここまでサステナブルの事例について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
簡単にここまでのことについて振り返っておきましょう。
- サステナブルが注目されている理由は、貧困・飢餓・環境破壊などの問題が起きているから
- H&Mやアディダスなど世界的な企業もサステナブル経営に乗り出している
- 今後もサステナブルな事業の需要は伸びると予測される
まずは自分の事業を踏まえ、どのような社会課題を解決できるか考えてみるようにしましょう。
この記事があなたにとって参考になれば幸いです。