マーケティング戦略にクーポンを活用したいという人は多いのではないでしょうか。
しかし、ただ闇雲にクーポンを発行してしまうと効果的なマーケティング活動をすることはできません。
クーポンを活用して成果を出したいのであれば、クーポンの効果や注意点など押さえておきましょう。
今回は、そんなクーポンを活用したマーケティング戦略について詳しくご紹介します。
目次
クーポンの概要
クーポンには、もともとフランス語で「切り離す」という意味があります。
そこから切符や回数券のように「切り離す券」がクーポンと呼ばれるようになったのです。
そして、マーケティングにおいては「切り離して使う金券や割引券」といった意味で使われています。
クーポンという言葉は日常的に触れる機会が多く、企業や店舗にとっても顧客にとっても身近なものです。
例えば、以下のような方法でクーポンを手に入れることが多いでしょう。
- 新聞や折り込みチラシ
- レシートに印字されている
- 店頭での配布
- ネットショップで発行される
- 予約サイト(美容・グルメ・旅行)上で選択する
- アプリクーポン
- LINEクーポン
従来のクーポンは、もともとの「切り離して使う金券」そのものでした。
しかし、スマートフォンやSNSの普及によってクーポンのデジタル化が進んでいるのです。
マーケティングにクーポンを活用する際は、クーポンのデジタル化も押さえておきましょう。
クーポンで得られる効果
マーケティングにクーポンを活用する際に、まずはどのような効果が得られるのかを知っておく必要があります。
クーポンの効果を知ることで、より戦略を立てやすくなるでしょう。
ここでは、クーポンで得られる効果を2つご紹介します。
新規顧客の獲得
クーポンの効果の1つに、新規顧客の獲得があります。
ユーザーは常に行きつけのお店に行く訳ではなく、自分に合ったお店や条件を満たすお店を探すことも少なくありません。
そのようなときに、魅力的なクーポンは来店のきっかけになりやすいのです。
お店の存在を知らなかったとしても、「試しに行ってみよう」という来店のきっかけになるでしょう。
新規顧客を呼び込みたいのであれば「ご新規様限定」のクーポンを出すのもいいでしょう。
購入単価のアップ
クーポンによって、購入単価のアップという効果が期待されます。
なぜクーポンで顧客がお得になるにも関わらず、購入単価がアップするのか気になる人もいるのではないでしょうか。
それは「お得だから」「せっかくの機会だから」という理由で追加で購入する顧客もいるからです。
例えば「3点購入で20%オフ」「〇〇円以上購入でポイント5倍」というクーポンがあったとします。
このクーポンが適用されるように、追加購入をする顧客も少なくありません。
「欲しい商品は2つだけどもう1つ買おう」「あと300円でポイントアップだから何か追加しよう」という心理が働くのです。
新規顧客獲得の事例はこちら
クーポンの役割
クーポンは、マーケティングに活用される中でさまざまな役割を担っています。
役割を知っておくことで、クーポンをどのように活用するのが効果的かという判断材料になるでしょう。
ここでは、マーケティングにおけるクーポンの役割を2つご紹介します。
従来の目的は集客
クーポンの従来の目的は、効果的な集客を目指すことです。
「来店のきっかけを作る」「お得感から来店につなげる」といった役割を担っています。
オフラインにしてもオンラインにしても、まずは訪問してもらえなければ購買・成約につなげることはできません。
そのため、いかに効果的な集客を目指すかが重要といえます。
クーポンは来店のきっかけを作ることや顧客に興味を持ってもらうことで、集客につなげることができるのです。
リピーター獲得における役割
クーポンの役割を考えるときに忘れてはならないのが「リピーター獲得」です。
先ほどお伝えしたように、クーポンには新規顧客獲得の効果や効果的に集客をする役割があります。
しかしここで注意したいのが、リピーターを獲得できなければ本当の意味での成功につながらないということです。
マーケティングでは、既存顧客の育成よりも新規顧客の獲得の方がコストがかかるといわれています。
そのため、クーポンを活用したマーケティング戦略でもリピーターを獲得することを目指す必要があるのです。
新規顧客限定のクーポンばかり発行していると、リピーターから「新しい客ばかり優遇している」と思われるリスクがあります。
また、せっかく新規顧客に来店してもらったのであれば、次回の来店につなげるための施策が必要です。
リピーター獲得のためには、「再来店の方限定」「次回から使える」といった条件のクーポンを出しましょう。
クーポンには、集客だけでなくリピーター獲得の役割もあることを押さえておいてください。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
クーポンの対象にすべきターゲットは?
先ほどお伝えしたように、クーポンは新規顧客のみをターゲットとすべきではありません。
マーケティング戦略に活かしていくのであれば、優良顧客層や課題顧客層へのアプローチも必要です。
この2つのターゲット層へのクーポンの必要性についてみていきましょう。
優良顧客層へのクーポンの必要性
企業や店舗に利益をもたらしてくれる優良顧客層には、顧客ロイヤルティを高めるクーポンが必要です。
顧客ロイヤルティとは、顧客が商品や企業・店舗に対して愛着や信頼を抱くことをさします。
優良顧客に愛着を抱いてもらうことで、継続的な利益を期待することができるでしょう。
ここで知っておきたいのは、優良顧客層に向けたクーポンで求められるのは「お得感」よりも「特別感」です。
優良顧客層に向けた「特別感」のあるクーポンによって、より愛着を持ってもらうことにつながります。
課題顧客層へのクーポンの必要性
マーケティングでは、新規顧客の獲得だけでなく既存顧客の維持も行っていかなければなりません。
既存顧客を優良顧客に育成することで、継続的な利益につながる可能性があるからです。
しかし、既存顧客の中には離脱してしまう人もいるため、どのようにして戻ってきてもらうかが課題となります。
このような課題顧客層に対しても、クーポンは効果を発揮することができるでしょう。
「再来店限定」「〇か月以上お買い物していない方限定」といったクーポンは、「また行ってみよう」というきっかけ作りになります。
クーポンは活用次第でさまざまな層にアプローチすることができるのです。
クーポンの活用方法
クーポンを活用したマーケティング戦略を考えるうえで、どのように活用すべきか悩む人もいるでしょう。
ここでは、集客や販促に効果を出すことができるクーポンの活用方法をご紹介します。
- 使用期限を設定する
- 割引以外の特典をつける
- クーポンを利用できる顧客を限定する
- 顧客情報の収集につなげる
使用期限を設けることで、「この日までに行かないと損」という心理が働く可能性があります。
そのような心理によって来店し、購買行動につなげることができるでしょう。
また割引だけがクーポンではありません。ノベルティやくじ引きなど、その他の特典をつけることで顧客の楽しみを引き出すことができます。
誰でも使えるクーポンは集客につなげられますが、マーケティングに活用するなら「条件付き」を検討しましょう。
そして今後のマーケティング活動に必要となるのが顧客情報の収集です。
それには、メールアドレスや公式SNSアカウントの友だち登録、アプリのダウンロードをクーポン発行の条件にする方法があります。
クーポンを使ってもらうことではなく、集客・販促につなげることを意識して活用しましょう。
ブランディング戦略の事例はこちら
クーポンの種類
クーポンと一言でいっても、その中にはさまざまな種類があります。
そのため、どのクーポンを活用すべきか悩む人もいるのではないでしょうか。
ここではぜひマーケティングに活用したい、主なクーポンの種類を4つご紹介します。
お試し体験
お試し体験は、初回限定で商品やサービスを割引価格にしたり、無料にしたりすることです。
「初めてだから不安」「体験してみなければ分からない」という心理は、ユーザーの購買行動にブレーキをかけてしまいます。
そんなユーザーの心理的不安を解消しつつ集客につなげるのが、お試し体験の目的です。
お試し体験クーポンと相性のいい業界・サービスをチェックしていきましょう。
- 美容院
- エステサロン
- 健康食品・ダイエット食品
- 化粧品
- サブスクリプション(継続課金)型サービス
美容院やエステサロンは、行ってみなければお店の雰囲気や店員との相性が分かりません。
特にエステサロンは効果があるか、お金をかけても大丈夫かどうか不安に思う人は多いです。
お試し体験を行うことで、安心して来店してもらうことができます。
化粧品はお試し価格という方法もありますが、来店特典としてサンプルをプレゼントするクーポンも効果的です。
サブスクリプション型では、契約して最初の1~2か月間無料あるいは特別価格にするという方法があります。
サービス契約のハードルを下げることで、「試してみよう」というきっかけを作りましょう。
値引き・キャッシュバック
値引き・キャッシュバックは、特定の商品や一定の条件を満たした場合に適応されるものです。
例えば、一定の条件には「2点購入」「〇〇円以上購入」といったものがあります。
また、サービスの契約によってキャッシュバックという方法も効果的です。
携帯電話・インターネット回線・ウォーターサーバーなど、継続的に利用するサービスの契約で活用されることが多い手法です。
キャッシュバックは現金の他に、ポイントとして還元したり、金券で渡す場合もあります。
送料無料
送料無料は、主にネットショップで使われるクーポンです。
ネットショップで買い物をした場合、商品を配送するために必ず送料が発生します。
その送料をショップが負担するか、顧客が負担するかによって顧客の購買意欲が左右されることも少なくありません。
しかし、常に送料無料にするのはショップの負担が大きくなるでしょう。
そこで「期間限定」「〇〇円以上購入」「次から使える」といった条件付きで送料無料クーポンを発行します。
送料が無料になるということは、顧客の負担が減るためメリットとなるでしょう。
そのため、「この機会にまとめ買いをしよう」「あと〇円で送料無料だからもう1つ購入しよう」という気持ちになりやすいのです。
限定イベントへの招待
限定イベントへの招待は、展示会や体験会など各種イベントに顧客を招待するというものです。
クーポン配布の対象とするのは、リピーターや優良顧客がメインとなることが多いでしょう。
いつも購入してくれる顧客に、感謝の気持ちを込めて招待するというイメージです。
内容としては、新商品のお披露目・エステの体験・限定セールなど、自社のアピールになることを行いましょう。
限定セールは実店舗だけでなく、ネットショップでも開催することができます。
限定イベントに招待されたという特別感が、顧客ロイヤルティを高めることになるでしょう。
クーポンを制作する際のポイント
クーポンは単に制作すれば効果が出る訳ではありません。
ここでは、クーポンを制作する際のポイントを3つご紹介します。
ポイントを押さえて、効果的なマーケティング活動につなげましょう。
目的を明確にする
マーケティングにおいて、目的を明確にすることは必要不可欠です。
なぜクーポンを活用するのか、どのような成果を出したいのかを明確にしましょう。
先ほどお伝えしたように、クーポンで得られる効果には新規顧客の獲得や購入単価アップがあります。
集客力を高めて新規顧客獲得につなげることも大切ですが、リピーター獲得も忘れてはいけません。
しかし、これらすべてのことを目的としても、結局何がしたいのか分からないということになっていまいます。
まずは自社の課題が何なのかを把握した上で、課題を解決するための戦略を立てましょう。
ターゲットを明確にする
クーポンを制作する際に、目的だけでなくターゲットを明確にすることも大切です。
自社が扱う商品やサービスのターゲットだけでなく、目的を達成するためのターゲットを意識しましょう。
目的を達成するためのターゲットとは、「新規顧客」「既存顧客」「優良顧客」「離脱顧客」などがあります。
ターゲットとクーポンの内容が合っていなければ、いくら制作しても顧客はクーポンを使ってくれないでしょう。
顧客にとって魅力的なクーポンを制作するためにも、ターゲットを明確にする必要があるのです。
同時に複数配布する
クーポンを同時に複数配布することも、制作の際のポイントの1つです。
例えば下記のような方法で同時に複数配布することができます。
- 冊子にする
- 1枚の紙に複数つける
- カレンダーにつける
同時に複数配布することで、使いたいクーポンを顧客に選んでもらうことができるでしょう。
選ぶ楽しみを生み出すだけでなく、利便性の向上にもなります。
使用可能な期間をずらすことで、来店の機会を増やすこともできるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
クーポンの活用で注意すべきポイント
クーポンをマーケティングに活用するときには、注意しておきたいポイントがあります。
注意点を知らずに実施しても、期待する効果を出せないこともあるでしょう。
ここでは、クーポンの活用で注意すべきポイントを3つご紹介します。
広告とクーポンに関連性をもたせる
広告とクーポンは関連性をもたせることで、より顧客の購買意欲を高めることができます。
そのため、広告とクーポンに関連性があるかどうかしっかりと確認しましょう。
例えば、美容院で「カット+パーマ+カラーで9,980円」というクーポンがあったとします。
しかしその広告に掲載されている写真が、黒髪ボブの女性だったら顧客はどう思うでしょうか。
そのクーポンに興味をもった顧客は、カットとパーマをしたいと思っているはずです。
関連性のない写真からは、それ以上の興味・関心を抱くことはできないでしょう。
そればかりか、その美容院への興味が薄れてしまうリスクもあります。
そうならないように、広告とクーポンは関連性のあるものにしましょう。
何がお得になるのかを明確にする
割引・値引きクーポンでは、何がお得になるのかを明確にすることも大切です。
アパレルショップでよく使われるクーポンに「2点購入で〇%オフ」というものがあります。
この場合、2点とも割引なのかどちらか1点が割引なのか迷う人も少なからずいます。
そして、迷っているうちに購買意欲が低下してしまうこともあるでしょう。
実店舗では店員に聞くことができますが、ネットショップの場合は自分で調べなければなりません。
また、どれくらいお得になるのか記載しておくことも、購買意欲を高める要因となります。
例えば「通常価格〇〇円」「通常価格より〇〇円お得」と明記しておくという方法です。
何がどれくらいお得になるのか明確にして、顧客の購買意欲を高めましょう。
ブランドイメージの保持
ブランドイメージを下げないように気をつけることも大切です。
割引や値引きの期間が継続すると、「安いお店」「お得なお店」というイメージがついてしまうことがあります。
もし「商品の質」を売りにしたいのであれば、「安いお店」はブランドイメージとは異なるものとなるでしょう。
ブランドイメージを保持するのであれば、継続的な割引・値引きは避けた方がいいです。
また、クーポンマーケティングとともにブランディングについても考えていきましょう。
クーポンを活用したマーケティング戦略で悩んだら
クーポンを活用したマーケティング戦略は、クーポンを使う条件や内容などさまざまなことを検討しなければなりません。
紙のクーポンにするかデジタルクーポンにするか、そしてどのような方法で宣伝するかなど悩むことも多いのではないでしょうか。
もしクーポンを活用したマーケティング戦略でお悩みのことがあれば、デジマクラスにご相談ください。
マーケティングのノウハウを持ったコンサルタントが、クーポンの活用で成果を出すためのサポートをさせていただきます。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
今回は、クーポンをマーケティング戦略に活用する方法についてご紹介しました。
従来のクーポンは集客を目的としていましたが、リピーター獲得や既存顧客維持にも活用されています。
そのため、ターゲット層を明確にして目的に合ったクーポンを制作しなければなりません。
紙のクーポンだけでなくSNSやアプリを使ったクーポンも活用して顧客にアプローチしましょう。
デジマクラスはデジタルマーケティングに強いため、SNSやアプリを活用したクーポンの活用についてもぜひご相談ください。