Adobeアナリティクスは、PotoshopやIllustratorで有名なAdobe社が開発したマーケティング分析ツールです。
しかしマーケティングを分析いっても、どのように使えば良いのか具体的なイメージがつかないという人もいるのではないでしょうか。
ここではAdobeアナリティクスの使い方や特徴を解説します。この機会にマーケティング分析で活用できるようになりましょう。
目次
Adobeアナリティクスの概要
Adobeアナリティクスは、自分が作成したwebページにアクセスした閲覧者達の経緯や情報などをデータとして収集します。
利益を出していく上で、このデータの関連性を知ることは非常に大事です。データは1つや2つ集めただけでは意味がありません。
逆に何千何万というデータを収集していくことで、データ同士の関連性に気付くことが出来るのです。
このデータは組織の意思決定支援(データウェアハウス)に役立ちます。
そうした成果を上げるために大切なデータ解析を簡単にこなしてくれるアプリが、Adobeアナリティクスなのです。
Adobeアナリティクスは、目標達成度や新規訪問者などをグラフで作成することが出来ます。
誰が見てもこの記事が伸びているのかどうかを判断することが可能です。
Googleアナリティクスとの関係性
Adobeアナリティクスが生み出される数年前から、Google社がGoogleアナリティクスを提供していました。
2021年現在では、データ分析を行う上で多くの企業や個人でGoogleアナリティクスかAdobeアナリティクスのどちらかが選ばれています。
それぞれ機能や特徴に違いがあるため、どちらを使うべきかは一概におすすめする事は出来ません。
自分なりの基準を設けて選ぶと良いでしょう。
Adobeアナリティクスの利点は以下の3点です。
- サンプリングの範囲が広い
- 分析から結果を出すまでの速度が速い
- カスタマイズしやすい
Googleアナリティクスの利点は以下の2点です。
- 無料で使用できる
- Googleアカウントを持っていればすぐ使える
機能を重視するのであればAdobeアナリティクス、気軽に使いたい場合はGoogleアナリティクスを選ぶと良いでしょう。
Webマーケティングの事例はこちら
Adobeアナリティクスの導入手順
Adobeアナリティクスの導入手順を説明していきます。
実際の導入だけでなく、その前に意識するべき「目的」という点についても見ていきましょう。
目的を明確にする
Adobeアナリティクスはデータ分析をより詳しく行うことが出来るツールです。
そのため、「どこまで知りたいのか」ということをはっきりさせなければなりません。
つまり、使用する上での目的を明確にする必要があります。
逆に目的を明確にしないと情報の取捨選択に時間がかかってしまうのです。
その状態だとツールをきちんと使いこなすことも難しいでしょう。
目的の例としては、以下のようなものがあります。
- どの検索エンジンから検索されることが多いのか
- 継続的に購入している人がどれほどいるのか
- どれほどの人数が閲覧しているのか
導入する理由や目的はその個人や企業それぞれであるため、これ以外にも様々あるでしょう。
どのようなものであっても、導入する目的を明確にするのはAdobeアナリティクスを使いこなす上で大切なことです。
導入の相談
Adobeアナリティクスは、公式サイトからの導入が基本となります。
サイトには利点や機能などが書かれていますが、その一番右上に青色の楕円の中に「導入の相談」という項目があるのでそこをクリックしましょう。
クリックすると様々な情報を記入するための欄がでてきます。
実際の導入
記入する項目は以下の通りです。
- 国/地域
- 都道府県
- 会社名
- 性
- 名
- 法人用電子メール
- 法人用電話番号
- 所属部署(14個の中から選択)
- 所属/肩書き(5個の中から選択)
- 最も関心のある分野(20個の中から選択)
- ご意見およびご質問(必要に応じて)
これらの情報を入力することでAdobeアナリティクスを入手することができるようになります。
基本的に選択なので特に難しいところはありません。
もし分からないことあった場合は、用意されているヘルプセンターへ連絡しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Adobeアナリティクスの特徴
Adobeアナリティクスならではの特徴を解説します。
Googleアナリティクスとは違い、多機能な上に分析が快適なのがAdobeアナリティクスの特徴です。
色々な情報を収集できる
Adobeアナリティクスはサイトへの参照方法を入手するために、音声やIoT機器など様々な方法で情報を入手してきます。
また、今現在の情報だけでなく未来分析する機能もあるため、非常に広い範囲から情報を入手することが出来ます。
データ分析が快適
Adobeアナリティクスを使用することでwebページの閲覧者という広い範囲での情報入手だけでなく、商品単位の分析も可能です。
そのため限定的な範囲での情報収集もしやすくなっています。
他にも顧客ごとにどこまで読み、どこで離脱したのかなどの離脱率などを正確に把握することが可能です。
これによりデザインや文字のレイアウトがどこまで良いかなどが分かります。
Adobeアナリティクスの特徴は以下の2点です。
- 幅広い情報を収集できる
- データ分析を快適に行える
Adobeアナリティクスの機能
Adobeアナリティクスの機能を紹介します。
様々な機能がありますが、ここでは特に特徴的な2つの機能を見ていきましょう。
計算指標
計測タグでカウントされた実数値である指標を中央値・最大値・合計値などを使用して見やすい表を作成することが出来ます。
他にもある期間での変化の割合を値として出せたり、折れ線グラフなどに変化させたりと、自分が見やすい結果としてだすことができます。
予測分析機能
情報技術を日々進化させてきたAdobe社は、Adobe Senseiという人工知能(AI)を生み出しました。
この人工知能が異常値検知と貢献度分析を自動で行うため、なぜこの結果が出たのかという原因究明を簡単に行うことが出来ます。
データ解析・活用の事例はこちら
Adobeアナリティクスのメリット
Adobeアナリティクスが様々な企業などで広く活用されているのは、相応のメリットがあるためです。
そこでAdobeアナリティクスを活用するメリットについて見ていきましょう。
20年の分析ノウハウが蓄積されている
Adobe社はデジタルイノベーションを経た2021年現在でも成長を続けています。
この企業のデータ分析能力は、「The Forrester Wave™:web分析」というレポートでリーダーに選ばれています。
この20年分の分析ノウハウの蓄積こそ、Adobeアナリティクスが高く評価されている理由です。
20年という月日で収集した情報から規則性を導き出し、正確な結果を出すことが出来ます。
AIなどを活かした多角的なデータ分析
人工知能の活用や機械学習を行うことで、現在起きているデータだけでなく未来予測した結果を判断材料にできるのも魅力です。
また人工知能がアトリビューションモデルを作成してくれる機能がついています。
顧客の貢献度や、離脱率など多角的な視点データ分析を行えます。
IoTや動画などとのデータ統合
AdobeアナリティクスはアレクサなどのIoTの音声認識システムから検索されたかどうか、ということも判断することができます。
さらにIoTだけでなく、動画やアプリなどともデータを統合できるところも魅力の1つです。
Adobeアナリティクスにデメリットはある?
ここまで様々なAdobeアナリティクスの良さを解説しましたが、無論デメリットもあります。
導入を検討する際は、ここで紹介する点を頭に入れて本当に使いこなせるかどうかを判断するようにしましょう。
サポートを受けなければならない
Adobeアナリティクスは高度なデータ分析を行うことが出来ます。
しかしその分システムが複雑であるため、すぐに使いこなせるようになる人は少ないでしょう。
そのためどう使えば良いのか分からない点が多々でてくる、ということも起こり得ます。
複雑であるため導入後すぐスムーズに使いこなせない、という点はデメリットといえるかもしれません。
分からなくなった場合は、Adobeに連絡して直接教えてもらいましょう。
SDRをきちんと残す必要がある
Adobeアナリティクスは非常に自由度が高く、目的に応じたデータ分析を行うことが出来るということが強みです。
しかしどのように情報を取捨選択したのかという経緯を記録したり、セグメントなどの明確化などをしたりしておかなければなりません。
これを行わないと、記録したデータが意味のないものとなってしまいます。
そのためSDRという文書を作っておくべきです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Adobeアナリティクスの活用事例
ここでは、Adobeアナリティクスを実際に使用している有名な大企業を紹介します。
実際にどのような箇所で活用されているのかを知って、導入後に活用する際の参考にしましょう。
Yahoo!株式会社 | Yahoo!ショッピング
まずはニュース・天気・ショッピングなど様々な事業をこなしていることで有名なYahoo!株式会社です。
Yahoo!はeコマース事業や広告を主な事業としているため、デザイン工程の効率化を行うためにAdobeアナリティクスを導入しました。
Adobeアナリティクスの人工知能が行う画像検索機能に目を付け、実際に導入すると15%も工作削減をすることが出来ました。
また同じAdobeのPhotoshopなどと連携できるところや、デザインを制作する上で曖昧なキーワードで検索出来る点も魅力としています。
他にも、400名以上のデザイナーがいる中でAdobeのアセットを前提とすることでVI定義が容易になったといいます。
株式会社TSUTAYA
続いては、本やDVDのレンタルを行っていることで有名な株式会社TSUTAYAの活用例です。
数年前、TSUTAYAはOne-to-Oneレコメンドを実現するために「組織」「データ」「スキル」という3つが課題としてあがりました。
この3つの課題で一番Adobeアナリティクスが活躍したところは「データ」です。
どの顧客がどこで購入したのかというデータの繋がりを明確にし、事業共通のKPIを可視化させることに成功しました。
これにより成功事例や問題点を知ることができました。
さらにAdobeアナリティクスを利用することで「課題発見」「深掘分析」「レポート」「レコメンド」に役立てていることも判明します。
深掘分析では、例えば商品Aを購入した人は商品Bを購入するという未来分析結果が出ました。
この分析によって、顧客に対してより適した商品をアプローチすることが出来るようになったのです。
企業の現在の課題を解決し、未来分析によってよりよくなったという分かりやすい例といえます。
データ解析・活用の事例はこちら
Adobeアナリティクスの使い方で悩んだら
Adobeアナリティクスを契約したもの、使いこなせないと感じた時はAdobeの公式YouTubeチャンネルがおすすめです。
公式チャンネル「Adobe Analytics」ではAdobeの使い方が丁寧に解説されています。
それでも解決しない場合は公式サイトに掲載されている「導入後の支援:アドビヘルプセンター」から直接Adobeへ連絡してください。
また、分析をしたい内容がいまいち決まらないという人もいるでしょう。
そんな時は、公式サイトに載っている使用例を見てみましょう。
100種類上の使用例が載っているためいくつか読むことで自分が求めているようなことをやっている会社が見つかる筈です。
これらの手段でも解決しないのであれば、外部コンサルタントによるサポートを受けることも検討すると良いでしょう。
サポートを受けながら自分のペースで使い方を学びましょう。
まとめ
Adobeアナリティクスの導入や特徴・メリットとデメリットなどについて解説しました。
Googleアナリティクスとは違い、AdobeアナリティクスはAIや機械学習から多角的な方面から情報を入手し、未来分析できるという強みがあります。
入手したい情報を得るためにセグメントの変更や、指標の表示方法・情報入手の範囲指定などをオリジナルでカスタマイズ出来る点も魅力です。
しかし入手出来る情報が多いため、完璧に使いこなすことは簡単なことではありません。
うまく活用するまでにしばらく時間がかかるでしょう。
その代わりAdobeの公式サポートが充実しているため、利用することでAdobeアナリティクスを活用できるようになります、
時間がかかっても良いから効果を得たいという場合にはおすすめのツールです。
また、企業の場合は少しでも早くAdobeアナリティクスの効果を得るために、専門のアドバイザーを雇用することがあります。
Adobeアナリティクスを使いこなせる人材になれれば、導入している・または導入を検討している企業には必ず重宝されるでしょう。
そのレベルまで達すれば企業のアドバイザー的な立ち位置となり、どこへ行っても必要とされる存在になることが出来ます。