クライアントの要望に沿って、CMを企画・制作するCMプランナーは広告業界においても「花形」として知られる職種です。
また、CMプランナーは転職市場においても注目されている職種ですが、その年収は意外と知られていません。
転職後に後悔しないためにも年収や年収に関わる要素について、事前に把握しておくことはとても大切です。
この記事ではCMプランナーの年収や年収に関わる要素に加え、CMプランナーに求められる能力について解説します。
目次
CMプランナーの仕事内容
CMプランナーはクライアントの要望をヒアリングし、質の高いCMを企画・制作する仕事となります。
ただし、単にCMを制作するだけでなく、制作スタッフの選定やキャスティングなどCM制作全般に関わるのが特徴です。
CMプランナーへの転職を円滑に進めるために知っておきたい、その仕事内容について紹介します。
CMの企画・制作
CMプランナーの仕事はクライアントから、CM制作の依頼を受注することからスタートするのが一般的です。
その後、クライアントから対象となる商品・サービスの内容や訴求ポイント、予算などをヒアリングした上でCMの企画を策定します。
クライアントとの打ち合わせを経てコンセプトを確立し、プレゼンテーションに使用するコンテを書くこともCMプランナーの仕事です。
これらのプロセスの後、CM制作に入りますがCMプランナーは完成までのスケジュール管理や仕上がりのチェックなども行います。
制作スタッフの選定・キャスティング
CMの制作は1人で行うものではありません。複数の制作スタッフから構成されるプロジェクトチームを作って制作します。
プロジェクトチームにはカメラマンやコピーライター、クリエイティブディレクターなど役割に応じたスタッフが必要です。
しかし、単に必要な人数を集めれば良いというものではありません。制作するCMのコンセプトにマッチした制作スタッフを選定します。
また、CMを撮影するロケ地もしくはスタジオ、さらには出演者をキャスティングするのもCMプランナーの仕事です。
CMプランナーの役割
CMプランナーの役割はクライアントの意向に沿ったCMを企画・制作・プランニングする役割を担っています。
なおCMの内容だけではなく、予算・納期においてもクライアントの要望に応えるのもCMプランナーの役割です。
また、CMプランナーは自ら選定した制作スタッフを指揮し、よりクリエイティブなCMを制作しなければなりません。
CMプランナーは企画・制作だけではなく、CM制作に関する全ての事項をマネジメントする重要なポジションだといえます。
CMプランナーの就職先
CMプランナーに転職するには、広告代理店もしくはCM制作会社に就職しなければなりません。
未経験からいきなりCMプランナーとして採用されるのは稀であり、一定期間CM制作の仕事をした後に昇格するのが一般的です。
ここでは、CMプランナーの就職先である広告代理店・CM制作会社について解説します。
広告代理店
広告代理店はクライアントからの依頼を受け、クライアントの意向に沿った広告宣伝を行う企業です。
広告宣伝の方法はテレビ・ラジオ・WebにおけるCMをはじめ各種イベントの開催など多岐にわたります。
CM制作は多岐にわたる広告宣伝の手法の1つであり、CMプランナーはCMを制作する部署に所属するのが一般的です。
したがって、CMプランナーになるにはCM制作の部署で確実に実績を積み上げることが必要不可欠だといえます。
なお、自社において企画は立案するものの、CM制作はCM制作会社に外注している広告代理店も少なくありません。
CM制作会社
CM制作会社とは、クライアントからの要請を受けた広告代理店が立案した企画を基にCMを制作する企業です。
企画を立案するCM制作会社もありますが、基本的には広告代理店がクライアントの要望を受けて企画立案を行います。
そのため、CM制作会社ではより質の高い、オリジナリティ溢れるCMの制作に集中することが可能です。
CM制作会社のCMプランナーは企画立案は行いませんが、広告代理店との調整や製作スタッフの招集・ロケ地の選定などを行います。
CMプランナーの年収事情
CMプランナーへの転職活動を始める前に確認しておきたいのが年収事情です。
入社後に考えていた年収とのギャップが判明すると早期退職になるケースも考えられ、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。
この記事では、転職活動を始める前に知っておきたい、CMプランナーの年収事情についてパターン別に解説します。
CMプランナーの平均年収
一見華やかに見える広告業界ですが、中でもCMプランナーは要となる職種であり高額な平均年収を予測する人も少なくありません。
しかし、実際には企業の経営状況や事業規模によって大きく異なり、広告代理店とCM制作会社においても平均年収は異なります。
なお、広告代理店とCM制作会社の平均年収は以下のとおりです。
- 広告代理店：550万円～650万円前後
- CM制作会社：400万円～500万円前後
広告代理店とCM制作会社では150万円程度の差がありますが、両者を比較すると広告代理店には大手が多いことがあげられます。
また、仕事内容においても広告代理店はクライアントと直接やりとりを行い、企画段階まで担うことも年収差の理由の1つです。
ただし、この金額はあくまでも平均的なものであり、地域やスキル・実績によって年収1,000万円を超える人も少なくありません。
CMプランナーの初任給
CMプランナーになるには、広告代理店もしくはCM制作会社に入社して実績を積み上げながら昇格するのが一般的です。
平均的な規模の広告代理店における初任給は20～25万円程度であり、4年制大学卒業の初任給と大きく変わりません。
もちろん、企業規模や就職する地域によっても初任給は大きく異なりますが、初任給の面からも魅力的な職種です。
ただし、CMプランナーの世界は実力の世界です。就職後の努力次第で大きく年収が変わることを心得ておきましょう。
大手広告代理店の場合
前項で紹介したとおり、同じCMプランナーであっても広告代理店とCM制作会社では大きく年収が異なります。
さらに同じ広告代理店であっても大手広告代理店になると年収は大きくアップし、相場は1,000万円程度です。
広告代理店の平均年収よりも350万円～450万円高額となりますが、高学歴であるだけでなく高度なスキルが必要となります。
更に、入社後もし烈な競争が待っておりCMプランナーになるには、相当な努力と実績の積み重ねが必要です。
また、大手広告代理店でCMプランナーとして活躍すれば、独立・企業の道も大きく開けてくるでしょう。
地方都市のCM制作プロダクションの場合
地方都市のCM制作プロダクションの年収は、首都圏と比較すると大きく低くなることもあり300万円程度の会社も少なくありません。
地方都市と首都圏で年収に差が出る理由としてあげられるのが、取り扱う案件の規模の大小です。
東京を中心とした首都圏では全国展開でのCMを発注する企業が多く、広告代理店・CM制作会社の事業規模も大きくなります。
反対に地方都市では、クライアントがCM制作にかけられる予算も限られることから、必然的にCM制作プロダクションの収益も少額です。
そのため、CM制作プロダクションに努めるCMプランナーは首都圏と比較すると収入が抑えられる傾向にあります。
CMプランナーの年収に関わる要素
CMプランナーの年収は基本給だけでなく、「残業」によって大きく左右されるほか、年俸制を導入している企業もあります。
CMプランナーへの転職において、実際に就職する企業を選択する際には、これらの要素を確認しておくことが不可欠です。
ここでは、CMプランナーの年収に関わる要素である「残業」「年俸制」について解説します。
残業
CMプランナーは残業代が多い職種であり、年収にも大きく影響しているのが実態です。
納期が迫ると残業や休日労働が嵩むことも多くありますが、いわゆるサービス残業はありません。
政府が主導する「働き方改革」や労働関係法の改正により、労働者の残業時間や休日労働・サービス残業は厳しく制限されています。
したがって、残業代をあてにしてCMプランナーへの転職を決めるのは本末転倒です。
年俸制
広告代理店やCM制作会社によっては、CMプランナーの給与に年俸制を導入しています。
年俸制とは年間の賃金額を予め定めておき、12か月で分割して支払われる給与制度です。
なお、年俸制には残業や休日労働などの時間外労働賃金が含まれていることから、企業にとっては人件費の抑制にもつながります。
CMプランナーのメリットとしては、短時間で仕事を仕上げれば拘束されることもなくワークライフバランスが実現しやすい点です。
ただし、仕事やスケジュールの管理は自己責任となることから、強い意思と実行力が不可欠だといえます。
年収をアップさせるには？
CMプランナーは実力の世界です。年収をアップさせるには自らのスキルを磨き続けることが不可欠だといえます。
高いスキルを持ったCMプランナーには必然的に大きな案件が任されるようになり、比例して年収もアップするでしょう。
実際に実績を積み上げることで、若くして1,000万円を超える年収を手にするCMプランナーも少なくありません。
年収をアップさせる具体的な方法としては、専門的かつ高度な資格を取得するなど自己研鑽に務めることがあげられます。
さらに習得したスキルを実際の仕事に活かすとともに、常に情報収集を行いスキルのアップデートに務めることも忘れてはなりません。
CMプランナーに求められる能力
CMプランナーは単にCMを制作するだけでなく、CM制作に関わる責任者としての役割を担います。
したがって、CMプランナーに求められるのはCM制作に関するスキルだけではありません。
ここでは、年収アップにもつながるCMプランナーに求められる能力について考えてみましょう。
コミュニケーション能力
CMプランナーはクライアントや制作スタッフなど、社内外を問わず多くの人々と関わる仕事です。
クライアントの要望に沿ったCMを効率的に制作するには、高いコミュニケーション力が必要不可欠だといえます。
クライアントからは商材の内容や自社の抱えている課題などを正確に聞き出し、CMのコンセプトを提案しなければなりません。
カメラマンやコピーライター・制作スタッフには自身がイメージするCMの内容を正確に伝えることが不可欠です。
何より効率的にCMを制作するには、そこに携わる人々のモチベーションをアップさせなければなりません。
これらのことを一つひとつ丁寧に対応していくのがCMプランナーの役割であり、コミュニケーション能力が求められる理由です。
業界の知識
CMプランナーには業界の知識も求められます。ただし、ここで求められるのは広告業界だけではありません。
CMプランナーは様々な業界からCM制作を依頼されます。業界のトレンドを踏まえたCM制作には、その業界に対する知識が不可欠です。
もちろん、広告業界に対する知識をアップデートしておくことも、質の高いCMを制作するには欠かせない要素だといえます。
したがって、CMプランナーは常に高いアンテナを張り続け、知識のアップデートに務めることが必要不可欠です。
調整力
CMプランナーはクライアント・広告代理店もしくはCM制作会社の担当者とCMの企画や予算などで調整を図ります。
その際、CMプランナーに求められるのが調整力です。相手の要望を全て聞き入れていては、自社の経営が成り立ちません。
相手と自社の利害が対立する際には、双方にとって納得できる妥協案を提示することも大切です。
そのためには、数多くの経験を積むことで高い調整力を身に付けることが必要不可欠だといえます。
CMプランナーの将来性
人々のライフスタイルの多様化により、様々な商材がリリースされる現状において広告宣伝の力は不可欠です。
したがって、CMプランナーの将来性は豊かだといえますが、CMの形態や掲載される媒体は日々変化を続けています。
例えば、CM制作は広告代理店もしくはCM制作会社が担うのが一般的でしたが、ユーチューバーなどが進出してきて居るのが実態です。
CMを掲載する媒体においてもテレビ・ラジオ・雑誌からWebに比重が移行しようとしています。
CMプランナーにとっては独立・起業するチャンスでもあり、時代の流れを常に掴み正しく行動することが重要です。
CMプランナーへの転職を目指すなら
CMプランナーへの転職を目指すならデジマクラスの転職エージェントに相談してみましょう。
CMプランナーになるには広告代理店もしくはCM制作会社に転職しなければなりませんが、決して簡単ではありません。
広告業界は転職市場でも人気が高く、個人で対策を行うにも限界があるのが現実だといえます。
転職活動を成功させたいなら、個々のスキルにマッチしたサポートを行うデジマクラスの転職エージェントがおすすめです。
まとめ
CMプランナーはCM制作の現場における管理・監督者として、非常に重要な役割を担う職種です。
平均年収は入社した会社の規模や地域などで異なりますが、首都圏の広告代理店であれば450万円～550万円が相場となります。
首都圏の大手広告代理店であれば年収1,000万円も夢ではなく、地方のCMプロダクションだと300万円程度も少なくありません。
CMプランナーは実力の世界であり、年収アップを狙うなら実績を積み上げスキルアップを図ることが必要不可欠です。
そのためには、普段からスキルのアップデートに努め、アンテナを高く張ることで必要な情報の収集を行いましょう。
CMプランナーになるには、広告代理店もしくはCM制作会社に入社し、実績を積むことでCMプランナーに昇格するのが一般的です。
しかし、広告代理店やCM制作会社は転職市場においても非常に人気があり、個人で転職活動を行うには限界があります。
CMプランナーの転職を成功させるには、転職のプロであるデジマクラスの転職エージェントに相談してみましょう。