「リーチを拡大したいけど、なかなか数値が伸びてこない…」
「広告配信はしているが成果が上がらない」
このようなことにお悩みの広告主様はいらっしゃいませんか。
この記事ではオーディエンス拡張機能について解説します。
オーディエンス拡張機能は効果的なターゲティングをするために必須の機能です。
活用するメリット・デメリット、Googleをはじめとした媒体別の設定方法まで合わせてみていきましょう。
目次
オーディエンスの役割
オーディエンスはデジタルマーケティングにおいて欠かせない存在です。
当たり前に使われている用語ですが、具体的に何を指しているかご存じでしょうか。
まずは基本の用語「オーディエンス」の意味や役割をわかりやすく説明していきます。
「オーディエンス」の意味
デジタルマーケティングにおける「オーディエンス」とは、広告配信を受け取る人のことです。
広告主が配信したあらゆる情報を受け取る人を一律して指します。
受け取る情報の媒体はメールや動画など様々です。
オーディエンスは、「ユーザー」や「顧客」などと言い換えられることがあります。
商品を買うには、まずは商品の情報を受け取ることから始まりますよね。
デジタルマーケティングでは、オーディエンスの数を増やすことが第一の目標になるのです。
「ルックアライク(Look Alike)」という考え方
「ルックアライク(Look Alike)」とは、オーディエンスと似ている人物の中でまだ広告配信を受け取っていない人のことです。
具体的には、オーディエンスと似たネットの活用(検索や商品の購入など)や居住地の人のことを指します。
あくまでもオーディエンスと「似ている」だけで全く同じである必要はありません。
例:
【既存のオーディエンス】
検索履歴:「バレンタインデー おすすめ」・「チョコレート ランキング」
閲覧したサイト:Aチョコレート社・Bチョコレート社・Cチョコレート社
居住地:東京
【ルックアライク(Look Alike)】
検索履歴:「チョコレート お取り寄せグルメ」・「チョコレート おすすめ」
閲覧したサイト:Aチョコレート社・Bチョコレート社
居住地:関東圏・よく東京に来ている
既存のオーディエンスと全く同じ行動の人を探すと、それほど多くの人は確保できません。
かと言って、1つだけ類似した人を探しても実際の商品購入には結びつかない可能性が高いでしょう。
実際の商品購入に繋がりそうな人を多く抽出することを叶えるのが「ルックアライク(Look Alike)」の考え方です。
「ルックアライク(Look Alike)」は、「類似ユーザー」・「類似オーディエンス」と呼ばれることもあります。
オーディエンス拡張機能の重要性
先に述べたようにルックアライク(類似オーディエンス)を探して広告配信をすると、効率よくオーディエンスを増やせます。
これはオーディエンス拡張と呼ばれる広告配信の手法です。
一方、サイトを訪れても実際に商品を購入してくれるユーザーは残念ながら極わずかというデータが出ています。
しかし、再アプローチにより既存のオーディエンスは実際の商品購入に移りやすくなります。
既存のオーディエンスへの再アプローチは効果的な手法です。
ただし、既存のオーディエンスのみをターゲットにするとあまり多くの人数に配信することはできません。
母数を増やして商品購入数を増やすために、広告配信はなるべく多くの人に行うのが基本です。
これを解決するのが「リターゲティングの補完」です。
詳しいアプローチ方法をみていきましょう。
リターゲティングの補完
リターゲティングは、既存のオーディエンスに再アプローチをして商品の購入を促進する手法です。
サイトを訪れたが商品を購入しなかった人に別の類似した商品購入を提案します。
また、最近チェックした商品を提示し定期的に思い出させることで購入の検討を促進します。
商品購入をしてくれた人にも新商品やセール期間などのキャンペーンを案内することで、追加の購入を期待できるのです。
これらのリターゲティングという手法は、実際の商品購入に繋がりやすく成果を上げやすいことがメリットです。
しかし、既存のオーディエンスとは1度でもサイトを訪れたことのある人であり、それほど多くの人数は当てはまりません。
より多くの人に広告配信をするために必要となるのが、「リターゲティングの補完」です。
リターゲティングを補完し、成果を得やすい方法で広告を配信するターゲットを増やす必要があります。
類似オーディエンスへアプローチできる
ではどうやってリターゲティングを補完するのかというと、「類似オーディエンス(ルックアライク)」にも広告配信をするのです。
サイトを訪れたオーディエンスと類似した人を探し、リターゲティング同様に広告配信を行います。
広告配信ができる母数が増えるだけでなく、リターゲティングにより近い広告効果が期待されます。
つまり、リーチを拡大する(成果を上げやすいオーディエンスを増やす)ことができるのです。
オーディエンス拡張機能の仕組み
先に紹介したルックアライク(Look Alike)の考えから、類似したオーディエンスへのアプローチができます。
どの範囲の類似度の類似オーディエンスへ配信を拡大するのかは、広告主の狙いにより様々です。
リーチ率を重視する場合に配信を拡大するターゲットは、より類似度の高い人に限ることが多いでしょう。
一方、とにかく母数を増やしたい場合は、類似度がやや低い人へも配信を行います。
例えば、以下のようなオーディエンスに対し2人の類似オーディエンスが見つかったとします。
例:
【オーディエンス】
検索履歴:「バレンタインデー おすすめ」・「チョコレート ランキング」
閲覧したサイト:Aチョコレート社・Bチョコレート社・Cチョコレート社
居住地:東京
【類似オーディエンス①】
検索履歴:「バレンタインデー おすすめ」・「チョコレート お取り寄せグルメ」
閲覧したサイト:Aチョコレート社・Bチョコレート社
居住地:関東圏・よく東京に来ている
【類似オーディエンス②】
検索履歴:「チョコレート お取り寄せグルメ」・「チョコレート おすすめ」
閲覧したサイト:Cチョコレート社・お取り寄せグルメサイト
居住地:関東圏・よく東京に来ている
類似オーディエンス①はオーディエンスとの類似点がより多い人です。
一方、類似オーディエンス②はあまり類似点の多くない人です。
「配信数はそれほど多くなくても良いので、リーチ率を上げたい」という広告主は類似オーディエンス①のみを含めて配信します。
一方、「とにかく多くのオーディエンスを確保したい」という広告主は類似オーディエンス①②両者を含めて配信をします。
どの程度の類似度まで配信を拡大するのかは、広告主の狙いにより様々です。
多くの広告配信サービスでは、類似度の設定を自由に選択できるプランを用意しています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
オーディエンス拡張機能を活用するメリット
ここまでオーディエンスを拡張することの重要性についてお話してきました。
多くの広告配信サービスでは、オーディエンスの拡張を自動的に行うことができる「オーディエンス拡張機能」があります。
オーディエンス拡張機能を活用するメリットは自動化により、容易に効果的なターゲティングができることです。
3つのメリットの詳細をそれぞれ説明していきます。
ターゲティングの最適化ができる
オーディエンス拡張機能を活用することにより、最大のメリットはターゲティングの最適化ができることです。
コンバージョンに至る(商品を購入してくれるなど成果を上げられる)可能性の高いユーザーを効率良く抽出できます。
方法としては検索履歴のキーワードなど最近の行動を分析し、広告配信の対象者を選択します。
コンバージョンに至ったユーザーを基に分析し、よりコンバージョンに至る可能性の高いユーザーへターゲットを拡張できるのです。
リーチの拡大を期待できる
コンバージョンに至るためには、リーチの拡大を図ることが重要です。
せっかく広告配信をしても、その広告を見てもらえなければ商品購入に至ることはありません。
まずはリーチを拡大し認知してもらう人数を増やし、コンバージョンに至る可能性の高いユーザー数を上げていく必要があるのです。
最適なターゲティングによりリーチする可能性の高いユーザーを抽出するため、リーチの拡大を期待できます。
ターゲティングの手間を省くことができる
広告配信においてターゲティングは重要ですが、キーワードなどを全て手動で設定するのは大変ですよね。
オーディエンス拡張機能を活用すれば、広告主が設定した類似度などを基に自動でターゲティングすることができます。
より素早くターゲティングを行い、広告主が手間をかける必要はありません。
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オーディエンス拡張機能を活用するデメリット
便利なオーディエンス拡張機能にもデメリットがあります。
それは、想定していたオーディエンス以外にも広告配信される危険性があることです。
オーディエンス拡張機能は自動化により素早く効率良くターゲティングすることが得意です。
しかし、手動でターゲティングするよりも広告主の様々な事情に柔軟に対応する能力は低いといえるでしょう。
全て手動でターゲティングすれば広告配信を行いたくない人を除くことができます。
一方、オーディエンス拡張機能は自動化されているために広告配信をしたくない人にも配信してしまう可能性があります。
Google広告のオーディエンス拡張機能
では、実際にオーディエンス拡張機能を使用する方法を説明します。
まずは「Google広告」のオーディエンス拡張機能の設定方法やメリットをご紹介します。
設定方法
Google広告の設定方法は以下の通りです。
新規キャンペーンと既存キャンペーンで設定方法が異なるため、それぞれ紹介します。
【新規キャンペーンの場合】
- Google広告を開き、「キャンペーンの作成」を開始
- 目標に「商品やブランドの比較検討」または「ブランド認知度とリーチ」を選択
- 「オーディエンス」で、「オーディエンス ターゲティング」を追加
- 「オーディエンス ターゲティング」を選択
- 「オーディエンス拡張」にチェックを付ける
【既存キャンペーンの場合】
- Google広告を開き、対象のキャンペーンを選択
- 対象の広告グループを選択
- 「ナビゲーション メニュー」で「オーディエンス」を選択
- 「広告グループのターゲット設定を編集」を選択
- 「オーディエンス拡張」にチェックを付ける
活用するメリット
Google広告を活用するメリットは以下の3つです。
- Google広告のオーディエンス拡張機能は、コンバージョンがとれている広告でさらに多くのコンバージョンを期待できます。
- 自動的に効率良く広告配信を行い、より多くのユーザーへのリーチの拡大を期待できます。
- Google広告は様々なネットワークやオーディエンスに対応されたサービスです。
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Facebook広告のオーディエンス拡張機能
次にFacebook広告のオーディエンス拡張機能の設定方法、メリットをご紹介します。
設定方法
Facebook広告の設定方法は以下の通りです。
まずは類似オーディエンスの作成をしましょう。
【類似オーディエンスの作成】
- Facebook広告セット画面を開き、「オーディエンス」を選択
- 「新規作成」をクリックし、「類似オーディエンス」を選択
- 「元となるデータ」・「国」・「サイズ」をそれぞれクリックし、該当するグループを選択
- 「オーディエンス作成」をクリック
【類似オーディエンスをターゲットに設定する】
- 先に、【類似オーディエンスの作成】を完了
- 広告セット画面の「オーディエンス」で、「カスタムオーディエンス」欄にて「類似オーディエンス」を選択
- 除外したいユーザーがいる場合は、「除外」を選択
- 広告セットの設定を完了
活用するメリット
Facebook広告を活用すると以下の3つのメリットがあります。
- 3種類のオーディエンス選択ツール(コア・カスタム・類似オーディエンス)でリーチの範囲を自由に設定できます。
- 広告の配信先に関する様々なルール(地域・年齢・興味関心など)の細かい設定が可能です。
- 既存オーディエンスのデータから、類似オーディエンスを素早く見つけます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
オーディエンス拡張機能を活用する際の注意点
デジタルマーケティングにおいて便利なオーディエンス拡張機能ですが、注意したい点もあります。
1つ目は自動化されているため注意したい点です。
2つ目はオーディエンス拡張機能の活用によるリーチの拡大範囲の限界についてです。
2つの注意点を使用前に確認し、活用方法を検討しましょう。
想定以上にターゲットが拡大する可能性がある
オーディエンス拡張機能は自動化されているがため想定以上にターゲットが拡大する可能性があります。
ターゲットが拡大されれば一概に良いというわけではなく、中には広告配信をしたくない人も含まれているかもしれません。
手動で行った場合と比較して、あらゆる事情に配慮して配信したくない人を除くことができない可能性が高いです。
特に注意しなければならないのは、代理で広告配信をする場合や複数名でアカウントを共有している場合です。
代理で広告配信をする場合は、広告主に事前に使用許可を得てトラブルを避けましょう。
複数名でアカウントを共有している場合は、広告グループと配信の乖離がないか配信前に十分確認しましょう。
大範囲は予算とオーディエンスの規模で決まる
オーディエンス拡張機能を活用することによってリーチの拡大が期待できることをお話ししました。
しかし、リーチをどの程度拡大できるのかは予算とオーディエンスの規模によって大半が決まってしまいます。
オーディエンス拡張機能でよりリーチを拡大したい場合は、より高い予算・より多くのオーディエンスが必要です。
一般的にはソースオーディエンス数は1,000人以上が適切だといわれており、最低でも100人以上のリストが必要です。
・予算やソースオーディエンス数と相談して活用しましょう
オーディエンス拡張機能の活用方法で困ったら?
オーディエンス拡張機能の活用方法で困ったときには、コンサルティングを活用しましょう。
デジタルマーケティングの運用に強いコンサルティング会社では、専門知識をもったコンサルタントが在籍しています。
コンサルティングを依頼すればデジタルマーケティングに関する知識が豊富なコンサルタントによるアドバイスを受けられます。
広告主の狙いに合わせたオーディエンス拡張機能の活用方法が見つかるでしょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
「オーディエンス拡張機能」はより素早くより適切なターゲティングを可能にする機能です。
デジタルマーケティングにおいて、広告配信を効率良く行うことは成果を上げるために重要なことです。
ただし、自動化されているために含まれたオーディエンスの範囲や配信する広告の内容に十分注意しましょう。
特に、代理配信をする場合や複数人でアカウントを共有している場合は注意が必要です。
オーディエンス拡張機能を上手く活用して、リーチの拡大やコンバージョンを図りましょう。