CS向上と聞いて、何をどのように向上させるのか明確に回答できますか?
こちらの記事を読めば、CS向上の必要性やメリットから、向上のコツや調査・分析方法までCS向上に関する様々なことを理解できます。
CSを向上させることは、企業の繫栄に必要不可欠です。マーケティングでお悩みの方にも必見の内容となります。
CSを向上させたい方、CSとは何かを知りたい方はぜひ読んでみてください。
目次
CSとは?
CSとは何の略称か知らない方も多いのではないでしょうか。なんとなく顧客に関連する用語だと思っている方もいると思います。
CSとは、Customer Satisfactionの略称で、端的にいうと「顧客満足度」のことを指すのです。
では、このCSはWebマーケティングにおいてどのように関わってくるのでしょうか。
CS向上の必要性
結論からいうと、マーケティングにおいてCS向上は必須となります。
マーケティングでは、提供する商品やサービスを継続的に利用して頂けるように顧客を獲得することが重要です。
満足度が高くなければ、顧客はその商品やサービスを継続的に利用せず離れていってしまうかもしれません。
そのため、CS向上の必要性が高くなっているのです。
CSを向上するメリット
そもそもCSを向上するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的に解説していきますので、実際の現場を想定しながらぜひ読んでみてください。
新規顧客を獲得できる
CSを向上すると、新規顧客を獲得しやすくなります。その理由は、CSとブランドイメージには相互関係があるからです。
顧客満足度が高い企業は、必然的に周囲に「よい企業」「人気の企業」として認知されやすくなります。
例えば、よい口コミが多い商品であれば、その商品に対してよいイメージを持つことが多いでしょう。
そして、新たな商品やサービスを利用する際、そのイメージを元に「よりよい商品」「人気の商品」を選ぶ人も多いと思います。
そのため、CSを向上すると新規顧客を獲得しやすくなるのです。
リピーターが増加する
CSを向上させると新規顧客を獲得しやすくなると同時に、リピーターも自ずと増加する傾向にあります。
その理由は、CSが向上するということは顧客のニーズを満たすことになるからです。
顧客はニーズが満たされれば、その商品やサービスを再度利用したい気持ちが高まります。
そのため、CSを向上するとリピーターが増加する傾向にあるのです。
商品・サービスがブランド化する
CSを向上すると、商品・サービスがブランド化する利点もあります。
新規顧客を獲得できる理由とも重なりますが、CSを向上させるとブランドイメージが良くなります。
すると、その業界や商品をよく知らない人々にも「よいブランドイメージ」として商品・サービスが浸透していくのです。
企業にとって、商品・サービスをブランド化することはその独自性を高めることにも繋がるため非常に重要でしょう。
CSを向上させ、商品・サービスがブランド化することには大いにメリットがあります。
収益の増加・安定が見込める
CSを向上すると、収益の増加・安定も見込めるのです。
これまでに挙げたメリットを集約した結果にもなりますが、CSを向上させるとLTVが向上します。
LTVとは、Life Time Valueの略であり、「顧客生涯価値」を意味する言葉です。
1人の顧客がその生涯で企業にどれだけの利益をもたらすかという指標になります。
新規顧客・リピーターが増加すれば、LTVが伸び収益の増加に繋がるため、中長期的な収益の安定も見込めるでしょう。
そのため、CSを向上すると収益の増加・安定が見込めます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
CSを測定する指標
では、CSを測定する指標にはどのようなものがあるのでしょうか。
聞き馴染みのない単語も多いとは思いますが、下記で解説をしていくのでぜひ学んでみてください。
NPS
CSを測定する指標の1つにNPSがあります。NPSとはNet Promoter Scoreの略で、顧客ロイヤルティを数値化する指標です。
具体的には顧客に対し「利用した商品・サービスを身近な友人・家族にどの程度すすめたいか」を0から10点までの11段階で問います。
その結果を「批判者(0〜6点)」「中立者(7〜8点)」「推奨者(9〜10点)」で分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSです。
「身近な友人・家族にどの程度すすめたいか」という問いは、未来の満足度に繋がるため業績の予測がしやすくなるというメリットがある数値となります。
算出方法も比較的容易な指標です。
CSI
CSIもCSを測定する指標の1つとなります。
CSIとはCustomer Satisfaction Indexの略で、提供する商品・サービスへの関連性が強い質問を複数行いそれらの平均を取って顧客満足度を測定する指標です。
具体的には顧客に対し下記の相関関係のある複数の質問を実施し、結果の平均値をとることで、信頼できる数値を割り出します。
- 顧客期待値
- 知覚品質(商品・サービスに対する顧客の主観的な評価)
- 知覚値(価格に対する満足度)
- 顧客不満度
- 顧客忠実度
平均値をとるため、データとなる回答数が多い場合は信頼性のある結果が得られるメリットがある数値です。
そのため、大量のデータを得やすい政府機関や大企業で用いられやすい傾向にあります。
アメリカを中心に約30か国の政府機関から提出されている指標でもあるのです。
JCSI
JCSIもCSを測定する指標の1つとなります。JCSIとはJapanese Customer Satisfaction Indexの略で、先述のCSIを日本版にカスタマイズした指標です。
具体的にはCSIの5項目に「推奨意向(商品を他人にすすめたいか)」を加えた6項目で得たデータをもとに分析します。
JCSIでは、最終的に「実際に顧客が感じた価値ー事前の期待値」を算出し、期待値を上回っている方がよい結果となるのです。
JCSIは日本生産性本部サービス産業生産性協議会が毎年調査を行っている日本で最も大きなCS指標ともいえます。
多面的なデータ分析を行い数値化されるため、改善点が得られやすいというメリットがあります。
CSを測定する指標
- NPS
- CSI
- JCSI
CSを向上させるコツ
では、CSを向上させるコツはあるのでしょうか。下記で解説していくのでぜひ活用してみてください。
スムーズに情報提供する
スムーズな情報提供が行われている場合、CSが向上しやすい傾向にあります。
その理由はスムーズな情報提供が行われれば顧客の悩みに素早く気づき、改善を行うことでCSを向上させることができるからです。
スムーズに情報提供する体制を整える上では、顧客が情報を調べやすくすることと、提供された情報が企業側で集約できるようにする必要があるでしょう。
従業員の満足度を向上させる
一見相関関係がないように思う方もいるかもしれませんが、従業員の満足度を向上させることもCSを向上させるコツの1つです。
実は従業員の満足度が高いと、提供するサービスや接客の質が向上しCSも向上するという結果が確認されています。
「よい接客を受けた商品には満足しやすい」と聞いて、身に覚えがある方もいるのではないでしょうか?
そのため、従業員の満足度を向上させることもCSの向上に繋がります。
顧客のニーズを理解する
こちらは分かりやすいですが、顧客のニーズを理解することももちろんCS向上に繋がります。
企業側がよいと思う商品・サービスを提供しても、顧客のニーズがなければまず利用してもらえませんし、利用がなければCSの向上もしません。
顧客のニーズは一定ではないため、定期的な状況確認を行い、顧客のニーズを細かく理解することもCS向上に繋がります。
顧客のニーズを調査する方法
では、顧客のニーズを調査する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。下記で解説していきます。
アンケート調査
アンケート調査は、予め用意した質問に対して顧客に回答してもらう方法となります。
企業が行うニーズを調査する方法の中でも非常に代表的な調査方法です。
質問項目はなんでもよいわけではなく、ある程度調査課題への仮説を立て、収集したい情報が得られるように質問を考える必要があります。
顧客へのヒアリング
顧客へのヒアリングは、1人の顧客に対し話を聞く方法です。
1人にじっくりと時間を使えるため、個人の深層心理に迫れるメリットがあります。
顧客の意見をダイレクトに受けられるため、新たな課題発見にも繋がりやすいでしょう。
インターネットを活用する
インターネットを活用することで、顧客のニーズを調査することもできます。
近年では、SNSが発達しているため、そこから自社の商品やサービスに対する評価を得られるでしょう。
統計データを活用する
統計データを活用することも、顧客のニーズを調査する方法の1つです。
過去の統計データが十分にある場合は、数値に変動があった時期に企業がどのようなアクションを起こしたかを分析し、ニーズを掴める場合があります。
顧客データを分析する
顧客のニーズを掴むためには、顧客のデータを分析することも重要な方法の1つです。
例えば、自社の商品・サービスを利用する年代はどの年代が多いのかを分析すれば、その年代のニーズを掴むきっかけになるでしょう。
顧客データを分析するには?
では、実際に顧客データを分析するにはどのようにしたらよいのでしょうか。分析方法もいくつかありますので、下記で解説していきます。
CTB分析
CTBとはCategory、Taste、Brandの頭文字をとった言葉です。
カテゴリー、テイスト、ブランドの3つを用いて顧客をグループ化し分析するのがCTB分析となります。
カテゴリー、テイスト、ブランドは具体的に下記のようなものです。
- カテゴリー:商品の種類(大分類から小分類まで)
- テイスト:色・形・デザイン・サイズ等
- ブランド:メーカー・ファッションブランド・キャラクター等
CTB分析では、顧客の趣向を分析できるため、購買予測に役立てやすいという特徴があります。
RFM分析
RFMとはRecency、Frequency、Monetaryの頭文字をとった言葉です。
最終購入日、購入頻度、購入金額の3つを用いて顧客をグループ化し分析するのがRFM分析となります。
RFM分析では、顧客の購買行動をグループ化し分析できるため、顧客層に合わせた施策を打つことができるでしょう。
セグメンテーション分析
セグメンテーション分析とは、市場や顧客をニーズや購買行動などの様々な側面からグループ化する分析方法です。
様々な商品・サービスが溢れる現代では、顧客のニーズも多様化してきています。
そのため、セグメンテーション分析を用いて細かく分類することは非常に有用な分析となるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
顧客ニーズを調査するときの注意点
ここまで、顧客ニーズを調査する方法や、その分析について解説してきました。では、実際に顧客ニーズを調査するときの注意点はあるのでしょうか。
目的を明確にする
顧客ニーズを調査する場合に限りませんが、調査の目的を明確にすることは最重要事項です。
最終的に調査結果を用いて何をしたいのかが明確でないと、調査が無駄になってしまう場合もあります。
顧客ニーズを調査する際は、調査の目的を明確にするようにしましょう。
目的に合わせた調査をする
目的が明確化したら、目的に合わせた調査方法を考えて行うことも重要です。
先述の通り、顧客のニーズを調査する方法は様々であり、それぞれにメリットがあります。
目的に合う調査を行うためにはどのような方法を選択したらよいのかもしっかりと考える必要があるでしょう。
データは数値化して共有する
調査したデータは数値化して共有することも重要です。
データは収集して終わりではありません。数値化されていないデータも貴重ではありますが、数値化することで誰もが同じ見方をして状況を捉えることが可能です。
データを用いてアクションを起こすことが重要になるため、データは数値化して共有することで企業の素早い意思決定にも役立つことでしょう。
社内リソースが足りないときは外注の検討を
ここまでCSの観点から様々な分析方法やその必要性を解説してきました。
しかし、なかなか社内で対応しきるのは難しい場合もあるでしょう。社内リソースが足りない場合は、ぜひ外注の検討をしてみてください。
マーケティング戦略の事例はこちら外注先を選ぶポイント
外注先を選ぶポイントは複数あります。
費用面、納期等の基本的なポイントの他に、マーケティングにおいては業務のカバー範囲も重要なポイントになってくるでしょう。
CS向上に向けた分析では、これまでに挙げてきたように様々な側面から分析ができる特徴があります。
様々な側面から分析ができる反面、自社が必要なデータや結果が得られるところなのかを見極めることが、外注先を選ぶポイントになってくるでしょう。
マーケティング戦略の事例はこちらCS向上にデジタルマーケティングを取り入れよう
CS向上には、ぜひデジタルマーケティングを取り入れてみてください。デジタルマーケティングとは、デジタル技術やデータを用いたマーケティングです。
デジタルマーケティングでは、従来のマーケティングより効率化がなされ莫大なデータを元に分析できる特徴があります。
様々な側面から分析する必要があるCSの向上には、ことさらデジタルマーケティングがうってつけです。
CS向上にぜひデジタルマーケティングを取り入れてみてはいかがでしょうか。
マーケティング戦略の事例はこちらまとめ
今回は、CS向上の必要性・メリットから、その調査・分析方法などを詳しく解説してきました。
CS向上が企業にとって必須であることや、様々な側面から調査・分析が可能であることがお分かりいただけたかと思います。企業の発展にはCS向上が必要です。
しかしながら、CS向上に向けた調査・分析は社内のみで行うことが難しい場合もあります。
その際は、ぜひデジタルマーケティングを取り入れ、外注をしてみてはいかがでしょうか。