起業の際の節税対策を解説!知って得する効果的な節税方法は?支払うべき税金や間違った節税の考え方もあわせてご紹介します

起業して個人事業主となった場合、適切な節税対策を講じることがとても大切です。

サラリーマンと異なり個人事業主となれば、税金の計算は自ら行わなければなりません。

納税義務があることは誰もが承知しているものの、可能な限り税金は少なく抑えたいものです。

しかし、正しい知識がなければ、納税漏れや間違った節税方法を講じてしまうことも少なくありません。

この記事では起業の際の節税対策をはじめ、支払うべき税金や間違った節税方法について解説します。

起業の際の節税対策を解説

起業した際には、会社登記をはじめ様々な手続きを自ら行わなければなりません。税金の計算もその1つです。

サラリーマンであれば、給与担当者が専門的な知識をもって正しく税金計算を行うため、自ら計算する人は多くありません。

そのため、サラリーマンから個人事業主になると、節税対策どころか税金計算に苦労する人が多いのが実態です。

特に個人事業主の場合、正しく節税対策を行っていないと余分に納税したり、納税漏れとなる可能性もあります。

起業した際に慌てないよう、個人事業主が知っておきたい効果的な節税方法について考えてみましょう。

個人事業主が支払う税金

効果的な節税方法を取り入れるには、個人事業主が支払うべき税金について理解を深めておくことが不可欠です。

個人事業主が支払うべき税金には、所得税・事業税・住民税・消費税の4種類があります。

この中で全ての個人事業主に納税義務があるのが所得税と住民税であり、事業税と消費税は該当する場合のみです。

また、国税と地方税で納税先が異なります。ここでは、個人事業主が支払うべき税金の内容について理解しておきましょう。

所得税

個人事業主が得た事業所得に対して課せられるのが所得税であり、4種類の税金の中でも大きなシェアを占めています。

その対象期間は毎年1月1日から12月31日までの1年間となり、所得額に応じて税率がアップする累進課税である点が特徴です。

なお所得税は国税となることから納税先は国となり、サラリーマンの場合、毎月の給与から控除されます。

個人事業主の場合、前年1年分の所得にかかる所得税を翌年2月16日から3月15日の期間中に確定申告によって納税するのが一般的です。

事業税

事業税は個人事業税とも呼ばれ、個人事業主が営む事業に対して課せられる税金であり地方税となります。

納税する時期は8月と11月の2回となり、納付先は個人事業主の事業場が属する都道府県・市区町村です。

なお、年間を通じで事業を営む個人事業主の場合、事業所得が290万円以下であれば納税義務はありません。

また、対象となる事業所得額は経費を除いたものであり、課税対象とならない業種もあるので注意が必要です。

住民税

個人事業主の事業場が属する都道府県・市区町村に納税する地方税が住民税です。

住民税は確定申告後に都道府県・市区町村から送付される納付書によって納税します。

なお、支払方法は6月の1回払いもしくは6月、8月、10月、1月の年4回払いのいずれかから選択できるのが特徴です。

また、税率については個人事業主の事務所が属する都道府県・市区町村によって異なります。

消費税

消費税は事業の売上高に対して課せられる税金であり、前々年の売り上げが1,000万円を超えた場合に対象となります。

消費税には納税義務に当たるか否かの判定基準となる期間が設けられており、個人事業主の場合は前々年からの2年間です。

したがって、起業から2年以内は基準期間に充たないため、消費税の課税対象とはなりません。

ただし、前年の1月1日~6月30日の間の売上高が1,000万円を超えた場合、課税対象となるので注意しましょう。

 

ワンポイント
個人事業主が納税すべき税金には「所得税」「事業税」「住民税」「消費税」があることを理解しておきましょう。

節税対策で重要なのは所得税

日本の税制は累進課税制度が採用されていることから、所得に応じて税率が決まる仕組みになっています。

つまり、所得が大きくなれば大きくなるほど税率は高くなり、納税額が高額になるのは致し方ありません。

特に所得税は全ての個人事業主に課せられた税金であり、納税額の中で最も大きなシェアを占めます。

したがって、個人事業主が節税対策を行う上で、最も意識すべきは所得税だといえるでしょう。

確定申告のメリット

サラリーマンとは異なり起業して個人事業主となれば、自ら確定申告をして納税しなければなりません。

非常に面倒な作業ですが個人事業主は経費が認められるなど税制上の優遇措置もあり、しっかりと理解を深めておくことが大切です。

個人事業主は確定申告によって納税しますが、その際「白色申告」「青色申告」のどちらかを選択しなければなりません。

節税対策には青色申告が有利とされていますが、一概に決めつけてしまうのも危険です。

ここでは、個人事業主が知っておきたい白色申告・青色申告のメリットについて解説します。

白色申告

白色申告のメリットは手続きがとてもシンプルで、事前に申請する必要もなく帳簿付けも簡単な点です。

なお、所轄の税務署への提出資料は以下のとおりとなります。

  • 収支内訳書
  • 確定申告書

また、収支内訳書へ記載する内容も売上先・収入・必要経費程度であり税制や簿記に詳しくなくとも対応できます。

ただし、白色申告では青色申告で適用される特別控除や節税につながる特典がないことがデメリットです。

したがって、白色申告は以下の内容に該当する個人事業主には向いているといえるでしょう。

  • 納税手続きを簡単に行いたい
  • 事業収入が少ない
  • 赤字となっている

青色申告

青色申告のメリットは様々な控除額を受けられる点であり、次のとおり節税対策に効果が非常に大きいことです。

  • 65万円の特別控除・青色10万円控除が受けられる
  • 30万円未満の減価償却資産を一括で経費化できる
  • 家族への給与が経費に認められる
  • 自宅がオフィスである場合、家賃・光熱費の一部が経費に認められる
  • 3年間赤字を繰り返すことができる

ただし、青色申告は開始の届出が必要となるなど、とても事務煩瑣になるのがデメリットです。

なお、確定申告時の提出書類は「青色申告決算書」「確定申告書」の2種類となります。

青色申告決算書は詳細なデータの記載が求められる上、複式簿記で帳簿をつける必要があることから、専門的な知識が不可欠です。

しかし、本格的に個人事業主として開業するなら、青色申告にチャレンジして必要なスキルを身につけるのが得策だといえるでしょう。

 

ワンポイント
確定申告には「白色申告」「青色申告」があり、一般的に節税対策には青色申告が有効です。

効果的な節税方法

起業した個人事業主が効果的に節税するには、所得税率に大きく影響する課税所得金額を抑えることが不可欠です。

なお、課税所得金額は以下の計算式で算出されます。

  • (収入金額-必要経費=合計所得金額)ー所得控除=課税所得金額

したがって、所得税を節税するには必要経費と所得控除を正しく計算し、課税所得金額を抑えることが重要です。

ここでは個人事業主の効果的な節税方法に直結する、必要経費と所得控除の考え方について解説します。

必要経費

必要経費とは事業のために使った費用のことを示し、課税対象額を減額することができます。

業種や事業形態にもよりますが、一般的に必要経費を全く使用しないで事業を営むことは不可能です。

したがって、個人事業主となった場合は、小さな金額でも必要経費をこまめに帳簿に記録しておくことが必須になります。

また、正しく必要経費を計上するには、該当するもの・該当しないものを正しく理解しておくことも大切だといえるでしょう。

所得控除

確定申告の際に個人支出を申請することで、所得控除を受けることができます。

なお、所得控除となる主な項目は次のとおりとなります。

  • 基礎控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除国民健康保険料・国民年金保険料
  • 一定以上の金額の医療費
  • ふるさと納税
  • 小規模企業共済掛金控除
  • 地震保険料控除

また、事業とは関係のない個人的な支出以外にも、次のとおり一定の条件下において控除対象となります。

  • 扶養している配偶者・親族がいる
  • 自分もしくは扶養家族が障害者である
  • 離婚して子供を養育している
  • 配偶者と死別した

所得控除は非常に多岐にわたることから、該当するものに漏れがないよう注意しましょう。

 

ワンポイント
確定申告を行う際には「必要経費」「所得控除」をしっかりと整理しておきましょう。

経費計上できるもの

所得税の節税対策には必要経費の計上が不可欠ですが、大切なのは「経費計上できるもの」を正確に理解することです。

言い換えれば、経費計上できるものが理解できていなければ、必要以上の税金を支払ってしまうリスクもあるといえるでしょう。

ここでは経費計上できるものを「利用割合」「目的」の別に算出方法を解説します。

利用割合で経費化できるもの

事業を営むために使用した経費の中には、利用割合で経費化できるものがたくさんあります。

例えば自宅を事務所として利用している場合、家賃や光熱費を利用割合で按分することで経費化が可能です。

家賃は全家屋面積に対する事務所面積の割合で案分することで経費化できます。

光熱費における電気代は事業で活用した使用時間で按分すれば経費化が可能です。

その他にも通信費やガソリン代なども案分することで、経費に計上することが可能です。

目的に応じて経費計上できるもの

目的に応じて経費計上できるものの判断基準は、事業の目的で使用したか否かであり主観的な判断で構いません。

なお、目的に応じて経費計上できる代表的な例は次のとおりです。

  • 情報収集(新聞・書籍・雑誌)
  • 昼間帯の飲食代
  • 夜間帯の飲食代

なお、飲食事代はその用途によって会議費、接待交際費、福利厚生費に区別できます。

飲食代は接待交際費に計上することが一般的ですが、取扱いが複雑なのでしっかりとポイントを押さえておきましょう。

経費になる税金(租税公課)

税金の中には経費として認められるものがあり、これを「租税公課」と呼んでいます。

なお、租税公課の「公課」とは、公共団体へ納付する会費・罰金の総称です。

起業した個人事業主において租税公課を確定申告の際に経費計上することは、とても効果的な節税対策となります。

ここでは、確定申告の際に経費として認められる租税公課の対象となる税金の種類について解説します。

事業税

租税公課として経費計上できる事業税は、個人事業主が運営する事業に対して課せられる地方税となります。

事業税の目的は、事業を営む上で個人事業主が活用する公共サービスや公共施設の運営費用を税金で賄うことです。

事業税は租税公課の中で唯一損金算入が可能ですが、申告書を提出した日の属する事業年度にしか計上できません。

したがって、次のとおり納付するタイミングを確認し、計上漏れがないよう注意しましょう。

  • 確定事業税
  • 中間事業税
  • 修正申告などで生じた事業税

消費税

個人事業主において課税売上高が1,000万円を超える場合、消費税を納付する義務が生じます。

なお、消費税の経理方法は税込価格を用いる「税込経理」、税込み価格を用いない「税抜経理」の2種類です。

このうち「税込経理」を採用した場合、消費税額は「租税公課」として取り扱うことが可能となります。

税込経理は会計ソフトへの入力は簡単ですが、売上高が現実以上に高額になるため、収益力が把握しづらい点がデメリットです。

固定資産税

個人事業主が賦課課税方式により納税する固定資産税は租税公課の対象となります。

賦課課税方式とは国や地方自治体などが納税額を決定する課税方式であり、対象となるのは固定資産税・不動産取得税・自動車税です。

賦課課税方式の対象となるのは、原則、賦課決定があった事業年度の経費になります。

なお、賦課決定があった事業年度が異なる場合は、納税した前年度の租税公課で処理することを理解しておきましょう。

 

ワンポイント
租税公課の対象となる主な税金は「事業税」「消費税」「固定資産税」であることを理解しておきましょう。

間違った節税方法

間違った節税方法を行なっていると、必要以上に納税してしまうだけでなく追徴金を課せられるリスクもあります。

中でも間違いやすいのが必要経費であり、該当しないものをしっかりと見極めることが大切だといえるでしょう。

なお、必要経費として認められない代表的な例は以下のとおりです。

  • 事業主個人に対する給与事業主個人にかかる健康管理費
  • 所得税・住民税
  • 住宅ローンの借入金・元金
  • 同一生計の家族に対する給与

必要経費として認められるのは、あくまでも事業のために使った経費であり友人との飲み代などは言語道断です。

必要経費を計上する際は上記の例を参考にして、間違って計上しないよう十分に注意しましょう。

起業で得する節税方法は起業した人に相談してみよう

起業で得する節税方法は、起業した人に相談するのが最も賢明だといえます。そこで活用したいのが起業に詳しいコンサルです。

とりわけ個人事務所を立ち上げているコンサルは、自ら個人事業主として節税対策を行なっています。

したがって、必要経費や所得控除についても熟知しており、より具体的かつ実践的な節税対策をレクチャーしてくれるでしょう。

まとめ

起業して個人事業主となった場合、国や地方自治体に支払う税金は自ら確定申告により納税しなくてはなりません。

累進課税制度において効果的に節税するには、収入を減らすか必要経費もしくは控除額を正しく計上することが不可欠です。

とりわけ個人事業主には必要経費が認められていることから、例え少額であっても丁寧に積み上げ計上することが大切になります。

なお、個人事業主が確定申告をする際、効果的な節税対策を講じるには青色申告が有効です。

ただし、手続きが非常に煩瑣であることから税金や簿記に対する知識が必要となります。

こういった場合は起業経験のあるコンサルに相談しましょう。より効果的な節税対策をレクチャーしてもらえるでしょう。

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