EC業界はスマホの普及・巣ごもり需要の伸びなどの要因から将来性が高く、転職市場においても非常に注目を集めています。
それだけに転職には競争率も高く、単に意気込み・やる気をアピールするだけでは「採用」を勝ち取ることはできません。
転職希望者が採用を勝ち取るには、自身がEC業界で求められている人物像にマッチした人材であるとアピールすることが不可欠です。
この記事では、EC業界への転職を希望する人が知っておきたい志望動機の書く際のポイントや例文・NG例について紹介します。
目次
EC業界への転職で志望動機が重要な理由
EC業界は右肩上がりで業績を伸ばしている業界であり、巣ごもり需要の増加などの理由からさらにその勢いは加速しています。
そのためEC業界では多くの求人募集がありますが、だからといって誰でも採用されるわけではありません。
採用担当者は自社に貢献できる、EC業界が求める人物像にマッチした人材を採用したいと考えています。
そこで、志望動機の内容から転職希望者の「人となり」を見極めて合否を決定しているのが実態です。
つまりEC業界への転職希望者は、自身がEC業界の求める人物像にマッチしていることを志望動機でアピールすることが不可欠です。
マイナビエージェントの転職相談に申し込む dodaの転職相談に申し込むEC業界の働き方
EC業界への転職を成功させるには、まず業態・職種・働き方を正確に把握することから始めましょう。
「何となく稼げそう」「楽しく仕事ができそう」といったイメージだけで、採用担当者にアピールできる志望動機を書くことはできません。
つまりEC業界の働き方を正しく理解し、自分が求める働き方とマッチしているかを確認しておくことが大切だといえるでしょう。
ECサイトの3つの業態
ECサイトには次の3つの業態があり、それぞれに特徴が異なります。
- 自社サイト型
- プラットフォーム型
- ショッピングモール型
自社サイト型はその名のとおり、自社で開発・製品化した商品を販売するECサイトであり、商品開発やブランディングなども手掛けています。
アパレルメーカーをはじめ、インテリア・コスメのメーカーに多く見られる業態であり、直販ならではの品揃え・割引などが魅力です。
プラットフォーム型とは楽天市場やAmazonに代表される、ECサイトの集合体であり自社で商品開発などは行いません。
あくまでも出店企業と消費者を仲介するのが役目であり、ITエンジニアやWebデザイナーなどIT分野の求人が多いも特徴です。
ショッピングモール型とは実店舗を持たず、プラットフォーム型ECサイトに自社ショップを出店して商品を販売・発送する業態になります。
ECサイトへの手数料は必要ですが、リアル店舗を持たないため比較的簡単に自社ショップを開店できるのが魅力だといえるでしょう。
EC業界の職種
EC業界には以下のとおり様々な職種があり、求人も多岐にわたるのが特徴だといえます。
したがって、転職希望者は単に「ECサイトに転職したい」ではなく、どういった職種に転職したいのかを明確にしておくことが大切です。
- 商品企画
- マーケティング
- プロモーション
- エンジニア(技術職)
- 商品管理
- カスタマーサービス
マーケティングとプロモーションでは「販売促進」という点では似通っていますが、マーケティングは市場動向を調査するのが主な仕事です。
一方、プロモーションは広告やキャンペーンによる広告戦略を主な仕事としており、マーケティングの仕事は明確に区別されます。
したがって、志望動機を書く際には「どんな職種に就きたいのか」を具体的に明記にしておくことが大切です。
EC業界の働き方や年収
EC業界は業態や職種により働き方は様々ですが、共通しているのは何事に対しても固定観念に捉われていない点です。
また、テレワークや時短なども積極的に導入されており、育児休業などの休暇制度が充実した企業も多く、働きやすい業界だといえます。
ただし、年収面では未経験の求人だと300万円~400万円程度が平均であり、決して高いとはいえません。
もちろん、EC業界全体の業績は右肩上がりにアップしていることから、経験年数や実績に応じて年収は確実にアップするでしょう。
EC業界で求められている人物像
EC業界の志望動機の書き方におけるポイントは、自身がEC業界で求められている人物像にマッチしていることを明確にアピールすることです。
そのためにはEC業界が求める人物像を正確に把握して、自身の強みや気質と照らし合わせてみることが不可欠だといえるでしょう。
ここでは、EC業界への転職希望者が把握しておきたい「求められている人物像」について解説します。
アイデア力がある
EC業界は比較的新しい業界であるため、固定概念よりも新しいアイデア力が求められることが大きな特徴です。
EC業界は非常に需要が高まっている業界ですが、言い換えれば多くの競合と切磋琢磨しているのが現状だといえます。
同じ時期に販促キャンペーンが重なれば、当然、ユーザーは斬新で新しいアイデアに惹かれるのは当然だといえるでしょう。
したがってEC業界では職種に関係なく、柔軟性に富んだアイデア力のある人材を求めているのが現状です。
好奇心が高くトレンドにも敏感
何事に対しても好奇心旺盛でトレンドに敏感な人材であることが、EC業界で働く人には求められています。
ECサイトではネット上の口コミ情報などから、他の媒体では考えられないほどの爆発的なヒット商品が生まれることも少なくありません。
ECサイトに訪れるユーザーは常にトレンドに敏感であることから、そこに携わる人は常に半歩先のトレンドを予測する力が必要です。
トレンドを予測するには好奇心旺盛であることが絶対条件であり、何事に対しても「試してみる」といった積極的な姿勢が求められます。
スキルよりもやる気や成長性
EC業界において高いスキルを持っていることは大きな武器ですが、それ以上にやる気や成長性が重要視されるのもEC業界の特徴です。
自分の力で「新しいトレンドを作り出したい」「ヒット商品を作り上げたい」といった強い意気込みが大切だといえるでしょう。
ただし、やる気だけでは説得性に欠けます。やりたいことを実現するために、常に努力を怠らない積極性が不可欠です。
つまり努力し続けることで、やる気や成長性に自身のポテンシャルや成長性を裏付けることができるでしょう。
EC業界の志望動機を書く前に準備したいこと
EC業界の志望動機では、自身の「人となり」を明らかにして、志望企業の求める人物像にマッチした人材であることを示すことが大切です。
そのためには、志望動機を書く前に次の点についてしっかりと準備しておくことが不可欠だといえるでしょう。
- 自己分析
- 業界研究
- 企業研究
自己分析を行うことで自身の強み・弱みを明らかにすることが可能となり、EC業界にマッチした人材であるか否かを判断できます。
また業界研究を行うことで業界の将来性やトレンドを把握し、なぜEC業界を志望するのかを明らかにすることが可能です。
企業研究を行うことで職場環境や求められる人物像を把握し、なぜその企業を志望したのかを明らかにすることができます。
いずれも、採用担当者にアピールする志望動機には不可欠であることから、しっかりと丁寧に準備しましょう。
EC業界の志望動機でアピールできること
EC業界の志望動機では自身がその企業の求める人材であることをアピールできますが、具体的には以下の内容を網羅します。
- 自身のスキル・経験がどのように志望企業に貢献できるのか
- なぜEC業界を志望したのか・その企業でなければならない理由
- その企業の経営理念・事業内容・商品・サービスに対する共感
- 入社後に成し遂げたい目標
言い換えれば、これらの内容が志望動機に盛り込まれていなければ、採用担当者へのアピールは難しいといえるでしょう。
EC業界の志望動機のポイント
EC業界の志望動機は自己分析・業界研究・企業研究の結果から自身がその企業にマッチした人材であることをアピールすることが重要です。
なお、採用担当者は数多くの志望動機をチェックしていますから、ポイントを押さえた書き方を実践することが不可欠となります。
ここではEC業界への転職を希望する人が知っておきたい、志望動機の書き方におけるポイントについて考えてみましょう。
なぜEC業界を志望するのか
数ある業界の中から「なぜEC業界を志望するのか」に採用担当者は非常に興味を持っています。
言い換えれば、納得性のない動機を上げてしまうと、業界研究が甘いとして不採用にもなりかねないので注意が必要です。
例えば、洋服をECサイトで購入した経験があるなら、その経験を踏まえて以下の内容を盛り込みむと良いでしょう。
- 近くにリアル店舗がなく悔しい想いをしたこと
- 実際に利用すると非常に便利であったこと
- ECサイトのおかげで夢が叶ったこと
- かつての自分と同じ思いを持つ人の役に立ちたいこと
大切なのはEC業界の特徴を踏まえつつ、自らの経験などを盛り込むことでEC業界を選んだ理由にオリジナリティを持たせることです。
なぜその職種・企業なのか
転職希望者が、なぜその職種・企業を選んだのかを採用担当者はシビアにチェックしています。
採用担当者が採用したいのは自社に貢献できる人材であり、「どうしてもこの会社に入社したい」といった強い想いを持った人材です。
しかし、単に熱意や強い想いだけをアピールしても採用担当者には響きません。
志望する企業の研究を丁寧に行い、特徴や強み・社風などを把握した上で自身が活躍できる人材であることをアピールしましょう。
また、EC業界では様々な職種があります。なぜ、その職種で自信が活躍できるのかも具体的に明記することが鉄則です。
退職理由と志望動機の一貫性
EC業界に転職する際には退職理由を明記することが必須ですが、志望動機との一貫性を担保しておくことが大切です。
基本的には、前職では成し遂げられなかったことが、志望企業では成し遂げられるといった組立てが自然だといえます。
退職した会社に対する批判を記載することは絶対に避けましょう。また、給与や休暇といった労働条件を前職と比較することもNGです。
あくまでも、自分のチャレンジしたい仕事を志望企業で成し遂げたいといった想いを伝えることがポイントだといえるでしょう。
入社後何をどうやって成し遂げたいのか
入社後に何をどうやって成し遂げたいのかを明確にすることも、志望動機には必ず盛り込みたいポイントです。
とりわけ転職の場合だと、採用担当者は即戦力もしくは社会人経験を活かしてくれる人材を採用したいと考えています。
したがって、転職希望者は入社後のビジョンをしっかりと持っておくことが重要です。
なお、入社後に成し遂げたいことについては、できる限り具体的かつ期限を設けておくことが大切だといえます。
EC業界の志望動機例文
ここまで、EC業界の志望動機を書く際のポイントについて紹介してきましたが、いざ書こうとすると迷ってしまう人も少なくありません。
ポイントを押さえた志望動機を書くには、いくつかの例文を参考とすることが効果的です。
ただし、コピーとならないよう注意しましょう。ここではEC業界における、様々なパターンの別に志望動機例文を紹介します。
自社サイト型ECサイト企業へ応募
前職では美容メーカーでマーケティング・プロモーションの仕事をさせていただいていました。
主に店舗型の販売促進に携わっていましたが、昨今の市場動向を鑑みると今後は自社サイト型ECサイトが主流になると考えています。
御社は自社サイト型ECサイト企業として数々のヒット商品を発表されており、そのマーケティングの手法には感心させられるばかりです。
私は前職での経験を活かし、自社サイト型ECサイトならではのヒット商品のマーケティングに携わりたく、御社を志望いたしました。
プラットドーム型ECサイト企業へ応募
前職はアパレルメーカーで自社サイト型ECサイトの開発プロモーションにSEとして携わり、様々な経験を積んできました。
いくつものプロジェクトに携わる中で、徐々に大規模なプラットドーム型ECサイトの開発にチャレンジしたいとの想いを強くしています。
御社のプラットフォームはプライベートでも利用させていただいていますが、ユーザーにとって使いやすいサイト作りがとても魅力的です。
御社への入社が叶いましたら、これまで養ってきた経験とスキルをもって、ユーザーに優しいサイト作りに貢献したいと考えています。
ショッピングモール型ECサイト企業へ応募
前職では健康器具メーカーで販売の仕事に携わっていましたが、今後はECサイトが販促活動の主流だと考えていました。
御社はショッピングモール型ECサイトとして、受注・発送・CSといった業務をユーザー視点で丁寧に行うことがモットーだと伺っています。
実際に私も御社のCSを利用させていただきましたが、とても親切な対応をしていただき感銘を受けました。
前職での経験を活かし、ユーザー視点に立ったショッピングモール型ECサイトの運営に携わりたいと考え志望させていただきました。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
志望動機のNG例は?
EC業界の志望動機においては、次のとおりいくつかのNG例があります。
- 休暇が多い
- 時給が高い
- 未経験でも仕事に取り組みやすそう
- 入社後にいろいろ勉強したい
これらに共通するには、自分の都合で志望企業を選んでいることがあからさまな点です。
採用担当者は自社に貢献できる人材を採用したいと考えていますから、自分の都合で入社を希望している人を採用しません。
志望動機では「会社に貢献したい」といった熱意を伝えることが大切であることを心得ておきましょう。
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EC業界は企業規模・業態・業種・取り扱う商品が多岐にわたり、求められる人物像も大きく異なります。
経験者であってもEC業界全体の求職事情を把握し、個々の企業が求める人物像を把握するのは極めて困難だといえるでしょう。
転職活動を効率的に進めるには、EC業界の転職事情に精通した転職エージェントに相談するのが得策です。
EC業界における最新の転職事情や志望動機の書き方に加え、未公開求人を紹介してもらえることもあります。
なお転職エージェントに相談する際には、どのような職種・職場環境で仕事をしたいのかを明確にしておくことがポイントだといえるでしょう。
まとめ
EC業界はスマートフォンの普及・巣ごもり需要の伸びなどの要因により、右肩上がりの成長を続けている業界です。
EC業界は転職市場においても多くの注目を集めていますが、競争率も高いため志望動機の内容が合否に大きく影響します。
なお、志望動機を書く際には、その企業・職種を選んだ理由、自身がその企業に貢献できる人材であることを明らかにしましょう。
しかしEC業界には様々な求人募集があり、その企業規模・職種・職場環境も様々であることから、全てを把握することはとても困難です。
そこで、利用したいのが転職エージェントです。様々な経験・ノウハウから個々の事情に沿ったアドバイスが受けられるでしょう。