「ワンタグ」といった言葉をご存知でしょうか。「タグ」は知っていても「ワンタグ」は知らないといった人も少なくありません。
ワンタグはその名のとおり1つのタグで、複数のASPにおけるクリック・受注数などをチェックできる一元管理システムのことです。
従来、タグはASPごとに設定しなくてはなりませんが、ワンタグを設置することで作業工程の削減が期待できるでしょう。
この記事ではワンタグを設定するメリットに加え、タグマネジメントとの関係性やタグマネジメントツールについて紹介します。
目次
ワンタグの仕組み
ワンタグの機能を最大限に活用するには、ASPとタグの仕組みを理解することが不可欠だといえます。
ASPとはアフィリエイト広告の仕組みを提供する事業所であり、コンバージョンを計測する文字列がタグです。
一般的にタグはASPごとにWEBサイトに埋め込むことになりますが、ワンタグを活用すれば一括りにまとめられます。
ただし、ワンタグは「作業工程を大幅に削減できる」だけのものではありません。
ここではワンタグを導入するにあたり知っておきたい、その仕組み・機能について考えてみましょう。
1つのタグで複数のASPを一括管理
ワンタグはASPごとに集計されるクリック数・受注数といったデータを一括管理するシステムです。
大半の企業では複数のASPから広告を配信していますが、この場合ASPごとにタグを設定しなくてはなりません。
つまり、1つのWEBページに複数のタグを設定することとなり、集計作業に大きな負担がかかることになります。
さらに、集計作業が煩雑になる、成果の重複集計などのミスが発生するといったリスクも大きな課題です。
ワンタグは共通する1つのタグをWEBサイトに設定することで、これらの課題を解消できる有益なシステムだといえるでしょう。
タグマネジメントツールで管理
ワンタグで収集される各種データは、タグマネジメントツールで一元管理することが可能です。
また、以下のとおりタグマネジメントツールには様々な機能が実装されています。
- ワンタグ全体の管理・把握
- ワンタグの実行・停止の操作
- ワークフローの実行
- WEBサイトの安定化
ワンタグはタグマネジメントツールと連携することで、WEBサイトの最適化・分析に効果を発揮するといえるでしょう。
広告配信サービス的な使い方もある
ワンタグは一つのタグであらゆるシステム・WEBサイトに広告の配信ができることから、広告配信サービス的な使い方もできます。
また、広告配信サービスではタグを通じて取得した成果数・クリック数・コンバージョン率などのデータを管理画面で確認することが可能です。
ワンタグを導入することで、広告配信サービスと同様に各種データをタグマネジメントツール上で確認できます。
さらに、タグのオン・オフを行うことも可能ですから、複数のタグを管理するよりも効率的に作業を進めることができるでしょう。
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ワンタグとタグマネジメントの関係性
ワンタグはタグマネジメントとセットで活用することで、その効果を最大限に発揮することができます。
ただし、そのためにはワンタグとタグマネジメントは全く別物であることを理解し、その関係性を確認しておくことが不可欠です。
ここでは、WEB管理者が理解しておくべき、ワンタグとタグマネジメントの関係性について確認しておきましょう。
ワンタグは効果測定が目的
そもそもタグとはWEB広告における集客の効果を測るため、WEBサイトなどに設置されるコードの総称です。
ASPが異なればそれぞれに別のタグを用いる必要がありますが、多くのタグを設置するとサイトが重くなるなどの不具合が生じます。
また、効果測定もASPごとに行うこととなることから、WEBサイト単位で効果測定するには再集計が必要です。
これらの課題を克服するために生まれたのが、個々のタグを統合するワンタグだといえるでしょう。
したがって、ワンタグは複数のタグを統合して、あらゆるシステムに広告を配信するとともに効果測定を目的としています。
タグマネジメントは計測は行わない
タグマネジメントを計測ツールだと考えている人もいますが、タグマネジメントでは計測は行いません。
タグマネジメントの目的はワンタグが計測したデータを一括管理し、マーケティング効果・運用効率の向上を目指すことです。
したがって、タグマネージャではワンタグの追加・削除に加えてオン・オフの設定など、タグの管理機能が充実しています。
また、タグマネジメントの多くはCDNなど安定したインフラ上で稼動しており、WEBサイトの安定化にも役立っているのが実態です。
したがって、タグマネジメントの目的を再確認し、各種計測を行うのはあくまでもワンタグであることをしっかりと理解しておきましょう。
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ワンタグを設定するメリット
ワンタグを設置することで作業効率は確実にアップしますが、メリットはそれだけではありません。
ワンタグのメリットを実感するには感覚的に把握するのではなく、具体的に整理・理解しておくことが不可欠です。
ここでは、WEB管理者が理解しておくべきワンタグを設置するメリットについて整理してみましょう。
タグの設置が一箇所で済む
ワンタグの大きなメリットはタグの設置が1箇所で済むことです。ASPには多くの業者があり、それぞれに特徴があります。
そのため、多くの企業では複数のASPを利用しており、それぞれのASPからタグが発行されているのが実情です。
つまり、1つのWEBページに複数のタグを設置することで、設置作業がとても煩雑となりサイト自体も重くなります。
ワンタグは全てのASPに共通するタグとなることから、タグを設置する労力・サイト自体の重さを軽減できるでしょう。
成果の重複を無くせる
成果の重複を無くせることも、WEBサイトににワンタグを導入する大きなメリットです。
複数のASPに登録していると、1つのWEBページに各ASPのタグを設定しなかればなりません。
このとき1件のコンバージョンに対し、複数のASPに成果としてカウントされることがあります。
この現象を「成果重複」と呼び、正確なコンバージョンが計測されなくなるので注意が必要です。
ワンタグを設置しておけば、最後にクリックしたタグが有効となることから、成果の重複を無くすことができます。
成果計測を一元管理できる
ワンタグをWEBページに導入することで、成果計測を一元管理することができます。
複数のASPに登録していると、その成果は各タグ経由で計測されますから各ASPの管理画面で確認しなければなりません。
つまり、WEBサイトごとの成果数を計測するには、各ASPの成果数を再集計する必要があります。
またa、WEBページで成果を上げるには成果数だけではなく、クリック数やコンバージョン率など様々なデータを分析することが必要です。
ワンタグを導入しておけば成果数の集計のみならず、様々なデータ管理・分析が簡単となり作業の効率化が図れるでしょう。
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成果重複の有無はアフィリエイト広告の成果に関係する
成果重複の有無はアフィリエイト広告の成果に大きく関係することから、十分な注意が必要です。
複数のタグを設置したWEBサイトで成果重複が増えると、必然的に「不承認」が増えてしまいます。
アフィリエイターにとって「不承認」が増えると自身の収入に大きく影響することから、承認率は広告を選ぶ際のポイントです。
したがって、承認率が下がってしまうと、アフィリエイターから広告掲載を敬遠されてしまうことも少なくありません。
反対にワンタグを設置しておけば、不要な不承認が減少することから承認率がアップすることが想定されます。
承認率がアップすれば、多くのアフィリエイターが広告を掲載しますから、結果として実績アップにもつながるでしょう。
代表的なタグマネジメントツール
タグマネジメントツールには様々な種類がありますが、初めて導入する場合であればベーシックなものが良いでしょう。
ここでは無料で提供されている「Google」「Yahoo!」のタグマネジメントツールについて解説します。
Googleタグマネージャー
Googleタグマネージャーは無料で利用できるタグマネジメントツールであり、以下のサービスと連携可能です。
- GoogleAdWords
- Google Analytics
サポートは設置されていませんがヘルプが充実しており、使い方に困ることはないでしょう。
Googleタグマネージャーは専門的な知識を必要とせず、初心者にも扱いやすいことが魅力のタグマネジメントツールだといえます。
Yahoo!タグマネージャー
Yahoo!タグマネージャーもGoogleタグマネージャーと同様に、無料で使えるタグマネジメントツールです。
ただし、Yahoo!ビジネスIDの取得・Yahoo!プロモーション広告の利用が使用条件となります。
なお、国内外の120を超える主要ベンダータグを網羅しているのが特徴であり、以下のサービスに連携可能です。
- Yahoo!プロモーション広告
- Yahoo!ディスプレイネットワーク
タグマネジメントツールの選び方
タグマネジメントツールには様々な種類がリリースされており、どれを選べば良いのか迷ってしまうことも少なくありません。
タグマネジメントツールは単にワンタグを管理するだけのものではなく、マーケティングにも大きく影響します。
つまり、タグマネジメントツールの選び方がマーケティングの成否にも影響を及ぼすといっても過言ではありません。
ここでは、WEBマネージャーのみならずマーケターも知っておきたい、タグマネジメントツールの選び方を考えてみましょう。
設定のしやすさ
タグマネジメントツールのメリットはワンタグの設定を容易に管理できる点です。
したがって、タグマネジメントツールを選ぶ際には、ワンタグの設定のしやすさが担保されていることが大切になります。
なお、管理画面上で確認しておきたい「設定のしやすさ」は次のとおりです。
- ワンタグの追加・削除ができるか
- 設定したワンタグのON・OFFが簡単であるか
なお、設定のしやすさを確認する際には、活用時にギャップが起きないよう実際に管理画面を操作する担当者の意見を確認することが重要です。
コストがかかるかどうか
タグマネジメントツールには無料のものだけではなく、有料のものも数多くリリースされています。
いくら使い勝手の良いタグマネジメントツールであっても、費用対効果を高められなければ意味がありません。
したがって、タグマネジメントツールのコストを検討する際には以下の項目を確認しましょう。
- 1か月あたりにコスト
- 課金方式
- 支払方法
- 利用期間
コストを検討する際には、タグマネジメントツールを導入することで得られる節減効果を明確にすることも大切です。
コストを上回る節減効果が得られるなら、有料のものでも導入する価値は十分にあるといえるでしょう。
提携しているサービスの有無
提携しているサービスの有無もタグマネジメントツールを選ぶ際には、慎重に検討しておきたいポイントです。
例えばGoogleタグマネージャーであれば、「GoogleAdWords」「Google Analytics」への提携が可能となります。
提携できるサービスが多彩であれば、マネジメントにも活用することが可能となり大きな付加価値が得られるでしょう。
また、Yahoo!タグマネージャーの場合だとYahoo!プロモーション広告との提携が利用条件となります。
したがって、提携できるサービスの内容・利便性に加え、サービスへの提携が導入への条件となっていないかも確認しておきましょう。
タグ管理以外の機能の有無
タグ管理以外の機能の有無もタグマネジメントツールを選ぶ際には、チェックしておきたいポイントです。
タグマネージメントツールの付加機能としては以下のものがあげられます。
- タグ設置チェック
- タグエラーチェック
- インプレッション計測
- データエクスポート
- 広告予算の最適化
付加機能はあくまでもタグ管理機能を補助するものですが、使い方次第で大きな成果に繋げることも可能です。
なお、タグマネージメントツールの付加機能にはマーケティングに活用できるものも少なくありません。
したがって、付加機能を選ぶ際にはWEB管理者だけでなく、マーケターを交えて検討すると良いでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
タグマネジメントツール活用時の注意点
タグマネジメントツールはワンタグを用いることで、タグを一元管理できることが特徴ですが、デメリットになることもあります。
例えば、タグマネジメントツールが設置されているサーバがダウンしてしまうと、全てのデータが消失するリスクもゼロではありません。
また、セキュリティ機能が万全でなければ、データが流出するなどのリスクも考えられます。
したがって、タグマネジメントツールを活用する際にはサーバダウンやデータセキュリティ上の対策を確認しておくことが大切です。
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ワンタグの導入で困った時は?
ワンタグの導入は作業効率をアップさせるだけでなく、タグマネジメントツールを活用することでマーケティングにも有効です。
しかし、WEBサイトにワンタグを導入しただけでは、そのメリットを十分に実感することはできません。
ワンタグの導入に困った時は、WEBマーケティングに精通したコンサルを活用するのが得策です。
コンサルはWEBマーケティングに関する様々な課題に対処しており、ワンタグの導入にも的確なアドバイスがいただけるでしょう。
まとめ
ワンタグは複数のタグを一括管理・成果測定を目的としており、タグマネージャーによってタグのON・OFFや各種データ分析が可能です。
本来、複数のASPから広告を配信する場合、それぞれのタグを設置しなければならず、成果重複などのリスクが発生します。
ワンタグを導入すれば成果重複のリスクを回避できるだけでなく、集計・タグの管理などの作業を大幅に軽減できることがメリットです。
ただし、ワンタグ及びタグマネジメントツールを使いこなすには、WEBマーケティングに関する高いスキルや経験が必要となります。
そこで活用したいのがコンサルです。コンサルは様々な事案に対処してきており、ワンタグの導入にも適切なレクチャーが得られるでしょう。