BIツールの仕組みを解説!BIツールでできることは?BIツールの導入で得られるメリットや向いている企業の特徴を紹介します

企業の事業を展開するための意思決定をする際などに、社内データの管理は非常に重要です。

必要な情報を選んで比較しようとしても、すべて手作業で行っているとかなりの時間がかかってしまうでしょう。

そういった場合に便利なのがBIツールです。

BIツールは誰でも簡単にデータを抽出しグラフなどの形で可視化することができます。

今回はBIツールの仕組みや導入で得られるメリットなどについて解説していきましょう。

BIツールの主な仕組み

BIツールの主な仕組みについて解説します。

データとの連携

BIツールを利用するには、まず社内の基幹系システム連携させる必要があります。

BIツールは誰もが簡単に必要なデータをすぐに取り出せることが特徴です。

そのためには社内の膨大なデータとBIツールを連携させることから始めていきます。

連携させることで、ただのデータの羅列から誰もが一目で分かるグラフなどのツールに変換することができるのです。

データの分析と集計

社内データから情報を集めたら、次にデータの分析集計を行います。

多くのパソコンに搭載されているExcelでも同じように集計や分析ツールを使用することはできるでしょう。

しかし、Excelの場合データ量が増えていくと処理に時間がかかりすぎるなどの不具合が起きてしまいます。

大量のデータを集計するためには、それに対応できるBIツールが必要となるでしょう。

BIツールであれば、異なるシステムのデータを連携させることも可能であり大量のデータ集計や分析を迅速に行えます。

データの可視化

BIツールでは集めたデータや分析結果をグラフなどの可視化できるツールを使って表示します。

基本的には数字や文字の羅列であるデータは、そのままでは方針決定などの情報として扱うのは困難です。

今まではデータをグラフなどで可視化できる状態にするには専門知識が必要でした。

それがBIツールを使うとほとんど知識のない状態でも簡単にデータをまとめられるのが大きな特徴でしょう。

 

ワンポイント
・社内の基幹系システムなどと連携させる必要がある
・データの分析や集計が迅速に行える
・専門知識を使うことなくグラフなどの可視化ができる

 

データ解析・活用の事例はこちら

 

BIツールの3つのタイプ

BIツールは大きく分けると3つのタイプに分けられます。

それぞれのツールタイプの特徴についてご紹介しましょう。

基幹系統合型

基幹系統合型は、基幹系システムと連携させた仕組みです。

基幹系システムのソフトウェアを販売している企業が主に提供しているサービスであり、自社の基幹システムからデータを抽出します。

企業情報の根幹である基幹系システムと連携しているので、幅広いデータを可視化できる便利なシステムです。

ただし、取り扱うデータ量も膨大になるので導入までの開発期間が長く非常に高価なソフトであることが特徴でしょう。

特化型

特化型の場合は基幹系システムとは直接的なつながりはありません。

ですので、特定の基幹系システムに依存することなく任意のシステムから情報を抽出できるので自由度が高まります。

この特化型では、どれだけの範囲の情報を集めるかを設定するシステムの要件定義の部分が重要です。

システム規模を選択できるのもこのタイプの特徴であり、規模が大きくなれば基幹系統合型と同様に開発期間は長くコストもかかります。

しかし、抽出範囲を狭めれば比較的安価ですぐに使えるソフトもあるので用途に合わせて選択できることが特徴です。

アウトプット専用

アウトプット専用型はアウトプットに特化したBIツールであり、分析して生まれた結果を可視化する処理に優れています。

最近注目を集めているのはこのタイプで、直感的に使えるようなツールとなっていることが特徴です。

また、一般的なBIツールよりも短期間・低コストで導入ができる点も注目を集める理由の1つでしょう。

しかし、集計したデータを可視化する機能には強いのですが、データの分析などの機能はそれほど揃えられていません。

ですので、あらかじめデータを分析して成形する工数が必要となります。

BIツールでできること

BIツールで実際にできることについて解説していきます。

レポーティング

レポーティング機能は、集計したデータを表示することやPDFやExcelなどの形で出力することが可能です。

企業内のシステムから得たデータをまとめ定型化させて、レポートとして出力し会議資料などで活用されます。

人の手によって作られたデータの場合、ミスも少なからず発生し時間もかかってしまうでしょう。

膨大なデータを即座にまとめ、資料として活用することができるレポーティングツールは使用頻度の高い機能です。

OLAP分析

OLAP分析とは基幹システムなどに蓄積されたデータを使って最適な分析結果を得られる機能です。

通常データベースからデータを取り出すには専門知識が必要になります。

しかし、BIツールではそうした知識を持ち合わせていなくても誰もがデータを活用することができるのです。

オンライン分析処理とも訳される場合もあり、膨大なデータからリアルタイムでデータ分析が行えます。

基本的な操作はマウスなどを使用して直感的に行えるシンプルな仕様です。

データマイニング

データマイニング機能は統計学や人工知能などのデータ解析の技法を使い、大量のデータの中にある法則性やパターンを見つける技術です。

有用なパターンを分析し見つけだすのを手作業で行うことは、データの量が増えてくると非常に困難になります。

データマイニング機能を使用すると、回帰分析やディシジョンツリーなどの統計学の手法などにより有意義な情報を抽出可能です。

最近ではAI技術の発達によって、より高度な統計的処理ができるようになり精度が高くなっています。

シュミレーション

シュミレーション機能は、過去の蓄積されたデータをもとに今後の計画の根拠を作り出す機能です。

主に売上予測収益予測などに活用され、過去のデータの傾向から予測される数値を導き出します。

今後の計画を立てる上で重要となる根拠を、感覚ではなく過去の実績数値から作り出せる便利な機能です。

また、予測条件を任意に設定し結果の違いを比較することもできます。

例えば、予算を上積みした場合の結果はどれくらい見込めるといった仮説の検証もツール上で行なうことが可能です。

BIツールの活用事例

さまざまな便利な機能があるBIツールですが、実際の現場ではどのように活用されているのでしょうか。

例えば、製薬会社の事例ではジェネリック製品の開発により競争が激化する中で新たな価値を作り出すため活用されています。

BIツールの導入前では市場データを手作業でExcelに取り込み、複数のツールで分析を行っていたため時間がかかっていました。

そこで、基幹システムと分析結果の出力を一括で行えるBIツールを導入することでスピード感のある情報処理を実現させています。

また、現場での作業効率が上がることが一番の目的であるため従業員の使いやすい仕様にカスタマイズできることも特徴の1つでしょう。

そうすることでこの企業では全社員の約8割が毎日アクセスする効果の高いツールを実現させています。

 

ワンポイント
・BIツールの導入によってスピード感ある情報処理が可能になった
・現場で使用しやすいようにカスタマイズすることも重要

 

データ解析・活用の事例はこちら

 

BIツールを導入するメリット

BIツールを導入するメリットにはどういったものがあるのでしょうか。

代表的な2つのメリットについて解説していきます。

意思決定の高速化

事業計画などの重要な意思決定をする際にBIツールを活用するとスムーズに導き出すことが可能です。

計画の根拠となるものを見つけるには、すべて手作業で過去のデータを検証していると膨大な時間がかかってしまいます。

必要となるデータを誰もが簡単に取り出すことができることで圧倒的に作業効率が高まるでしょう。

また、集めたデータも瞬時にグラフや表の形で出力することができるので工数をかけることなく可視化できるようになります。

課題の早期発見

BIツールでは集約された膨大なデータから統計学や人工知能などの技術を使い分析するので、課題の早期発見につながります。

手作業で分析を行っていると、過去のパターンに捉われ見つけられないことや人為的ミスによって見逃してしまうこともあるでしょう。

そして何よりも手作業の分析では相当な時間が必要です。

BIツールであれば膨大なデータでもくまなく洗い出し、さまざまな手法を駆使してデータを分析するので課題の早期発見につながります。

 

ワンポイント
・誰もが簡単にデータを抽出し可視化できるので作業効率が高まる
・統計学や人工知能などの技術を駆使して分析するので手作業よりも課題が早期に発見できる

BIツールがオススメな企業

BIツールの導入がおすすめな企業の特徴についてご紹介しましょう。

競争が激化中

競争が激化している業界の企業には導入がおすすめです。

多くの企業が参入している業界では、常に新しい技術や製品が開発し続けられています。

その中で生き残っていくには新しい事業方針への素早い意思決定や、市場ニーズなどをいち早く掴むことが重要でしょう。

そうした場合には多くのデータを瞬時に分析できるBIツールは効果的に機能します。

早いPDCAが必要

業務改善のプロセスであるPDCAを早いサイクルで回さなければならない企業でもBIツールは効果的です。

計画を立て実行した結果を検証していくPDCAサイクルでは、着実に成果を見直しながら方向性を精査することができます。

しかし、その反面1つ1つのプロセスに時間がかかってしまうことが難点でしょう。

そのため、市場サイクルが早い状況下においては計画やその結果の分析に素早い判断が求められます。

BIツールを利用すると計画や評価などでのプロセスにおいて、素早く意思決定をすることに役立つでしょう。

また、データをもとにさまざまなパターンを想定した予測を立てられるので、事業計画を立てる際にも効果的に機能します。

早い意思決定が必要

手作業で意思決定に必要な情報を作ろうとすると、まず必要な情報を探して集計するところから始めます。

次に、集計した情報を表やグラフの形に成形して比較しやすい状態にしなければなりません。

その状態になって初めて意思決定の資料となり、そこからさらに分析するという工程を踏む必要があるのです。

手作業ではそれぞれの工程に時間がかかり、スピード感を持った意思決定には向いていないでしょう。

そして、人の手で行うことなので入力ミスや情報の収集漏れといったことも考えられます。

BIツールはその工程を一括で行えるので、資料準備に費やしていた時間を省略してスピーディーに意思決定が行えるでしょう。

高いクオリティかつ早くに情報が必要

情報の分析で重要となるのは、できる限り多くの事象パターンを集めることです。

一見すると関係のないように感じるものでも、実は影響を与えている場合もあるのでどこまでの情報を考慮するかの判断は難しいでしょう。

BIツールでは膨大なデータであっても瞬時に計算することができるので、あらゆる情報を加味して分析できます。

そのため、人の目では気づけなかった新たなパターンを発見することも可能です。

BIツールでは分析がスピーディーにできるだけでなく、精度の高い情報を得ることもできます。

BIツール導入時に注意すること

メリットが多いように感じるBIツールですが、導入すれば必ず良い成果が出るとは限りません。

失敗例として以下のようなパターンがあります。

  • 現場が使い方を理解していない
  • 使い勝手が悪く効果を実感できない
  • 導入前のシステムと違い過ぎて馴染めない

現場が使い方がよく分からず性能を十分に引き出せないというのもよくある失敗例です。

どんなに便利なものであっても使いこなせなければ無駄になってしまいます。

こういった失敗を防ぐためには、実際に使用する現場の立場になって活用方法を設計することが重要です。

導入前のシステムの使い方も重要であり、そこから使い方が大きく変わってしまうと現場は戸惑ってしまうでしょう。

理想としては従来の使い方から大きく変化せずに、得られるデータは精度の高いものになっていることです。

導入時のシステム設計の際にそうしたことを踏まえておくと、導入後のトラブルは抑えられるでしょう。

BIツール導入は無料でもできる?

BIツールの中には無料で利用できるものもいくつかあります。

無料で使えるツールではオープンソースで公開されているものも多く、トライアル期間があるわけではなく常に無料で使うことが可能です。

通常のBIツール同様にレポーティングやさまざまな分析手法を使用できますが、いろいろと制限が設けられています。

例えば、容量が少なくなっていたり他のアカウントとレポートの共有ができなかったりするのです。

また、プログラミングなどの専門知識が必要なものも多く有料のツールのように誰もが簡単に使うことができません。

機能に制限がかけられている無料ツールですが、初めてBIツールを利用する場合などでは効果的に使うこともできるでしょう。

BIツールがどういうシステムなのかコストをかけずに実際に運用できるというのは大きなメリットです。

そして自社で使う場合にはどういった部分が必要なのかを精査してから有料ツールを導入すると、使い勝手の良いBIツールを設定できます。

 

ワンポイント
・無料で使えるものもあるがいろいろと制限がある場合が多い
・有料版を導入する前に無料で試してみるのは効果的

BIツールの導入に悩んでいる場合は

BIツールは社内に散在している多くのシステムから必要なデータを瞬時に抽出し、グラフなどの可視化ができる便利なツールです。

しかし、BIツールは種類も多く自社がもともと使用している基幹システムとの相性なども考慮する必要があります。

また、導入費用も高額なものが多く開発期間も比較的長いのでどのツールを使用するか慎重に選ぶ必要があるでしょう。

BIツールの導入で悩みがある場合にはデジマクラスにご相談ください。

デジマクラスは豊富なノウハウがあり求めるサービスに合わせた最適なツールをご紹介できます。

また、導入後の運用方法などITに関連するその他のご相談についても対応可能です。

 

データ解析・活用の事例はこちら

 

まとめ

企業の規模が大きくなるほど社内のデータ量は膨大なものとなります。

そして、事業を展開する上での意思決定をするには必要な情報をすぐに取り出し迅速に分析することが必要です。

BIツールはそうした企業の悩みを解決できる便利なシステムでしょう。

大量のデータの中から必要な情報を抽出し、統計学や人工知能の技術で分析を行いグラフなどの可視化まで誰でも簡単に行えます。

しかし、導入コストは高額なものも多く開発期間も長くかかるのですぐには導入できません。

BIツールの導入に悩みがあれば、ぜひデジマクラスにご相談ください。

ご要望に合わせた最適なプランをご紹介いたします。

最新情報をチェックしよう!