近年、競合サイトを利用するユーザーに直にアプローチする競合ターゲティングへの注目が集まっていることをご存知でしょうか。
自社商品・サービスにマッチする可能性の高いユーザーが相手なので、広告の効果やCV率の向上が期待できます。
今回の記事では競合ターゲティングに用いられる手法について詳しく解説します。
マーケティングで他社と差を付ける方法や競合ターゲティングの具体的なやり方にも触れますので、ぜひ参考にしてください。
目次
競合ターゲティングの概要
競合ターゲティングは自社の競合に当たるサイトのユーザーをターゲティングすることを意味しています。
競合サイトを通じて顧客化の可能性が高い見込み客を見つけ出し、積極的にアプローチするというイメージです。
競合サイトほどの集客力がなくて困っているという企業には特に有効な手法といえるでしょう。
競合が育ててきた客を上手く自社に呼び込むことができれば、市場における自社の優位性をアップさせることにも繋がります。
競合ターゲティング広告の仕組み
競合ターゲティング広告は、ユーザーが競合サイトから別のサイトへ移った瞬間を狙って自社の広告を配信する仕組みです。
リターゲティング広告と似ていますが、ユーザーに自社サイトを訪れてもらう必要がないという点で大きく違います。
競合サイトを訪問したユーザーが配信のターゲットになるので自社に集客力がなくても何ら問題はありません。
CVに至る可能性が高いユーザーを必要最小限のコストと労力で自社サイトに引き込める、とても優れた手法といえるでしょう。
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競合ターゲティングの手法は?
競合ターゲティングは顧客化の可能性が高い見込み客を最小限の労力で獲得できる優れたマーケティング戦略です。
そんな競合ターゲティングにはいくつか種類があります。ここではその中の3つをピックアップしてご紹介しましょう。
その1:サーチターゲティング
競合ターゲティングの手法、1つ目はサーチターゲティングです。
サーチターゲティングでは「Yahoo! JAPAN」で検索したユーザーをターゲットにして自社の広告を配信します。
詳細なキーワード設定に合致したユーザーにだけ広告を配信するので、広告費を抑えながらCV率を上げることができるでしょう。
優秀な手法ですが、具体性の高いキーワードやニッチなジャンルの場合は検索ボリュームが少ないというデメリットもあります。
その2:SNS広告
競合ターゲティングの手法、2つ目はSNS広告です。
世界的にも利用者の多い以下のようなSNSプラットフォームに自社の広告を配信します。
- X(旧Twitter)
- LINE
- YouTube
- TikTok
非常に精度の高いターゲティングができることと、内容によっては想定以上に拡散されることがメリットです。
ただ、場合によってはその拡散されやすさのせいで炎上してしまうこともあるので注意しなければなりません。
その3:リスティング広告
競合ターゲティングの手法、3つ目はリスティング広告です。
リスティング広告とはユーザーが検索エンジンの検索窓に入れたキーワードに合わせて表示される検索連動型の広告のことです。
進んで検索するほどなのでユーザーは対象の商品やサービスを購入・利用するつもり満々です。高いCV率が期待できるでしょう。
ただ珍しいキーワードやニッチなジャンルの場合は検索する人の数が絶対的に少なくなります。そのため認知拡大には向きません。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
競合他社と差をつけるターゲティングをするには
競合ターゲティングは競合サイトが集客した見込み客に効率よくアプローチできるという大きな利点があります。
ただし、自社の方が競合サイトよりも魅力的なことをアピールできなければ顧客は振り向いてはくれないでしょう。
競合サイトの施策を真似しただけでは顧客を自社に呼び込むことなどできません。
それでは競合他社と差を付けるターゲティングをするにはどうすれば良いのでしょうか。
この項目では2つの方法をご紹介します。
自社の強みを可視化する
競合他社と差を付けるターゲティングをする方法、1つ目は自社の強みを可視化することです。
自社にはあって他社にはない強みのことをUSP(Unique Selling Proposition)といいます。
このUSPが曖昧なままではターゲットを設定することさえ難しいでしょう。
競合ターゲティングの前に、自社商品・サービスが市場にどのような価値を提供できるのかを可視化しておきましょう。
また可視化とは言葉にしてメンバー間で共有することだけではなく、具体的なデータ化をすることも意味します。
自社の強みを洗い出す過程で過去の取引のデータを見直し、市場における自社の価値を再確認しましょう。
市場の分析と細分化
競合他社と差を付けるターゲティングをする方法、2つ目は市場の分析と細分化をすることです。
たとえば以下のようなカテゴリーを用いて市場をセグメンテーションし、より自社に有利なセグメントを見出しましょう。
- 地理的変数
- 人口動態変数
- 心理的変数
- 行動変数
市場の分析と細分化ができたら、競合他社の影響が最も小さいセグメントや自社にとって相性の良いセグメントを探します。
自社の強みを大いに発揮できる有利なセグメントを見出しましょう。
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競合ターゲティングのやり方は?
競合ターゲティングの具体的なやり方について確認しておきましょう。
まずは競合サイトを見つけることから始めなければなりません。
自社が対策しているキーワードで検索して、上位にランキングされているサイトをチェックします。
その際、閲覧履歴などが検索結果に反映されないよう、ブラウザはシークレットモードで検索をするようにしてください。
以下、競合ターゲティングの具体的なやり方や進め方についてご紹介します。
サーチターゲティングでコンバージョンにつなげる
競合ターゲティングのやり方、1つ目はサーチターゲティングでコンバージョンに繋げるという方法です。
「Yahoo!広告」の「ディスプレイ広告」が持つサーチターゲティングの機能を使います。
検索でランキング上位に現れた競合他社の社名やそのサービス名を特定のキーワードに設定しましょう。
この設定を行っておくと、Yahoo!で競合他社の社名・サービス名で検索したユーザーに対して広告を配信することができます。
購入・利用する意識の高いユーザーにアプローチできるのでコンバージョンに繋がりやすいでしょう。
SNS広告のカスタムオーディエンスを活用する
競合ターゲティングのやり方、2つ目はSNS広告のカスタムオーディエンスを活用するという方法です。
カスタムオーディエンスとは多くのSNSプラットフォームが持つ機能で、広告配信の際のターゲット設定オプションのことです。
設定すると自社と似通った商品・サービスを提供している企業のフォロワーに対して広告を配信できるようになるでしょう。
ただしこの場合、想定している競合サイトにアクセスした顧客に対して必ず配信できるとは限らないので注意が必要です。
即効性に優れたリスティング広告を活用する
競合ターゲティングのやり方、3つ目は即効性に優れたリスティング広告を活用する方法です。
ユーザーが検索エンジンにキーワードを入れて検索すると、結果に連動して広告が掲載されます。これがリスティング広告です。
競合サイトの社名や商品・サービス名をキーワードに指定すれば、それらで検索したユーザーに自社広告を配信できるでしょう。
数ある方法の中でもとりわけ即効性の高い競合ターゲティングの方法だといえます。
ただし、社名の無断使用や商標権の侵害などの大きなトラブルに繋がることのないよう十分に気を付けなければなりません。
実店舗での集客にジオグラフィティを活用する
競合ターゲティングのやり方、4つ目は実店舗での集客にジオグラフィティを活用することです。
ジオグラフィティとは現実におけるユーザーの位置情報を意味します。
競合が実店舗を持っている場合、それら実店舗付近のユーザーに対して自社の広告を配信しましょう。
するとユーザーに対して新たな選択肢を提供することになり、顧客化に繋げることができます。
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告を活用するメリット
ここでライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告を活用するメリットについてご紹介しましょう。
競合ターゲティングの方法は、アプローチできる範囲に難があったり法的な問題をはらんでいたりとリスクが少なくありません。
しかしライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告であればより安全かつ効率的なターゲティングが可能です。
以下、そのメリットを2つご紹介します。
効率良くコンバージョンにつながりやすい
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告活用のメリット、1つ目は効率よくコンバージョンに繋がることです。
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告ではユーザーが閲覧しているURLに対して自社の広告を表示します。
競合サイトが集めた、すでに購入・利用の意欲が高いユーザーをターゲットにできるのでより効率的にCVに繋がるでしょう。
サイトではなくURLを指定することでページの特徴に合った広告をデザインし、配信できることも魅力です。
効果測定が十分に行える
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告活用のメリット、2つ目は効果測定が十分に行えることです。
インターネット広告ではインプレッション数・クリック数・コンバージョン数などを使って詳細に広告の効果を検証します。
その後、検証結果を元に新たな広告配信の施策を打ち出していくというPDCAを回すことが重要といえるでしょう。
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告も配信後の効果測定を十分に行えるので効率的なPDCAに繋がります。
ライバルマーケティング広告の効果を高めるポイント
サイトではなくURLを指定することで効率よくCVに繋げられるライバルマーケティング広告について解説しました。
このライバルマーケティング広告の効果をより高めるためのポイントについてご紹介します。
競合サイトを的確に見つける
ライバルマーケティング広告の効果を高めるポイント、1つ目は競合サイトを的確に見つけることです。
競合サイトの選択が曖昧だとユーザーのターゲティングもはっきりしないものになり、広告の効果が得られません。
競合サイトの選択にあたって重要なのは自社が狙いたいキーワードが何かを明確にすることです。
自社が狙いたいキーワードはターゲットとなるユーザーが検索するキーワードとイコールです。
そのキーワードで検索し、ランキング上位に表示されたサイトを競合サイトに設定すると良いでしょう。
ユーザーの興味をひくバナーを作る
ライバルマーケティング広告の効果を高めるポイント、2つ目はユーザーの興味をひくバナーを作ることです。
自社商品・サービスにどれだけ自信があっても、魅力的なバナーを作ってクリックしてもらわなければ始まりません。
バナーは掲載範囲が限られているので、限られた範囲にどんな情報を載せるべきか精選しておきましょう。
その際、大切なのは自社の都合ではなくターゲットとなるユーザーの好みに合うバナーを作成することです。
CV(コンバージョン)を適切に設定する
ライバルマーケティング広告の効果を高めるポイント、3つ目はCV(コンバージョン)を適切に設定することです。
CVは商品・サービスの購入だけを意味するわけではありません。広告の運用を成功させるために、より柔軟に設定しましょう。
CVを設定してはみたものの、ハードルが高すぎてまったく達成できないといったこともありえます。
CVの基準は自社の達成可能なギリギリの線を見極めて設定していきましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
BtoBにおけるターゲティングのポイント
マーケティング戦略の立案にあたって基礎となるものの1つにペルソナ設定があります。
BtoCのビジネスであれば設定するペルソナは個人ですが、BtoBでは「企業ペルソナ」を設定しなければなりません。
企業ペルソナの設定は業種や規模に始まり、従業員数・売上高・社風・課題に至るまで事細かに分析・設定していきます。
その後は「製品選定担当者ペルソナ」を設定し、BtoBの取引の窓口となる担当者のペルソナを設定しましょう。
こうしたペルソナ設定を突き詰めていくことでターゲティングの精度が向上していきます。
競合ターゲティングで悩んだら
競合ターゲティングは場合によっては低コスト・高CV率が実現できる優秀なマーケティング戦略です。
しかし安易に他社の社名や商標を使うと権利の侵害などの問題が生じてしまいかねません。
それらの問題が障壁になって競合ターゲティングの実践に踏み切れないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしも競合ターゲティングのことで悩んだら、ぜひデジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
マーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話を伺い、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事では競合マーケティングで用いられる手法などについて詳しく解説しました。
競合サイトが育てた顧客に対してアプローチする競合マーケティングは、コストを低く抑えたままCV率を上げられる優れた手法です。
たとえ自社の集客力が低くても数多くの顧客を獲得できる可能性があるので、ぜひ挑戦してみてください。
ただしその際、配信した広告の効果測定を十分に行って、検証結果を次に活かすというPDCAサイクルを忘れずに回しましょう。
本稿がより良い競合マーケティング実行のための一助となれば幸いです。