BtoCマーケティングの手法をご存知でしょうか。BtoCマーケティングとは個人顧客を対象としたマーケティングとなります。
ビジネスを行う上で顧客対象を絞り込むことは不可欠であり、BtoCと企業もしくは組織を顧客対象とするBtoBに区別するのが一般的です。
BtoCとBtoBのマーケティングでは全く手法が異なりますが、個々に考えるのは得策ではありません。両者には密接な関係があります。
したがってBtoCマーケティングを学ぶには、BtoBマーケティングとの関連性を確認しながら進めると良いでしょう。
目次
BtoCマーケティングの手法を解説
BtoCとは「Business to Customer」の略で「個人顧客向けビジネス」を意味し、ビジネスの世界では頻繁に使われる言葉です。
BtoCマーケティングは古くから研究されており、その手法は多岐にわたっています。ただしBtoCマーケティングに「絶対」はありません。
個人の考え方や生活スタイルが変われば、自ずと個人の購買意欲に変化が生まれるため、古い手法は通用しなくなります。
そこで、この記事ではマーケターが学ぶべきBtoCマーケティングの手法や成果を上げるためのポイントについて解説します。
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BtoCマーケティングとの関連性
BtoCの対義語として使われるBtoBとは「Business to Business」の略で、「企業もしくは組織向けビジネス」を意味します。
両者ではマーケティングの対象が異なり「別物」と考えられがちですが、実際には相互に強い関連性を持っているといえるでしょう。
先行して研究が進んでいたのがBtoCマーケティングであり、BtoBマーケティングはそれを参考としながら進化してきました。
したがって両者を対比・研究することで、より深くBtoCマーケティングの手法を理解できるでしょう。
購入までの判断基準
購入までの判断基準はマーケティングを研究する上でとても大切な要素ですが、BtoCとBtoBでは大きく異なります。
BtoCは個人の判断基準が全てですから、個々の趣向・考え方などによって左右されるのが通例です。
例えば電化製品を購入する場合、高くとも最新製品が良いという人もいれば、「型落ち」であっても安価な製品を選ぶ人もいるでしょう。
また、価格で判断すると決めていた人が、店舗などで説明を聞いて品質やデザイン性に判断基準を変えることも少なくありません。
これに対してBtoBは、企業の判断基準が絶対であり、担当者が独断で変更することはあり得ないといえるでしょう。
例えば、価格を優先するのであれば「入札」を行い、1円でも安価な業者に発注するなどシビアな判断を下します。
購入の意思決定者
購入の意思決定者もマーケティングには大きく影響します。BtoCの場合、個人が意思決定者であり使用者でもあります。
意思決定は使用者である個人が行うため協議を必要とせず、決定にかかるリードタイムは短時間である場合が大半です。
ただし、最近ではインターネットの普及により様々な情報を誰もが簡単に入手できるようになりました。
そのためBtoCであっても、商材を検索・吟味する時間がかかるようになり、リードタイムは長くなりつつあります。
これに対してBtoBは企業の責任者が意思決定を行いますが、その過程で協議を重ねるためリードタイムは長くなるのが一般的です。
また、意思決定者が必ずしも使用者ではないことから、意思決定に当たっては合理的かつ公平性・納得性が求められます。
全体的な購買単価
BtoCの顧客は個人ですから、必然的に購買単価は低くなります。そのため、利益を上げるには顧客の数を増やすことが絶対条件です。
したがってBtoCマーケティングでは、顧客の新規獲得と既存顧客の維持の両面から対策を行う必要があるといえるでしょう。
BtoBの顧客は企業もしくは組織となることから、必然的に購買単価は高額になりBtoCと比較すると顧客数は少なくなります。
したがって、1つの顧客であっても失えば大きなダメージを負うのが特徴だといえるでしょう。
BtoCマーケティングの手法「マーケティングオートメーション」
マーケティングオートメーションとは、マーケティングにかかる業務を可能な限り自動化して、業務の効率化を図るマーケティング手法です。
顧客のニーズが多様化するとマーケティングの手法が複雑になるのはやむを得ませんが、全ての業務を手作業で行うことは困難だといえます。
そこで開発されたのがマーケティングオペレーションです。ここではマーケティングオペレーションの概要・メリットを考えてみましょう。
概要
マーケティングオートメーションではリスト内の見込み客を教育・精査し、質の高い顧客リストに作り変えます。
マーケティングを行う上で見込み客リストは不可欠ですが、リストを集めるだけでは実績には結びつきません。
営業担当者は見込み客リストから実績に結ぶつきそうな顧客を選定し、教育・精査していますが非常に非効率です。
そこで、ツールを使って実績に結びつきそうな顧客を洗い出し、メール配信などによって顧客の教育を行います。
マーケターはツールによって教育されている見込み客を精査し、実績に結びつけるための戦略を立てることが重要です。
メリット
マーケティングオートメーションのメリットは、何といってもマーケターの手間が省ける点です。
リストの選定から教育・精査といった作業には時間と労力がかかりますが、マーケターの仕事は顧客リストを管理することではありません。
精査された顧客リストを基に、見込み客に有効なマーケティング戦略を立てて実践することです。
したがって、マーケティングオートメーションを導入することで、マーケターは本来のマーケティング活動に没頭できるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
BtoCマーケティングの手法「SNSマーケティング」
最近、マーケターの間で注目を集めているのがSNSマーケティングです。スマホの普及に伴いSNSを利用する人が増えています。
とりわけSNSを通じて商品やサービスを購入する人が増えており、企業においてSNSは広告媒体として無視できない存在です。
ただしSNSは拡散性が高い反面、間違った使い方をすると悪評が広がるといったデメリットもあります。
したがって、SNSマーケティングを導入する際には、種類ごとにSNSの特性を理解しておくことが大切です。
ここではSNSマーケティングの概要や、期待されるメリットについて考えてみましょう。
概要
SNSマーケティングとは文字どおり、SNSを通じて自社製品・サービスをPRするマーケティングの手法です。
SNSマーケティングでよく使われるSNSは次のとおりとなります。
- X(旧Twitter)
- LINE
- YouTube
各企業はSNSに自社のアカウントを作成し、タイムリーかつレアな情報を発信することで見込み客と独自の世界観を創り上げます。
そこで顧客を教育・精査することで、自社製品・サービスの利用者・リピーターを獲得することが可能となるでしょう。
メリット
SNSマーケッティングのメリットには「拡散性が極めて高いこと」「見込み客を発掘・教育しやすいこと」があげられます。
ユーザーの気になる情報は瞬く間に拡散されますから、期待以上の効果が得られることも少なくありません。
また、SNSはターゲットを絞り込むことで、見込み客に効果的にアプローチできるほか潜在層の発掘にも役立ちます。
さらに自社のアカウントを使ってブランディングすれば、企業のイメージアップも容易です。
ただしメリットを引き出すには魅力的な情報発信が不可欠であり、マーケターの腕の見せどころだといえるでしょう。
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BtoCマーケティングの手法「コンテンツマーケティング」
近年、様々な手法が研究され、多くの企業で導入されているのがコンテンツマーケティングです。
企業が自社製品・サービスをPRするには情報発信が不可欠ですが、プレスリリース程度の情報で見込み客は満足しません。
ユーザーはより有益かつ大量のな情報を求めており、応えられなければ淘汰されてしまうのが現状です。
良質なコンテンツを如何に提供するかがポイントです。そこで、コンテンツマーケティングの概要やメリットについて考えてみましょう。
概要
コンテンツマーケティングのポイントは、ユーザーが求める上質なコンテンツを作成し、見込み客にいち早く届けることです。
ただし、最近のユーザーは露骨な広告を嫌います。あまりにも押しつけがましいと、悪評に結び付くこともあるので注意しましょう。
したがって、見込み客の興味を引きつつ自社製品やサービスに自然と目が向くよう、コンテンツには様々な仕掛けが必要です。
コンテンツを提供する場はWEBサイトが一般的ですが、拡散を狙って各種SNSを活用することも少なくありません。
いずれにしても、マーケターには見込み客のニーズを的確につかみ、上質なコンテンツを構築できるスキルが求められています。
メリット
コンテンツマーケティングのメリットは、コンテンツが「資産」として残る点です。
例えばWEBサイト上にコンテンツを掲載する場合、その数が増えるだけサイトのコンテンツは充実します。
見込み客が求める様々な情報を大量に提供することで、リピーターも増加し安定的な実績を得られるでしょう。
また、情報量の多いコンテンツを有する企業は、それだけでユーザーから信頼されやすくなります。
したがって見込み客だけでなく潜在層にも幅広くアピールできる点もコンテンツマーケティングのメリットだといえるでしょう。
ユーザーの購入プロセスの変遷
適切なBtoCマーケティングを施すには、ユーザー購入のプロセスを正しく理解することが不可欠です。
ユーザー購入のプロセスに「絶対」「普遍」はありません。時代の流れとともにBtoCにおける意思決定のプロセスも変化しています。
マーケターに求められるのは、時代の流れを敏感に感じ取る力です。ここでは、ユーザー購入のプロセスについて解説します。
AIDMA
マーケティングの手法において、長らく基本とされてきたのが「AIDMA」です。AIDMAのプロセスは次のとおりになります。
- 注意(Attention)
- 興味(Interest)
- 欲求(Desire)
- 記憶(Memory)
- 購買(Action)
インターネットの普及により「欲求(Desire)」~「購買(Action)」のプロセスがに変化が見られているのが現状です。
現代では通用しにくい手法だとされていますが、BtoCにおける基本的な購買プロセスとして学んでおく必要があります。
AISAS
インターネットの普及により新たに研究されたのが「AISAS」です。AISASのプロセスは次のとおりになります。
- 注意(Attention)
- 興味(Interest)
- 検索(Search)
- 行動(Action)
- 共有(Share)
AIDMAにおける「欲求(Desire)」~「購買(Action)」が「検索(Search)」~「共有(Share)」に置き換えられています。
最近では個人購買者の多くがネット上の情報を検索しています。AISASではそのプロセスを表しているのが特徴です。
AISCEAS
AISASをさらに進化させた購買プロセスが「AISCEAS」です。AISCEASのプロセスは次のとおりになります。
- 注意(Attention)
- 興味(Interest)
- 検索(Search)
- 行動(Action)
- 共有(Share)
- 比較(Comparison)
- 検討(Examination)
AISASのプロセスに「比較(Comparison)」「検討(Examination)」が加えられています。
インターネットで得られた情報を比較・検討し購買に結び付いていることを表しているのが特徴です。
DECAX
コンテンツマーケティングに特化した購買プロセスが「DECAX」です。DECAXのプロセスは次のとおりになります。
- 発見(Discovery)
- 関係(Engage)
- 確認( Check)
- 購買(Action)
- 体験と共有( Experience)
見込み客は企業のコンテンツを発見し、気に入ればフォローや登録といった形で企業との関係を持ちます。
その後、コンテンツから発信される情報を確認することで、購買の意思決定を行うといったプロセスを表すのがDECAXです。
SNSの購買プロセス「SIPS」
SNSマーケティングに特化した購買プロセスが「SIPS」です。SIPSのプロセスは次のとおりになります。
- 共感する(Sympathize)
- 確認(Identify)
- 参加(Participate)
- 共有と拡散(Share&Spread)
見込み客はSNSの情報に対して共感すると、本当に有益なものかを確認するのが一般的です。
有益であることが確認できれば「いいね」などで参加し、さらにその情報を拡散・共有するプロセスを辿ります。
その結果、さらに参加する見込み客が増え、売り上げの増加につながる仕組みです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
BtoCマーケティングで押さえておくべきポイント
BtoCマーケティングで成果を上げるには、購入プロセスの変化に対応できる柔軟性を発揮できるかがポイントとなります。
BtoCマーケティングには様々な手法がありますが、全ての商材にマッチしているわけではありません。
また、同じ商材であっても業界内での自社の立ち位置によっても、マッチするマーケティングの手法は異なります。
マーケターは、数ある手法を完璧に理解し、自社に商材に最も適したものを選び出すスキルが必要です。
したがって同じ手法に固執せず、購入プロセスの変化に対応できる手法を学ぶ向上心を持つこともポイントとなります。
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BtoCマーケティングの知識を身に付ける方法は?
BtoCマーケティングの手法を手堅く身につけるなら、コンサルの活用がおすすめです。
本記事をはじめ、BtoCマーケティングの手法は様々な媒体で紹介されており、独学で学習することは非常に大切だといえます。
その一方で独学では、学べる知識量やトレンドといった点で限界があるのも事実です。
とりわけBtoCマーケティングは、市場のトレンドに左右されやすく、常に新しい手法を柔軟に学ばなければなりません。
その点、コンサルであれば商材やターゲット・企業の現状などを勘案し、トレンドに対応する手法をレクチャーしてくれるでしょう。
まとめ
BtoCマーケティングは個人顧客を対象とした手法であり、購入プロセスの変化とともに様々な手法が研究されてきました。
個人顧客の特徴は商材購入時の意思決定において、決定権者が使用者本人であるため優先する条件が直前で変更になる点です。
また、インターネットの普及など時代の流れによって、購入プロセスが大きく変化することも大きな特徴だといえます。
したがってBtoCマーケティングでは、常にトレンドを反映した手法を研究し柔軟に取り入れることが成功のポイントだといえるでしょう。
なお、BtoCマーケティングを確実に理解し成果につなげるなら、コンサルに相談するのがおすすめです。
コンサルはマーケティングのプロとしてトレンドを取り入れた様々な手法を理解しており、適切なレクチャーが受けられるでしょう。