UGCを活用する企業が増えていますが、そのメリットをご存じでしょうか。一流芸能人を使用した広告の方がイメージも上がるはず。
誰もが一度は耳にしたことのある大手企業やショップで、UGCが積極的に取り入れられているのです。
この記事ではなぜUGCが活用されているのか、マーケティングにどのような効果があるのかを活動事例を参考に、詳しく解説していきます!
目次
UGCの特徴
UGCはUserGeneratedContentの略で、一般ユーザーによってできたテキストや画像などのコンテンツを指します。
通常であれば、コンテンツの作成は企業が行うものです。
UGCを活用することで一般ユーザーは企業目線ではわからないメリットや、消費者のリアルな感想を受け取ることができます。
具体的に、SNSの個人アカウントでの発信やブログで紹介された商品、通販ショッピングサイトなどの口コミやレビューなどもUGCです。
一般ユーザーがSNSなどで拡散した情報がマスメディアやニュースで取り上げられることにより、話題となりどんどん広がっていきます。
UGCを活用することで、広告にかける製作時間やコストを削減することが大きな特徴で、優れたマーケティングを実現できるのです。
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UGCが注目される背景
SNSの普及
UGCが注目される背景には、SNSの普及が大きく関わっています。SNSは2000年を超えたあたりから少しずつ注目され始めました。
スマートフォンやiPhoneの普及につれてガラケーを卒業する人が急増したのもこの頃です。
FacebookやX(旧Twitter)、LINEといったSNS登録者数も徐々に増え始めます。
2021年現在ではInstagramは、2人に1人が登録をし、使用しているほど。
テレビを観るよりも、SNSの情報を参考にするといった若者が多く影響を与えていることも事実だということがわかりました。
またSNSは若者に人気のツールと思われがちですが、実は50代~60代のユーザーも多く、幅広い世代に支持されていることがわかります。
このことからSNSは、老若男女問わず現代の私たちの生活に欠かせない、身近なツールであるといえるのです。
消費者目線の情報が重視される
この身近なツールであるSNSはたくさんの人の目に留まります。そこで注目されるのが商品などの情報です。
企業の広告というと、どこか押しつけられている印象や煩わしい印象を受ける消費者が増えています。
スマートフォンでインターネットを使用する際に嫌というほど、インターネット広告を目にする機会も増えました。
インターネット広告を開いた場合でも、内容を読まずに閉じてしまうユーザーも多いほど。
このような状況に企業は頭を抱えて苦戦しているのが現状であると言われています。
UGCを活用することにより、SNSなどで自分と似た立場の人が商品を使用した感想や、本音をダイレクトに知ることができるのです。
購入を検討しているユーザーへの後押しとなり、比較材料として参考にするケースが増えています。
事例①:資生堂
「マジョリ画」企画
魔法をイメージした資生堂コスメのマジョリカマジョルカと、人気イラストレーター宇野亞喜良さんとのタッグが話題を呼んだ企画。
人気イラストレーターの書き下ろしを、ネット上で自由に色付けし、世界に一つだけの似顔絵を画像にすることができます。
ギフトボックスセットを購入すると、似顔絵カードと色付けに使用したマジョリカマジョルカの化粧品が届くというのも評価されました。
今ほどInstagramが話題となっていない2016年に「♯マジョリ画」のハッシュタグ投稿数は2万件越えで話題に。
マーケティング効果のみならず、第4回Webグランプリ「企業グランプリ部門」ソーシャルサイト賞グランプリも獲得しています。
動画でのメイクテクニック紹介
マジョリカマジョルカのInstagram公式アカウントには、実際に商品を使いながらの紹介動画が多く載せられています。
簡単ですぐに実践できるものばかりです。
例えば、アイラインの引き方。実際にアイラインを引いている動画が確認でき、ポイントやコツが動画で紹介されています。
このように短時間の動画でサッと確認できるのがポイント。メイクをしながらでも試すことができるため評判です。
また、マジョリカマジョルカ専属のメイクアップアーティストが、実際に商品を使いながら商品を紹介する動画も人気企画のひとつ。
商品を詳しく知るメイクアップアーティストが紹介することで、ユーザーは商品のメリットを知ることができます。
さらに使用感を想像できると評価されているのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
事例②:スターバックスコーヒー
Instagramのストーリーズ機能を活用
24時間経過すると、投稿が消えてしまうにもかかわらずInstagramでは通常投稿するフィードよりも閲覧数が多いストーリーズ機能。
Instagram利用者の中にはストーリーズをメインで投稿しているユーザーも多く見られるほどです。
スターバックスコーヒーはこのストーリーズ機能をうまく活用しています。
新作PRや商品の紹介はほとんどなく、日々の生活の中で役に立つ情報やユーザーの悩みが解決するような内容が多いのも特徴です。
例えば、使用済みの豆袋を使ってペンケースを作る方法や、スターバックスコーヒー店舗スタッフのタンブラー活用方法など。
エコに繋がるような内容や、実生活で試してみたい!と思う投稿が多くあげられています。
ユーザーとの積極的なコミュニケーション
スターバックスコーヒーのストーリーズでは、一般ユーザー参加型の企画が多く投稿されているのも特徴です。
実際アンケート機能で過去にあった質問やクイズがこちら。
- コーヒーの入れ方での疑問点
- スターバックスの歴史<
- 人気のカスタマイズは?
ユーザーは、質問に答えることで友達とInstagramを通して会話をしているような雰囲気を楽しむことができるのです。
このようにユーザーを参加させ、身近な存在に感じることで、ファンの獲得につなげています。
事例③:ローソン
「ベストバスチー賞」企画
ローソンもUGCの取得に成功しました。
公式アカウントをフォロー後、「#バスチーズ」「#シェアバスチー」のハッシュタグをつけて投稿。
その中から「ベストバスチー賞」を決めるというキャンペーンです。
「ベストバスチー賞」を獲得したユーザーにはクオカード3000円分が贈られ、ローソン公式WEBサイトや公式Instagramに掲載されます。
この結果、多くの投稿が寄せられ注目されました。
「バスチーズ」の認知度拡大に成功
キャンペーンを行い、Instagramの生命線ともいえるハッシュタグを残すことで、人気投稿に載る確率もアップ。
人気投稿に載ると、自身の投稿がフォロワー以外のユーザーにも見てもらう機会が増えることにより、いいね!やリポスト率も上がります。
その影響により、自分の知らないところでどんどん広がっていくというわけです。
安くて美味しいスイーツが揃うコンビニ業界。
スイーツ激戦区とまでいわれている中で、ローソンはSNSをうまく活用したのです。
バスクチーズケーキ=ローソンというイメージの植え付けに見事成功しました。
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事例④:GoPro
テーマを決めた投稿コンテストの開催
世界でも有数のカメラブランドGoPro。そのGoProもテーマを決めた写真投稿コンテストを定期的に開催しています。
世界的なカメラブランドとだけあって、参加者はテーマに沿ったインスタ映えをする写真を多く投稿することで注目を集めました。
息が止まりそうになるほどの絶景写真から、ほっこり笑顔になれる人や動物が登場する写真も。
数多くの写真がアップされているのが特徴です。
また、日本のGoPro公式アカウントでは、「#GoProのある生活」のハッシュタグを入力し投稿すると公式アカウントで紹介されます。
2021年現在で「#GoProのある生活」というハッシュタグは170万件を超えており、大きな影響を及ぼしているのです。
コミュニティの活性化につながる
目を奪われる素敵な写真が公式アカウントで紹介されるだけでなく、その投稿をリポストしている投稿も目立ちます。
また目を引く写真が多いので、まったく関わりのないユーザーがついコメントをし、交流を持つといった例も多く見られました。
インスタ映えする写真を投稿することが、コミュニティの活性化に繋がっているのです。
事例⑤:ユニクロ
指定ハッシュタグの写真投稿
数多くあるユニクロの店舗の中でも、世界最大級を誇るUNIQLOGINZA店のアカウント。
投稿ごとに、ユニクロを愛用する女性通称“ユニジョ”に向けて決まったハッシュタグが指定されています。
例えば、2021年の春夏シーズンの洋服を購入した場合は「#ユニクロ21春夏何買った」のハッシュタグ。
定番商品のワンピースの場合は「#ユニクロワンピース族」など。
様々な種類のハッシュタグがあり、数え切れません。
“ユニジョ”はユニクロの服を着て、指定されたハッシュタグをつけおしゃれな写真を投稿するというわけです。
ユーザーを飽きさせず、楽しませながら情報を拡大する工夫が施されています。
消費者の写真を公式アカウントで紹介
指定のハッシュタグを投稿した“ユニジョ”の写真をUNIQLOGINZA店公式アカウントで紹介。
投稿の中には、人気ブロガーやインスタグラマーといったインフルエンサーの投稿もあります。
インフルエンサーが、プライベートでもプチプラファッションを着用するというところに親近感を覚えるユーザーが急増しました。
プチプラファッションに見えないおしゃれなテクニックが参考になる投稿が目立つのも、女性の心を鷲掴みにしています。
UGCを活用するメリット
信頼性の向上につながる
ご紹介してきた大手企業の活動事例からわかるように、一般的なユーザーが購入し利用しているという事実がユーザーの心を動かすのです。
これには、日本人特有の“皆と同じを好む”ということも影響しているのではないでしょうか。
一般企業の広告のように、ただ商品のメリットを押し付けるのでは意味がありません。
生活の一部に一般消費者が使用しているという点に、信頼感を覚えます。
購入者目線のデメリットも含めた客観的な視点や意見が加わることが信頼性にもつながっていくのです。
企業の作る広告は、メリットを紹介したいために大袈裟な印象やわざとらしさがどうしても目立ってしまい、購入意欲が薄れてしまいます。
親近感を抱きやすくなる
企業の広告は好印象を獲得するため顔やスタイルが整った芸能人を多く起用します。
キラキラした華やかな芸能人が紹介する商品は、自分事として想像しにくくありませんか。
自分とは遠い存在の芸能人が使用しているものを自分と重ね合わせても想像できなかったり、どこか違和感を覚えてしまうのも事実です。
しかし、UGCは一般ユーザーという身近な存在であることや、消費者目線での紹介になります。
“自分にも似合うかもしない!と商品を使っている自分をユーザーと重ね合わせることもできます。自分ごととして捉えやすいのです。
UGCの活用で困った時は?
トラブルに発展しそうな場合
一般ユーザーによる発信のため、事実確認ができず誤った情報が拡散されることも多いのです。
ユーザーが何気なく撮った写真に他人が映り込みSNSで拡散され、トラブルに発展したりするケースも多くあります。
一般人が見落としがちである権利侵害は常に企業の配慮が必要不可欠。
被害が拡大しないようにコメント欄を閉じて対応するというのも一つの対策です。
UGCと相性が悪いものに注意
UGCには向かない商品やサービスもあります。例えば、誰もが生活で使っているティッシュペーパーや電池などの日用品。
普段使用しているなじみのある商品や写真映えしない商品です。
実際購入したユーザーの心を掴むことができず、写真投稿につながらないためUGCには向きません。
本当にインスタ映えする商品であるか、写真を撮りたいと思ってもらえる商品かどうかを振り返ることが必要です。
パッケージをかわいくインスタ映えするものに変えるなどの努力も重要になってきます。
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まとめ
UGCの活用事例やUGCが注目される背景や活用するメリットを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
一般的なユーザーは企業目線のメリットではなく、消費者の生の声を求めています。
UGCを積極的に活用し、消費者が何を求めているのかを大切にしながら、マーケティングの効果を上げていきましょう!