海外進出を考えているけれど、海外市場調査をどのように進めればよいのかわからないという企業が多いです。
海外市場調査には押さえておきたいポイントがあります。
こちらでは海外市場調査の手段や手法、文化の違いにどう対応すればよいかなどについて解説しています。
また調査の費用相場についても紹介しています。ぜひ参考にしてください。
目次
海外進出における海外市場調査の必要性
海外進出を考えた時、なぜ海外市場調査が必要になるのでしょうか。まず海外市場調査の必要性について解説していきましょう。
国内であっても企業にとってマーケティング調査は必要です。海外市場の場合各地の文化やユーザーの嗜好など国内と大きく違ってきます。
感覚的な違いや国によって規則や法律の違いもあるのです。パートナー企業や協力会社についての調査も必要となってきます。
しっかりとした調査の上で海外進出をしなかったために、協力会社の能力や資金力を見誤ってしまい撤退を余儀なくされる場合もあるのです。
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海外調査のメリット・デメリット
海外市場調査に必要なポイントを解説する前に、海外調査のメリット・デメリットについてお話ししましょう。
まず海外調査をすることのメリットについて紹介します。
海外市場調査を行うことのメリットは、何といっても海外のユーザーの嗜好や反応が確認できるということでしょう。
商品やサービスに対して、海外のユーザーにどのくらい受け入れられるかをしっかりと調査しておくことで進出しやすくなるのです。
また競合他社の戦略や市場での展開状況を知ることができるのも大きなメリットといえます。
競合他社と違う方向での戦略を立てるための目安にもなるでしょう。
海外市場調査のデメリットは、国内以上の調査費用がかかるという所です。また国によって対応が違うという点もデメリットとなるでしょう。
国によっては調査会社が対応していない、などということがあるのです。進出する国が対象となっているか確認が必要です。
海外への進出には市場調査が不可欠であることはお分かりいただけましたか。メリットデメリットを踏まえた上で進出を検討してください。
海外市場調査で重要な6つの視点
続いて海外市場調査で重要とされるいくつかの視点について解説していきましょう。
重要とされる視点は次の6つです。
- 現地の市場規模
- 顧客のニーズ
- 競合企業
- パートナー企業
- 法規制
- 自社の強みと弱み
それぞれを1つずつ確認していきましょう。
現地の市場規模・ポジション・競争率
現地の市場規模を知る事は最も重要なことです。進出を考えている国の市場は日本と比較してどうなのか分析して把握します。
参入のカテゴリ規模を知ることで競争率やポジションも確認でき、戦略や売上予測も立てやすくなるのです。
顧客・消費者のニーズ
顧客や消費者のニーズを分析しておく必要もあります。国内で受け入れられる商品やサービスがそのまま受け入れられる事は少ないのです。
また類似品ではどのような物があるのかなど分析することも、販売方法を考える上で大切になります。
競合企業
競合企業を調査分析することは戦略を立てるために大切なことです。売上・販売ルート・生産・取引先などをしっかりと調査しましょう。
競合他社の市場での位置を知る事で自社の立ち位置を確認でき、販売戦略も立てやすくなります。
パートナー企業
国による法律や規則に添うためにはその国の弁護士や税理士、商品に関しては仕入先・メーカーなどパートナー企業が必要となります。
国際的業務の経験のあるビジネスパートナーを探せるかどうかが海外進出の成功のカギといえるのです。
法規制
国が違えば法律も規則も違います。同じ国でも地域によって規則が違い、使用不可になる原材料などがあります。
そういったことは事前に調査しておくと慌てません。代替えなども検討することができるでしょう。
自社
海外市場を分析することで、自社企業の立ち位置や自社製品の強みや弱みを確認することができます。
また地域によっては日本製品を特に高品質であるとイメージする所もあります。
そういった事を把握しておくことで、製品に付加価値を付けることもでき、弱みを分析することで経営戦略を練り直すこともできるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
海外市場調査の手段
海外市場調査を行うための手段にはどのような方法があるのでしょうか。
主な調査方法・手段は4つあります。それぞれについて詳しく確認しましょう。
自社調査
自社で調査を行うことももちろん可能です。メリットとしてはやはりコストを抑えられるということでしょう。
また実際に現地の声をダイレクトに聞くことができるのも自社調査のメリットの一つです。
ただ、時間がかかることや、調査項目や調査内容を見落としやすいこともあるので、事前にしっかりと計画する必要があります。
支援機関の利用
支援機関とは海外進出する企業を支援するための公的機関で、市場調査だけでなく法的な情報調査やマーケティング支援も行っています。
支援機関にはジェトロ(日本貿易振興機構)をはじめ・商工会・商工会議所・地方自治体などがあります。
調査内容や予算に応じて選択するとよいでしょう。
民間の調査会社の利用
民間の調査会社を利用する方法もあります。国や地域・調査方法・業界など調査会社によってそれぞれに強みがあるので確認が必要です。
調査会社を選ぶには実績だけでなく、地域への知識や理解の深さも考慮して選ぶようにしてください。
もちろん経費がどのくらいかかるのかも重要です。調査報告と分析解析も含めた見積もりを出してもらうとよいでしょう。
現地の人への直接依頼
現地の人に依頼しての市場調査は、アンケート形式などで現地消費者の動向を調べます。
現地の協力が得られるのなら、コストもかからず、インターネットを利用するので、時間的にも早い調査が期待できます。
海外市場調査の手法
海外市場調査の手法には主として次の5つがあります。
- インターネット
- アンケート
- 店頭調査
- 体験モニター
- インタビュー
インターネットでの調査は現地の市場の動向や嗜好、競合企業などについて日本にいながら情報収集する方法です。
短時間で多くの情報を収集でき、コストもかからないのがメリットです。
ただ本来知りたいユーザーの情報だけの収集ではなく、必ず情報が正確とはいいきれません。
より詳細な調査のためには、他の調査方法と組み合わせてデータを比べる必要があるでしょう。
アンケート調査は現地の消費者や企業に直接アンケートに答えてもらう調査方法です。
街頭・訪問・電話・FAX・郵送などのアンケート調査が主流ですが、直接対象者に会って回答をもらえる場合もあります。
アンケート調査の場合は時間やコストがかかるのがデメリットといえるでしょう。
店頭調査は調査員が現地の対象者の行く店舗で、競合他社商品の価格や購入状況などを調査する方法です。
現地価格などを把握することは、自社製品の価格設定などを決定する大きな目安となるのです。
体験モニター調査は、自社商品を一定期間試してもらい期間終了後に感想を回収する調査になります。
現地のユーザーの正直な反応が聞けるところがメリットです。
インタビュー調査は対象の現地消費者と1対1やグループでインタビュー形式での調査を行います。
チャットインタビューのようにインターネットを使う場合や日本在住の現地の人を対象に簡単なインタビューを行うこともあります。
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海外市場調査の費用相場
海外市場調査の費用については調査方法により相場も少しずつ違ってきます。
調査だけならインターネットを使うことで比較的低コストでの調査が可能となります。
ただ現地へ趣き調査の結果を分析まで行った場合には1か国300万円から400万円が費用目安となり、数か国に及ぶと高額となります。
調査手段・手法ごとの料金目安
調査手段や手法ごとに料金の目安を挙げてみましょう。まず調査ごとにかかる費用の目安です。
- インターネット調査:50サンプル5万円~500サンプル50万円~
- 体験モニター調査:100サンプル150万円~
- インタビュー(1対1):5名40万円~
- インタビュー(グループ):1グループ20万円~
- 店頭調査:1商品3万円~
上記は調査のみの料金となります。分析データにする必要があるため調査を調査会社に依頼する企業が多くなっています。
調査会社での調査内容によっても費用にはかなりの差があります。確認していきましょう。
調査会社への依頼では、スタンダード(市場調査・文献調査・パートナー企業・法規制調査・インタビュー)1か国400万円~となります。
経費を抑えるにはライトスペック(テグスリサーチ・簡単インタビュー・店頭調査・ヒアリング)で1か国100万円~もあります。
リーズナブルに海外調査を行うには?
リーズナブルな海外調査には自社での市場調査を行う手法もありますが、手間や期間はかなりかかってしまいます。
調査会社の依頼でもライトスペック調査ならリーズナブルに本格的な調査を受けることが可能です。内容を確認しましょう。
- テグスリサーチ
- 簡単インタビュー
- 店頭調査
- 専門家ヒアリング
テグスリサーチは海外パネルを使った市場調査や対象国の特派員による情報収集などです。
対象国出身の在日している人に、その国について嗜好や市場動向をインタビューすることでその国で流行を知ります。
対象国の現地特派員が店舗を調査し、競合企業や商品についてリスト化し写真データなどを作成するのです。
対象国について詳しい専門家にヒアリングして、現地の市場概況や現地でも規則などを知ることが可能になります。
ライトスペックといってもかなり深いところまで調査がされ、1か国100万円~と低コストなので取り入れられるとよいでしょう。
言語や文化の違いによる影響は?
企業の海外進出にとって、一番の問題は言語や文化の違いに大きく影響を受ける点ではないでしょうか。
ビジネスにとって言葉の些細なニュアンスが通じるか通じないかでその結果は大きく違ってくるのです。
市場調査結果に於いても言葉のニュアンスで違う意味になってしまった、ということになりかねません。
翻訳のクオリティコントロールが必要
言語に関しては翻訳会社に一任することが多いのですが、翻訳のクオリティコントロールが必要になります。
内容を熟知した翻訳者による翻訳が必要となるでしょう。
調査文・選択肢のローカライズが必要
製品の調査文や選択肢にも翻訳が必要となりますが、この場合にもローカライズが必要となるのです。
言語や文化の違う国での商品使用については細心な注意が必要なのです。
調査手法が国内と異なる
海外進出のための市場調査手法は、国によって違います。これも文化の違いといってよいでしょう。
例えば国内ではインターネットでの調査が約46%となっているのに比べ、東南アジアでは1桁の%に留まっています。
SEC(社会経済クラス)という考え方も日本には無いものです。
貧富の差の激しい国ではSECの調査が年代・性別と同じように大切なものになるのです。
これも調査の違いといえるのではないでしょうか。
スケジュール感が国内と異なる
国内との差が激しいものに、スケジュール感があります。
海外調査のリードタイムが国内と比べて長くなる理由は次のようなことです。
- 調査票や結果の翻訳に時間がかかる
- オンライン調査が少ない
- 現地スタッフとの連絡に時間がかかる
上記が主な理由ですが、海外調査には現地の国民性などを考慮する必要もあり、気を付けるべき点も多いのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
海外市場調査を行う上で押さえたいポイント
続いて海外市場調査を行う上で押さえるべき注意点・ポイントについて解説していきましょう。
海外市場調査では国内の調査と違って対象国の国民性などが大きく関わってきます。注意点を挙げましょう。
- 費用や納期
- 統計データの精度
- 習慣性や国民性の違い
海外市場調査では国内と違い、調査結果が納品されるまでの期日が長くなることが多いです。
調査日数が長くなるとそれだけ費用がかかることも考えられます。しっかりと確認した上で依頼する必要があります。
統計データの精度についても国によって差がでることが多いのです。統計そのものの数値が不正確な国も多いので注意してください。
国ごとの習慣性や国民性には大きな隔たりがあります。対象の国のことを熟知している人か現地の特派員の調査が必要でしょう。
海外市場調査の有効活用で海外進出を成功させるなら
海外進出のために市場調査を行うのはとても重要なことです。
市場調査を行わずに現地でビジネスをした場合、習慣や国民性の違いに思わぬ苦戦を強いられることも多いでしょう。
海外市場調査を適切に行って、その結果を有効的に使うことが海外進出を成功させることに繋がるのです。
海外市場調査を有効的に活用させて海外進出に成功するために、デジマクラスなどコンサルタントの力を借りることも1つの方法です。
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まとめ
海外市場調査の必要性は国によって違う文化や国民性や嗜好の違いを知って、マーケティングに活かすことにあります。
海外市場調査のメリットやデメリットを見極めた上で、自社にあった方法を選び調査を行うようにしてください。
特に費用や納期など日本国内と条件が違う場合が多いので注意すべき点も多くなります。
海外市場調査に悩んだらデジマクラスに相談してください。早急に問題を解決して海外進出を成功させましょう。