マーケティングに成果が出れば、企業の利益へと繋がっていきます。
どのような施策を立てるべきか悩んでいる企業もあるでしょう。
施策を立てる際に活用できるのが、パネル調査です。
パネル調査を行うことで、消費者のニーズなどを捉えることが出来ます。
ここでは、パネル調査について解説していきます。
メリットやデメリット、具体例もご紹介していくので、参考にしてみてください。
目次
パネル調査の概要
パネル調査は、マーケティングリサーチの一種です。
マーケティングリサーチとは、マーケティングにおいての課題を解決するため調査を行い、データを収集し分析していくことを指します。
マーケティングリサーチを行うことで、消費者のニーズを的確に捉えることが出来るのです。
パネル調査はマーケティングリサーチの一種であり、調査を行うことで、マーケティングに活かせるデータを収集することが出来るでしょう。
パネル調査の概要について解説していきます。
どのような調査なのか
パネル調査とは、対象の消費者と期間を固定し継続してアンケートを行い、回答してもらう調査のことを指します。
単発の調査ではなく継続的に行うので、消費者のニーズの変化を捉えることも出来ることが特徴です。
対象の消費者には、継続的に調査に協力してもらう必要があります。
調査目的は？
パネル調査の大きな目的は、消費者のニーズを捉えることです。
企業がマーケティングを行う場合、消費者のニーズにあった施策を行うことで成果へと繋がっていく可能性が高くなります。
パネル調査を行うことで、消費者がどのような商品を求めているのか、好ましい価格帯はどのくらいなのかなどを知ることが出来るのです。
調査で知ることの出来た情報は、マーケティングの施策へと活かしていけるでしょう。
アドホック調査との関係性
マーケティングリサーチの中で、アドホック調査というものがあります。
アドホック調査は、特定の目的のために実施される単発の調査です。
パネル調査との大きな違いは、調査期間になります。
アドホック調査は1回のみの単発で行い、パネル調査は継続して長期間行うことが特徴です。
また調査によって得られる情報量が変わってきます。
どのような目的で、どのような情報を収集したいかによって、どの調査を行うか選んでいくことが重要です。
パネル調査の結果の活用先
パネル調査の結果の活用先には下記のようなものがあります。
- 顧客のニーズの把握
- 市場予測とそれに基づく事業計画
- 販売・広報戦略
それぞれの内容についてみていきましょう。
顧客のニーズの把握
パネル調査は顧客のニーズを把握するために活用することが出来ます。
顧客のニーズを把握しておくことはマーケティング戦略を立てていくうえで重要です。
パネル調査は、調査する際ターゲットを性別や年齢層など絞ることが出来ます。
絞ることで、ターゲット層それぞれのニーズを把握することが出来るようになるのです。
市場予測とそれに基づく事業計画
パネル調査は市場予測と事業計画を立てる際にも活用することが出来ます。
アドホック調査の単発の調査とくらべ、パネル調査は長期間の継続的な調査であることを前項でお伝えしました。
パネル調査のように継続的に同じターゲットに調査を行うことで、顧客のニーズの変化を捉えることが出来ます。
ニーズの変化を捉えることで、どのように市場が変化していくのか予測することが出来るのです。
市場が変化していけば、顧客が企業に求めるものが変わってきます。
企業はそのニーズに応えていかないと、利益を保つことも難しくなってきてしまうのです。
市場が変われば、顧客のニーズにあったサービスや商品を提供していかなくてはいけません。
パネル調査の結果から市場予測を行うことで、顧客のニーズに迅速に対応することが出来ます。
またパネル調査の得た情報から、事業計画を立てることへも活用が出来るのです。
ニーズの変化から、どのような商品やサービスが必要か今後の新しいビジネス展開を考えている際にも活用することが出来ます。
販売・広報戦略
販売・広報戦略にも調査結果を活かすことが出来るのがパネル調査です。
購入方法やどの広告から購入に至ったのかは、顧客によって変わってきます。
パネル調査の結果から、どの販売戦略に効果があるのか把握することが出来るのです。
またどの販売方法を伸ばしていくべきかという戦略を立てることも出来ます。
近年、商品やサービスのマーケティング方法が増えてきました。
どのように、自社の商品を広めていくか悩んでいる企業も多くあるのです。
そこでパネル調査の結果から、どの広報活動の効果があるのか分析することが重要になります。
分析することで今後の広報戦略を立てる場合にも活かすことが出来るのです。
パネル調査の具体例
パネル調査はどのように活用されているのでしょうか。
具体例についてご紹介します。
家電製品の販売企業
家電製品の販売企業の活用先は、販売戦略です。
家電製品はニーズに合わせ年々商品が増えています。
家電製品の販売企業はニーズを捉えた商品を売り出していくことが重要です。
消費者のニーズを捉えていくためにもパネル調査は効果があります。
どのような家電製品が欲しいのか、今後欲しい家電製品は何かなどパネル調査を行い分析していくのです。
ニーズを捉えていくことで家電製品の販売数を増やしていくことができるでしょう。
テレビCMの効果検証
テレビCMの効果検証にもパネル調査を活用できます。
テレビCMの宣伝方法は、幅広いユーザをターゲットにできることが大きなメリットです。
しかしコストが大きくかかることがデメリットでもあります。
効果あるテレビCMを作成するためにもパネル調査を活用することが効果的です。
パネル調査を行いテレビCMの印象や消費者がどんな情報を知りたいのか調査する目的で活用します。
消費者のニーズを捉えたCMであれば大きな効果を期待出来るのです。
またテレビCMを作成する上での改善点もみえてきます。
他の調査と組み合わせて活用
他の調査と組み合わせて活用していくことで、さらに詳細なデータを収集することが出来ます。
アドホック調査は新しいサービスや、新しい商品などの調査でよく用いられる方法です。
1回のみの調査になりますが、特定の目的の消費者のニーズを詳細に捉えられることが特徴になります。
アドホック調査とパネル調査から得られた情報をかけ合わせて分析することで、より効果あるマーケティング戦略を立てていけるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
パネル調査のメリット
マーケティング戦略を立てる際に活用されるパネル調査ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
時間軸での変容がわかる
パネル調査は期間を決めて継続的に行っていきます。
継続的に行っていくことで、対象者の時間軸での変化を捉えることが出来るのです。
どこで購入しているか・いつ購入したか・どのくらいの頻度で購入したかなど、さまざまな項目から調査を行います。
調査を行うタイミングで調査結果が異なることがあるかもしれません。
またアドホック調査では1回のみの調査なので、対象者のニーズの変化、市場の変化などは捉えることが難しいのです。
時間軸で異なるデータを収集でき、動向を知ることができるので、より詳細な分析を行えることが大きなメリットになります。
調査効率がいい
もう1つのメリットとして、調査効率が良いことも挙げられます。
アドホック調査のような単発の調査を行う場合、調査対象者や調査内容などを毎回決めていく必要があるのです。
パネル調査の場合は、一度決めた調査対象者に対して継続して同じ調査を行っていくので、毎回決める必要がありません。
そのため、調査を行う場合に準備時間を多く取ることが少ないので、調査効率が良くなるのです。
パネル調査のデメリット
パネル調査のメリットについてお伝えしましたが、デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
デメリットについてみていきましょう。
回答者の途中離脱の対策が必要
パネル調査は、継続して長期間、調査に協力してもらうことになります。
調査を長期間行うにあたり、回答者が途中離脱してしまう可能性があるのです。
長期間行うことで、より詳細な分析が出来ることがメリットですが、回答者が離脱してしまうとデータを収集出来ません。
回答者の途中離脱の対策が必要になります。
回答者に継続的に協力してもらうためには、負担をかけないことがポイントです。
調査の内容が多いと、回答者にとって面倒に感じてしまい途中離脱の要因になってしまいます。
回答者に負担をかけないような調査内容が好ましいです。
調査結果が出るまでの期間が長い
パネル調査は調査結果が出るまでの期間が長いこともデメリットです。
調査を行ったあとはデータを収集し調査結果を出すことになりますが、やはり時間がかかってしまいます。
継続してこの調査結果を割り出す時間は常にかかっていくことになるのです。
パネル調査を行う場合には、時間も必要になることを考慮しておきましょう。
パネル調査の方法
パネル調査を行う方法は、下記のような流れです。
- 調査の目的を設定する
- 調査内容を決める
- 回答者の層を明確にする
- 回答者の情報を抽出する
- 調査を実行する
- 調査の結果を収集する
パネル調査を初めて行う際は上記のような流れです。
調査は継続的に行うので、1回目以降は、調査を実行し結果を収集することだけの作業になります。
回答者に長期間協力してもらうためにも、調査内容を決めるときは慎重に行うことがポイントです。
調査内容の回答を選択方式にするのか、記述方式にするのかで回答者の印象は変わってきます。
記述方式であれば、企業が求めている情報を得ることが出来るかもしれませんが、回答者が面倒に感じてしまう場合もあるのです。
選択方式を多く取り入れ、記述方式を少なくするなど、調査内容を決める際には工夫が必要になります。
またパネル調査を代行し行ってくれるサービスもあるので、活用してみることもおすすめです。
そのようなサービスを利用すると、効率良くパネル調査を行えるメリットもあります。
結果の質がパネルの質に左右される点には注意
パネル調査を行う場合には、パネルの質に左右される場合があるので注意しましょう。
ここでのパネルは調査対象者のことを指します。
パネルの質が悪ければ、求めている情報を得られる可能性が低くなってしまうのです。
例えば、調査対象者がちゃんと回答せず、適当に回答しているという時があります。
適当に回答されてしまうと、調査結果をマーケティング戦略に活かしていくことが難しいです。
パネル対象者のパネル選びは、質が良い回答者を選ぶことがポイントになります。
またパネルの質を見分けるため、ちゃんと質問を読んでいるか分かるような項目を加えるなど、調査内容を工夫することも重要です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
良質な回答者を集めるコツ
パネル調査で良質なデータを確保するためにも、良質な回答者を集めなければいけません。
良質な回答者を集めるコツとしては、調査を継続してくれる回答者を探すことが大きなポイントです。
調査を継続しない回答者は一定数存在します。
調査を継続しなかった回答者と、継続している回答者のデータを分析してみるのです。
分析のポイントとしては、年齢や性別、既婚かなどを確認してみましょう。
一定数のデータを集めることができれば、良質な回答者を選んでいくことが出来るようになります。
また、調査を行ってくれる回答者には、謝礼を渡すということも1つの手法です。
全ての調査が終わったあとに渡すというルールを設けるこということがポイントになります。
回答者は謝礼のため、全ての調査に協力してくれる可能性が高くなるのです。
しかしこの手法は回答者を集めることは出来ますが、その回答者が良質であるかということは分からないことがデメリットにもなります。
消費動向・購買モデルの事例はこちら
パネル調査を有効活用してマーケティングで成功するなら
パネル調査は、消費者のニーズを知ることができ、市場の変化なども捉えることが出来ます。
メリットが多いパネル調査ですが、上手く活用していくためには知識も必要です。
パネル調査を有効活用してマーケティングで成功するためにも、プロのコンサルタントの力を借りることもポイントになります。
パネル調査をどのように行うのか、どのようにマーケティングで活かすのか悩んでいる場合はデジマクラスへご相談ください。
デジマクラスのコンサルタントがお手伝いいたします。
まとめ
パネル調査は、マーケティング戦略で活かしていけるデータを集めることができます。
また消費者から直接ニーズを把握することで、マーケティングの施策や、販売戦略を立てる際にも活かしていけることが大きなメリットです。
そして継続的に調査を行うことで、市場の変化を知ることができ、新しいビジネスチャンスを掴むことが出来るかもしれません。
そのためには、パネル調査での注意点を理解し、実行していく必要があります。
知識がないと難しい部分もあり、悩んでいる企業もあるでしょう。
パネル調査のことで悩んでいる場合は、ぜひデジマクラスへご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。