マトリクスを作る方法を解説!マトリクスの特徴やマトリクスの図法は?マトリクス図作成や評価する際のポイントをご紹介します

多くの言語情報が存在する時に、その解析方法や問題を見出すことに悩む人は多いのではないでしょうか。

そんな言語データをはじめとする情報を解析し、問題解決への方法を導くのがマトリクスです。

マトリクスの作り方や図法に迷う人は少なくありません。

今回は、マトリクスの特徴だけでなく図法の種類や作り方に至るまで詳しくご紹介します。

マトリクスは有効な思考のツールである

マトリクスは有効な思考のツールであるといわれています。

まずは、マトリクスの思考について見ていきましょう。

マトリクスを使った思考

マトリクスは、もともと「母体・基盤」という意味で使われていました。

そして数学では格子状に数字を並べて囲った「行列」を指し、ビジネスではこちらの意味を用います。

2つの軸を、「行」と「列」として物事を分類していくのがマトリクスです。

そんなマトリクスが有効な思考ツールといわれてもピンと来ない人もいるでしょう。

まずは、こんな悩み・希望がないか思い浮かべてみてください。

  • 考えることが多くて頭の中を整理できない
  • 言語情報の分類が難しい
  • 問題の全体像を把握したい
  • 優先順位をつけて取り組みたい

情報を1つずつ整理すれば、これらのことは解決できる可能性があります。

そこで有効なのがマトリクスという思考ツールです。

マトリクスでは、目の前にある情報を行列に当てはめて思考を進めていきます。

行列に当てはめていくことで自身の整理になるだけでなく、視覚化することもできるのです。

マトリクスの例

情報の整理と視覚化によって思考を進めていくマトリクスですが、どのように当てはめていけばいいのでしょうか。

ここではマトリクスの例をご紹介します。

例えば、物事の重要性・緊急性を把握するためにマトリクスが有効です。

問題が発生した要因をマトリクスに当てはめることで、解決に必要な要素を見出すことができます。

具体的な作り方はこの後詳しく見ていきましょう。
 
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マトリクスを作る方法

ここまでは、マトリクスの考え方や例をご紹介してきました。

それらを踏まえて、マトリクスを作る方法をご紹介します。

2つの軸の設定

マトリクスを作る時は、まず2つの軸を設定します。

先ほどの例でいくと、重要性と緊急性がこの2つの軸です。

2つの軸は、先述したように「行」と「列」を表します。

最初に設定した2つの軸が、マトリクスを構成するベースになることを押さえておきましょう。

さらに軸を2つ以上に分ける

2つに設定した軸を、さらに2つ以上に分けていきます。

マトリクスは2×2だけでなく3×3や4×4という方法も可能です。

ここでは2×2を例にご紹介します。

「重要性」「緊急性」をそれぞれ「高い」「低い」の2つに分けてください。

そうすると、以下のような4つの枠ができるはずです。

  1. 重要性・緊急性ともに高い
  2. 重要性は高いが緊急性は低い
  3. 重要性は低いが緊急性は高い
  4. 重要性・緊急性ともに低い

ここまでできたら、次の段階に進みましょう。

順番に検討

マトリクスの軸を設定して枠ができたら、そこに検討したい・整理したい情報を当てはめます。

そして、先述した1~4の順に検討していきましょう。

例えば「重要性・緊急性ともに高い」のであれば、すぐに取り組むべきといえます。

一方、「重要性は高いが緊急性は低い」は内容によっては優先順位が低くなる可能性があります。

マトリクスの特徴

マトリクスの概要や作り方が分かったところで、主な特徴を2つご紹介します。

どのような特徴があるか押さえておくことで、より有効に活用することができるでしょう。

網羅的に考えることが可能

マトリクスの特徴1つ目は、網羅的に考えることができるということです。

物事を考えるためには、まず考える対象を定めなければなりません。

しかし、自分の頭の中だけで考えると、混乱を生じたり考えるべき内容が抜けることがあります。

マトリクスは軸を設定して枠に当てはめていくので、情報が多くても1つ1つ分類できるのです。

そして、情報を分類していけば網羅的に全体像が見えてくるでしょう。

漏れのない分類が可能

マトリクスの特徴2つ目は、漏れのない分類ができることです。

情報を整理する時に必要な考え方に「MECE」があります。

MECEは物事を「漏れなく被りなく」捉えるのフレームワークの1つです。

問題を解決しようとしても、情報整理の段階で漏れがあっては重要なことを見逃すことになりかねません。

しかし、マトリクスでは4つの枠に当てはめて検討するため漏れを防ぐことができるのです。

MECEの「漏れなく被りなく」も押さえた分類になります。

 

ワンポイント
マトリクスの特徴
・網羅的に考えることができる
・漏れなく被りなく分類することができる

マトリクス図法は4種

マトリクスを図式化にしたものが「マトリクス図法」です。

そのマトリクス図法にはL型・T型・Y型・X型の4種類があります。

それぞれ特徴や考え方を見ていきましょう。

L型マトリクス

L型マトリクスは先述した2×2のような、一般的にイメージされるマトリクス図法です。

軸を設定していくと、L字のように見えるためL型マトリクスと呼ばれます。

先ほど例にあげた2×2だけでなく、もっと枠を増やすことも可能です。

例えば横軸を「要素A」、縦軸を「要素B」として考えていきます。

その中に軸を追加、つまり細かな項目を設定するとL型マトリクス図法の完成です。

この図法がマトリクスの考えのベースになるため、まずはL型マトリクスを押さえておきましょう。

T型マトリクス

T型マトリクスは、1つの軸に対してかかわる軸が2つあるという状態の図法です。

簡単に説明すると、3本の軸があってそれがT字にように構成されている図法を指します。

1つの軸に対してかかわる軸が2つあるため、L型マトリクスが2つ合わさったものだと捉えてください。

このT字マトリクスでは、2つの軸は縦横どちらでも構いません。

Y型マトリクス

Y型マトリクスは、3つの軸で構成されるマトリクス図法です。

ここまで説明してきたL型マトリクスやT型マトリクスと違い、Y型マトリクスは立体になります。

3軸を設定するため、3つの事象にまたがって情報をまとめるために使われるのがY型マトリクスの特徴です。

3つの要素を関連付けて検討したい時は、このY型マトリクスを活用しましょう。

X型マトリクス

X型のマトリクスは、L型を4つ組み合わせた形をしたマトリクス図法です。

図式は「+」のように見えるかもしれませんが、少し角度を変えると「X」に見えるでしょう。

軸が4つあるため、以下のような関係を見ていくことができます。

  • 要素a×要素b
  • 要素b×要素c
  • 要素c×要素d
  • 要素d×要素a

複数の要素の関連をそれぞれ見ていくことができるので、より詳細な分析が可能になります。

X型マトリクスは、T型と同じようにL型マトリクスを1つにまとめて説明する際に使用するのが特徴です。

 

ワンポイント
マトリクスの図式にはL型・T型・Y型・X型がありL型マトリクスがベースとなります。

 
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マトリクス図法の作成方法

マトリクス図法には4つの種類があり、その特徴を見ると「どうやって作るの?」と気になる人もいるのではないでしょうか。

マトリクス図法を使って思考を整理するには、まず図式を作らなければなりません。

ここではマトリクス図法の作り方についてご紹介します。

検討する内容を決める

マトリクス図法を作成する際は、はじめにマトリクス図法を使って検討する内容を決めます。

要は、マトリクス図法を使って何を導き出したいかということです。

それを明確にすることがマトリクス図式作成のスタートラインとなります。

検討したい内容が決まったら、それを取り巻く事項と要素の組み合わせを考えましょう。

それぞれの事項や要素に当てはまる項目も、洗い出してください。

マトリクス図を作る

検討したい内容とその事項・要素が決まったら、いよいよマトリクス図法の作成にかかります。

事項・要素の数に合わせてマスを作り、行と列に当てはめましょう。

行と列とは、先述した縦軸・横軸のことだと思ってください。

図を作成して必要な項目を埋めたら、次のステップに進みます。

検証・評価・対策

マトリクス図を作ったら、検証を行っていきます。

検証したい事項・要素を構成する項目を、マトリクス図に当てはめて検証していくのです。

洗い出した項目は「漏れなく被りなく」当てはめていかなければなりません。

その検証結果から、全体像の把握や問題点の抽出に繋がります。

検証・評価では、それぞれの項目に対し「〇・△・×」を付けたり数字でランク付けしたりする方法が簡単です。

マトリクス図作成は、検証結果を評価してどのような対策が必要なのか検討するところまで行いましょう。

マトリクス図作成におけるポイント

マトリクス図を作成するとなると、「難しそう」「上手くできるだろうか」を不安に思う人も少なくありません。

そんなマトリクス図作成のポイントと見ていきましょう。

  • 検討したい内容は最初に洗い出す
  • 漏れなく被りなく分類する
  • 必要に応じて行と列を追加する

検討したい内容は最初にしっかりと検討し、項目を洗い出すことが大切です。

最初に洗い出しができていれば、行と列の設定や図式の選択が行いやすくなります。

また、「漏れなく被りなく」分類するためにも洗い出しは重要です。

しかし、それでも分類や検証の途中で追加したい内容が出てくることもあるでしょう。

そんな時は行と列を追加して、マトリクス図を拡大してください。

もし追加せずにそのまま進めたら、「漏れ」が生じてしまいます。

この場合は、途中であってもマトリクス図を拡大した方がいいのです。

ただし「被り」が生じていないことは確認しながら進めることがポイントとなります。

評価する際のポイント

マトリクス図の活用では、作成だけでなく評価方法に悩むこともあるでしょう。

ここではマトリクス図を評価する際のポイントをご紹介します。

  • 客観的に評価する
  • 複数人で評価する
  • 要点がズレていないか確認する

マトリクス図を評価する時には、主観的ではなく客観的な評価をすることが大切です。

「こうあってほしい」という主観が入ると、全体像がブレることになりかねません。

そうなると、本当の問題点を見出すことができなくなってしまいます。

特に事象ではなく人に対する評価では、主観が出やすいのではないでしょうか。

このような主観を避けるために、1人ではなく複数人で評価するのがポイントです。

また、評価を開始する前や最中に要点がズレていないか確認していきましょう。

 

ワンポイント
マトリクス図は客観的な評価をするために複数人で行うのがポイントです。

系統図と併用して活用

マトリクス図法は、系統図と併用して活用することでより分析を深めることができます。

そこで押さえておきたいのが、マトリクス図法を含む「新QC7つ道具」と呼ばれる手法です。

新QC7つ道具とは、言語情報や言語データを分析したり問題解決に導いたりするための手法を指します。

そんな新QC7つ道具にはどのようなものがあるのかチェックしておきましょう。

  • マトリクス図:情報を整理して問題の関連性や優先順位を見出す手法
  • マトリクスデータ解析法:複数のマトリクスをまとめる手法
  • 親和図:項目を親和性で体系化し問題点を見出す手法
  • 関連図:関連する問題を繋ぎ解決策を見出す手法
  • 系統図:目標達成のために必要な項目を系統化する手法
  • アローダイアグラム法:問題解決のための作業と日程を関連付ける手法
  • PDPC法:問題解決策の実行の過程で起こり得るトラブルを体系的に示す手法

新QC7つの道具にはこれだけの種類があり、それぞれ問題解決に必要なプロセスをもっています。

これらは単独で使うだけでなく、組み合わせて活用することができるのです。

組み合わせて考えることで、「本当にこれでいいのか?」という不安が確信に変わることも少なくありません。

そして、マトリクス図法との併用でおすすめといわれているのが系統図法です。

マトリクス図法で見出した問題の関連性や優先順位を踏まえて、系統図を作成しましょう。

 

ワンポイント
新QC7つの道具の中でマトリクス図と系統図の併用が効果的です。

 
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データ分析・情報整理に悩んだら

マトリクスは、言語的データや情報整理に向く方法です。

人事だけでなく、マーケティングでも活用することができます。

しかし、マトリクス図の作成や使い方など悩むことは多いのではないでしょうか。

データ分析や情報整理でお困りのことがあれば、デジマクラスにご相談ください。

デジマクラスには、マトリクス図をはじめ新QC7つの道具に関する知識をもったコンサルタントがいます。

コンサルタントに相談しながら、効果的なデータ分析・情報整理をしていきましょう。

まとめ

今回は、マトリクスの特徴やマトリクス図作成についてご紹介しました。

数学の「行列」を活用したマトリクスは、言語的データや情報を整理することに役立ちます。

特に、多くの情報を整理できない、問題の関連や優先順位を見出したいという時におすすめの手法です。

マトリクス図は系統図と併用することで、より確信をもった問題解決プロセスを作り出すことができるでしょう。

もしマトリクス図の活用でお悩みのことがあれば、ぜひデジマクラスまでご連絡ください。

一緒に有効な活用方法を検討していきましょう。

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