サイコグラフィックデータについて聞いたことはあるけれど、どのような活用方法があるのかわからないという方もいるでしょう。

こちらではサイコグラフィックデータの活用方法だけでなく収集方法も紹介しています。

またサイコグラフィックデータが注目される理由や活用することのメリットも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

サイコグラフィックデータの概要

ネットビジネス

サイコグラフィックデータとはセグメンテーションの1つで、消費者の価値観・嗜好・ライフスタイルなどの心理的属性データをいいます。

消費者セグメンテーションのひとつ

消費者セグメンテーションには主に次の4つの属性があります。

  • デモグラフィック属性
  • ジオグラフィック属性
  • ビヘイビアル属性
  • サイコグラフィック属性

サイコグラフィックは「心理学的属性」で要素になるものは次のようなことです。

  • 趣味嗜好
  • 性格
  • 価値観
  • 悩み
  • ライフスタイル

サイコグラフィックは他のセグメンテーションと違い、外見で推測できる指標ではなく心理的なものです。

最近何かに悩んでいる・習い事を始めた・特に好きで実践していること・好きな音楽など内面に秘めていることも含まれます。

これはターゲットに内面を提示してもらうことでわかる事柄になります。

顧客の行動の動機に着目

オフィスで談笑する男女

顧客の行動やその動機に着目することで、心理学的属性の要素となる事柄がわかることは多いです。

SNSやWebサイトでの顧客の動向から内面が見えて来ることもあります。そういった行動を注意深く観察することも必要でしょう。

ただ1度だけでは正確なデータとはいえません。何度か継続的に行動から心理学的要素を見つけ出すことが必要となります。

 

ワンポイント
サイコグラフィックデータとはセグメンテーションの1つで心理的属性データをいいます。

デモグラフィックとの関係性

男性がパソコンを触っているイメージ

サイコグラフィックとデモグラフィックとの関係性について解説していきましょう。

デモグラフィックとは年齢・性別・職業などの人口統計学的属性をいいます。

少し前まではデモグラフィックのデータで顧客の状況をある程度明確に把握することが可能でした。

ところが現在では生活様式の変化にともなって、デモグラフィックのデータだけでは本来の顧客の内面を把握することは難しくなりました。

そこで、サイコグラフィックが顧客を把握する上で重要なデータとして注目されることとなったのです。

デモグラフィックももちろん大切なデータです。サイコグラフィックと組み合わせることでより効果的なデータ活用が期待できます。

 

マーケティング戦略の事例はこちら

 

サイコグラフィックデータが注目される理由

コンサル

数多くの商品の中から自社の商品を選んでもらうためには、顧客のより深い心理的なデータが重要になります。

特に最近ではライフスタイルも画一的でなく、家族であってもそれぞれ個人の思いが尊重されます。

そういった個性が重んじられる中、顧客の思いを幾通りもの指標としてとらえたのがサイコグラフィックデータなのです。

サイコグラフィックデータが注目を浴びることになった理由はそのあたりにあるのでしょう。

個人のニーズを掴むことができる

画一的なセグメンテーションではなく個人的なニーズに寄り添い、気持ちや考えを分析することが必要となったのです。

サイコグラフィックデータにより、顧客個人のより深いニーズを掴むことができるのです。

顧客自身も気付かなかった本当に求めているものを形にすることで、アプローチに活かすことができます。

これもサイコグラフィックデータがマーケティングに取り上げられる大きな理由といえるのです。

サイコグラフィックとデモグラフィックを併用

ビジネス、評価

個々の考えが重要になった今、デモグラフィック属性だけでは画一化していて深いニーズに添うことができないと考えられます。

またサイコグラフィックは顧客の内面にせまりますが、それだけではあまりに広すぎて状況を絞れません。

そこで必要なのはサイコグラフィックとその他のセグメンテーションの併用です。

デモグラフィックとサイコグラフィックを併用することによって、より顧客の商品に対する方向性がはっきりします

デモグラフィックでの顧客データの例を挙げてみましょう。

  • 40代
  • 主婦
  • 子ども1人
  • 世帯年収1000万円

比較的裕福な世帯で子どもも1人なので生活にゆとりがあるとわかります。

このデータにサイコグラフィックのデータをプラスします。

  • 最近シミやたるみが気になり始めた
  • 子どもに手がかかるので時間がとれない
  • 少々髙くても手間のかからない効果が感じられる化粧品が欲しい

これで、40代の主婦で効果の高い簡単に使用できるシミたるみに特化した化粧品を求めていると明確になります。

外見だけの顧客データに内面的な顧客の思いが組み込まれて、よりアポイントを取りやすい顧客データとなっています。

デモグラフィックとサイコグラフィックを併用すると次のようなデータとなるのです。

  • 40代
  • 主婦子ども1人
  • 世帯年収1000万円
  • シミたるみに悩み
  • 子どもがいるので簡単なケア商品が欲しい
  • 高価でも質にこだわる

商品にどのようなことを顧客が求めているのか、より深い状況がサイコグラフィックによって把握できるのです。

その他ジオグラフィックやビヘイビアルなどのセグメンテーションとの併用でもより効果的な活用方法が期待できるでしょう。

 

ワンポイント
サイコグラフィックとデモグラフィックは併用することでより効果的に活用できます。

サイコグラフィックデータを活用するメリット

案内するビジネスマン

サイコグラフィックのデータにより顧客のより深い要求や状況を把握できることをお話しましたが、そのメリットは他にもあります。

顧客のパーソナリティに応じたセグメントができる

メリットの1つは顧客のパーソナリティに応じたセグメントができるという点にあります。

同じ年代、収入、家族構成であっても求める商品がまったく違う場合もあるのです。

少々髙くても良い商品が欲しい・できるだけ安価でそれでも良い商品が欲しいなど個人が求める条件は違うのです。

個々にアプローチできるので、特別感を得たい顧客にとっては自分だけに焦点をあててくれていると感じるのはメリットといえます。

ニーズにあわせたアプローチ戦略がたてられる

顧客の望むものが把握できれば、そのニーズにあわせたアプローチが可能になり戦略も立てやすくなるのです。

他のセグメンテーションのデータと効率よく併用すれば、戦略はなお立てやすくなることでしょう。

顧客個々のニーズに寄り添い顧客にあわせた商品を紹介することができることは大きなメリットといえるでしょう。

 

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サイコグラフィックの要素

特徴

サイコグラフィックのメリットや、デモグラフィックとの併用での活用についてはお分かりいただけたでしょうか。

それではもう一度サイコグラフィックの要素について詳しく解説していきましょう。要素として挙げられるのは次の3つです。

  • 価値観
  • ライフスタイル
  • パーソナリティ

価値観・ライフスタイル・パーソナリティはサイコグラフィックの要素としてデータに大きくかかわります。

それぞれの要素について詳しく確認していきましょう。

価値観

サイコグラフィックの要素にはまず価値観が挙げられます。同じ年代や生活環境であっても個々の持つ価値観は違います。

価値観の違いは興味を持つ商品やサービスにも大きくかかわります。

デモグラフィックでは同じ系列に入る顧客でも、違った価値観を持ち購買意欲のある商品がまったく違うということは多いです。

価値観はサイコグラフィックの要素としてデータ化されます。

ライフスタイル

生活

ライフスタイルもまたサイコグラフィックの要素の1つです。同じ生活環境でもアウトドア派かインドア派かで要素が違ってきます。

家事が好きな主婦もいればショッピングが好きな主婦もいます。子育てに重きを置く人もいれば自分磨きに時間をかける人もいるのです。

それぞれのライフスタイルを確認してそのスタイルから踏み込む必要もあるでしょう。

デモグラフィックやジオグラフィックだけでは分類できない要素を探ることがサイコグラフィックといえるのです。

パーソナリティ

同じ環境や年代であっても考え方は個人個人で違うというパーソナリティも、サイコグラフィックの要素です。

個々の生き方や考え方を大切にする時代背景もあります。

価値観の多様化にともない、今までのデモグラフィックやジオグラフィックのセグメンテーションだけではニーズを捉えにくいのです。

そこで個々の考え方も必要となってきます。顧客の内側にある情報が重要になるのです。

これらの要素を集めてデータ化したものがサイコグラフィックデータになります。

 

ワンポイント
サイコグラフィックの要素はそれぞれのライフスタイル・価値観・パーソナリティです。

サイコグラフィックデータの収集方法

業務、可視化

サイコグラフィックデータについてお話してきました。それではそのデータはどのように収集していくのか解説しましょう。

サイコグラフィックデータの収集は直接顧客からアンケート等で収集する他に、顧客の購買行動などでわかることもあります。

顧客へのアンケート・インタビュー

サイコグラフィックデータを収集する方法にはアンケートやインタビューがよく使われます。

アンケートは店舗を訪れた顧客に行う場合と、WebサイトやSNSなどで行う場合があります。

どちらにしても複雑な質問や深く立ち入る質問は、不信感を持たれる原因にもなってしまうので注意が必要です。

インタビューは直接顧客と話をしながら内面をうかがうことができるので、心理的な面が分かりやすい利点があります。

またアンケートよりも、複雑な質問を柔らかく聞くことができるのもインタビューのメリットでしょう。

ただインタビューの場合は人数が限られるというデメリットもあります。

Webサイトなどのデータ分析

Webサイトでアンケートを取って分析したものはもちろんサイコグラフィックデータとして活用できます。

その場合でもより正確なデータのためには、継続してアンケートを実施していく必要があることは知っておいてください。

サイコグラフィックデータを活用する方法

活用

アンケートやインタビューで集めたサイコグラフィックデータをマーケティングで活用するにはどのような方法があるのでしょうか。

顧客のインサイトを発見

サイコグラフィックデータにより、顧客自身にも分かっていなかった顧客のインサイトを発見できることもあります。

ダイエットをしたいと考える顧客に、トレンドの洋服を着こなしたいという願望があることを知るのもインサイトの発見といえるでしょう。

そういった顧客にはダイエット商材だけでなく、体型をカバーしながらもトレンド感のある洋服のサイトへ誘導することもできます。

顧客自身が思ってもいなかった心の奥の願望も、サイコグラフィックデータによって上手に導き出すことができるのです。

ペルソナ作成

サイコグラフィックデータをもとにして仮想の人物像を作り、それにより戦略を立てることもできるのです。

ペルソナを作成することで、背後にある顧客のニーズを明確にすることも可能になります。

それは仮想した人物像が望むものを広告で打ち出した場合に、共感を覚える顧客が多くいるということです。

共感した顧客はその商品を購入したいと考えるでしょう。これもサイコグラフィックデータの活用方法の1つといえるのです。

 

ワンポイント
サイコグラフィックの活用で顧客のインサイトを発見できペルソナの作成もできます。

サイコグラフィックデータを活用する注意点

チェックポイント

サイコグラフィックデータはペルソナ作成にも役立つ重要なデータです。

単体で活用するよりもデモグラフィック・ジオグラフィックといった他のセグメンテーションとあわせることでより正確なデータとなります。

サイコグラフィックデータはあくまでも顧客の内面的な感じ方です。

すべての顧客から同じレベルでのデータが取得できないことで、必ずしも正しいデータであるといいきれない面があります。

また同じ顧客であっても時間が経つと心理状態が変わる場合もあるので、そのあたりも考慮しなくてはいけないでしょう。

 

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サイコグラフィックデータの活用で困った時は?

考えるビジネスマン

サイコグラフィックデータは他のセグメンテーションと同様にマーケティング活動には重要なものです。

いくつかのセグメンテーションを組み合わせることで、より効果的に活用することも可能になります。

顧客の内面を知ることで活かせるマーケティング方法もたくさんあるのです。

反面サイコグラフィックデータの収集や、ペルソナ作成によるマーケティングでの活用方法で悩むこともあるでしょう。

サイコグラフィックデータなど、セグメンテーションの活用方法で困った時はデジマクラスに相談してください。

まとめ

ビジネスマン

顧客のライフスタイルや価値観が個人ごとに違っている近代、サイコグラフィックというセグメンテーションが注目されています。

サイコグラフィックデータを活用してマーケティングに活かす方法もたくさんあるのです。

サイコグラフィック単体でなくデモグラフィックなど、他のセグメンテーションを合わすことでより効果的な活用が可能となります。

デジマクラスなどコンサルタントに相談して、より効果的なサイコグラフィックデータの活用方法をみつけてください。