マーケティングの手法は様々ありますが、データベースマーケティングもその手法の1つです。
こちらではデータベースマーケティングとはどのような手法なのか、またそのメリットや成功させるコツについても紹介しています。
ぜひマーケティングに役立ててください。
目次
データベースマーケティングの概要
データベースマーケティングとは顧客の情報である属性や購買履歴を管理分析して、その顧客に合ったマーケティングを行うことです。
顧客のニーズに合わせたアプローチを行うことで、販促効果が狙えるマーケティング手法です。
データベースの活用によるマーケティング活動
データベースマーケティングはその名の通りデータベースを活用したマーケティングになります。
テータベースマーケティングでは顧客情報の分析でその商品が必要な人・興味がある人に的を絞って販売促進を行います。
何よりも顧客にピンポイントでアプローチできるのは強みです。無駄を省き効率的な販促活動が望めます。
技術の向上による進化
ITテクノロジーの進歩はめざましく、データベースマーケティングに於いてもデータベースの進化が必要となるのです。
様々な場所でデータマーケティングは取り入れられ、ますます進化を遂げています。
日常多くの人が利用する銀行もまた、一早くデータマーケティングを導入している先駆者なのです。
メガバンクではどのようなデータマーケティングが導入され効果を上げているのか、その実態を確認しましょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
金融業界におけるデータベースマーケティングの実態
金融業界でFintech(フィンテック)という言葉を聞いたことはありませんか。
FintechはFinanceとTechnologyを組み合わせた造語で、金融と情報技術を組み合わせた様々なサービスをいいます。
例えばスマートフォンでの入出金や送金もそのサービスの1つです。
先駆者の挑戦
代表的なメガバンクみずほ銀行は、統合前の1990年代の後半には顧客のデータをマーケティングに活かす試みを本格化させていました。
これはまさにデータベースマーケティングの先駆者といえるのではないでしょうか。
そのマーケティング手法は、顧客のライフイベントに合わせたサービスを提供することをはじめとした取り組みです。
最適な提案
ライフイベントに合わせたサービスには、タイミングに合わせて教育ローンの案内出す、金利により住宅ローンの案内をするなどがあります。
銀行ではこういった最適な案内をタイミングよくするために、膨大なデータの中からマッチする顧客を選び出しているのです。
これは今まで蓄積してきた顧客の属性データに加えて、利用履歴や取引状況を分析するシステムを開発することで実現したものです。
最適な提案を顧客のタイミングに合わせて行っていくことで収益は何倍にも上がり、データベースマーケティングは確立されたのです。
CRMとデータベースマーケティングの関係性
データベースマーケティングに似た手法にCRM(Customer Relationship Management)があります。
それぞれどういった特徴や活用方法があるのか、違いを比べてみましょう。
両者の特徴
CRM(顧客管理システム)は顧客個人を管理し、そのデータに基づいて顧客との関係をより深めるマーケティングを行います。
データベースマーケティングは特定の個人ではなく顧客の属性ごとに最適と思われるサービスを提供します。
特徴の違いは対象が個人に向けてのものであるCRMに対して、データベースマーケティングは属性へと範囲が広いところにあるのです。
CRMは特定の顧客にアプローチを行うことで信頼関係を深め、顧客満足度上げて実績に繋げるマーケティング手法となります。
データベースマーケティングは特定属性にあたるすべての顧客のデータベースを基に新たな戦略を開発します。
データベースマーケティングは長期的な顧客との関係を築くことも視野に入れたマーケティングなのです。
両者のデータ活用の手法
CRMのデータ活用の手法はOne to Oneマーケティングに代表されるように、個々の顧客のニーズに合わせるアプローチです。
多様化する顧客の要求に応えるマーケティングは多くの顧客の満足度に貢献しています。
データベースマーケティングのデータ活用の手法は顧客のデータをより多く収集し分析することで、タイミングよく提案することです。
属性の合う顧客への幅広いアプローチで、より企業の利益を上げることに貢献します。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
データベースマーケティングのメリット
CRMとデータベースマーケティングの違いや手法についてお話ししましたが、お分かりいただけたでしょうか。
続いてデータベースマーケティングを行うことのメリットについてお話ししましょう。
メリットはたくさんあります。挙げてみましょう。
- 購入率の向上が期待できる
- 多様化するアプローチに対応
- 効率的な販促と低コストが望める
- 競合他社へ流出を防げる
- 人的コスト削減・営業モチベーションの維持
その中でも大きなメリットを3つ取り上げて詳しく解説していきましょう。
既存顧客の購入率アップが期待できる
データベースを分析した結果、顧客の興味をもっている事柄や購入商品など顧客属性のリストを基に最適なアプローチを行います。
データベースマーケティングでは、商品に興味を持ったことのある顧客のリストを作ることが可能です。
もともと興味のある商品についてのアプローチなので、購入する顧客は多くなります。購入率アップが期待できるのです。
競合他社への流入防止
興味のある商品について提案されると購入したくなると共に、他社で購入を考えていた場合でも提案商品を購入することがあります。
メールマガジンなどで対象商品をいつも目に触れやすいようにしておくことで、顧客との関係を深める効果も期待できます。
既存顧客のデータベースをしっかりと分析することで、タイミングのよい案内を提供でき、顧客が他社へ流れるのを阻止できるのです。
低コスト・効率的な販促が可能
すべての顧客にアプローチしても、興味のない事柄や商品では顧客は購入したいと思いません。
データベースで分析した属性リストでアプローチする顧客を決めます。次のような点に当てはまる顧客のみに販促を行うのです。
- 商品への問い合せをした
- 商談をしたことがある
- 商品を閲覧・チェックしたことがある
- 展示会などに行ったことがある
既存顧客の中でも興味のある顧客、興味を持ちそうなカテゴリにリストアップされた顧客を選ぶため、効率的な販促が可能になります。
より効果的な案内ができて、低コストで販促を行えるのがデータベースマーケティングの大きなメリットです。
その他業務効率が上がることによって、営業にかかる人的コストの削減や社員のモチベ―ション維持にも繋がります。
データベースマーケティングで成功するコツ
データベースマーケティングを行うことは効率的な販促には必要な手法ですが、成功させるには押さえておきたいコツがあります。
どのようなポイントを押さえるとよいのか解説していきましょう。
データの分析を徹底する
まず押さえておきたいのは、当然のことですがデータの分析を徹底するということです。
データベース化した情報は、さらに分析して同じ興味や取引状況を持つ顧客を選びだし、アプローチを送る顧客をリストアップできます。
既存顧客のデータから未稼働の顧客を見つけ出し、さらなるアプローチも可能となるのです。
データを分析することで商品に興味がありそうな顧客を見つけ出し、新たに開拓することも可能になります。
データを活用した最適なアプローチ
徹底した分析で細かな区分に分けられたデータは、上手く活用することで効率の良いアプローチが可能です。
それは企業にとって、コストを抑えながら利益を上げるという結果に繋がります。
また顧客にとっても、タイミングよく興味を持っていた商品を提案する案内が貰えることで、企業に対する信頼感が増すことでしょう。
その他にも、メールマガジンの配信やセミナーへの招待、顧客がチェックした商品と関連した商品の提案など顧客に寄り添うことが大切です。
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データベースマーケティングの注意点
データベースマーケティングのメリットはたくさんあります。効率よくマーケティングを行うことは企業にとっても大切なことです。
ただデータベースマーケティングにも注意しなくてはいけないことや課題があるのです。
どのようなことに気を付けなくてはいけないのでしょうか。注意点を挙げてみましょう。
活用するデータを明確にする
データを収集してもそのデータを活用できなければ意味がありません。活用するデータを明確にして販促や商品開発に役立てましょう。
ただデータを収集するのではなく、目的を持って情報を集めることも大切です。
何に必要な情報を明確にすることで効率のよい提案をすることが可能になるのです。
CRMと使い分ける
データベースマーケティングとCRMは同時に活用される場合がよくあります。
CRMで収集し管理している情報を活用するのがデータベースマーケティングなのです。
また反対にデータベースマーケティングで開発したプランをCRMで管理し、顧客へのフォローを行うこともあるでしょう。
そこで、両方の特徴を踏まえて使い分けるようにする必要があるのです。
使い分けを曖昧にしてしまうと長所を活かし切れないことがあるので注意してください。
CRMとの使い分けで上手く情報を活用できれば、用途に応じて効果的なデータベースマーケティングを行うことができるでしょう。
データベースマーケティングの活用事例
それでは実際にデータベースマーケティングで成功した活用事例を紹介しましょう。
- 「Spotfire」を取り入れて売上増のヤクルト
- 「回転寿司総合管理システム」のスシロー
- 「Tポイント」利用のTSUTAYA
ヤクルトでは以前は分散していた販売データを統一して管理することで、店舗別の競合他社の商品との比較を明確にさせました。
情報の共有も可能になり商品の回転率を上げています。
また「Spotfire」というツールで顧客の習慣や行動・嗜好などを分析した結果、国外での売上増加に繋げることに成功しました。
回転寿司チェーンのスシローは「回転寿司総合管理システム」を導入し、寿司皿の裏のICチップでデータ管理を行っています。
これにより、曜日による客層・時間帯などでレーンの寿司をコントロールして流しています。
データではその他寿司の鮮度・廃棄・売上も管理され、需要の予測を可能にすることで効率のよい販売を行っているのです。
TSUTAYAは「Tポイント」の利用者データと購買データを連携して、分析したデータを可視化することを可能にしています。
Tポイントのマーケティングシステムを活用して効率の良いアプローチの販促活動を行っているのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
データベースマーケティングの今後の展望
データベースマーケティングについて解説しました。昨今の情報解析技術の進歩は目覚ましく大量な情報の分析が可能となっています。
データベースマーケティングも今後ますます進化を遂げ、企業にとってもより効果的な販売促進が可能になると考えられます。
それにともない、マーケティングを行うビジネスパーソンも、データベースマーケティングの動向を常に確認しておく必要があるでしょう。
データベースマーケティングで悩んだら
データベースマーケティングは情報のデータを分析し、そのデータベースを活用するマーケティング手法です。
しっかりと理解した上で導入することで、業績向上などの大きなメリットが望めます。
ただデータベース化する情報を明確にするなどの注意事項のあるマーケティング手法なので、導入に悩むこともあるでしょう。
データベースマーケティングの導入に悩んでいるのなら、デジマクラスに相談してください。
導入に関して適切なサポートが期待できます。
不明点などを質問して、データベースマーケティングで成功するためのポイントを押さえましょう。
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まとめ
データベースマーケティングとは顧客の情報を管理分析して、同じ属性としてリスト化したデータベースを活用するマーケティング手法です。
購入率がアップする・コスト削減に繋がる・他社への流出阻止などのメリットがあります。
ただ、活用するデータを明確にしておく必要があり、何の為にデータを収集するのかの目的をはっきりとさせておく必要があるのです。
迷った時はデジマクラスなどコンサルタントに相談して、注意すべき点に気を付けながらデータベースマーケティングを成功させましょう。
有効にデータベースマーケティングを活用して、顧客に寄り添うサービスを最適なタイミングで提供するようにしてください。