インターネットの普及により、専門的な知識がなくともECサイトを簡単に作ることができるようになりました。
また、巣ごもり需要の伸びにより通販業界が軒並み業績を上げている背景もあり、EC起業にチャレンジする人が増えています。
しかし、単にECサイトを構築しても業績を伸ばすことはできず、短期間で撤退する人も少なくありません。
この記事ではこれからEC起業を考えている人に向け、成功させるためのステップや起業時の注意点について解説します。
目次
EC起業を成功させるには
パソコンとインターネット環境が整っていれば、専門的な知識がなくともECサイトを構築することは可能です。
そのため成功事例だけを鵜呑みにして、本業のみならず副業でEC起業を始める人が激増しています。
しかし、EC起業を成功させるにはしっかりと準備をして、1つずつステップを踏んで取り組むことが大切です。
ここではEC起業を始めるにあたって、最低限として押さえておきたい成功のポイントを紹介します。
ユーザーへの安心感
インターネット上には無数のECサイトがあり、その中には怪しげなサイトも少なくありません。
ユーザーへの安心感は必要最低限の条件であり、少なくとも以下の項目はしっかりと表示しましょう。
- 管理人のプロフィール・顔写真
- 支払方法
- 利用規約
- 特定商取引法に基づく表示
- プライバシーポリシー
管理人のプロフィールについては、住所・名前だけでなく顔写真を入れることで安心感はグッとアップします。
また、決済方法に関してはクレジットカードや電子マネーを利用可能とすることで、ユーザーの安心感・利便性に影響大です。
ユーザー視点に立って、どうすれば安心感のあるECサイトが構築できるのか考えてみましょう。
ある程度コストをかける
ECサイトの構築・マーケティングにはある程度のコストをかけることが必要不可欠です。
例えば、サイトのデザイン1つをとっても、人気のあるサイトは洗練されており購買意欲が刺激されます。
前項で紹介したとおり、決済方法にクレジット払いや電子マネーを導入するにしても手数料が必要です。
しかしコストを渋っていては「売れるECサイト」を構築することはできません。
無駄なコストをかける必要はありませんが、軌道に乗るまでは初期費用と割り切ってコストをかけることを意識しましょう。
サイト内離脱を減らす
サイト内離脱を減らすこともEC起業を成功させるためには必要不可欠な要素です。
サイト内離脱を減らすにはコンテンツを充実させるとともに、コンバージョンに向けた仕掛けが必要になります。
単に商品を羅列するだけでなく、コンバージョンにつながる「お役立ち情報」「関連情報」を掲載させるだけでも効果抜群です。
サイト内離脱を減らすには、ユーザーに役立つコンテンツを提供し、「ファン」を数多く集めることだといえます。
なぜ失敗するのか
EC起業はとても簡単に始められるビジネスですが、実際に成功している人は僅かしかいません。
多くの人々は、様々な商品・サービスの販売を試みるも実績に繋がらず、途中で挫折しているのが現状です。
これからEC起業に取組む人は「EC起業はなぜ失敗するのか?」をしっかりと把握しておく必要があります。
ここでは、EC起業に失敗する理由について考えてみましょう。
日本人に受け入れられない商品
EC起業において「商品選び」は非常に大切な要素であり、可能な限り競合の少ない商品を選びたいものです。
そこで海外製品を仕入れて転売する、いわゆる「海外転売」に取組んでいる人も少なくありません。
海外転売はECサイト上で上手く商品を紹介できれば、大きなリターンが期待できる手法です。
しかし、日本人に受け入れられない商品を選んでしまうと、在庫ばかり抱えてしまう事態にもなりかねません。
海外商品を販売する際には、日本のライフスタイルに馴染める商品であるか否かを見極めることが重要です。
コンサル任せ
EC起業に取組むにあたってコンサルタントにレクチャーを受ける人も少なくありません。
コンサルタントは様々なノウハウを有していますから、レクチャーを受けること自体に問題はありませんが「コンサル任せ」は考えものです。
コンサルタントに任せておけば一定の成果を上げることはできますが、いずれ1人でECサイトを運営しなくてはなりません。
「コンサル任せ」のままだと、ECサイトの運営やトラブル時の対応方法など、運営者として必要なスキルが身につきません。
コンサルタントに相談するなら、サイト運営に加え起業家としてのノウハウをしっかりと学ぶことが重要であると心得ておきましょう。
中長期施策がない
EC起業に取組むことは自身がトップとして会社を運営することであり、将来展望を明確にすることが不可欠です。
しかし、ECサイトで失敗している人の多くは、目の前の実績にばかりとらわれがちです。
そのためには中長期施策を策定し「今、何をやるべきなのか」を明確にすることが大切であり、EC起業の成功につながります。
また、中長期施策を策定する際には併せてKPIも設定し、PDCAを回すことが成功へのポイントです。
まずは小さく開始する
ECサイトを運営する上で、陥りやすいミスが最初から大きな目標を掲げすぎる点です。
「ECサイトは簡単に始められる」といった風評があるのは確かですが、簡単に儲けられるわけではありません。
現在ECサイトで儲けている企業家の方々もPDCAサイクルを回し、試行錯誤を重ねながら少しずつ実績を上げてきました。
まずは「小さく開始して、徐々に規模を拡大する」ことを理解して、しっかりとした営業基盤を築くことから始めましょう。
想定売り上げのシミュレーション
EC起業に取組む際には想定売り上げのシミュレーションを行いKPI指標を定めましょう。
前項では、まずは小さく開始することがECサイトを運営する上では重要であることを解説しました。
ただし、目標がなければどこを目指すべきかわかりません。そこで大切なのが想定売り上げのシミュレーションです。
シミュレーションの結果から目標値を達成するまでの期間を定め、各ポイントにおいてKPI指標を設定しましょう。
ECシステムの選択
ECサイトを構築する方法を大別すると「一からECサイトを構築する」もしくは「ECモールなど既存のシステムを利用する」になります。
ECサイトの自由度を求めるなら、「フルスクラッチ」などのシステムからECサイトを構築すべきですが専門的な知識が必要です。
一方、ECモールなど以下の既存システムを利用する場合、サイトの構築は簡単ですが手数料が必要であり競合との差別化も課題となります。
- ASP
- クラウド
- オープンソース
- パッケージ
それぞれのシステムのメリット・デメリット及び自身のスキルやサイト制作の外注なども検討し、サイトの制作方法を決めましょう。
成功のカギを握る「集客」
ECサイトで商品・サービスを販売したくとも、ユーザーがサイトに集まらなければ何も始まりません。
極論すれば多少見栄えの悪いECサイトであっても、集客に成功していればある程度の実績が見込めます。
そこで成功のカギを握るのが、集客を目的とした適切なSEO対策であり、ユーザーにとって有効なコンテンツを提供し続けることです。
ただし、本格的なSEO対策を施すには専門的な知識が必要であることから、コンサルタントなどに相談するのが賢明だといえます。
EC起業成功のステップ
EC起業を成功に導くには、しっかりとした準備をステップに沿って実践することが大切です。
言い換えれば、無計画に起業をすると実績が伸びないどころか法律違反にもなりかねません。
ここでは、EC起業を始める際に理解しておきたい5つのステップを紹介します。
コンセプトや事業計画
EC起業を成功させる上で最も重要なのが、コンセプトや事業計画を明確に定めることです。
具体的には「ECサイトで誰にどんな価値をどういった方法で届けたいか」「いつまでにどのくらいの実績を上げるのか」になります。
また、何といっても重要なポイントがECサイトで「何を売るのか」といった点です。
ここで注意したいのが、流行に押し流されないことであり、自身のECサイトならではの個性を定めることになります。
「簡単に売れそうだから」といった安易な気持ちでは、EC起業を成功に導くことはできません。
ECサイトで販売する商品を決めるには、少なくとも以下の項目についてクリアさせましょう。
- ECサイトのコンセプトに沿っている
- 他店の取扱商品と差別化できている
- 利益が出る
なお、事業計画を定めるにあたっては、地に足の着いた実現可能なものとしKPI指標を併せて定めましょう。
グッズ、機材、システム
コンセプト・事業計画が定まればECサイトを運営する上でのグッズ・機材・システムの準備を行いましょう。
具体的には次の項目を進めるにあたって、何が必要なのかを考えることが大切です。
- ECサイトの開設及び運営
- 顧客の管理
- 商品の仕入れ
- 商品の発送
- お金の管理
必要なグッズ・機材・システムは、取り扱う商品によって異なりますが、共通するのは以下のとおりです。
- インターネット環境
- パソコン
- スマートフォン
- プリンタ
- デジタルカメラ
- メールシステム
なお、漏れなく準備するには既に同じジャンルでECサイトを運営している人やコンサルタントなどに相談してみましょう。
サイト制作
EC起業を進める上で、ECサイトの制作は非常に大切なポイントです。
ECサイトの制作にあたり「一から構築する」「既存のシステムを利用する」のどちらを選んでも魅力的なサイトは構築できます。
サイト制作において大切なことは、コンセプトをしっかり定め、ユーザー目線の分かりやすいサイトとすることです。
また、サイトの制作に不慣れな場合には外部委託なども検討してみましょう。
決済方法
人気のあるECサイトに共通しているのは、クレジットカードをはじめとする決済方法が複数ある点です。
ついつい見落としがちですが、決済方法は顧客が利用するECサイトを決める際に大切な要素になります。
クレジットカードや銀行振込は当然として、電子マネーやPayPalなどを導入することも検討しましょう。
決済方法を増やせば手数料などのコストがかかりますが、必要経費だと割り切ることが大切です。
開業届
EC起業を始める上で、うっかり忘れてしまいがちなのが「開業届」を税務署に提出することです。
ECサイトを立ち上げて商品やサービスを販売する場合、副業であっても個人事業主となります。
したがって、所轄の税務署に「開業届」を提出し、個人事業所として納税しなければなりません。
開業届の提出を忘れてしまうと、税法上のトラブルに発展することもありますから十分に注意しましょう。
注意点
EC起業を成功させるにはいくつかの注意点を理解して、しっかりとした対策を施すことが必要不可欠です。
言い換えれば、注意点が理解できていなければ、いくら見栄えの良いサイトを構築しても実績には結びつきません。
ここでは、ECサイトを運営する前に対策を講じておきたい4つの注意点について紹介します。
営業時間を決める
ECサイトを立ち上げた際には、きちんと営業時間を定めてユーザーに周知しましょう。
ECサイトはインターネット上で営業を行うことから、24時間営業が当然だと思い込みがちです。
しかし、お問い合わせへの対応や出荷作業・経理などの一般事務は24時間営業ではありません。
営業時間を周知しておけば、その時間内でなければ回答などの対応ができないことがユーザーに伝わります。
また、敢えて営業時間を示すことでユーザーに「時間管理がしっかりしている会社」だと認知され安心感にもつながるでしょう。
連絡先は固定電話を用意
ECサイト運営者の連絡先はスマートフォンや携帯電話ではなく、必ず固定電話を使いましょう。
今や通信手段の主流は携帯電話・スマートフォンであり、固定電話の需要は年々減少しています。
そのため、固定電話を所持していない人も少なくありませんが、ユーザーからすると携帯電話の番号だと不安を感じるのも事実です。
ユーザーに安心感を与えるためにも、固定電話を用意して広くユーザーに周知しましょう。
商品の許可証が必要な場がある
取り扱う商品によっては許可証が必要となる場合がありますから注意しましょう。
なお、許可証が必要となる主な商品は次のとおりです。
転売目的で購入した中古品:古物商許可/健康食品:医薬品医療機器等法に基づく許可/食品:食品関係営業許可/酒類:通信販売酒類小売業免許
許可証を所持していないと重い罰則を受ける場合もありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
大雑把な計算はしない
EC起業を成功させるには、きめ細かな経理を行うことが大切になります。とりわけ、副業で取り組む場合、大雑把な計算になりがちです。
しかし、大雑把な計算だと正確な効果測定を行うことができず、費用対効果が保たれているのか判断することさえできません。
売り上げだけを追いかけるのではなく、経費や人件費を精査し「儲け」がいくらあったのかをシビアに分析することが不可欠です。
EC起業を成功させるための経験を積むには?
EC起業を一から成功させるためには、少しでも多くの経験を積むことが不可欠です。
しかし、EC起業の経験を積む機会を見つけることは容易ではなく、成功までに時間を要するケースが大半になります。
そこで検討したいのが、EC起業への力が身につくベンチャー企業で経験を積むことです。
本気で起業を考えるなら、EC起業する力が身につく「Wedia」への入社・転職をおすすめします。
まとめ
EC起業を成功させるには、ユーザーに安心感を与えサイト内離脱を最小限に止めることが大切です。
なお、ECサイトの構築にあたってはコンセプト・事業計画を明確にするとともにユーザーに役立つサイトを作ることが必須となります。
また、ユーザーの利便性を考慮して決済方法を多数用意するなどの配慮や安心感を与える情報提供も重要です。
ECサイトを構築するにあたっては様々なシステムがリリースされていますが、経験が浅いと簡単ではありません。
デジマクラスのコンサルタントは数多くのEC起業に携わっており、成功までのステップに沿ったフォローを行っています。
EC起業を実現したいならノウハウや勢いのあるベンチャー企業で経験を積むのがおすすめです。
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