インターネットの普及とデジタル化の進展によって顧客1人ひとりの特徴に合わせたマーケティングの必要性が高まっています。
その際、重要となるのが企業内のマーケティング機能全般を管理するマーケティングディレクターの存在です。
市場調査もプロモーションもナーチャリングも、統括的なディレクションがなければ十分な役割を果たすことはできないでしょう。
今回の記事ではそんなマーケティングディレクターの仕事内容を解説します。
年収やキャリアパス、やりがいや特有の苦労などについても触れますのでぜひ参考にしてください。
目次
マーケティングディレクターの役割
マーケティングディレクターにはマーケティングに関する様々な企画や管理を行うというプロジェクトリーダー的な役割があります。
マーケティングはいかに顧客にマッチした商品やサービスを提供できるか、あるいは選んでもらうかということが重要です。
顧客の購買プロセスや属性などのデータを収集・分析し、優れたマーケティング戦略を立案しなければなりません。
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マーケティングディレクターの仕事内容
マーケティングディレクターの仕事は非常に多岐にわたります。
仕事内容は業種によって大きく変わりますし、企業によっても違うことでしょう。
ただ、全体を統括してプロジェクトを成功に導く役割を持つということには変わりありません。
この項目ではそんなマーケティングディレクター仕事の中でも代表的なものを5つピックアップして詳しくご紹介します。
市場調査・ターゲット分析
マーケティングディレクターの仕事内容、1つ目は市場調査・ターゲット分析です。
商品やサービスを適切なターゲットに販売・提供するために市場を様々な角度から綿密に調査しなければなりません。
市場調査にはたとえば以下のような種類があります。
- 価格調査
- 販促調査
- 商品開発調査
- ブランドイメージ調査
市場調査の結果が出揃ったら次にターゲット分析を行います。
どのような顧客層に対して商品・製品の販売やサービスの提供を行うのか決定するのです。
これらはマーケティングの基本中の基本であり、顧客のニーズがどこにあるのか慎重に判断しなければなりません。
プロモーション戦略の策定・広告運用
マーケティングディレクターの仕事内容、2つ目はプロモーション戦略の策定・広告運用です。
様々な方法を組み合わせることで商品・サービスの魅力を引き出し、より効果的なプロモーションを展開しなければなりません。
たとえばWebサイトの運用や各種SNSによる商品・サービスの紹介もプロモーションの手法の1つです。
ターゲットのレベルに合わせてより効果的と思われる手法を取るなど、個別のアプローチが重要となってきます。
Web制作のディレクション
マーケティングディレクターの仕事内容、3つ目はWeb制作のディレクションです。
マーケティングディレクターはWebサイトの作成にあたって司令塔的役割を果たす場合もあります。
調査・分析で情報を得た市場の特徴や顧客のニーズ・要望を反映させたWebサイトになるよう制作陣をリードしなければなりません。
市場調査の分析結果をデザイナーやエンジニアに伝え、制作全体のスケジュール管理を行います。
社内外での交渉・外注管理
マーケティングディレクターの仕事内容、4つ目は社内外での交渉・外注管理です。
マーケティングディレクターがマーケティング活動全般を管理をするにあたって交渉術はとても重要です。
仕事の様々な段階で各所と相談・協議し、マーケティングがより効果的なものになるよう調整を繰り返さなければなりません。
社内ではスタッフの性格や個別性に着目して業務内容を連携させていきます。
社外においては関連企業のスタッフと信頼関係を構築した上で様々な交渉を行います。
プロジェクトの進行管理
マーケティングディレクターの仕事内容、5つ目はプロジェクトの進行管理です。
進行管理はプロジェクト成功のために欠かせない重要な業務といえるでしょう。
成功というゴールに向けてリスクを予測しながら着実に進めていく必要があるため大変責任の重い仕事です。
時には進行管理のための便利なツールを用いてプロジェクト全体がスムーズに運ぶよう仕事を進めていきます。
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マーケティングディレクターの年収・将来性
マーケティングディレクターの平均年収は約600万円~1,000万円とされています。
一般的なサラリーマンの平均年収と比較すると、マーケティングディレクターの平均年収は高いといえるでしょう。
現在は特に、インターネットの普及やデジタル化の推進に伴ってデジタルマーケティングの人材の需要が高まっています。
商品・サービスが売れる仕組み作りをするマーケティングディレクターは様々な業界で必要とされる職種です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マーケティングディレクターのキャリアパス
マーケティングの最高峰はCMO(Chief Marketing Officer)と呼ばれる最高マーケティング責任者です。
業種にも企業にもよりますが、より高いポジションを目指す場合はこのCMOを1つの目標とすることになるでしょう。
一般的に「ブランドマネージャー」「マーケティングマネージャー」「マーケティングディレクター」の3つの段階を踏みます。
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マーケティングディレクターに向いている人
マーケティングディレクターに向いている人にはたとえば以下に挙げるような特徴があります。
- 数字や計算に強い
- 柔軟な発想力がある
- トレンドに対するアンテナが高い
マーケティングの仕事の多くは調査データの収集と分析から始まります。
データによって弾き出された数字が何を意味しているのか読み取り、プロジェクトに活かさなければなりません。
分析結果から新しい施策を生み出すために必要なのが発想力です。
顧客のニーズの本質を見極め、時には隠れたニーズまで想像する力が必要となります。
相手の気持ちや立場を想像できるスキルを持つ人は現場でも大変重宝されるでしょう。
また、今市場で求められているものを敏感にキャッチできることはマーケティング職において非常に大切なことです。
日常の何気ないことから顧客のニーズを感じ取り、分析することのできる人はマーケティングディレクターに向いているといえます。
マーケティングディレクターに求められるスキル
マーケティングディレクターの仕事は多岐にわたるため、実に様々なスキルが求められます。
この項目ではその中から代表的なものを4つ取り上げてそれぞれ詳しくご紹介します。
実務経験
マーケティングディレクターに求められるスキル、1つ目は実務経験です。
マーケティングディレクターはマーケティングに関わるすべての部門を管理・指揮しなければなりません。
そのため様々な領域の仕事を経験して各部門のスタッフの立場から物事を見ることができる必要があります。
多角的な視点から物事を眺められることはプロジェクトを円滑に進めるために必須のスキルだといえるでしょう。
情報収集・把握能力
マーケティングディレクターに求められるスキル、2つ目は情報収集・把握能力です。
マーケティングの仕事では、今求められているものやこれから求められると思われるものなどニーズを掴むことが重要です。
そのため最新情報は常にチェックする習慣を身につけておかなければなりません。
現状について詳しく知ることは次にヒットする新しい企画を考えるきっかけになります。
また情報はただインプットするだけでなく、適切にアウトプットしながら活用していくことが大切です。
ロジカルな分析力と判断力
マーケティングディレクターに求められるスキル、3つ目はロジカルな分析力と判断力です。
分析から仮説を立ててマーケティング戦略を立案していく上で、立てた仮説が論理的に正しいか判断できなければなりません。
各種の表計算ソフトやデータベース、統計ソフトや解析ツールなどを使いこなせるITスキルも必要となるでしょう。
コミュニケーションスキル
マーケティングディレクターに求められるスキル、4つ目はコミュニケーションスキルです。
部署をまたいで多くの人とやり取りする必要がある仕事なので、コミュニケーションスキルは必要不可欠です。
相手の思いを汲めることや聞き上手であることはマーケティングディレクターにとってとても重要な才能といえるでしょう。
意見のぶつかり合いも生まれてきます。そんな場合は提案した様々な意見をまとめて結論を出す調整力も必要になります。
やりがい・得られる経験
マーケティングディレクターはマーケティングに関する様々な部門と横断的にやり取りをすることになります。
そのためやりがいや得られる経験も実に様々です。この項目ではそれらの中から主なものを3つ取り上げてご紹介します。
様々な業務に関われる
マーケティングディレクターの業務は市場調査・分析・企画・社内外交渉など多岐にわたります。
そのため必然的に様々な業務に関わることができます。
情報収集のスキルや分析・活用するスキルを身につけたことが実感できればやりがいを感じることができるでしょう。
大きなプロジェクトを動かせる
マーケティングはWebサービス・医療機器関連・製造業など幅広いジャンルで求められています。
それらすべてにおいて共通していることは、事業またはサービスの成長が大前提にあるということです。
とあるECサイトを運営する企業では前年割れした売り上げ状況を打開する目的でマーケティング施策をゼロから見直しました。
マーケティングディレクターの発案でSNSの活用などにチャレンジし、前年割れだった売り上げは10%増の成長を遂げました。
こうした事例が示すように、マーケティングディレクターは大きな目標を掲げて大企業と一緒に仕事をすることもできます。
マーケティングに限らない広い視点とスキルが得られる
マーケティングディレクターはマーケティングをはじめとする社内の様々な部門と連携を取る仕事です。
そのためセールスの領域とマーケティングの領域どちら側からも経験を積むことができます。
また物事を常に客観視することや論理的に考えることができるようにもなるでしょう。
仕事のことだけでなく、何に対しても対策や対応について冷静に考え判断できるスキルが身につきます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マーケティングディレクターの苦労
マーケティングディレクターには仕事を通して様々なスキルを身につけられるというメリットがあります。
しかし責任重大なポジションであるだけに心理的な負担も大きく、苦労も非常に多いものです。
この項目では多くのマーケティングディレクターが経験することになる苦労の中から2つを取り上げてご紹介しましょう。
把握・理解すべき対象が多い
マーケティングディレクターの業務は何か1つに特化するのではなく、マーケティング全般にわたります。
マーケティングに関するか否かを問わず、幅広い分野について把握・理解していなければ仕事が進みません。
特にマーケティング活動を開始して間もない時期は情報量の多さに圧倒され苦労を感じる方が多い傾向にあります。
様々な人を巻き込んでいく必要がある
マーケティングディレクターの仕事は多くの場面で他部門・他部署との連携が重要となります。
1つのプロジェクトに多くの人が関わるということは、様々な人を巻き込んでいけるスキルも必要ということです。
社内外の数多くの人とやり取りを重ねてプロジェクトを円滑に運ぶためには、高いコミュニケーションスキルがなければなりません。
またその際、マーケティングディレクターが負うことになる責任は非常に大きなものとなります。
心理的な負担は相当なものになるといえるでしょう。
マーケティングディレクターへの転職を着実に成功させるなら
マーケティングディレクターとして仕事をこなすためには様々なスキルが必要ですが、必須の資格があるわけではありません。
独学でマーケティングを学んでフリーランスとしてマーケティングの世界に飛び込み、実績を積むことも可能です。
ただその場合、マーケティングに関して体系的に効率よく学び、スキルを身に付けていくことが必要となるでしょう。
マーケティングディレクターへの転職を着実に成功させたい時は、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
マーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではマーケティングディレクターの仕事内容を解説しました。
マーケティングディレクターにはプロジェクト全体をあらゆる角度、あらゆる立場から見るスキルが求められます。
常に物事を論理的に捉えて冷静な判断をしなければならない、責任重大な職業です。
ただ、それだけにリターンも大きい場合が多く、同年代の平均よりも上のサラリーを得られることが少なくありません。
そんなマーケティングディレクターを目指して、これからマーケティングスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。
本稿がそのための一助となれば幸いです。