トライブマーケティングの事例を解説!注目の背景は?トライブマーケティングの目的・手順や成功させるポイントもご紹介します!

トライブマーケティングとは親和性の高いユーザー同士のつながりや共感の力を借りて展開するマーケティング手法です。

特にソーシャルメディアの発展により注目されている手法で大きな影響力を持つインフルエンサーが重要な役割を果たします。

国内企業の成功事例を中心にスタートアップの手順や成功のポイントをチェックし、マーケティング戦略への導入を検討してみてください。

トライブマーケティングの概要と目的

トライブマーケティングのトライブ(tribe)とは部族・種族といった意味の英単語です。

つまり、トライブマーケティングとは部族や種族のように仲間を増やしていくマーケティング戦略・手法という意味になります。

トライブマーケティングを実践する真の目的は単に商品を購入してくれる消費者にとどまらない顧客を増やすことです。

ある企業やブランドのファンは企業から特別な働きかけがなくても顧客が属するコミュニティの中で積極的な販促をしてくれます。

1人の顧客が商材を購入・利用し企業・ブランドの情報を積極的に発信し、自発的に営業活動を行ってくれるのです。

しかも情報は同じ種族のような絆を育んでいるトライブ内で拡散されます。

成功すれば信者といってもいい熱量を持った集団を顧客として獲得できるため、挑戦する価値のあるマーケティング手法といえるでしょう。

 

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トライブの特徴

トライブには次の2つの特徴があります。

  • 分類を細分化できる
  • トライブ同士の相性に良し悪しがある

マーケティング戦略上無視できない特徴のため確認しておきましょう。

細かく分類できる

トライブマーケティングはターゲットを細かく分類し、コアターゲットを明確にできるのがメリットです。

例えば料理を趣味とするトライブがあったとします。しかし、料理といっても楽しみ方は人それぞれです。

  • 珍しい食材に積極的にチャレンジしたいトライブ
  • 冷蔵庫のあまりもので効率的に食材を使う方法を極めるトライブ
  • 1つのメニューにこだわって掘り下げるトライブ
  • 便利な調理器具の活用方法を追求するトライブ など

トライブごとに特色や興味関心の方向性がまったく違うため、有効なアプローチ・メッセージも違います。

ポジティブに考えれば、コアターゲットを高い精度で絞り込めるため対策の有効性を高まりやすくもなるのです。

トライブ同士の相性がある

トライブには相性がよいトライブとそうでないトライブがあります。

<相性がよいトライブの条件>

  • トライブに所属するメンバーの価値観・趣味嗜好が重複
  • 興味関心の方向性が似ている
  • それぞれのトライブのテーマとなる商材同士の相性がよい

例えば読書好きが多く所属するトライブはコーヒー好きのトライブとメンバーが重複することが多々あります。

  1. 読書の際はゆったりとリラックスして過ごしたい
  2. リラックスタイムのお供としてコーヒーは相性がよい
  3. せっかくなので豆や淹れ方にもこだわって読書時間をよりよいものにしたい

このような流れから、読書をしているシーンを想像する際にコーヒーも一緒に想像する人は少なくありません。

これは「それぞれのトライブのテーマとなる商材同士の相性がよい」に該当するケースです。

実際、有名な書店の中にもカフェが併設されている店舗やコーヒー関連グッズをサブで販売する店舗が数多くあります。

 

ワンポイント
トライブは細分化すればするほどコアターゲットが明確になります。

ペルソナマーケティングとの関係性

トライブマーケティングと共通点の多いマーケティングとしてペルソナマーケティングが挙げられます。

ペルソナマーケティングとはできるだけ詳細に設定したユーザー像を基に展開するマーケティング手法です。

<ペルソナマーケティングで設定するユーザー像の例>

  • 名前
  • 具体的な年齢
  • 住所
  • 職業・役職
  • 家族構成
  • ライフスタイル
  • 趣味・嗜好
  • 価値観
  • 身体的特徴 など

トライブマーケティングとペルソナマーケティングの最も大きな違いはユーザーが実在しているかどうかです。

ペルソナマーケティングは顧客情報を参考にしながら架空のユーザー像を作りあげていきます。

対してトライブマーケティングはターゲットが所属するトライブを細かくセグメントしていく方法です。

分類をより細分化することでトライブ内メンバーの共通点が見えてきます。

それを繰り返す内にペルソナマーケティングと同じくらい設定が細かい平均的ユーザー像が見えてくるのです。

いずれもマーケティング施策上必要なユーザーの詳細情報や認識の統一に有効な方法として活用されています。

トライブが注目されている背景

トライブという概念が注目されるようになったきっかけは個人が使える情報発信ツールの台頭です。

誰でも簡単に情報発信できるようになったことで個人が大きな影響力を持つトライブの中心として機能するようになりました。

特に影響力の強いソーシャルメディア上で形成されるトライブはマーケティング上も注目が集まっています。

1億総メディア時代

現在は誰でも情報発信できるツールを簡単に無料で入手できます。つまり、誰でもメディアになれる時代です。

接触できる情報・発信できる情報が多様化し、個人で大きな影響力を持つ人もいます。

誰しもメディアになれるツールを入手したことにより、多くの人が好きなように情報発信と取捨選択をできるようになったのです。

特にマスメディアと同程度の情報拡散スピードと信頼性を獲得しているインフルエンサーは企業にとって見逃せない存在です。

1億総自己主張時代

一般ユーザーがメディアとして情報発信できるようになり、多くの人は自己主張を遠慮なく行うようになりました。

特に自分の意見を発信する時には他の人との差別化を意識しています。

各人が発信する情報を細かく見ていくと興味・関心の方向性が同じでもそれぞれグラデーションがあるのです。

同程度のグラデーションに属する人同士は相性がよいことが多く、その人たち同士でコミュニティを形成することも珍しくありません。

コミュニティ内で拡散される情報を取捨選択しながら共感できる情報にのみリアクションを示せるようになったのです。

ソーシャルメディア

1個人が自由に情報を発信しそれによって親和性の高いコミュニティ(トライブ)ができる流れは特にソーシャルメディアで盛んです。

例えば、好きなタレントやスポーツチームなど同じ趣味・嗜好のフォロー・フォロワー関係を誰しも持っているのではないでしょうか。

中でも匿名性の高いSNSツールは大きな役割を果たしています。

リアルの生活では絶対に口にできないようなことを発信するハードルが下がるためよくも悪くも共感性が高いのです。

もし自社商材のコアターゲットと高精度で一致するトライブを発見できれば、それは企業・ブランドにとって金脈を見つけたのと同義です。

そこで細分化されたトライブごとにニーズを深掘りし適切なメッセージでアプローチするトライブマーケティングが注目されています。

 

ワンポイント
個人が情報発信できるメディアとして大きな影響力を持てるようになったことでトライブマーケティングが注目されるようになりました。

トライブマーケティングの事例

トライブマーケティングは日本国内の企業でも参考にしたいポイントが豊富な成功事例がいくつかあります。

その中でも特に有名なのが下記3つの事例です。

  • キリンレモン(キリンビバレッジ)
  • 母校にinゼリー(ウィダーinゼリー・森永製菓)
  • 過酷ファッションショー(ワークマンプラス・ワークマン)

それぞれの詳細を確認してみましょう。

キリンレモン

<スタート>

キリンレモンのターゲットは子どもをはじめとする若年層です。

しかし、発売90周年を迎えたことでかつてコアターゲットだった子どもが大人になっている点に注目が集まりました。

<施策内容>

「キリンレモン」のテーマソングを20代の熱狂的なファンを持つトライブ内のインフルエンサーに歌ってもらう施策が実施されました。

アイドル・邦楽ロックバンド・声優・芸人に依頼し、かつてコアターゲットだった20代向けのマーケティングが展開されました。

<結果>

キャンペーンムービーの総再生回数5,000万回超、メディア総掲載数750件超とかなり大きなプロジェクトに成長しました。

キャンペーン中の売上前年比も195%超を記録しています。

母校にinゼリー

<スタート>

ウィダーinゼリーは商材のロングセラー化によりコアターゲットの年齢層が高年齢化していました。

そこで安定した売り上げを確保するため、若年層へのアプローチを目的に企画された施策が母校にinゼリーです。

<施策内容>

コアターゲットを「本気で頑張る若者」に設定し、部活動というトライブに注目しました。

Web投票・抽選を経て選ばれた全国の高校部活動にOB・OGからの差し入れとしてウィダーinゼリーが送られました。

<結果>

全国の高校の約9割を占める4,617校が票を獲得するほど多くのOB・OGが参加するビッグプロジェクトになりました。

ウィダーinゼリーの売上前年比も約120%増となっています。

過酷ファッションショー

<スタート>

ブルーカラーの作業服を主力商品とするワークマンは売上前年比を5~6%増まで引き上げることが課題でした。

そこでターゲット層の拡大が模索され、アウトドアを趣味とする女性で構成されるトライブが注目されました。

<施策内容>

  • 女性向けのアウトドアアパレルブランド「ワークマンプラス」をリリース
  • アウトドア系トライブ内での影響力が強い女性インフルエンサーをアンバサダー・広告塔に採用
  • Instagram「#ワークマン女子」というハッシュタグでコーディネートのバリエーションを拡散

<結果>

ワークマンプラス専門の第1号店を各メディアが特集、大きな話題となりました。

その影響もあり、1号店の初年度売上は約3億5千万円超を記録しています。

 

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トライブマーケティングの手順

トライブマーケティングの手順はおおよそ下記となります。

  1. コアターゲットを設定
  2. 各トライブへ伝えることを決定
  3. 全体的なコミュニケーション方法を検討

具体的にどのようなことをすればいいのか見ていきましょう。

コアターゲットの設定

トライブマーケティングのファーストステップとしてまずはコアターゲットの設定から始めましょう。

例えば、オンライン学習塾を探している高校生の場合、下記トライブに所属していることが考えられます。

  • 自宅・学校近隣に学習塾がない
  • 集団授業が苦手
  • 部活動などが忙しく塾に通う時間・移動時間が取れない
  • 学校の授業についていけないので自分のペースで勉強したい
  • 自分1人でも勉強が進められるので学校の授業が物足りない
  • そもそも不登校で学校に行けていないが勉強だけは進めておきたい など

このようなトライブにどうすればアプローチできるかを考える時、特に活用したいのが匿名のSNSです。

本音をだしやすいため潜在的なユーザーニーズが見えやすいのが魅力です。

各トライブのコミュニケーション内容を決定

次の段階では各トライブに伝えるメッセージの芯の部分を考えてみましょう。

特に伝えるべき内容のメッセージは2つです。

  • 企業・ブランドコンセプト
  • ユーザーにやってほしいこと

この2つが伝わるようなテキストやクリエイティブを意識してみてください。

コツはパターンの違う複数メッセージを同時並行でリリースすることです。

複数回に分けて発信することでトライブとのセッション可能性が高まります。

全体のコミュニケーション戦略を考える

伝えたいメッセージが固まったら、具体的なコミュニケーション手法を検討してみましょう。

  • どのタイミングで伝えるか
  • どの時間帯に伝えるか
  • 情報発信に使用するチャネルは何を選択するか、など

タイミングで意識したいのは季節的なイベントです。

例えばオンライン学習塾の例でいえば、夏休みに入る直前の段階でオンラインでの夏期講習を複数回提案するのが有効です。

またコアターゲットのライフサイクル中、セッション確率が高い時間帯・チャネルが異なる点にも注目してみましょう。

 

ワンポイント
コアターゲットを明確にしてからターゲットにあわせたコミュニケーション方法を具体的にしていきましょう。

トライブマーケティングを成功させるポイント

トライブマーケティングを成功させるには次の2点に注目してみましょう。

  • アプローチするトライブの選び方
  • 情報拡散を促すアプローチ

特に成功事例ではどのような選び方・アプローチが行われたのでしょうか?

トライブの選び方

トライブマーケティングを成功させるポイントの1つ目がトライブ選定方法です。

特にどのトライブに照準を絞って情報を提案していくかというポイントに注目してみてください。

例えば、キリンレモン・母校にinゼリー・過酷ファッションショーでは下記トライブが選ばれています。

<キリンレモン>アイドル・邦楽ロックバンド・声優・芸人のファン

顧客が熱心なファンにレベルアップしやすいジャンルという点が共通しています。

<母校にinゼリーの事例>現役部活動生とOB・OG

同じ部活動で汗を流した同期のOB・OGといった横のつながりと先輩・後輩という縦のつながりで構成されるトライブです。

<過酷ファッションショー>アウトドア女子

母数は少ないもののトライブ内の熱量が高いのが特徴のトライブです。

インフルエンサーの数が少ないため、ピンポイントなアプローチが可能な点もプラスに働きました。

情報拡散を促す

トライブマーケティングの第1歩は顧客が能動的に参加したい!と思うような販促活動に巻き込むことです。

そこで情報拡散へのモチベーションをどのように刺激するかがポイントになります。

例えば、キリンレモンの事例ではインフルエンサーに業界でも若手有望株を起用したことが成功要因となりました。

インフルエンサー自体が成長途上で、コアなファンの「自分たちがビッグにする」というモチベーションの高さが共通しています。

インフルエンサーがビッグプロジェクトにキャスティングされたことでコアなファン層を中心として一気に情報が拡散されたのです。

 

ワンポイント
トライブマーケティングを成功させるにはメンバーのモチベーションが高いトライブを選びましょう。

これからの時代はトライブの認識が大切

これからの時代、確実に利益につながるマーケティング手法を確立するなら顧客をトライブ単位で捉えることが大切です。

理由として既存のターゲット分類方法ではコアターゲットをとらえるのが難しくなっていることが挙げられます。

これまでのマーケティングでは20~34才の女性を意味するF1層など、年齢・性別による分類を基にアプローチしていました。

しかし、現在は誰でも情報発信できるツールに簡単にアクセスできる時代です。

そのため、趣味嗜好や興味関心の方向性が共通している者同士のトライブが生まれやすくなっています。

例えばSNSでフォロー・フォロワーのつながりで好意的な投稿を拡散し合うなど、Web上でのトライブ形成が可能です。

こうしたトライブを分析してみると、主要なユーザーが従来の分類法によるコアターゲットとかけ離れていることが多々あります。

つまり、過去のマーケティングのように年齢・性別・活動範囲だけで分類するセグメントでは不十分な時代に突入しているのです。

そこで、より詳細でユーザーにあわせた分類方法としてトライブマーケティングが注目されています。

上手に活用すればターゲットの思い入れや熱意といったエネルギーを借りて、情報を拡散できるチャンスが得られるかもしれません。

トライブマーケティングで悩んだ時は

トライブマーケティングの考え方に基づいた顧客へのアプローチにお悩みでしたら、デジマクラスへご相談ください。

多くの企業が注目するトライブの中にはWeb上で構築されるトライブもあります。

特にSNSはトライブを構成する同士・仲間を見つけやすいツールです。

トライブマーケティングとWebマーケティング・デジタルマーケティングは決して無関係なものではありません。

だからこそデジマクラスがお役に立てます。

デジマクラスがご提案できるのはWebマーケティング・デジタルマーケティングのコンサルティングサービスです。

当然、Webマーケティング・デジタルマーケティングと地続きになっているトライブマーケティングに関しても細やかにサポートできます。

「トライブマーケティングをマーケティング戦略の起爆剤にしたい」とお考えでしたら、まずは気軽なご相談から始めてみてください。

 

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まとめ

トライブマーケティングはユーザーが所属するコミュニティを詳細に分類し伝えたい情報を届ける手法です。

詳細に分類したトライブごとに段階を踏まえて伝達することでコアターゲットまで最小効率で確実に情報を届けることができます。

特にターゲットを明確化して効率的なマーケティング戦略を展開したいのであればぜひ、注目してみてください。

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