2010年代以降、様々な場面でビッグデータという言葉が取り上げられるようになってきました。
もちろんマーケティングの分野においてもビッグデータを活用することは欠かせないこととなっています。
ただ、ビッグデータとはつまり何でありマーケティングにどう有効なのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事ではビッグデータをマーケティングに活用するメリットについて解説します。
ビッグデータを活用することが重要な理由や注意点、活用事例も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目次
ビッグデータをマーケティングに活用するメリットを解説
技術の進歩によって、これまで見過ごされたり放棄されたりしていた多様で膨大なデータの蓄積・運用が可能となりました。
インターネット上に散在する様々な情報もまた、私たちのビジネスに大きな影響を与えうるビッグデータだといえるでしょう。
マーケティングにおいては、それらビッグデータと自社の有する情報を比較分析し、戦略を立案するための判断材料とします。
ビッグデータの活用はマーケティングを効率化し、事業の課題を浮き彫りにし、より正確な顧客行動の追跡を可能にしてくれます。
今後も続く情報化社会の発展と共に、ビッグデータをマーケティングに活用することのメリットもまた増大し続けることでしょう。
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ビッグデータをマーケティングに活用するメリットは?
この項目ではビッグデータをマーケティングに活用するメリットについて具体的に確認してみましょう。
ポイントとなるのは3点。マーケティングの効率化・課題の見える化・顧客行動の予想です。それぞれ詳しく解説します。
マーケティングを効率化する
ビッグデータをマーケティングに活用するメリット、1つ目はマーケティングを効率化できることです。
一般的に、マーケティングにあたっては収集した様々なデータを分析して市場戦略を立案することになります。
ただインターネット全盛の現代では得られるデータはあまりに膨大で、とても担当者個人の手に負えるものではありません。
PV数・流入経路・位置情報といった様々な顧客行動を処理・分析して戦略を立てるには時間も労力もかかりすぎるでしょう。
ビッグデータを適切に用いると、そのような煩雑な戦略立案の過程を効率化することができます。
「ビッグデータ」は単に大量のデータを指すのではなく、それらを分析・把握して適切な判断を促すことをも意味するのです。
課題の見える化ができる
ビッグデータをマーケティングに活用するメリット、2つ目は課題の見える化ができることです。
ビッグデータを活用することで得られる情報は現実の状況を如実に反映した即時性の高いものです。
これによって利用者は内外の問題をより的確に把握し、事業課題を見える化することができるでしょう。
課題を見える化することは、適切で効率的なマーケティング戦略を立案するための基礎となります。
顧客の行動が予想可能
ビッグデータをマーケティングに活用するメリット、3つ目は顧客の行動が予想可能となることです。
商品・サービスの認知から購買へと至る一連の顧客行動を、統計データを分析することによってより高い精度で予測できます。
ターゲットがどう動く傾向にあるかを把握できれば、立案するマーケティング戦略はずっと効率的なものになることでしょう。
場合によっては新たなターゲット層の発掘やより効果的なマーケティングの展開が可能となるかもしれません。
ビッグデータを活用したOne to Oneマーケティング
「One to Oneマーケティング」とはマーケティングによる消費者ひとり一人に適したサービスの提供を意味する言葉です。
個人の行動履歴を分析してニーズや趣味嗜好を把握・判断し、その消費者個人に合った情報を提供・提案します。
従来のマーケティングはターゲットを層で捉えることが主流で、戦略もそれに根差したアプローチとなることが自然でした。
しかし昨今では、ビッグデータの適切な利用によって企業と消費者が1対1の関係を結ぶことが可能となったのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ビッグデータ活用が重要な理由
ビッグデータを活用することが重要なのはなぜでしょうか。従来通りのマーケティングではいけないのでしょうか。
この項目では現代においてビッグデータ活用が重要な理由をご紹介します。
ポイントは、アイデア次第で無限の切り口があること・時間の短縮ができること・顧客へのアプローチの3つです。
ビッグデータの切り口はアイデア次第で無限
ビッグデータを活用することが重要な理由、1つ目はビッグデータの切り口がアイデア次第で無限に存在することです。
インターネットに繋がったありとあらゆる場所から情報を収集し、蓄積し続けているのがビッグデータです。
それら膨大なデータの分析結果を用いることがより効果的なマーケティング戦略の立案に寄与することはいうまでもありません。
一方で、現代では消費者のニーズの多様化が進んでおり、従来の戦略を踏襲していては利益を上げられない場面も増えてきました。
ビッグデータを活用することによって、需要に即した新たな切り口の戦略を生み出すことも求められているのです。
時間の短縮
ビッグデータを活用することが重要な理由、2つ目は時間の短縮ができることです。
たとえ鮮度の高い情報を得ても分析に時間がかかってしまっては市場へのアプローチのタイミングを逃してしまいます。
しかし入出力データを高速度で処理できるビッグデータであれば機を逸してしまう心配は少なくて済むでしょう。
また時間の短縮ができれば担当者が他の作業にリソースを割くことも可能となります。
顧客へのアプローチ
ビッグデータを活用することが重要な理由、3つ目は顧客への精度の高いアプローチが可能となることです。
顧客のニーズの多様化が進み、One to Oneマーケティングが注目を浴びていることについてはすでに触れました。
この時、ビッグデータを用いることで、顧客個人にパーソナライズされたより効率的で効果的な戦略を立てることができます。
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ビッグデータと以前のデータの違い
ビッグデータとビッグデータの登場以前のデータとでは一体何がどう違うのでしょうか。
ビッグデータに関してよくいわれるのは、量・入出力速度・バラエティの3点において従来とは桁違いということです。
ビッグデータを活用することで、高品質でバリエーションに富んだ大量のデータを高速処理できるようになりました。
それによって、かつては難しかった正確な現状把握とより効率的かつ効果的なマーケティング戦略の立案が可能となったのです。
つまりビッグデータと従来のデータとの違いは、現実を映し出す際の解像度の違いと表現することもできるでしょう。
ビッグデータ活用の注意点
ビッグデータを活用する時には、どのようなことに注意して行えば良いのでしょうか。
押さえておくべきポイントがあれば必ず押さえて、せっかくのビッグデータを十分に利用したいものです。
この項目では情報の一元管理と人員確保の問題について解説します。
情報は一元管理が原則
ビッグデータ活用の注意点、1つ目は情報を一元管理することです。
顧客情報・売上データ・商品情報・アクセスログなど、会社には実に様々なデータが存在します。
多くの場合、それらは各々のデータベースやログファイルに個別に保存・蓄積されていることでしょう。
もしもそれら社内に散在する膨大なデータをビッグデータとして扱いたいなら、まずはデータを一箇所にまとめる必要があります。
そうすることによって分析の作業効率を大幅に上げることができるからです。
データを適切に取り扱える人員が必要
ビッグデータ活用の注意点、2つ目はデータを適切に取り扱える人員が必要であるということです。
ビッグデータの活用に関する問題の中でも特に取り沙汰されがちなのが、社内に業務を担当できる人員がいないという点です。
必要なツールを用いて目的に沿った分析を行わなければ折角のビッグデータも十分に活用することはできません。
ただ単に管理するというだけでなく、活用まで担う人員の確保は必要不可欠な問題だといえるでしょう。
ビッグデータ活用のポイントは?
より効果的なマーケティング戦略が立案できるなど、ビッグデータを活用することは企業にとって大きなプラスとなります。
この項目では、ビッグデータを活用する際のポイントとなることをピックアップしました。
データの可視化・各分野への最適化・市場優位性の獲得の3つについて詳しく解説します。
データが可視化する
ビッグデータ活用のポイント、1つ目はデータの可視化です。
必要に応じて分析をしなければビッグデータは単なるデータの塊でしかありません。
そして分析結果から具体的なマーケティング戦略を立案するためにはグラフなどの形でデータを可視化することが肝心です。
分かりやすく可視化・視覚化されたデータは私たちに有用な示唆を与えてくれることでしょう。
データを効率よく可視化するためのツールは数多くあるので、自社の目的に沿ったものを選んで使うようにしましょう。
各分野への最適化を導く
ビッグデータ活用のポイント、2つ目は各分野への最適化を導くことです。
蓄積したデータの範囲内で効率化や最適化を実現できることはビッグデータ活用の大きなポイントといえるでしょう。
これによって、対外的なマーケティング戦略だけでなく社内の業務に関しても高効率化を図ることが可能となります。
ビッグデータを活用することは企業活動全体にとって大きなプラスとなるでしょう。
市場優位性を獲得する
ビッグデータ活用のポイント、3つ目は市場優位性を獲得することです。
蓄積された膨大なデータを自由な切り口で分析し、マーケティング戦略の立案に繋げられるのがビッグデータの利点です。
柔軟な発想力があれば分析結果からまったく新しいマーケティング戦略を生み出すことも夢ではありません。
それによって、今まで気付かなかったニーズを掘り起こして新たな市場を開拓することも可能となるでしょう。
競合のいない場所で市場優位性を獲得してマーケティング戦略をのびのびと展開することができるということです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ビッグデータマーケティング活用事例
ここでビッグデータの活用事例を確認しておきましょう。タイプの違う2つの業界の事例をご紹介します。
自社で行うマーケティングに応用することができないか検討してみてください。
教育業界の例
近年、学校現場にデジタル端末が普及して授業への活用が進んでいることをご存知でしょうか。
これに伴って子供たちの学力や学習履歴などの情報がビッグデータというかたちでどんどん蓄積され続けています。
教育業界では、こうしたビッグデータを分析することで学習の評価や新たな学びの方法の創出をすることに余念がありません。
教育業界で行われているビッグデータを活用した取り組みには以下のようなものがあります。
- 生徒ひとり一人の学力や学習履歴の分析による適職判断
- 学習効果のモニタリングを通じた学習資料のバージョンアップ
- 生徒ひとり一人に合わせてカスタマイズされた学びの提供
飲食業界の例
常に競争が激しい飲食業界ではビッグデータの活用が活発です。
広告を打って客の来店を待つだけだった飲食店の姿はもう過去のものとなりました。
購入履歴や来店の時間帯、気象情報と売上げの関係など、様々な切り口でデータを分析して経営戦略に反映させています。
より効率的な経営の維持と市場地位の確保のために、飲食業界では以下のような取り組みを行っています。
- 過去の売上げデータを統合・集積させてビッグデータ化し、より正確な売上げ予測を立てる
- 適切なポジションとタイミングでユーザーのデジタル端末に広告を出す
- 店舗内に各種センサーを設置し、スタッフの動きから最適な導線を導き出す
ビッグデータマーケティングに悩んだら?
ビッグデータを活用することがマーケティングにとってとても重要なことはよく理解できた。
ただ、具体的にどのようにデータを取得し、自社の目的に合せて運用すれば良いのかよく分からない。
そのような方も多いのではないでしょうか。
ビッグデータマーケティングに悩んだら、デジマクラスのようなコンサルタントに相談してみてください。
マーケティングのプロがお悩みを聞いて、適切なアドバイスを提案してくれるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではビッグデータをマーケティングに活用するメリットについて解説してきました。
インターネット全盛の今や、ビッグデータの活用は市場環境の把握とマーケティング戦略の立案のためには欠かせません。
多様化するニーズに対するOne to Oneの細やかなマーケティングの有効性も広く知られる所となりました。
今後、マーケターにはビッグデータの膨大な情報を適切なツールで分析・把握して新たな戦略を練る力が求められるでしょう。