「エドテックに参入しようか迷っているけれど、市場規模がわからないので知りたい」と思っていませんか?
エドテックは最近注目されている分野であり、今後も市場規模が拡大していくと見込まれます。
そのため今後も参入してくる企業は、増えていくと考えられるでしょう。
そこで今回はエドテックの市場規模について、詳しく紹介していきます。
今後エドテックに参入しようと思っている方は必見です。
目次
エドテックの概要
そもそもエドテックとは何かについて理解しておきましょう。
エドテックとは、「Education」と「Technology」の2つを組み合わせた造語のことを指します。
つまり、ITを活用して教育にイノベーションを起こそうという考え方のことです。
エドテックを進めていくことによって、テクノロジーで教育体系の変革や勉強の効率化を図ることが可能です。
ちなみに具体的なサービスについては、「エドテックをする日本企業」にて紹介していますので、そちらを参考にしてください。
エドテックが注目される理由
エドテックが注目される理由は、大きく分けて3つあげられます。
- 教育の機会均等
- 学習の効率化
- 学習の個別最適化
特に大きいのは、機会均等と学習の個別最適化です。
エドテックが進んでいくことによって、生徒側は質の高い教育がどこにいても受けることができます。
例えばスタディサプリがあげられます。
ちなみにスタディサプリは、月額料金を払えば一流講師の講義がいつでも受けられるサービスです。
これまでは有名校に行かなければ、質の高い教育を受けられませんでした。
しかし、エドテックが進むことで全国各地でも受けられるようになるので、教育格差の是正の契機になりうるでしょう。
もちろん学習の効率化ということも注目される1つです。
例えば動画形式のものであれば、場所と時間問わず講義を受けることができます。
つまり自分のペースで学習を行うことができるので、学習が効率的になるのです。
最後に学習の個別最適化があげられます。
大前提として理解度や得意・苦手分野が人によって違います。
加えて、エドテックという言葉が出てくる前は大人数向けの一斉授業が基本でした。
そのため特定の人に合わせて進めることが難しかったこともあるのです。
そこでエドテックを促進すれば、苦手な範囲や自身が学習したいところに絞って、個別で学習できます。
以上のような理由から、エドテックという分野が注目されるようになってきたのです。
エドテックの市場規模
ここではエドテックの市場規模について解説していきます。
- 世界のエドテック
- 日本のエドテック
日本のみならず、世界も視野に入れている方は両方目を通しておくようにしましょう。
世界のエドテック
日本貿易振興機関によると、2018年度におけるエドテックの市場規模は17兆円とされています。
最初はアメリカにおいてエドテックが活用されてきました。
主に「MOOC」といったサービスがメインです。
ただし、その後中国がエドテックに参入し、どんどん拡大してきています。
そのため主にアメリカと中国の2台巨頭で市場規模が拡大してきたと思っておくといいでしょう。
日本のエドテック
野村総合研究所によると、2016年度における市場規模は約1,700億円とされています。
学校教育において情報端末が徐々に普及されつつあるため、市場規模は年々上がってきている状況です。
もちろん学校教育のみならず、民間企業の参入も増えてきています。
例えば次のようなサービスが展開されています。
- 学習管理システム
- 動画型授業サービス
今後も拡大していくと考えられるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
エドテックの市場規模の今後
ここでは、エドテックの市場規模が今後どのように変遷していくかについて紹介していきます。
- 世界のエドテックの今後
- 日本のエドテックの今後
では順に紹介していきます。
世界のエドテックの今後
世界のエドテックの市場規模は、日本貿易支援機構によると2025年までに約38兆円まで伸びると予測されています。
ただし、世界のエドテックは今後アメリカを中心に伸びていくと見受けられます。
なぜなら中国が、2021年8月時点において、エドテック産業において規制をかけたからです。
例えば次のような規制を行いました。
- エドテック企業の上場を禁止
- エドテック企業への融資や買収禁止
- エドテックで伸びてきたサービスやアプリによる問題回答の提供を禁止
そのため、エドテックの成長スピードは鈍化していく可能性が高いです。
日本のエドテックの今後
日本のエドテックの今後に関しては、野村総合研究所によると2023年に3,000億円の市場規模となると予測されています。
これは初等教育で、プログラミング学習が義務化されたことが大きいです。
そのため、今後も個人に対して情報端末を1個持つよう進めていくと予想されます。
加えて社会人のリカレント教育や、より多くのIT人材の輩出のためにも、エドテックはどんどん拡大されていくでしょう。
消費動向・購買モデルの事例はこちら
日本のエドテックの参入障壁
ここでは、日本のエドテックの参入障壁について紹介していきます。
- 日本の課題
- 市場拡大にはテクノロジーの進化への順応が必要
では順番に解説していきます。
日本の課題
日本におけるエドテックの参入障壁(課題)として、主に3つあげられます。
- 環境整備が整っていない
- 都心にサービスが集中しているので、地方で拡大しにくい
- エドテックへの理解が十分でない
そもそもIT環境の整備がまだできていないということがあげられます。
これは家庭内でもそうですし、学校などの公教育側もそうです。
文部科学省がIT環境の整備を進めているといっても、1度に全て行うことは難しいといえます。
そのため、全ての学校に予算が行き届き、タブレットなどの情報端末を普及させるのは非常に時間がかかるのです。
加えて家庭内でもIT機材やWi-fi環境がないところが多く見受けられます。
以上のことからも、環境整備が行き届いていないのが最も大きな参入障壁となるでしょう。
また、環境が整備されやすいのはどうしても都心になってしまいます。
そのため地方でエドテックに参入して事業を拡大していくのは少し難易度が上がるといえるでしょう。
最後にそもそものエドテックへの理解が十分でないということもあげられます。
市場拡大にはテクノロジーの進化への順応が必要
とにもかくにも、エドテックの市場を拡大するためには、テクノロジーを整備して順応していくことが求められます。
テクノロジーは日々進化していますので、進化に慣れることも必要なのです。
もちろん慣れるためには、デジタルデバイスなどのテクノロジーを整備することが必要となってきます。
以上のことから、情報端末を普及してテクノロジーの進化に慣れることが重要です。
- 日本のIT環境の整備がまだ追いついていない
- まずはテクノロジーを整備してより拡充していくことが必要
エドテックをする日本企業
ここでは日本におけるエドテックの分野・サービスについて紹介していきます。
- 主な分野
- 大手企業のサービス
では順に紹介していきます。
主な分野
エドテックの主な分野として、例えば次の3つがあげられます。
- 授業支援ツール(教師側)
- 学習支援ツール(生徒側)
- 学習プラットフォームツール
授業支援ツールとは、アダプティブラーニングやアクティブラーニングなどの新たな教育支援を行うツールです。
また、学習支援ツールは学習管理などがあげられます。
最後に学習プラットフォームツールは、資料の作成や生徒とのコミュニケーションを図るためのツールです。
大手企業のサービス
大手企業のサービスとしては例えば次のようなものがあげられます。
- スタディサプリ(リクルート)
- Studyplus(スタディプラス株式会社)
- Progate(株式会社schoo)
スタディサプリは、小〜高校生向けにそれぞれの科目の動画コンテンツを配信しているサービスです。
一方Studyplusは、学習管理を行うためのアプリになります。
最後にProgateは、プログラミングをオンラインで学ぶことができるサービスです。
- 授業支援ツールや学習支援ツールが主な分野となる
- 大手企業のサービスはスタディサプリやProgateなどがあげられる
エドテック市場拡大で何ができるか
ここではエドテック市場が拡大することで何ができるかについて解説していきます。
- 市場規模拡大でできること
- STREAM教育
- 国内外の大学の講義を配信する「MOOC」
では順に紹介していきます。
市場規模拡大でできること
市場規模の拡大をすることによって、より教育格差をなくすことが可能です。
これは以下の2つの理由があります。
- 地域的な観点での教育格差
- 金銭的な観点での教育格差
まず、地域的な観点での教育格差の是正につながります。
これは有名校に通うことで、質の高い教育が受けられるということが1つあります。
当然関東や関西などの都心に有名校は多く存在します。
そのため、地理的な問題ゆえに、質の高い教育を受けたくても受けられないという方も多くいるのです。
この点エドテックを普及させていくことで、地域的な観点での教育格差を是正することができる可能性が高くなります。
また、金銭的な観点での教育格差の是正にもつながるでしょう。
これは、塾に通いたくても通えないという方が、例えばスタディサプリを利用することで質の高い教育を受けることができます。
加えて年間の塾の費用と比較しても、格安で受けることが可能なのです。
以上のことから、エドテックの市場規模拡大ができると、地理的・金銭的な教育格差を是正することにつながりやすくなります。
STREAM教育
STREAM教育に力を入れることができることも1つあげられます。
STREAM教育とは、次の頭文字をそれぞれ取ったものです。
- Science(科学)
- Technology(技術)
- Robotics(ロボット工学)
- Engineering(工学)
- Art (芸術・デザイン)
- Math (数学)
これらは今後の未来において必要とされる分野になります。
なぜなら、新たなITサービスやシステムを作るために必要となってくるからです。
今後もAIやITは発展し続けていくといわれています。
そのためそもそもAIやITを作ることができないと、より良い社会に発展させることは難しくなってしまうのです。
以上のことから、エドテックを進めることができたら「STREAM教育」も拡大できると考えられます。
国内外の大学の講義を配信する「MOOC」
国内外の大学の講義を配信する「MOOC」というサービスがあります。
現在通っている大学で学べないような講義も、MOOCを使って学ぶことができます。
加えて一流講師の方から学ぶことができるのも、1つのポイントです。
そのため、エドテックの市場規模が拡大すれば、MOOCを受けるチャンスも広がります。
結果、より質の高い教育を受けることができ、社会発展にもつながるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
エドテック市場に世界から参入するのはなぜ
ここでは世界・日本問わず、エドテック市場に参入している企業について紹介していきます。
- 日本市場に参入する世界の企業
- 世界市場に参入する日本企業
- 世界の有名企業
では順に紹介していきます。
日本市場に参入する世界の企業
日本市場に参入している世界の企業は例えば次のようなものがあげられます。
- AWS Edstart
- AWS Educate
両者は共に「アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社」が運営しています。
AWS Edstartは主にスタートアップ向けのサービスです。
教育系サービスの審査が通れば、トレーニング・イベント参加・マーケティングノウハウの提供などが行われます。
一方AWS Educateは、主にオンライン講習の無料提供や教育機関向けのプログラムを提供しています。
世界市場に参入する日本企業
世界市場に参入する日本企業は、リクルートが最も有名です。
日本におけるエドテックの分野においては、スタディサプリをメインとして事業を進めています。
それと類似したサービスとして、「Quipper Video(クイッパービデオ)」というサービスを海外で展開している状況です。
主にフィリピンとインドネシアで展開しています。
世界の有名企業
世界の有名企業は、例えば次のようなところがあげられます。
- Yuanfudao
- BYJU’S
- Coursera
Yuanfudaoは、中国最大のエドテックベンチャー企業で、小中学生を対象にしてオンライン教育を提供しています。
一方、BYJU’Sはインドのベンチャー企業です。
学生を対象に、映像授業を通して教育コンテンツを提供し、学習管理もできるアプリを提供しています。
最後にCourseraは、アメリカのベンチャー企業です。
190以上の大学と提携して、様々な分野のコンテンツ・講義を提供しています。
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エドテックのノウハウが身につく環境で働くなら
エドテックの市場規模に関しては、ここまで述べてきた通りです。
中には「エドテックのことが知れたので、実際に業界で働きたい」と思う方もいるのではないでしょうか。
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まとめ
ここまでエドテックの市場規模について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
簡単にここまでのことについて振り返っておきましょう。
- エドテックは日本・世界において成長市場
- ただし、IT環境がまだ整っていないのが参入障壁
- エドテックを行うことで教育格差の是正が可能になる
まずは、エドテックをメイン事業としているところに転職することをおすすめします。
この記事があなたにとって参考になれば幸いです。