クロスデバイスの仕組みを解説!クロスデバイスが注目されている背景は?媒体別クロスデバイスのコンバージョン測定方法も紹介!

マーケティングにおいて、ユーザーがどこからサイトに訪問してくるかなどは重要なデータになります。

そこで活躍するのがクロスデバイスという考え方。

どの媒体からサイトに訪問したか、あるいはどの媒体を経由して検討をしていたのかを探ることができます。

しかし、原理や注目される背景などを知ったうえでなければマーケティングに活かすことは簡単ではありません。

今回は、クロスデバイスの仕組みやコンバージョンの測定方法などを解説します。

クロスデバイスの特徴

マーケティングにおいて、ユーザーの導線やコンバージョンを測定するうえで大事になるクロスデバイス

デバイスとは以下のようなものをいいます。

  • スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末
  • PC

そしてクロスデバイスとは、ユーザー1人が複数のデバイスを利用し閲覧したデータをデバイス間で引き継ぐことをいいます。

閲覧したデータは履歴やコンテンツ情報などがあげられます。

例えば、ユーザーがあるスマートフォンを使ってECサイトに訪問し商品を閲覧したとしましょう。

その際、空き時間での閲覧だったために家に帰って再度PCを使って商品の詳細を調べます。

そして、商品の購入はPCで行いました。

この時に発揮するのがクロスデバイスの考え方です。

スマートフォンでの閲覧からPCで購入という流れがあります。

デバイスをまたいで同サイトを閲覧していますが、この時にデバイス間で情報を引き継ぎ共有しているのです。

PCでもスマートフォンでの閲覧履歴を把握して、再度閲覧できています。

クロスデバイスには、このようなデバイスをまたいでも情報を引き継ぐことができる特徴を持っています。

マルチデバイスとの関係性

クロスデバイスと聞くと、その特徴からもマルチデバイスと混同してしまう人も多いでしょう。

実はクロスデバイスとマルチデバイスは、深い関係性をもっています。

この違いや特徴を把握しておかなければ、クロスデバイスをマーケティングに取り入れることができません。

ここからは、クロスデバイスとマルチデバイスとの関係性を解説します。

マルチデバイスの特徴

そもそもマルチデバイスとは、複数のデバイスから先述したようなコンテンツやサイトを利用できることを指しています。

例えば、スマートフォンにゲームのアプリケーションをインストールしていた場合。

そのアプリケーションを家でも腰を落ち着かせて楽しみたいと、PCにインストールしたとしましょう。

この時、このアプリケーションはスマートフォンにもPCにも対応しているのでマルチデバイス対応と考えられます。

複数のデバイスそれぞれでサービスを利用できていることを、マルチデバイスというのです。

クロスデバイスはマルチデバイス機能が前提にある

マルチデバイスが何を示すのかを理解できたところで、クロスデバイスとの関係性を解説します。

結論から言うと、クロスデバイスはマルチデバイス機能が前提にあります。

先述したように、マルチデバイスが示す内容は理解したでしょう。

しかし、マルチデバイスは各種デバイスでアプリケーションをインストールしただけです。

スマートフォンとPCとの間で、履歴やアカウントデータを引き継いだわけではありません。

クロスデバイスとは、このデータなどをデバイス間で引き継ぐことができることを指しています。

つまり、クロスデバイスはマルチデバイスがあるからこそ可能になることなのです。

クロスデバイス対応のコンテンツやECサイトなどは、もれなくマルチデバイスに対応しているということです。

 

ワンポイント
マルチデバイスとの関係性を理解しましょう。

クロスデバイスが注目されている背景

クロスデバイスとマルチデバイスの関係性を把握できました。

しかし、マーケティングにおいてクロスデバイスが注目されている背景は何なのでしょうか。

実はクロスデバイスが注目されたのは、近年のデバイス利用の状況と深く関係があります。

この背景を理解して、クロスデバイスをうまく活用していきましょう。

複数デバイスを利用する人が多い

背景の1つとして、複数のデバイスを利用する人が多いことが挙げられます。

ユーザー1人がスマートフォンやタブレット、PCなどと複数のデバイスを持つケースが非常に多いのです。

特にスマートフォンの普及に伴って、デバイスを複数所持する人は増えたといえるでしょう。

この状況に伴って発生したのが、購入プロセスの複雑化です。

これまではPCからアクセスが行われ、興味があれば検討の後にそのままPCで購入される一本道でした。

しかし、複数デバイス所持者が増えたことで購入プロセスが一本道ではなくなったのです。

例えば、空き時間を使ってスマートフォンから商品を閲覧。

その後、帰宅後にPCを使用して詳細を調べて購入といった購入までの導線が複数の媒体に分岐が生じます。

この時、各デバイスだけで見ればユーザーの動向の分析は困難になります。

スマートフォンだけで見れば、途中でユーザーが離れたように見えるでしょう。

PCだけで分析すれば、購入までのサイト滞在時間は短いものになります。

実際はスマートフォンからPCにデバイスが移っているので、サイト滞在時間も長いはずです。

こういった状況を読み取るために、クロスデバイスが必須となっていったのです。

分析の精度は戦略に影響する

背景には、分析精度とその後の企業の戦略に影響することも関係しています。

例えばクロスデバイスを行わず、各種デバイスでの分析を行った場合はユーザーの動向は分析しきれません。

先述したように、スマートフォンのデータ分析ではユーザー離れという結果。

PCだけのデータ分析では、購入に至るサイト滞在時間が短いという結果が見て取れます。

しかし、実際にはユーザーの導線としてはどちらも正しくありません。

そして、この間違った分析結果はその後の企業の戦略にも大きく影響します。

例えば、スマートフォンのデータ分析結果だけを見てみましょう。

するとスマートフォンで流す動画広告には効果がなかったように考えられます。

PCのデータ分析結果だけ見れば、PCに注力してスマートフォンは撤退してもいいように考えられます。

これをもとに今後の企業戦略を考えれば、間違った施策を打ち出しかねません。

正しい分析が行わなければ、機会の損失や事業の縮小を招く危険性も孕んでいます。

分析精度はもちろん、企業戦略への影響力が大きいためにクロスデバイスが注目されているのです。

 

ワンポイント
注目される背景を読み取りクロスデバイスの考え方を把握しましょう。

クロスデバイスの必要性

複数デバイスを所持する人が増えことや、今後の企業戦略への影響力が大きいといった重要性を理解できました。

次は、クロスデバイスの必要性について把握していきましょう。

企業で運用するには、活用のシーンを押さえて必要性を理解しておく必要があります。

適切で効果的に使用するために、しっかりと企業への貢献ポイントをを押さえましょう。

Web広告の効率的な配信を実現

1つ目のポイントが広告の効率的な配信を実現できることです。

クロスデバイス対応以前は、各デバイスでの広告の効果を計測しにくいものでした。

その結果、無駄な広告を出すことにもつながりやすく必要な広告を止めてしまうケースさえありました。

しかし、クロスデバイスを使うと各デバイスの広告効果を図ることができます。

例えば、隙間時間にスマートフォンで商品広告をみたとします。

そして、家に帰って腰を落ち着けてPCで商品を再度閲覧し購入したとしましょう。

クロスデバイス使用前であれば、スマートフォンでの商品広告効の効果は測定できません。

しかし、クロスデバイス使用後であれば測定が可能なのです。

商品広告の効果があったために、PCで検討し購入してもらった結果が紐づけられるのです。

また、クロスデバイスを使用していれば各デバイスに最適な広告を打ち出すことができるようになります。

スマートフォンからPCへと、デバイスを移したユーザーに適した広告を打ち出すことも可能になるのです。

これは、結果的には最終的なコンバージョンにつながります。

広告の効率的な配信を実現し、その上コンバージョンにも貢献することが必要性として大きいでしょう。

巨大なデータベース構築への活用

企業にとっては、巨大なデータベース構築にも一役買ってくれます。

クロスデバイスを行うと、広告を閲覧したデータだけでなく商品閲覧データなど沢山のデータを取得することが可能です。

例えば、スマートフォンで商品を閲覧したとします。

すると、閲覧履歴や導線がわかるだけでなく位置情報などを取得することができます。

PCとは違うデータをいくつも取得することができるのです。

そして、これらの各デバイスで入手できるデータを活用することで自社内の巨大なデータベースを築くことができるのです。

巨大なデータベースは、データを最大限生かしたマーケティングにも応用できます。

企業にとってのクロスデバイスの必要性が、いかに大きいか感じることができるでしょう。

 

マーケティング戦略の事例はこちら

 

クロスデバイスの仕組み

クロスデバイスの必要性や背景を把握できたところで、次は仕組みを理解していきましょう。

クロスデバイスの仕組みとしては、最も大事なことが共通のログインIDによってログインしていることです。

クロスデバイスは、デバイスが異なっても広告の閲覧や商品購入のデータが引き継がれます。

これを実現しているのは、デバイスが違っても同じログインIDでログインしているからです。

ログインIDが同じことで、同一人物と判断され各デバイスでデータの引継ぎを行うことができます。

 

ワンポイント
同一ログインIDでのログインがされることで、デバイス間の情報引継ぎが行われます。

クロスデバイスへ対応するメリット

仕組みの大前提を理解できたところで、メリットについても解説していきましょう。

具体的なメリットを把握しておかなければ、クロスデバイスを取り入れても効果を発揮できません。

これからのクロスデバイスを検討するうえでも、強みを理解しましょう。

広告効果の正確な測定ができる

1つ目のメリットが、広告効果の正確な測定を可能とするということです。

広告は企業にとって、ユーザーを集めてサービスを買ってもらうための大きな取り組みになります。

しかし正確に効果の測定ができなければ、無駄な広告の運用や必要な広告の廃止など失策を引き起こします。

例えば、スマートフォンでの広告を見たユーザーがPCで商品を購入したとしましょう。

この時、クロスデバイスを取り入れていないとスマートフォンの広告効果はなかったように見えます。

購入はPCなので、スマートフォンでの閲覧は考慮できていないからです。

しかし、クロスデバイスを取り入れればスマートフォンからPCへの導線がわかるようになります。

すると、スマートフォンの広告の効果があったから購入に移ったデータが取れるのです。

その結果、広告の正確な効果を測定できるようになります。

クロスデバイスがなければ、広告効果は予想でしかなく具体的なデータとはなりません。

正確なデータの測定を可能にし、分析に役立てることが可能なのがクロスデバイスのメリットなのです。

広告の成果を最大化できる

正確な測定を可能にするだけがメリットではありません。

その先の、広告の成果を最大化できる点もメリットです。

正確に測定できた広告効果などのデータは、沢山集めることでより具体的な施策を打ち出すことに役立ちます。

そして施策の中でも、広告はユーザーの最終的な購入につながるので非常に重要な施策です。

広告の成果を最大化できれば、より購入に結び付くので重要でしょう。

そこで役立つのがクロスデバイスなのです。

先述した通り、クロスデバイスを用いれば各デバイスで広告を打ち出し閲覧された履歴を得られます。

するとユーザーの導線がわかるわけですが、それだけでは終わりません。

各デバイスでの広告をユーザーやタイミングに合った、適切な内容を流すことに役立てられるのです。

スマートフォンではユーザーの導入の広告内容、PCではもう一度思い出してもらったり興味を引く詳細な内容。

このような、広告の内容を使い分けて効果を最大限発揮させるように打ち出すことができるのです。

これができれば、それだけ成果にも結び付くようにもなります。

クロスデバイスにより、広告の成果を最大化できることはとても大きなメリットなのです。

クロスデバイスでのコンバージョン

クロスデバイスのメリットについて、企業にとってどれだけ大きいか理解することができました。

それでは、コンバージョンとの関連はどうなっているのでしょうか。

ここからは、クロスデバイスでのコンバージョンに焦点を当てて解説していきます。

コンバージョンまでの流れ

まずは、コンバージョンまでの流れを見ていきましょう。

コンバージョンに至るまでの道のりは、デバイスが変わるためにいくつもあります。

例えば、通勤中タブレットで商品の動画広告を閲覧したとしましょう。

興味があったため、ユーザーは帰宅後PCで商品を検索し購入しました。

すると、タブレットでの広告訴求がきっかけでPCで購入したことになるのです。

コンバージョンまでの流れは、デバイスにより異なりますがおおよそ上記のような流れになります。

コンバージョンに至る流れの複雑化

コンバージョンまでの流れは先述した通りですが、これにより企業にとっては重要な問題になります。

それが、コンバージョンに至る流れの複雑化です。

これまでは、PCのみやタブレットのみといった一つのデバイスで最終的な購入にまで至っていました。

しかし、デバイスをまたいで商品を閲覧・購入する人が増えたためにコンバージョンに至るまでが複雑化したのです。

これにより、どのデバイスが最初の流入元なのかわかりにくくなります。

どの広告がきっかけになったかもわかりませんし、先述したように広告効果もわかりません。

このようなコンバージョンまでの情報の複雑化があるため、クロスデバイスが必要になるのです。

クロスデバイスのメリットや必要性とも大きくつながるので、コンバージョンまでの複雑化は押さえておきましょう。

 

ワンポイント
コンバージョンまでの流れが複雑化しているため、クロスデバイスが必要になります。

媒体別クロスデバイスでのコンバージョン測定方法

クロスデバイスの必要性とコンバージョンとの関係性を解説しました。

ユーザーの動向を調べるためにもクロスデバイスは非常に効果的にデータを提供してくれます。

それでは、どのようにしてクロスデバイスでのコンバージョンを測定すればよいのでしょうか。

ここからは、媒体別クロスデバイスでのコンバージョン測定の方法について解説します。

YDN

1つ目がYahooが提供しているYDNです。

特徴としては、リターゲティング広告を打ち出す機能を有しているので、一度訪問したユーザーにもアプローチできます。

スマートフォンで訪れたユーザーが、PCでサイトに訪問しても同じ広告を表示してくれます。

このように、クロスデバイスマーケティングが可能な点がYDNの強みです。

Google広告

Google広告においても、クロスデバイス計測を行うことができます。

Google広告の場合、特に難しい設定が不要なのが特徴です。

Googleアカウントを利用しているユーザーの情報を標準でクロスデバイス計測できるようになっているのです。

自動的にGoogleがデータを集計し、情報提供してくれるので分析に専念できるでしょう。

Facebook広告

Facebook広告でもクロスデバイス計測が可能です。

また、YDNやGoogle広告とは違い細かく分けてデータを提供してくれる特徴も持っています。

モバイル端末からの導入でPCで購入に至った場合、PCから導入でモバイル端末で購入に至った場合。

これら2つのような詳しく分けた計測も可能にしています。

もちろん、通常の各デバイス間のユーザー動きとコンバージョンの計測も行うことができます。

それぞれ特徴を把握して、運用に最適なツールを選ぶといいでしょう。

 

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クロスデバイスへの対応に困ったら

クロスデバイスは、ユーザーの動向把握とコンバージョンの計測に非常に効果を発揮します。

企業にとって、今やユーザーの動きは非常に有用なデータです。

ユーザーの動きが1つの端末で完了しないので、デバイスごとの施策を打ち出さなければなりません。

しかし、各デバイスだけで分析・施策を完了してはユーザーに過度な訴求になったりと失策になる可能性もあります。

そのため、マーケティングを行うにはクロスデバイス計測は今後必須ともいえます。

とはいえ、クロスデバイス計測の具体的な進め方やその後の施策にどう活かすか不安を抱えている人も多いでしょう。

そんな時は、デジマクラスにご相談ください。

専門のコンサルタントによるアドバイスにより、今後の運用の一助になるはずです。

 

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まとめ

今回は、クロスデバイス計測について仕組みなどの詳細を紹介しました。

これから計測を取り入れて施策を考える企業や、検討している人はその重要性について理解することができたでしょう。

具体的なコンバージョン計測方法もご紹介したので、どの計測媒体が自社に合うかも選ぶことができるはずです。

今後の広告運用など施策を詰めて、ぜひコンバージョンの増加につなげてください。

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