「エシカル消費について詳しく知っておきたい」と思う方もいるのではないでしょうか。
エシカル消費は、SDGsという概念が台頭してきたことから注目されるようになりました。
自然環境の破壊や劣悪な労働環境が問題視されつつあるため、より注目されつつある概念になります。
今回はエシカル消費について、徹底的に紹介していきます。
エシカル消費の具体例についても紹介しているので、参考にしてください。
目次
エシカル消費の考え方
エシカルを日本語に直すと「倫理的な」という意味になります。
そこから、環境や人権に十分配慮して提供される商品やサービスのことを「エシカル消費」と呼びます。
例えば、次のようなことがエシカル消費に含まれているのです。
- フェアトレードな商品を購入する
- MSC認証の付いている魚を買う
- 売り上げの一部が寄付に回るような寄付付きの商品を買う
フェアトレードとは、公平な取引を行われた商品のことです。
また、MSC認証とは海洋環境に配慮し、適切に管理された天然水産物のことになります。
このように、環境や対等といった考えを基盤として行われるのが、エシカル消費なのです。
エシカル消費の理念
エシカル消費の理念は、例えば次のようなものがあります。
- 児童労働や労働搾取など、劣悪な労働環境で勤務させない
- 自然環境を損なわず商品を作る
- 地域社会を応援するような仕組みで商品を販売する
根底として、徹底的に人権を守ることや環境に配慮することを理念としています。
まず、児童労働や労働の搾取を行わせないように商品を生産しています。
これは特定の商品を作る時に、安い賃金で長時間働かされるなどの劣悪な条件で働かされる例があったからです。
不当な条件で働かされることで、その人の人権が損なわれることにもつながりかねません。
そのため、労働の搾取が行われないような商品の生産を行うように理念を掲げているのです。
また、自然環境を損なわず商品を作ることもエシカル消費の理念になります。
例えば野菜やお米などを大量の農薬を使って作成していると、消費者側にとって大きな健康被害にもつながりかねません。
加えて、その土壌で生きている生物を、農薬によって殺してしまうことにもなります。
そのため、自然環境を損なわず商品を作ることが求められているのです。
最後に地域社会を応援するような仕組みで商品を販売することがあげられます。
これは例えば、地震や台風などの災害被害を受けた地域の商品を購入することなどです。
いわゆる助け合いを目的としています。
エシカル消費が必要とされる理由
エシカル消費が必要とされる理由は、環境問題や人権問題が蔑ろにされてきたからです。
例えばプラスチック製品である「レジ袋」で考えてみましょう。
これまで買い物をする際は、レジ袋を利用することがごく当たり前に行われていました。
なぜなら破れにくく、すぐに作ることができるので便利だからです。
しかし、レジ袋を作成するのにはポリエチレンやポリプロピレンという原材料が使われています。
実はこれには石油が利用されているのです。
そのため、石油という資源を大量に使っていると同時に、環境問題も引き起こしています。
例えば海洋汚染です。
レジ袋を捨てる場所がなく、海に捨てられた結果、海の生物が大きな被害を受けています。
中には、クジラの中から40kgのレジ袋が出てきたという事例もあるくらいです。
このように、地球の環境という観点で考えた時に、そもそもの生産するモノ自体も考え直す必要が出てきました。
以上のように、地球環境のような問題を解決するためにエシカル消費が必要とされてきたのです。
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エシカル消費が課題解決に貢献できる社会問題は?
ここではエシカル消費が課題解決に貢献できる社会問題について紹介していきます。
主に次の5つがあげられます。
- 環境
- 社会
- 人
- 地域
- 生物多様性
では順に紹介していきます。
環境
1つは環境です。
例えば次のような環境問題を解決するのに貢献しています。
- 海洋汚染
- 農薬による土壌汚染
- 資源再利用などによるゴミ削減
例えば、プラスチック製のレジ袋を紙袋に置き換えることで、海洋汚染を防ぐことができます。
プラスチック製のモノを海に不法投棄すること自体が減るからです。
また、オーガニック野菜などの無農薬で作成することによって、農薬による土壌汚染を防ぎます。
その結果、周辺に住んでいる生物の命や生態系を守ることができるのです。
最後に、資源を再利用することによって、そもそも排出するゴミを減らすことができます。
これは例えば着なくなった服を回収して、服を作成するための資源として使うなどがあります。
社会
エシカル消費によって、社会にもいい影響をもたらすことができます。
例えば次の2つです。
- フェアトレードによる対等な関係の実現
- 特定の地域を応援することができる
フェアトレードによって、販売業者だけでなく、生産者の方へも利益が回るようになります。
また、寄付付きの商品を買うことによって、特定の地域を応援することができます。
人
エシカル消費によって、特定の人を応援することも可能です。
例えば「就労支援商品」などがあります。
就労支援商品を購入してもらうことで、新たな働き口を創造することが可能です。
これは特定の商品を購入してもらうことで、その生産を福祉施設や障がいを持った方に委託します。
その結果、働きたくても働けない人への新たな雇用のチャンスを生むことができるのです。
地域
エシカル消費によって、地域を応援する契機にもなるのです。
例えば地産地消が1つの例でしょう。
現在地方は人口減少が進んでいます。
ゆえに、特産品や伝統工芸品を作る担い手がどんどん少なくなっているのです。
そこで地産地消を行うことで、地域経済を活性化させ、雇用も守ることができます。
生物多様性
エシカル消費を行うことで、生物多様性も守ることが可能です。
これは例えば認証ラベルが付いている商品を選ぶことなどがあげられます。
例えば次のようなものです。
- FSC森林認証
- RSPO認証
FSC森林認証とは、適切に管理された森林資源をもとにした商品のことです。
例えばトイレットペーパーやコピー用紙などの紙製品があげられます。
また、RSPO認証とは環境に配慮して作られたパーム油を使用した製品のことです。
例えば、洗剤やカップヌードルなどがあげられます。
消費動向・購買モデルの事例はこちら
エシカル消費とSDGsの関連性
エシカル消費とSDGsは密接に関係しています。
特に関連しているのは、SDGsの中の次の項目です。
- すべての人に健康と福祉を
- 働きがいも経済成長も
- 人や国の不平等をなくそう
- つくる責任 つかう責任
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
特にこの中でも基盤となっているのは、「つくる責任 つかう責任」です。
商品の製造者が、何を原材料として使うか・どういう賃金体系で雇用を確保するかで全てが変わってきます。
特にできるだけ安いものを作ろうとすると、生産に必要な原料や労働賃金も同時に安くしなければ成り立ちません。
そのため、企業が商品をどのように作るかによって、全てか変わってきます。
同時に消費者の理解も重要です。
商品を製造する以上、利用するのは消費者です。
そのため、フードロスを起こさないようにしたり、できるだけフェアトレードの商品を買うなどの意識改革が必要になってきます。
以上のようなところがエシカル消費とSDGsでは関係しているのです。
エシカル消費の具体例を紹介
ここではエシカル消費の具体例について詳しく紹介していきます。
主に次の6つがあげられます。
- 食品ロスの削減
- オーガニック製品
- フェアトレード商品
- 脱プラスチック・脱炭素
- 規格外商品やリユース・リサイクル商品
- 地産地消
では順に紹介していきますので、参考にしてください。
食品ロスの削減
食品ロスを削減することによって、大量の食品廃棄を減らすことができます。
ちなみに農林水産省によると、年間の食品ロスは612万トンとなっており、およそ半分が家庭から出されているものなのです。
そもそも食品ロスが起きてしまう原因として、「買い溜め」をしてしまうことにあります。
そのため、買いすぎないことと必ず使い切るというスタンスが重要になってきます。
また消費期限が切れていないものに関しては、できるだけ使うようにすることも必要です。
オーガニック製品
オーガニック製品を購入することもエシカル消費の例となります。
オーガニックは、そもそも「有機」という意味を持っており、農薬や肥料を一切使わずに育てられた農作物です。
そのため、人体にも無害ですし、生物の生態系も壊さずに栽培することができます。
「有機JASマーク」がついているものがオーガニック認定されているものですので、このマークを目標に商品を購入するといいでしょう。
フェアトレード商品
フェアトレード商品を購入することも、エシカル消費に役に立ちます。
フェアトレード商品は、適正価格で輸出入が行われた製品です。
そのため、その商品を購入することで、生産者の生活を守ることにもつながります。
また、適正価格で取引されることで、児童労働を減らせて不当な労働の搾取をも防ぐことが可能です。
以上のことから、フェアトレード商品を購入することで、生産者を応援することにもつながります。
脱プラスチック・脱炭素
脱プラスチック・脱炭素を意識した消費を行うようにしましょう。
これは例えばエコバックを持参するなどです。
エコバックを持参すると、プラスチックのレジ袋が必要なくなります。
その分、レジ袋を生産する必要がなくなり、プラスチックを作らなくて済みます。
結果、石油の使いすぎにも歯止めをかけることが可能です。
また、できるだけ自転車を使うことも脱炭素化につなげることができます。
以上のように脱プラスチック・脱炭素を意識した生活を意識するようにしましょう。
規格外商品やリユース・リサイクル商品
規格外商品やリユース・リサイクル商品を購入することも、エシカル消費の1つの例です。
規格外商品とは、一定の品質や形を満たさない商品のことになります。
例えば野菜が異形に育ってしまったり、パンの形が他のパンと比べて形が悪かったりすることです。
しかし、これらの商品は食べられないことはありません。
むしろ形さえ気にしなければ美味しく食べることができるのです。
そのため規格外商品を購入することによって、無駄な食品ロスを減らすことができます。
また、リユース・リサイクル商品を利用することもエシカル消費の良い例です。
リユース・リサイクル商品を作ることによって、そもそもゴミの排出量が減り、二酸化炭素の排出も減ります。
結果、環境にも良い効果をもたらしますので、リユース・リサイクル商品を利用することがおすすめです。
地産地消
地産地消もエシカル消費を行う上では重要な具体例です。
地産地消を行うことで、例えば次のようなことが可能となります。
- 地産地消を行い地域経済を活性化する
- 地産地消を行うことで、製品の担い手の雇用を守ることができる
地産地消を行うことで、地域の経済を活性化させることができます。
また、地域の経済を活性化させ、製品の担い手の雇用を守ることも可能です。
地方は現在衰退の道を辿っているゆえ、産業復活の契機ともなるのです。
エシカル消費の認証マークの役割
ここでは、エシカル消費の認証マークの役割について紹介していきます。
今回は3つ紹介します。
- エコマーク
- 有機JASマーク
- 国際フェアトレード認証ラベル
では順に紹介するので、参考にしてください。
エコマーク
エコマークは、生産から廃棄までの流れで、環境負担が少ないと認められたマークになります。
例えば次のような製品があげられます。
- 文房具
- ファッション製品
- 日用品
上記以外にも幅広い商品にエコマークが使われています。
有機JASマーク
有機JASマークは、禁止農薬や遺伝子組み替え技術などを使用せず、有機的管理を行った畑や田で生産されたものに付けられます。
主に次の3つに付けられることが多いです。
- お米
- 茶葉
- 野菜
ちなみに、有機JASマークがついている商品だけが、「オーガニック製品」と認定されます。
国際フェアトレード認証ラベル
国際フェアトレード認証ラベルは、世界的にも認知されているラベルの1つです。
これは発展途上国の小規模生産者など、持続可能な開発を促進するために付けられています。
例えば、次のような商品につけられていることが多いです。
- コーヒー
- 果物
- 蜂蜜
その他にもコットンやカーネーションなどがあげられます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
日本におけるエシカル消費の現状
日本においてエシカル消費は、まだまだ認知されていません。
そもそもSDGsという概念が台頭してきたのが、2015年ごろです。
そのため、エシカル消費の理念・考え方・重要性をもっと伝えていく必要があります。
1企業であっても同じです。
1人の個人・1つの企業がエシカル消費の重要性を理解して行動し、それを周りに伝えていく必要があります。
少しずつの積み重ねが、未来を大きく変えることにもなるのです。
マーケティング戦略の事例はこちら
エシカル消費の取り組みに困ったら?
エシカル消費についてはここまで述べてきた通りです。
しかし、「自社の企業に合わせて、エシカル消費をどう取り組んだら良いかわからない」という方もいるかと思います。
そんな時はデジマクラスまでご相談ください。
デジマクラスでは、エシカル消費に関連した、SDGs専門のコンサルタントが在籍しています。
加えて、様々な例をもとに、どのようなエシカル消費の取り組みをしていけば良いか提言することも可能です。
エシカル消費の取り組みについて、弊社と一緒に考えていきましょう。
消費動向・購買モデルの事例はこちら
まとめ
ここまでエシカル消費について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
簡単にここまでのことについて振り返っておきましょう。
- エシカル消費は環境や人権に十分配慮して提供される商品やサービス
- SDGs同様、環境保全や人権の保障の観点からも重要
- オーガニック製品や地産地消などがエシカル消費の具体例
エコバックに切り替えるなど、まずは自分ができることから始めるようにしましょう。
この記事があなたにとって参考になれば幸いです。