ABMはマーケティング担当者の間で注目されている手法です。多くの企業が導入を考えていることでしょう。
しかし、ABMはポイントを把握しておかなければ結果を得にくいマーケティング手法でもあります。
今回はABMの活用事例について解説してきます。メリットや成功させるポイントについても解説していくので、ぜひご覧ください。
目次
ABMの活用事例を解説
マーケティング担当者であればABMという言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。
ABMを活用することによってマーケティングに大きな影響を与えます。
しかし、具体的にどのようなマーケティング手法であるのか知らない人も多いです。
そこで今回はABMの活用事例について解説していきます。
ABMを活用していきたいマーケティング担当者は成功するポイントについても考えていきましょう。
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ABMの定義は?
ABMはアカウント・ベースド・マーケティングの略称です。
顧客に合わせてマーケティングのアプローチ方法を切り分けることを示しています。
インターネットの普及によって特定の顧客をターゲットとすることでより戦略的なアプローチができるABMが普及しました。
また、マーケティングでは一般的に個人をターゲットとします。しかし、ABMでは企業を対象にマーケティングを行います。
適切なアプローチと商談が案件の受注につながるでしょう。
ABMの活用事例
ABMをマーケティングに利用していくには、実際の活用事例を知ることが最短ルートとなります。
ここでは、3つの活用事例について紹介していきます。ABMをマーケティングに活用していきたい人はぜひチェックしてみてください。
①村田製作所
村田製作所はコンデンサ・インダクタ・RFID用デバイス、回路基盤などの製品を制作しているグローバル企業です。
多くの製品に利用されることから製品ラインナップも膨大です。
そして、適切なプロモーションを行うためにABMが活用されるようになりました。
村田製作所ではMarketoを取り入れて高付加価値商品の販売促進とコアな顧客に対する営業支援に注力するためにABMを利用しています。
あらかじめ登録した顧客情報によって適切なコンテンツを用意し配信し、そのクリック率は36%を超えています。
②株式会社LGI
株式会社LGIではABMを導入することによってリスト作成の時間短縮によるコスト削減を実現しました。
従来の方法では営業担当者が特定のページを訪れたユーザーの中からリストを作成します。
そして、企業に電話をかけて約10%の確率でアポイントを獲得していました。
ABMを導入したことによってリスト作成と電話にかかっていた時間を半分に削減しました。
半分の時間で同じ件数のアポを獲得していることにより、2倍以上の効果を得ることができたのです。
③VAIO
パソコンメーカーのVAIOでは、設計・製造・品質チェック・出荷の全ての工程を本社工場で行っています。
限られた人員で効率的な仕事を行うためにMarketoを導入しました。
顧客の関心が高まったタイミングで営業がアプローチをする姿勢となってことにより商談が進めやすくなるなどの効果が見られます。
また、結果が定量的な形で見えるためKPIや施策の見直しにかかる時間が削減されました。
自社の品質にこだわったものづくりの姿勢に共感してくれるファンを増やすことに成功したのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ABMのメリット
ABMを導入することによって企業には多くのメリットがあります。
ここでは、その中から抜粋した以下の3つのメリットについて紹介していきます。
- リソースの集中ができる
- 企業ごとに最適化できる
- リードの追跡・効果測定がしやすい
ABMを導入することで業務効率化や売り上げアップといった効果を得られるため、メリットを確認して取り入れていきましょう。
リソースの集中ができる
ABMを導入することでリソースの集中ができます。基本的に企業の営業活動は機会の損失が多いといわれています。
その理由はデータを参考にするのではなく闇雲にアプローチをしているからです。
また、データを収集している企業であっても時間をかけすぎてしまいコストが高すぎることが多いでしょう。
ABMの考え方によってSFAを導入することによって営業部の情報や業務を自動化することができます。
また、クライアントに対して最適なタイミングで営業アプローチを行うことができるのです。
機会損失を減らすだけでなく売り上げアップにも繋げることができるのがメリットです。
企業ごとに最適化できる
企業ごとに最適化できるのもABMを導入するメリットです。
顧客となる企業は自社に向けて作られたコンテンツに対して関心を持ちやすい傾向にあります。
ABMを導入することによって顧客となる企業は絞られるため、企業に合ったコンテンツを作成することが可能となるのです。
また、最適なタイミングでメッセージやコミュニケーションを送ることができるため、強い関心を持ってもらうことができます。
リードの追跡・効果測定がしやすい
ABMの導入でリードの追跡や効果測定がしやすいのもメリットとなります。
ABMではターゲットを絞り込んだ営業を行うため、リードの追跡を簡略化することが可能です。
また、キャンペーンなどの分析の際も効果測定がしやすくなります。
結論も明確となるためPDCAサイクルが回りやすくなりマーケティングの質を上げていくことが可能となるでしょう。
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ABMを成功させるポイント
ABMは導入すれば必ず成功するわけではありません。きちんとポイントをおさえていないと失敗することになりかねません。
ここでは、ABMを成功させるポイントについて紹介していきます。
ABM導入にもコストはかかるためできるだけ成功率を上げたいと思うことでしょう。
紹介するポイントをおさえておくことで、ABM導入が成功に繋がりやすくなるためぜひご覧になってみてください。
営業とマーケティングの連携を密にする
ABMは基本的に会社単位で運用するものです。そのため、営業部とマーケティング部の連携を蜜にすることは必要不可欠です。
多くの企業はコスト削減や売り上げアップを目的としてABMを導入します。
そのため、営業部とマーケティング部のスキルが求められるのです。
連携がうまくいかないと無駄足を踏むことにもなるため注意しておきましょう。
また、ABM導入前に営業部とマーケティング部の関係を作っておくことも必要です。
デマンドセンターを構築する
デマンドセンターを構築することも、ABMを成功させるためには必要です。
デマンドセンターとは見込み顧客のデーターを獲得し、育成・選別・営業部への見込み顧客を譲渡する組織です。
多くの企業が行っているWebサイトでの集客やメール配信は見込み顧客に対して異なるアプローチとなります。
その状態が続くことで部門同士のコミュニケーション不足となり、営業結果がついてこなくなります。
ABMを導入して一連の作業を行うことで伝達不足を防ぐことができるのです。
ツールを活用する
ABMを成功させるためにはツールを活用することも大切です。
ABMツールにはデータを整理するために必要な名寄せ機能などがついています。
そのため、データクレンジングが行いやすくデータが重複することを防ぐことが可能です。
社内に複数の担当者がいる場合は重複データが増えてしまいがちですが、ABMツールを利用することでその心配がなくなります。
業務の効率化にも繋がるため、ABMを成功させたい場合はツールを利用していきましょう。
ABMが向いている企業は?
ABMが向いている企業はBtoB向けの商品を取り扱っている企業です。基本的にABMは個人に対してではなく企業に対して行います。
また、複数のキーパーソンとの関係を構築するのを助けてくれるマーケティング手法であることから、BtoB企業に向いています。
しかし、全てのBtoB企業にABMマーケティングが向いているわけではありません。
ここでは、具体的にABMが向いている企業について紹介していきます。
ABMを取り入れようとしている方は当てはまるかチェックしてみてください。
営業とマーケティングの連携が取れる企業
ABMを導入する際に重要となるのが営業とマーケティングの連携です。
そのため、普段から営業部とマーケティング部の連携が取れていないとABMを導入しても成功しません。
既に営業部とマーケティング部の連携が取れていると、PDCAサイクルを高速で回すことが可能となります。
連携が取れているかは会議を定期的に行っているかどうかや、同じツールを使用しているかで見極めましょう。
アップセルやクロスセルを実施できる企業
アップセルやクロスセルを実施できる企業も、ABMに向いています。
ABMで顧客との継続的な取り引きが成立した場合でも、アップセルやクロスセルがプロダクトできなければ意味がありません。
売上の最大化のためには、アップセルとクロスセルが重要となるのです。
信頼できる取引先に営業して成約に繋げるためにも、アップセルとクロスセルを実施しているかは確認しておきましょう。
ABMツールの選び方
ABMツールを導入する際は、どのツールを選ぶか慎重になる必要があります。
そのため、以下の3つの方法を実施していきましょう。
- 取得できる情報量で選ぶ
- MAやCRM・SFAとの連携機能で選ぶ
- 名寄せやデータクレンジング機能がついているツールから選ぶ
上記の選び方を実施することによって、よりABMが成功しやすくなるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ABMツールの紹介
ABMツールはたくさんありますが、多くの企業が利用しているツールがあります。
ここでは、3つのABMツールについて紹介していきます。
初めてABMツールを導入する場合はどのツールを選べばいいのか迷ってしまうことでしょう。
3つのツールの特徴について解説していくので、自社に合ったものを選ぶようにしてください。
uSonar(ユーソナー)
ユーソナーの特徴はデータベースの名寄せ・データクレンジングが得意なことです。
高精度の名寄せ機能が搭載されていることから、高品質なデータ整備が期待できます。
また、ユーソナーには独自の機能が多く搭載されています。
顧客のWEB行動履歴を入手して選定した企業のニーズ時期を把握することも可能です。
より営業がしやすくなるため、データを重要視する場合はユーソナーを選択してみてください。
FORCAS
FORCASの特徴はアカウントベースドマーケティングの実現に特化していることです。
独自の企業データを元に分析アルゴリズムを活用します。その結果、成約率の高い企業を選択することが可能となるでしょう。
登録してある顧客は自動で分析してくれるため、顧客管理専用の担当者は不要です。
人件費を削減できるのもFORCASの特徴です。
また、受注傾向やニーズの調査も行ってくれるため成約に繋げやすいマーケティングを行うことができます。
マルケト
マルケトにはAdobeが提供するMAツールとABMツールの両方が搭載されています。
顧客ごとにデータをオンライン・リアルタイムで把握できることが特徴です。
また、MAツールが搭載されていることから、適切なタイミングで顧客に営業を行うことができます。
タイミングを見失うことが減るため、機会損失を防ぐことが可能です。
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ABMの活用方法に悩んだら?
ABMは活用することで高い効果を期待できます。
しかし、ABMが向いている企業、向いていない企業があるため自社がどこに該当するのか把握する必要があります。
また、通常のマーケティングよりも難しい部分があるため活用方法に悩むこともあるでしょう。
ABMの活用方法に悩んだ時はプロのアドバイスを求めることがおすすめです。
まとめ
ABMはインターネットの普及とともに取り入れる企業が増えました。
メリットも多く相性が良い企業であれば高い効果を期待できるマーケティング手法です。
今後も取り入れたいと思う企業は増えることでしょう。
ABMを成功させるために重要なのが、自社にあったABMツールを選択することです。ポイントをおさえてABMを導入していきましょう。