スポンサードコンテンツをご存知でしょうか。スポンサーとは資金面での「支援者」を意味する言葉です。
すなわち、スポンサードコンテンツとは資金面での支援者が制作し、媒体運営者が編集を担うコンテンツを意味します。
スポンサードコンテンツは、アイデア次第で様々な効果が期待されている新たなマーケティング手法です。
この記事ではスポンサードコンテンツの事例に加え、タイアップ広告との関係性やコンテンツを制作する際のポイントを紹介します。
目次
スポンサードコンテンツの特徴
スポンサードコンテンツは、コンテンツそのものは広告主の費用負担によって制作されます。
しかし、Webサイト・テレビ・ラジオなどの媒体運営者が編集権をもつコンテンツです。
新たな広告手法として注目を集めており、一般のWebサイトに加えインスタグラムにおいても急成長を遂げています。
一見すると一般のコンテンツと何ら遜色はありませんが、広告主であるスポンサーの意向が反映されやすい点が特徴です。
タイアップ広告との関係性
スポンサードコンテンツはしばしばタイアップ広告と混同されますが、両者はアプローチの方法が異なります。
スポンサードコンテンツは、コンテンツそのものは広告主の負担で制作しますが編集権はもっていません。
これに対してタイアップ広告は、広告主が媒体運営者に費用を支払って広告記事を制作してもらうのが一般的です。
したがって、タイアップ広告は記事調に作られたコンテンツそのものが広告となります。
スポンサードコンテンツを成功させるには、両者の違いを明確に理解して、使い分けることが大切です。
スポンサードコンテンツを掲載している媒体例
スポンサードコンテンツは全ての媒体で募集しているものではありません。
日本ではYahoo!ニュースをはじめとするいくつかの媒体で、インプレッション数を保証する形で募集されています。
したがって、スポンサードコンテンツを導入するには、スポンサードコンテンツを掲載している媒体を探さなければなりません。
ここでは、国内で運営されているスポンサードコンテンツを掲載している媒体について紹介します。
Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは国内において非常に影響力の大きいニュースサイトであり、1日あたり4,000本のニュースを配信しています。
そのYahoo!ニュースでは、2016年からスポンサードコンテンツのサービスを開始しました。
スタッフはYahoo!ニュース トピックス編集の経験者・新聞社出身の編集者などから集められ、スポンサードコンテンツ専任となっています。
また、Yahoo!ニュースのPC版・スマートフォン版のそれぞれにスポンサードコンテンツの専用枠が設けられているのも特徴です。
コンテンツのクオリティは当然として、桁違いのインプレッション数が保証されることから、非常に有効な媒体だといえます。
毎日新聞デジタル
毎日新聞は2022年に創立150周年を迎える全国三大新聞の1つであり、朝刊の発行部数は200万部を超えています。
近年ではデジタル化にも力を入れており、スポンサードコンテンツは人気コンテンツの1つです。
新聞社がニュースサイトと同等クオリティのコンテンツを作成していることから、信頼性が高く読み応えがあるのが特徴になります。
スポンサードコンテンツへはトップページや記事ページから自然な形で誘導しており高い滞在時間・読了率を実現しているのがメリットです。
バズフィード
バズフィードはアメリカのオンラインメディアであり、日本ではバズフィード・ジャパンとして運営されています。
当初はエンタメにかかるコンテンツが中心でしたが、最近ではシリアスな社会問題なども取り上げているのが特徴です。
また、バズフィードは大半の収入源をスポンサードコンテンツから得ている点も大きな特徴だといえます。
広告主と約束したビュー回数が確保できるようFacebookやX(旧Twitter)の広告など、様々な誘導枠を活用しているので安心です。
もちろん、コンテンツの内容もスポンサードコンテンツを意識した質の高いものであることはいうまでもありません。
ハフポスト
ハフポストは「共感性の高いスポンサードコンテンツ」作りに取り組んでいるニュースメディアです。
月間ユニークユーザー数は2,200万人を超えており、非常に影響力の大きいメディアだといえるでしょう。
ハフポストは読者の共感をえるために、以下の2点を大切にしたコンテンツ作りを行っています。
- 媒体の独自性
- 読者視点
媒体の独自性とは「多様性を大切にする」ことであり、「LGBT」「女性のジェンダー支援」「家族のかたち」がそれにあたります。
また、読者がどういった記事に興味を示しているかをキャッチアップし、ハフポストらしい切り口でコンテンツを作っているのが特徴です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
スポンサードコンテンツを活用するメリット
スポンサードコンテンツは多くの企業に注目されていますが、そのメリットとはどういったものでしょうか。
期待される成果を確実に得るには、スポンサードコンテンツのメリットを正確に把握しておくことが不可欠です。
ここでは、スポンサードコンテンツを活用する際に把握しておきたい、導入のメリットを具体的に解説します。
客観的な視点での情報提供ができる
スポンサードコンテンツは単なる広告記事ではありません。あくまでも客観的な視点で作られた「コンテンツ」です。
一般の広告記事だと商品やサービスの強み・メリットをクローズアップするものであり、企業の取り組みなどを伝えることはできません。
その点スポンサードコンテンツは、媒体が客観的な視点を持って、企業の取組みなどテーマに沿ったコンテンツを作成できます。
企業の社会的な取組みなどを客観的な視点で情報提供できることは、企業価値を高める上でも大きなメリットです。
ブランディングに活用できる
企業にとってブランディングは大きな課題であり、様々な手法でイメージアップに努めています。
とりわけ、様々な社会問題に対する取組み・商品などの開発コンセプトは、ブランディングには欠かせないアピールポイントです。
しかしながら、企業がこれらの取組み・コンセプトを消費者などに伝える機会は非常に少ないのが現状だといえます。
その点スポンサードコンテンツは単なる広告記事ではないことから、ブランディングにも大いに活用できるでしょう。
スポンサードコンテンツの注意点
スポンサードコンテンツで期待する成果を得るには、客観的な視点で作られたものであることを明確にしなければなりません。
言い換えれば、スポンサー寄りだと感じられるコンテンツだと、読者は瞬く間に興味を失ってしまいます。
ここでは、スポンサードコンテンツを成功させるために理解しておきたい注意点について考えてみましょう。
優良誤認にあたる可能性がある
スポンサードコンテンツは客観的視点で作成することがポイントであり、広告主・媒体運営者がともに理解しておかなければなりません。
広告主に有利となる記事もしくは商品・サービスのメリットをコンテンツにしたいなら、タイアップ広告を依頼すべきです。
広告主・媒体運営者がこのことを誤認していると、商品やサービスを事実以上に優れたものだと思い込ませる優良誤認になりかねません。
大切なことは企業の取組みや考え方などを正確に読者に伝えることであり、読者からの共感を得るポイントです。
スポンサーとの関係を明らかにする
スポンサードコンテンツを掲載する際には、読者に媒体運営者とスポンサーとの関係を明らかにすることが大切です。
言い換えれば、スポンサードコンテンツの内容がスポンサー寄りだと勘繰られてしまうと本来の意味を成しません。
スポンサードコンテンツは、公平に事実をありのままに伝えることが基本だといえます。
したがって、読者に対して広告を目的とする記事ではないことを示すためにも、スポンサーとの関係を明らかにすることが不可欠です。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
事例①:花王株式会社
化粧品・健康機能飲料・洗剤などを製造販売する「花王株式会社」はYahoo!ニュースのスポンサードコンテンツを利用しています。
既に多くの人々に認知されている花王株式会社がスポンサードコンテンツを利用する意図・目的は何だったのでしょうか。
ここでは花王株式会社が活用する、Yahoo!ニュースのスポンサードコンテンツの活用事例を紐解いてみましょう。
Yahoo!ニュースに掲載
花王株式会社はより良い製品を作り続けるために、研究開発に重点を置いて取り組んできました。
しかしながら、研究開発に関する情報発信を行ってこなかったことが課題であり、スポンサードコンテンツの利用を決めた理由です。
なお、Yahoo!ニュースを選んだ理由は次のとおりとなります。
- 第三者視点で記事が書かれている
- 記事テーマとして社会課題に向き合っている企業姿勢・基盤研究を取り上げている
- コンテンツを読んだ人に対してアンケートを実施できる
また、花王株式会社は企業の取組みを広く理解してもらうには、長期的にスポンサードコンテンツを提供することが重要だと考えていました。
その点、Yahoo!ニュースはコストパフフォーマンスにも優れており、花王株式会社が利用を決めた要因の1つです。
企業の社会課題への姿勢を示すことにつながった
花王株式会社はスポンサードコンテンツを利用したことにより、企業の社会課題への姿勢を示すことにつながりました。
Yahoo!ニュースが制作した「歩行研究」と「代謝研究」をテーマとするコンテンツは、丁寧な取材により構成されているのが印象的です。
その結果、多くのユーザーからの反応があり、企業の社会課題への取組みをわかりやすく伝えられたことが証明されました。
また、ユーザーからの反応は今後の研究にも大いに参考となるものであり、初期の目的以上の成果が得られた好事例です。
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事例②:株式会社TBSラジオ
2021年に創立70周年を迎える「株式会社TBSラジオ」は老舗ラジオ局として、多くの人気番組を抱えています。
敢えて同じマスメディアである毎日新聞のスポンサードコンテンツを利用する目的・意図とは何でしょうか。
ここでは株式会社TBSラジオが活用する、毎日新聞のスポンサードコンテンツの活用事例を紐解いてみましょう。
毎日新聞デジタルに掲載
株式会社TBSラジオが利用しているのは、毎日新聞デジタルのスポンサードコンテンツです。
TBSラジオ株式会社はラジオの聴取環境が大きく変化している状況下において、次々と新機軸を打ち出したプログラムを提供しています。
しかし、なぜ新機軸を打ち出す必要があるのか、新たなプログラムのコンセプトなどをリスナーに伝える機会はあまりありません。
スポンサードコンテンツを利用することで、番組コンセプトなどを多くの人々にわかりやすく伝えることが可能となりました。
その結果、従来のリスナーに加えて毎日新聞デジタルの読者にも訴求することになり、新たなリスナーの開拓に成功しています。
インタビュー形式の記事
TBSラジオ株式会社のスポンサードコンテンツは、インタビュー形式の記事という形で提供されています。
普段は顔を合わせることが少ないパーソナリティの本音トークは、非常に読み応えがあり単なる番組宣伝とは全く異なる性質のものです。
そのため、普段はラジオを聞かない人にも訴求する内容となっており、リスナーの拡大に大いに貢献しているといえます。
また、ユーザーからの反応は今後の番組制作にも大いに参考となるものであり、予想以上の成果が得られた好事例です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
スポンサードコンテンツ制作のポイント
スポンサードコンテンツを制作する際、広告主の伝えたいことをコンテンツにするだけでは十分な効果を得ることはできません。
読者に最後まで読まれる魅力的なスポンサードコンテンツを制作するには、いくつかのポイントがあります。
ここでは、読者に最後まで読まれるスポンサードコンテンツを制作するためのポイントを解説します。
媒体の方向性を明確にする
読者に訴求するスポンサードコンテンツを制作するには、媒体の方向性を明確にしましょう。
広告主が何を読者に向けて伝えたいのかをが絞り切れていないと、魅力のあるコンテンツとはなりません。
したがって、スポンサードコンテンツを制作する際には、広告主と媒体運営者がしっかりと方向性を確認しておくことが大切です。
読者の視点を意識する
スポンサードコンテンツは多くの人々に読まれなければ意味を成さないことから、読み物として面白くなければなりません。
読み物として面白いコンテンツを制作するには、企業が伝えたい内容と読者が興味を示すテーマをマッチングさせることが大切です。
そのためには読者の視点を意識することが重要であり、広告主と媒体運営者が意識合わせを行った上でコンテンツを制作しましょう。
スポンサードコンテンツの活用で困ったときは?
スポンサードコンテンツは企業のブランディングを行う上で非常に有効な手法ですが、コンテンツ制作が大きなポイントです。
とりわけ、スポンサードコンテンツは商品やサービスを紹介することが目的ではないことから、方向性を明確にしなければなりません。
さらに、読者の視点も意識しなければならないことから、スポンサードコンテンツを制作するには豊富な経験と高いスキルが必要です。
その点デジマクラスのコンサルティングでは、適切なスポンサードコンテンツの制作方法を的確にレクチャーしています。
スポンサードコンテンツの活用で困ったときには、デジマクラスのコンサルティングを活用して現状を打破しましょう。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
まとめ
スポンサードコンテンツは広告主が費用を負担し、媒体運営者がコンテンツを制作・掲載する手法であり企業ブランディングに役立ちます。
全ての企業は様々な社会問題に取り組むことが責務だといえますが、実際の取組みを伝える機会が殆どないのが事実です。
スポンサードコンテンツは客観的な視点で制作されたコンテンツであり、こうした企業活動をアピールするには最適だといえます。
しかし、スポンサードコンテンツは読者に最後まで読まれなければ、その効果を発揮しないことから経験・スキルが必要です。
その点デジマクラスでは魅力的なスポンサードコンテンツの作り方に関して、確固たるノウハウを有しています。
したがって、スポンサードコンテンツの活用に行き詰まったらデジマクラスのコンサルティングを利用してみましょう。