ビックキーワードでも低予算で広告効果が見込めるといわれることもあるRLSAですが、どのように活用すれば良いのでしょうか。
また、活用することで具体的にどのようなメリットがあるのか気になる人もいるかもしれません。
さらに、これを活用するには設定手順や注意点なども把握しておくことが必要です。
この記事では、RLSAの活用方法・仕組み・メリットを解説します。
また、活用する際の注意点・設定手順も紹介しますので、これを活用する際の参考にしてください。
目次
RLSAの活用方法を解説
RLSA(Remarketing Lists for Search Ads)とは、検索広告向けのリマーケティングを指す言葉です。
リマーケティングは1度サイトを訪問したことのあるユーザーに限定して広告を出す手法になります。
この仕組みを検索広告に応用したものがRLSAです。
1度サイトに訪れたことのあるユーザーは新規ユーザーよりもCTRやCVRが高い傾向があります。
そのため、これは検索広告の効果を高める方法として活用されているのです。
リマーケティングはディスプレイ広告にも活用されていますが、検索広告とディスプレイ広告はいくつか特徴が異なります。
両者の主な違いは、表示回数・クリック率・クリック単価です。
検索広告の場合は、表示回数は少ないものの、検索と連動しているためクリック率は高くなります。
しかし一定の広告効果が見込めるためクリック単価も上がる仕組みです。
一方、ディスプレイ広告はユーザーが検索しているかどうかに関係なく掲載されるため表示回数は多く、クリック率は低いです。
表示回数に対してクリック率が低いため、クリック単価も安く設定されています。
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RLSAでできること
RLSAを活用すれば、どのようなことができるのでしょうか。
以下では、これを活用するとできることについて解説します。具体的には、以下の2つです。
- 1度サイトを訪れたユーザーへのアプローチ
- ユーザー情報のリスト化
1度サイトを訪れたユーザーへのアプローチ
RLSAを活用すれば、1度サイトを訪れたユーザーへ改めてアプローチすることができます。
この機能により、ユーザーが改めて検索をすると優先的に広告が表示されるためです。
新規ユーザーよりもCTRやCVRが高い傾向があるサイト訪問者にアプローチできれば、効率的にマーケティングを行うことができます。
ユーザー情報のリスト化
RLSAを活用すれば、ユーザー情報をリスト化することができます。
広告を出す側が運営しているウェブサイトやアプリなどにアクセスしたユーザーの行動履歴や連絡先情報などが記録されるためです。
リスト化されたユーザー情報は検索キャンペーンに設定されてリマーケティングに活用されます。
RLSAを活用すると、1度サイトを訪れたユーザーへのアプローチやユーザー情報のリスト化が可能です。
RLSAの仕組み
RLSAは、各ユーザーがサイトを訪問したことがあるかどうかをCookieで判別します。
サイトに訪れたユーザーにはCookieが付与されるため、検索広告を表示するときはCookieの有無を判別するのです。
Cookieがあればリマーケティングし、Cookieがなければ新規ユーザー用の広告を出します。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
RLSAの活用方法
顧客のターゲティングを行うRLSAですが、どのように活用すれば良いのでしょうか。
以下では、活用方法を解説します。具体的な活用方法は以下です。
- 入札単価の調整
- ビッグキーワードでの広告配信
- 再訪問ユーザーへの訴求内容の変更
入札単価の調整
RLSAでは、新規ユーザーとサイト訪問者に分けて入札単価の調整をすることができます。
例えば新規ユーザーであればCVRやCTRが低いことが見込めるため、入札単価も低く設定するほうが良いです。
しかし1度サイトを訪問したことがあるユーザーであれば、CVRやCTRが高い傾向があることから入札単価を上げるほうが効果的です。
例えば空気清浄機を販売している企業のECサイト運営で考えてみましょう。
過去にサイトを訪問したユーザーに対しては、通常の入札価格よりも15%上げるといった使い方が可能です。
また、過去に空気清浄機を購入した経験があるユーザーに対しては入札単価をさらに上げることもできます。
ビッグキーワードでの広告配信
RLSAでは、ビックキーワードでの広告配信を行うこともできます。
通常であればビックワードに入札してもコンバージョンは期待できません。
しかしこれを活用すれば、過去にサイトを訪問したりコンバージョンに至ったりしたユーザーに優先的に広告を出すことができます。
そのため、ビックワードに入札しても一定の広告効果が見込めるのです。
例えばキャンプグッズを販売している場合、ビックワードである「キャンプ」で検索広告を出しても広告効果を見込めません。
検索ユーザーにはキャンプ場を探している人もいれば、キャンプの方法を知りたい人もいるからです。
しかし、RLSAを活用すれば以前サイトを訪問したユーザーに広告を表示することができるため、キャンプグッズにも興味を持ってもらえます。
再訪問ユーザーへの訴求内容の変更
RLSAでは、再訪問ユーザーに対して訴求内容を変更することができます。
1度サイトを訪れたことがある人は基本的な情報を把握している可能性が高いです。
そのため、再訪問者用のランディングページを用意してこれに反映させれば、訴求内容をターゲットに合わせて変更することができます。
例えば化粧品であれば、通常のランディングページではサンプルの案内を中心に行うのが一般的です。
しかし再訪問ユーザーに対して通常商品の購入や定期購入を促すランディングページを表示して、訴求内容を変えます。
RLSAの活用方法は入札単価の調整・ビッグキーワードでの広告配信・再訪問ユーザーへの訴求内容の変更です。
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RLSAのメリット
RLSAを活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
以下ではこれを活用するメリットを解説します。具体的には、メリットは主に以下の3つです。
- ビッグキーワードで勝負できる
- ニーズがどこにあるかが分かる
- 需要予測に活かせる
ビッグキーワードで勝負できる
RLSAを活用すれば、通常の検索広告では効果が見込めないビッグキーワードで勝負することができます。
これを使用しない場合は、ビックキーワードだけでなく2語を組み合わせた形で配信を行うことが一般的です。
例えば、加湿器を販売している場合は「加湿器 おすすめ」などの2語を設定します。
「加湿器」だけでは上位化させることが難しいからです。
しかしこれを活用する場合はビックキーワードであってもターゲットを絞った広告表示ができるため、広告効果を見込むことができます。
ニーズがどこにあるかが分かる
RLSAを活用すれば、サイト再訪問が多いキーワードはどれか、どのキーワードがCVRが高いかなどが分かります。
そのためユーザーニーズを捉えやすくなり、手に入れたデータをWebマーケティング全体に活かすことができるのです。
例えば高いユーザーニーズがあるキーワードに関しては、入札価格を上げて見込み顧客の獲得に力を入れるといった戦略を立てられます。
一方、ニーズが高くないキーワードについては入札価格を下げて費用対効果を適正にすることも可能です。
需要予測に活かせる
RLSAを活用すれば、需要予測に活かすこともできます。
再訪問する顧客の属性やニーズが高いキーワードなどがデータから読みとれるため、今後のニーズを推測することができます。
例えば、「加湿器 置き場所」のキーワードのニーズが高いとなれば、加湿器の置き場所に困っている人がいると予想されます。
そこでコンパクトな加湿器をアピールするランディングページを制作しキーワードに入札すれば、ニーズに基づいたマーケティングが可能です。
RLSAには、ビッグキーワードで勝負できる・ニーズがどこにあるかが分かる・需要予測に活かせるなどのメリットがあります。
RLSAの注意点
RLSAを活用する際には、いくつか注意しておくべきことがあります。
具体的には、以下の3つです。これらを頭に入れた上で活用方法を検討することが大切になります。
- ユーザー数が少ないと配信されない可能性がある
- クリック単価が高くなる
- リストに保有期限がある
ユーザー数が少ないと配信されない可能性がある
RLSAはユーザー数が少ないと配信されない可能性があるため、ユーザー数があまり多くない場合は注意が必要です。
具体的には、過去30日間でアクティブなユーザーが1,000人以上いることが条件になります。
これはプライバシー保護の観点からGoogleが取り決めているルールです。
Yahoo!の検索広告のサイトリターゲティング機能も同様で、1,000人以上のリーチ数が求められます。
アクティブユーザーやリーチが1,000人に満たない場合は、まずその母数を増やさない限りこれを活用したマーケティングはできません。
クリック単価が高くなる
RLSAの注意点として、クリック単価が高くなってしまう点も挙げられます。
これはサイトを訪問したことがある人にアプローチするため、通常のクリック単価よりも予算を上げることが必要です。
費用対効果を考えると、クリック単価が高くなってもCVRやCTRに効果が見込めるため損ではありません。
しかし、キーワードに対するクリック単価が高くなることで他の施策との兼ね合いを調整する必要がでてきます。
リストに保有期限がある
リマーケティングリストに保有期間がある点もRLSAで注意すべき点になります。
リストの保有期限は、Google検索広告で540日、Yahoo検索広告では180日が上限です。
この期間を超えてリストを保有することはできないため、運用には注意しましょう。
RLSAには、配信されない可能性がある・クリック単価が高くなる・リストに保有期限があるなどの注意点があります。
RLSAの設定手順
RLSAはどのように設定すればよいのでしょうか。以下では、設定手順をGoogle広告、Yahoo!検索広告に分けて解説します。
Google広告
Google広告では、まずサイトに訪れたユーザーを計測するためにリマーケティングタグを設置します。
次に、広告アカウントの「オーディエンス」をクリックし、追加先のキャンペーンもしくは広告グループを選択してください。
すると、ターゲット設定で「ターゲティング」もしくは「モニタリング」を選択できます。
そして、「閲覧」から「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法」を選びましょう。
「ウェブサイトを訪れたユーザー」の項目から対象のリストを選択したらリストが選択されていることが確認できるはずです。
最後に「保存」をクリックすれば設定完了となります。
Yahoo!検索広告
Yahoo!の場合もまずサイトリターゲティングタグを設置します。
「ツール」から「ターゲット管理リスト」をクリックして「関連付けの設定」を選択してください。
「広告グループに設定(配信)」をクリックして「キャンペーンに設定(配信)」を選択すると、キャンペーン単位での設定も可能です。
次に、「関連付ける広告グループを選択」で設定した広告グループを選択し、「設定」をクリックすれば完了になります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ターゲティングとモニタリングの関係性
ユーザーリストを設定する方法には「ターゲティング」と「モニタリング」の2種類があります。
両者の違いは、ターゲットの絞り込みの有無です。
ターゲティングの配信対象は、入札キーワードに関連する検索語句で検索したユーザーのうちユーザーリストのユーザーのみです。
一方モニタリングではターゲットの絞り込みは行いません。
モニタリングはユーザーがユーザーリストにあるかどうかでキーワードの入札に強弱をつけたり、分析に役立てたりするために使用されます。
RLSAの活用で困った時は?
RLSAの活用で困った時は、デジマクラスのWebマーケティングに精通したコンサルタントに相談してみましょう。
これはあくまでツールですので、活用する側の知識やノウハウによってその有用性が左右されます。
Webマーケティングの専門的な視点があれば、これを活用してサイト運営の施策全体を改善することも可能です。
情報を最大限に活用して効率的にマーケティングを行うためにも、専門性は重要になります。
まずはWebマーケティングに精通したコンサルタントに1度相談してみると良いでしょう。
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まとめ
RLSAとは、検索広告向けのリマーケティングを指す言葉です。
これは、入札単価の調整・ビッグキーワードでの広告配信・再訪問ユーザーへの訴求内容の変更に活用できます。
RLSAは各ユーザーがサイトを訪問したことがあるかどうかをCookieで判別する仕組みです。
ビッグキーワードで勝負できる・ニーズがどこにあるかが分かる・需要予測に活かせるといったメリットあります。
活用する際には、配信されない可能性がある・クリック単価が高い・リストに保有期限があるなどの注意点を意識しましょう。
設定手順はGoogle広告やYahoo!検索広告などの検索エンジンで異なるため、それぞれ個別に設定してください。
どのように活用すればよいか分からないときは、デジマクラスのコンサルタントに相談してみましょう。