メールマーケティングとは顧客とメールを通じてコミュニケーションをはかり商品の購入へ導く手法です。
SNSが発達している現在でも企業はメールを重要視していて、BtoBビジネスでは有効な手法なのです。
メールを通じて商品紹介・キャンペーン・セール・ニュースなど多くの情報が消費者に配信されます。
今回はメールマーケティングを成功させる方法についてメリット・デメリットも含め解説します。
目次
メールマーケティングの成功事例を解説
メールマーケティングは費用対効果の高い手法です。
メールマーケティングを利用してもたらされる利益には次のようなものがあります。
- 新たな潜在顧客との関係構築
- 見込み顧客の掘り起し
- ロイヤルティの促進
一日に何通も届くメールですが、表題を見ただけで削除する人も多い中で着実にメールマーケティングは成功しています。
企業にとってメールは開封率・クリック率・コンバージョン率などの測定がしやすく消費者のニーズが掴めるのです。
商品の紹介・イベントへの誘い・特典など有益な情報は消費者は高い関心を持って見ています。
KPIを設定して消費者の反応を分析し、乖離があれば改善し成功に繋げる目安になります。
メールマーケティングの役割
ある調査によると企業はメールを86%増やしたいと考えているそうです。
SNSは幅広い消費者をターゲットに情報発信し、緩い繋がりを通じて顧客と関係性を構築します。
一方、メールマーケティングはさまざまな情報を収集している消費者の背中を押す役割を持ちます。
つまりメールマーケティングを利用すればSNSと比べて消費者と関係性を深く構築できるのです。
また、メールのメリットはSNSと比べたときの情報量の多さです。
InstagramやX(旧Twitter)は視覚的に消費者の目に留まりやすいのが特徴です。
しかし、SNSは視覚性が強調されるためテキスト化された文章は読まれない可能性が高くなります。
企業にとってSNSでは消費者へのアプローチは弱いといえるでしょう。
その点、メールは自由度がきくためコンテンツを設計しやすいといえます。
メールは商品やサービスに関心のある消費者の購買意欲を高める役割を持っています。
メールマーケティングの種類
消費者の嗜好や趣味などを分析して、工夫しなければならないメールは手間ではありますが効果は抜群です。
メールマーケティングにはいくつか種類があります。
その特徴について解説します。
ステップメール
ステップメールは消費者が資料請求・商品購入など何らかのアクションを起こした際に出すメールです。
お礼メールは典型的なステップメールになります。
ステップメールは顧客ごとに送ることができ、主に3つの種類があります。
- 資料請求・商品購入のお礼メール
- 購入者の声
- 商品紹介
消費者の興味を持続させるためストーリー性のある連載のようなメールもあります。
定期的にメールを配信することで消費者の関心度を高めて購買に繋げる手法です。
メルマガとの違いですが、ステップメールは顧客の関心があるタイミングでメールを配信します。
一方、メルマガは企業側がアップした最新情報などを一斉に配信するものです。
ステップメールのメリットは見込み客を増やし育成させることで売り上げアップに繋がります。
- 顧客の育成
- 見込み客の囲い込み
- 商品のアピール
ステップメールのデメリットは顧客リストを作成するために、必要なメールアドレスを収集しなければなりません。
またメール作成にはメールの構成・送信のタイミング・配信設定など条件を決めておく必要があります。
- 顧客リスト作成のためメールアドレスの収集が必要
- メール作成に手間がかかる
セグメントメール
セグメントメールは配信リストからターゲットを絞り込みピンポイントでメールを送る手法です。
ある条件で購買層を絞りメールを配信することで開封率も高くなります。
顧客の嗜好や趣味でメールを配信していると、毎回似通った内容になる可能性があります。
こうした場合に条件に合うターゲットを分析し、新商品やサービスのメールを配信するやり方です。
セグメンテーションしてメールを配信すれば、長期的な優良顧客になることも可能になります。
おすすめはHTML形式のメールです。
HTMLは画像や動画、テキストのフォントも変えられるため顧客への訴求効果も期待できるのです。
休眠発掘メール
長らくお付き合いのない顧客の掘り起こしを目的にしたメールを休眠発掘メールといいます。
過去にアプローチしたが失注したケースや、一度購入したが継続的な購入に至らなかったケースが対象です。
こうした顧客にメールを配信すれば購買活動を再開してくれる可能性があります。
休眠顧客が生まれる原因はいくつかあります。
- 企業のフォロー不足
- 顧客の関心がなくなった
- タイミングが合わなかった
休眠顧客にメールを出すのはセグメントがいいでしょう。
そしてなぜ休眠顧客になったのか原因を究明することも大切です。
商品の説明不足やサービスへの不満であれば改善できることもあります。
その上で強いメッセージ力のあるメールを配信しましょう。
例えばECサイトで買い物をする顧客ならメルマガを配信ツールにしてアプローチします。
休眠顧客はコストを抑えたメルマガやMAツールも有効です。
比較的信頼関係は構築しやすいので企業側の心理的負担も軽いのではないでしょうか。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
メールマーケティングのメリット・デメリット
消費者の関心を引き付けられる効率がいいメールマーケティングにはメリットだけでなくデメリットがあります。
ここではメールマーケティングのメリット・デメリットを解説します。
メリット
メールマーケティングのメリットを見ていきましょう。
- コストが低い
- コストパフォーマンスが良い
- 効果測定がしやすい
メールマーケティングの最大のメリットは低コストで始められることです。
メールマーケティング導入にかかる費用は分析ツールと人件費が主なものになります。
必要なものは顧客のメールアドレスのリストくらいです。
コンテンツは自社で利用した過去のコンテンツをベースに手を加える程度でいいでしょう。
ターゲットになる顧客は既存客や見込み客が大部分を占めるので効果は期待できます。
新規顧客とは違いコストが抑えられるので最適な手法といえるでしょう。
メールマーケティングは顧客の反応を数字で表現するので測定しやすい手法です。
開封率やクリック率も把握でき、顧客がどれくらい興味を持ったかが把握できます。
顧客に応じたアプローチができるので改善点も見つけやすいでしょう。
デメリット
メールマーケティングのデメリットを見ていきましょう。
- 定期的にコンテンツを変更する
- 顧客の動向を気にしながら運用するため心理的負担が大きい
メールマーケティングでは継続的に顧客へ情報配信するため適宜コンテンツの更新が負担になります。
顧客が関心を持てないコンテンツが続けば受信拒否されることもあります。
メールマーケティングを運営するためには顧客の動向をチェックする必要があるのです。
トレンドを意識し顧客の嗜好や趣味に合わせて、コンテンツを更新するため負担は大きくなります。
メールマーケティングの事例はこちら
メールマーケティングの成功事例
既存顧客と見込み顧客に高い効果が期待できるメールマーケティングですが、手法がよくわからない方に成功事例を紹介しましょう。
デジタル総合印刷株式会社
印刷業を始めICT技術を用いたデジタルソリューション事業を展開するデジタル総合印刷株式会社は課題を抱えていました。
それは展示会で獲得した見込み顧客へのアプローチや進捗管理が非効率で、見込み度が高い顧客が埋もれてしまうということでした。
解決方法として見込み顧客の動きやアプローチを一元管理できるツールを導入したのです。
その結果、見込み顧客のニーズ・関心を把握し、見込み度が高い顧客にメール配信できるようになりました。
1回の配信でアクセス数が33件になったのです。
株式会社ワム
株式会社ワムは、エステサロンの運営・エステサロン向け美容・健康関連機器の企画・開発・製造している会社です。
ワムが抱える課題は資料請求した顧客のフォローができていないことでした。
また、見込み客リストを作成しても効果が見られなかったのです。
そこで見込み客の消費行動を分析するツールを導入し、行動履歴に基づいてDMやメルマガなどを配信するようにしたのです。
その結果、メルマガの反応率が上昇し、問い合わせからの成約率が20%から25%に向上しました。
株式会社北斗社
印刷事業のほかWebや映像に関する企画・制作事業を手がけている北斗社はテレアポ中心の営業活動をしていました。
ところがそのアポイントの獲得率が年々下がっていたのです。
そこで展示会を開催し、そこで名刺交換した人にお礼メールや反応した人にアプローチをかけました。
その結果、アポイント率が上がり成約率も伸びたのです。
また、配信したメルマガを開封した人にテレアポを実施しアポイント獲得率が向上しました。
メールマーケティングの課題
高い効果が見込まれるメールマーケティングですが課題もあります。
メールを配信する際の誤送信のリスクです。
極力人が介在しないでシステムを使い配信できるように構築した方がいいでしょう。
厳格な個人情報管理システムを構築し紙ベースの管理をなくしてください。
次にメルマガの配信が形骸化してしまうことです。
コンテンツの更新に時間をかけ疲弊するうちに配信すれば目的が完了したことになりがちです。
そこで、コンテンツ作成にはテンプレートを使用するなど効率よくしましょう。
メールマーケティング成功のコツ
どれだけ時間をかけて作成したメールやメルマガも開封されずに削除されることもあります。
配信したメールが無駄にならないためにどのような対策方法があるのでしょうか。
メールマーケティング成功のコツについて考えていきましょう。
開封率を上げるためにはターゲットに最適なタイミングでメールを配信することが重要です。
消費者は興味のないメールや読んで面白くないメールが度重なると迷惑メールに仕分けしてしまうこともあります。
対策方法は、いかに魅力的なインパクトのあるメールを配信できるかです。
件名
メールの件名は限られた文字数で顧客の興味を引く言葉を入れることが大切になります。
理想的な件名は「4Uの原則」といわれ「緊急性」・「独自性」・「超具体性」・「有益性」からなります。
一日何百通ものメールが来る人はひとつずつ開封しているでしょうか。
件名で判断し削除する人が多いのではないでしょうか。
「緊急性」とはすぐに読みたいと思わせる単語を入れることです。
例えば「本日から3日間お買い得キャンペーン」など、その期間しか行わないキャンペーンは気になりませんか。
時間や期間を限定する言葉は消費者の関心を引きつけるインパクトがあります。
「独自性」とはこれまでになかった表現で、「自社にしかない」など特異性を強調した言葉です。
「超具体性」とは具体性を持たせた言葉で、例えば「30%オフ」のように消費者にどれだけの利益があるか意識させる表現をいいます。
「有益性」とは例えば「試してみないと損をします」とあれば何だろうという心理になるでしょう。
このように件名を読んだだけで、いかに消費者の購買意欲が握れるかがポイントなのです。
曜日・時刻
メールを配信する上で重要なのが配信のタイミングです。
配信する曜日や時刻は開封率にも大きな影響を与えますからベストなタイミングで配信することが求められます。
実は一週間の中でメールの開封率が低いのは土日だそうです。
これは平日仕事などでメールをたくさん読んでいる人は、週末くらいはメールから距離を置きたいからではないかと推察されます。
ある調査で開封率は火曜日がトップ、クリック率は金曜日だそうです。
このことからメールを配信するなら火曜日または金曜日がおすすめです。
時刻についてですが平日は朝7時から8時が一番集中する時間帯だといわれています。
仕事関係で朝メールチェックする人が多いからです。
次は昼間にアクセスが増加する傾向が見られます。
これはランチタイムにスマホでメールチェックするからでしょう。
最後にメールチェックする時間帯がピークを迎えるのは21時から22時となります。
これは就寝前の落ち着いた時間にメールをチェックして就寝する人が多いのです。
一方、昼間自宅にいる専業主婦は13時から15時の時間帯にメールをチェックする傾向があります。
なお、BtoB向けメールの開封ピーク時間は、8時台・13時台・16時台が最も開封率が高くなる時間帯になります。
送信元
メールの開封率を上げるコツとしては送信元名が重要です。
受信者は送信元が怪しいメールは開封せずそのまま削除する可能性が高いからです。
iPhoneをはじめメールアプリなどでも送信元名を大きく表示するケースが多く見られます。
件名と同じく送信元名を分かりやすい設定にしておくことがビジネスにも繋がるチャンスになります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
KPIとKGIを設定する
メールマーケティングを考える上で、メールを発信するだけで売り上げは向上しません。
目標達成のためにはKPIとKGIの設定が欠かせません。
それぞれについて解説します。
KPI
KPIとは「重要業績評価指標」と呼ばれ、指標としては以下があげられます。
- ユーザーのアクセス数の増加
- 見込み客の成約率
- メール配信数の増加
企業によって設定する指標はさまざまです。
KPIは最終目標に向かって行く過程の改善点をクリアにし、その達成度合いを検証するための指標になります。
中間指標として極めて大切な指標になるのです。
メール開封率もその指標のひとつになります。
件名を工夫したり、配信スケジュールを調整したり、配信先を絞り込んだりするのもKPIの目標である開封率を上げるためです。
KGI
KGIは「重要目標達成指標」と呼ばれ、特定の期間内で何をどのくらい達成するかといった目標を数値化したものです。
中間指標であるKPIとともに使われ、最終的なゴール地点になります。
例えばひと月の売上目標を100万円に設定する、既存顧客へのアンケートで満足度80%獲得する、といった目標を数値化します。
KGIを設定する際にはどの地点を最終目標にするかチームで確認して実現可能な目標設定を立てましょう。
メールマーケティングを成功させるには
企業によってマーケティング戦略はさまざまです。
自社に最適なメールマーケティングを立案し実行することが重要になります。
データをリサーチして費用対効果が期待できるメールマーケティングの立案は専門のコンサルタントに相談しましょう。
業種や用途に応じたベストな対策方法を提案してくれます。
マーケティング目標に合った戦略があってこそメールマーケティングが成功できるのです。
まとめ
メールマーケティングの成功事例を解説してきました。
多くの企業はメール配信を大きなビジネスチャンスと捉えています。
効果的なメールマーケティング戦略を立案し、顧客を育成、コンバージョン向上を目指しましょう。
コンサルタントならそうした企業のサポートをしてくれます。
悩みや疑問などどんな些細なこともコンサルタントに相談して最適なメールマーケティングを実現させましょう。