顧客単価をアップする営業やマーケティングの手法であるアップセルに注目している方もいらっしゃるかもしれません。
アップセルが成功すると売り上げを伸ばすことができます。
しかし失敗するとデメリットが生じる可能性もあるでしょう。
この記事ではアップセルで客単価を上げる方法を解説します。
売り上げアップのコツとメリット・デメリットも紹介しますので参考にしてください。
目次
アップセルで客単価を上げる方法を解説
既存の顧客に対して客単価を上げる手法が注目されています。
人口の増加が見込めた時代では、販売する数量を増やす手法がスタンダードでした。
しかし人口減少や少子化が進み始めると、顧客の単価を上げることが重要になってきたのです。
そのためにはグレードの高い商品を契約したりトライアルから定期購入の導入を促したりするアップセルの手法が必要になります。
新規顧客を獲得するよりも既存顧客の単価を上げることのほうがコストが低いという考えもあるでしょう。
しかしアップセルが失敗してしまうと顧客の信用を失ってしまうなどのデメリットもあります。
アップセルを行う場合は目的やポイントを確認して、本当にそれが必要かをまず見極めてください。
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アップセルの目的
アップセルを成功させるためには、アップセルを行う目的を明確にしておきましょう。
目的を理解することで適切な企画や立案をすることができるようになります。
顧客単価の向上
売上を考える時に「顧客数×顧客単価」という式を思い浮かべる方も多いでしょう。
売上を増やすためには、顧客数か顧客単価を上げる事が重要です。アップセルではこのうちの顧客単価を高めて売上につなげます。
アップセルの大きな目的のひとつは、顧客単価の向上なのです。
アップセルを成功させることで顧客単価を高めて売上アップを目指します。
生涯顧客単価向上
顧客が生涯を通じで企業にもたらす利益である生涯顧客単価の向上もアップセルの目的になります。
一度だけアップセルが成功し顧客単価を上げたとしても、その顧客が他のサービスに乗り換えたら売上はストップしてしまいます。
そのためアップセルを繰り返しながら、継続期間を伸ばして生涯顧客単価を向上させることも重要なのです。
しかし顧客単価を上げると既存の顧客の離脱を招くおそれもあります。
継続期間を伸ばしてもらうためには、目的と目標を考慮しつつ顧客ロイヤリティを高めることも考えなければならないでしょう。
業務の効率化
アップセルが成功すると顧客単価が上がり、営業部門の業績も拡大するでしょう。
新規顧客を獲得するよりもアップセルを成功させて顧客単価を上げるほうが必要なコストは少ないといわれています。
費用対効果が優れた手法はそれだけ業務をスムーズにするでしょう。
そのため業務の効率化もアップセルの目的になるのです。
アップセル営業の前提条件
戦略なしにアップセルを行うと顧客に押し売りをされているような印象を与えかねません。
どんなに良い商品でも顧客のニーズにマッチしないものを勧めるのは逆効果になります。
そのような逆効果を招かないためにも、まずはアップセルの前提条件を確認しておきましょう。
アップセル営業の前提条件を紹介しますので、アップセルの効果を高めるためにも参考にしてください。
ロイヤリティの高い顧客
アップセルの成功は顧客のロイヤリティが大きく関係しています。
顧客ロイヤリティとは、サービスに対して感じる信頼や愛着です。
顧客がサービスを信頼すれば頻繁に購入してくれる存在になりますし、不満があれば他社に乗り換えるかもしれません。
継続的な購入を促すのであれば、顧客のロイヤリティを考えなければならないでしょう。
長期的に愛着や信頼を持ってもらうことができれば、アップセルの成功率も上がります。
新規より既存顧客
アップセルが成功すれば、新規の顧客開拓をするよりも効率的に売上を伸ばすことが可能になります。
一般的に新規顧客の開拓は既存顧客を維持するよりも5倍ほどのコストが必要だといわれています。
そこで新規顧客開拓ではなく、既存顧客へ目を向けるのがアップセルの手法です。
アップセルの手法では既存顧客に契約のグレードアップを促すなど、既存顧客へのアプローチが重要になるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
アップセルで成果をあげるポイント
アップセルで成果を上げるためには、ただ無策でアップセルを勧めるだけでは意味がありません。
そのようなアップセルでは顧客の信頼を失うことになってしまうでしょう。
アップセルの成功のためには顧客の気持ちに寄り添いながら信頼や納得感を提供する必要があります。
成果を上げるためのポイントを確認して効果的なアップセルを行いましょう。
グレードを変えた品揃え
アップセルは顧客にグレードの高い購入を促すことになります。そのため、グレードを変えた品揃えは重要になるでしょう。
サービスや機能にあまり変わりがなく、価格だけが高いものでは納得感が得られません。
グレードを上げると価格も高くなるがそれに見合った商品だと感じてもらうことが重要です。
品質や機能・サービスなど、グレード毎にはっきりとした違いを提供すると良いでしょう。
そのためにはグレード毎の品揃えが必要になります。
提案のタイミング
アップセルを行う際は提案するタイミングも重要です。
商品やサービスに顧客の関心が高まる期間にアップセルを行うことで、アップセルの成功につながるでしょう。
トライアル期間の終了や買い替えを検討する時期は顧客の購買意欲も高まります。
そのような時期に提案することでアップセルの成功率が上がるのです。
トライアル期間終了時に定期コースへ誘導したり、次の商品はグレードアップしたものを勧めたりすると良いでしょう。
・納得感のある品揃えが必要
・顧客の購買意欲が高まるタイミングで提案する
アップセルのメリット
アップセルの成功で以下のようなメリットが考えられます。
- 効率的な顧客単価向上
- コストがかからない
- 顧客満足度向上
いま自社が求めているメリットと合致するのであればアップセルは有効な手段になるでしょう。
それぞれのメリットについて紹介しますので参考にしてください。
効率的な顧客単価向上
アップセルが成功すれば効率的な顧客単価の向上ができるでしょう。
新規顧客を開拓するよりも低いコストで売上を伸ばすことができるようになるのです。
多くのコストをかけて新規顧客を開拓するよりもアップセルを行い顧客単価の向上を目指すほうが費用対効果を期待できます。
コストがかからない
アップセルのメリットのひとつに新規顧客開拓に比べて効率よく売上を伸ばすことが挙げられます。
新規顧客開拓を行うためには人件費や時間・マーケティングなど多くのコストが必要になるでしょう。
アップセルは既存の顧客に対して行うものですので、新規顧客開拓に比べたらコストは掛かりません。
既存顧客は、すでに自社のサービスや商品を契約しているという実績があります。
そのため満足感やロイヤリティを満たすことができれば契約を維持することができるのです。
顧客満足度向上
アップセルは顧客の気持ちに寄り添うことで成功します。
顧客のニーズを知り気持ちを理解しておくことは、その後の営業にも有効でしょう。
もしアップセルが成功しなくても有益な提案をすることにより顧客の評価を上げることができるのです。
顧客の評価を上げてロイヤリティを向上させておけば、次の提案では契約に繋がるかもしれません。
顧客の要望を把握することは、顧客との良好な関係を維持するためにもなります。
アップセルのデメリット
成功すれば効率の良い売上アップにつながるアップセルですが、デメリットも存在するのです。
考えられるデメリットは以下のようなものがあります。
- 無理に勧めると逆効果
- ロイヤリティの低下
このようなリスクを考慮してアップセルの手法を行うかどうかを判断してください。
無理に勧めると逆効果
無理にアップグレードを勧めると逆効果になることもあります。
商品やサービスを強引に勧めてしまったことで、企業そのものに不信感や嫌悪感を持たれてしまうかもしれません。
そうなれば、既存顧客の契約を失うことにもつながってしまいます。
同業他社に乗り換えられてしまう可能性もあるでしょう。
売上を上げたいという思いだけで強引に話を持っていくことは良くありません。
顧客のニーズを把握して、顧客の気持ちに寄り添った提案をするよう心がけましょう。
ロイヤリティの低下
アップセルはロイヤリティの高い顧客に行うものです。
しかし強引に勧めたりニーズに合わない商品を押し売りしたりする営業を行ってしまえば、ロイヤリティは低下してしまうでしょう。
ロイヤリティが低下すれば、顧客は契約そのものを解除してしまうかもしれません。
そうなるとロイヤリティの高い優良な顧客を失ってしまいます。
顧客のロイヤリティ低下を招かないように、顧客のニーズに沿った提案を行うよう心がけましょう。
・無理な提案は顧客を失う結果になることもある
・ロイヤリティが低下すれば優良な顧客を失う
顧客視点に立つことが重要
アップセルが成功すると新規顧客開拓にコストをかけるよりも効率的に売上を上げることができます。
しかし強引なアップセルは顧客の信頼を失い長期的な契約を中止されるようなことにもなりかねません。
アップセルのアプローチが原因で同業他社に乗り換えられたのだとしたら意味がないのです。
アップセルを行う際には顧客の視点に立つことが重要になります。
顧客が本当に欲しい物やメリットのある商品を提案するように心がけましょう。
顧客の視点に立ちアップセルを行うことで納得感や満足感を与えることができるます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
アップセルの注意点
顧客単価を上げることで売上アップを目指すアップセルですが、成功のためにはいくつかの注意点もあります。
アップセルを実施する上で顧客の気持ちに寄り添わずに無理な営業をし続けると逆効果になるでしょう。
顧客の信頼を損なわないために注意点を確認してください。
アップセルは、あくまで顧客の立場に寄り添って行いましょう。
押し売りにならないように
強引にグレードの高い商品を勧める行為は押し売りのような印象を与えてしまいかねません。
売上を上げたいからといって顧客のニーズに沿わない商品を勧めるのは逆効果です。
今顧客がどんなニーズを持っているかを見極めることが重要になります。
グレードの高い商品が顧客にメリットになるものであるという提案をすることを意識してください。
強引な売り込みや押し売りは逆効果になりますので避けましょう。
アフターフォローを忘れない
顧客ロイヤリティを向上させることで長期の利用を見込むことができます。
売上を上げ続けるためには、アフターフォローを忘れないようにしましょう。
従来のような売上数を重要視して売って終わりといった手法ではアップセルを成功させることはできません。
サービスや商品購入後も使用状況を確認するなどアフターフォローを行うことにより信頼を得ることができるでしょう。
アフターフォローを忘れずに行うことで顧客ロイヤリティの向上にもつながるのです。
・顧客の信頼を損なうような押し売りにならないようにする
・ロイヤリティを向上させるためにもアフターフォローを忘れない
アップセル営業に悩んだら
成功すれば効率的に売上を伸ばせるアップセルですがデメリットや注意点があるのも事実です。
営業方針が定まっていなければ効率的な業務を行うことは難しいでしょう。
アップセル営業に悩みがありましたらデジマクラスにご相談ください。
悩みや問題点を一緒に解決していきましょう。
適切なアドバイスがあれば悩みや問題点を解決する道が見えるかもしれません。
アップセル営業の悩みを解決して、売上アップを目指しましょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
アップセルは成功すると売上アップにつながる手法です。
顧客のニーズを知りメリットになるような提案を行うことで、グレードの高い契約を獲得できるかもしれません。
顧客の視点からの提案は顧客の評価を上げることにもつながります。
もしアップセル営業に不安や悩みがありましたらデジマクラスにご相談ください。
一緒に悩みを解決して成功できるアップセルを行いましょう。