近年の動画コンテンツ市場の成長の仕方にはめざましいものがあります。
パソコンやスマートフォンの普及・インターネット環境の改善といった要因に後押しされてどんどん伸びている状況です。
自社でも動画コンテンツに取り組んでみたいと考えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では動画コンテンツの事例を4件ピックアップして詳しく解説します。
動画コンテンツの市場動向や企業PR事例・企業内での活用事例などにも触れますのでぜひ参考にしてください。
目次
動画コンテンツの市場動向
動画コンテンツ市場は今後も右肩上がりの成長を続けていくことが予想されます。
パソコンやスマートフォンの普及や社会のデジタル化といった追い風がこれからも大いに期待できるからです。
5G回線をはじめとする通信インフラの整備が全国的に広がるにつれ、市場の拡大はいっそう顕著なものとなることでしょう。
ブランディングによる認知拡大や動画広告からの直接販売などコンテンツも多様化と多目的化を続けています。
今後も動画コンテンツ市場から目が離せません。
動画コンテンツのマーケティングにおける役割
コンテンツマーケティングに動画を活用すると商品・サービスの購買率が向上することをご存知でしょうか。
動画はユーザーに対する影響力がとても強く、製品の魅力を視覚的にも聴覚的にも分かりやすく伝えることができます。
動画はマーケティングにおいて主に以下のような用いられ方をしています。
- 商品紹介
- ブランディング
- ハウツー動画
- 導入事例紹介
この他、社内教育やインナーマーケティングのシーンでも動画が多用されます。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
事例①:Sansan
Sansan株式会社は法人・個人向けの名刺管理サービスを提供する会社として知られています。
国内市場における法人向け名刺管理サービス「Sansan」の導入企業は7,000社にもおよぶ多さです。
また名刺アプリ「Eight」は名刺交換した相手とネット上で繋がることもでき、もはや単なる名刺管理アプリではありません。
そんなSansanが「Eight」のPRムービーとして公開したユニークな動画コンテンツについてご紹介します。
映像のみでサービス内容を表現
ビジネスシーンにおいて初対面の相手との名刺交換を伴った挨拶は欠かせません。
「Eight」のPR動画では複数人での名刺交換の動作が非常にスタイリッシュに描かれています。
人数が増えるにつれて難しくなっていく名刺交換をアプリ「Eight」が一瞬で問題解決するシーンには爽快感さえ覚えます。
ポイントは声による説明が一切ないことです。映像と音楽のみでサービス内容を的確に表現した動画の好例だといえるでしょう。
印象に残る動画
動画の強みはその圧倒的な情報量の多さにあります。商品・サービスの魅力を映像と言葉で分かりやすく伝えることが可能です。
しかし、PRしたいモノの映像をひたすら流してくどくどと説明するだけの動画を作っても意味はありません。
ユーザーに魅力的だと感じてもらえるような、強く印象に残る動画コンテンツに仕上げることが常に求められます。
映像だけでサービス内容を表現したSansanの「Eight」PR動画はその点において非常に優れているといえます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
事例②:Lenovo
Lenovoは香港に本社を、ノースカロライナ州・シンガポール・北京にオペレーションセンターを置くパソコンメーカーです。
日本法人はレノボ・ジャパン合同会社として知られており、パソコンの他スマートフォンやタブレット製品なども扱っています。
Lenovoが展開したキャンペーンは同社のタブレットを世界的なYouTuberたちにPRしてもらうというものでした。
「#Goodweird」と銘打たれたこのキャンペーンによる動画再生数は膨大な数にのぼります。
YouTuberとコラボ
YouTuberとは動画共有サイトYouTube上で動画作品を公開し、広告収入による配当を得ている組織や個人のことです。
LenovoはYouTuberに同社が開発したタブレットを提供、本人たちにアイデアを出してもらう形で動画を作りました。
それぞれが数多くのチャンネル登録者を有するYouTuberたちなので、その広告効果は絶大だったといえます。
たとえばロシアのYouTuberであるEeOneGuy氏の動画は公開から2日で280万回以上も再生されました。
ブランディングにつなげる
企業理念や商品・サービスの魅力などを声を大にして訴えると、場合によってはユーザーから引かれてしまうことがあります。
ブランディングの難しさはそんな人間心理との駆け引きという部分にもあるといえるでしょう。
YouTuberという大きな人気を誇る存在の力を借りて動画を作ることでLenovoは間接的ながらも広く認知を得ました。
動画コンテンツはこのように様々な形で自社のブランディングを実現することができます。
事例③:キッコーマン
キッコーマン株式会社は千葉県野田市に本社を構える醤油・調味料・加工食品の会社です。
1917年(大正6年)に「野田醤油株式会社」として設立され、商標の統一や社名変更を経て今に至ります。
キッコーマンは自社商品の料理への活かし方を動画でユーザーに紹介するという動画コンテンツの使い方をしています。
公式サイトで公開されているレシピ動画はご飯や汁物などジャンル別に合計で60種類以上にもおよび、今も増え続けています。
レシピ動画を配信
レシピ動画は動画の良さを余すところなく使ったコンテンツだといえるでしょう。
調理の過程で起きる食材の微妙な変化まで克明に捉えて、言葉と実物で詳しく説明することができるからです。
キッコーマンは醤油や調味料を用いたレシピ動画を公開することで自社サイトにユーザーを呼び込みました。
ユーザーにとって役立つ情報を継続的に配信し続けることは、回り回って自社の利益に繋がります。
料理初心者向けの動画も配信
キッコーマンはレシピ動画の公開にあたって様々な工夫を凝らしています。
ご飯・汁物・メインのおかずといったカテゴリ別に分けているほか、料理初心者向けの動画も配信するなどきめ細やかです。
動画の中で自社の醤油や調味料を積極的に売り込むことはありません。
どこまでもユーザーファーストな姿勢を貫くことで間接的に自社の利益獲得を実現しています。
露骨なコマーシャルとして流す他にも、動画コンテンツにはこのような使い方もあるのです。
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事例④:IML
株式会社IMLは東京都渋谷区に本社を置く、主にネイル用品の小売・流通・販売を行う会社です。
自社ブランドの構築で培ったリソースを元にして社外ブランドの制作を受託する事業も展開しています。
プレパレーションからオフまで、ジェルネイルは素人が自分で取り組むにはなかなか敷居が高いという印象が拭えません。
そこでIMLはネイルの手入れや自社のネイル用品の使い方に関して詳細が分かる動画を制作、公開しています。
ネイルのハウツー動画を配信
道具も手順もたくさんあるジェルネイルの施術は素人にはなかなか難しいものです。
プロに施術してもらった方が失敗もなくイメージ通りの仕上がりになるかもしれません。
それでも自分で挑戦したいというユーザーのためにIMLはキットを販売し、ハウツー動画を配信しています。
雑誌などには盛り込めない微妙なニュアンスを映像と言葉で共有できるハウツー動画はとても優秀で親切なツールだといえます。
YouTubeとInstagramで配信
IMLはジェルネイルのハウツー動画をYouTubeとInstagramで配信しています。
どちらも非常に有名なソーシャルメディアですが、特にInstagramは国内では若い女性の利用者が多いことで知られます。
IMLは自社製品のターゲット層を意識したメディアの選択を行っているといえるでしょう。
このように動画コンテンツの配信にあたってはどんな方法で誰に届けるかも重要な要素となってきます。
動画コンテンツを活用した企業PR
動画コンテンツは企業PRの手段としても非常に有効です。
印象的な映像や言葉が見る人の心を掴み、当該企業に対する興味や好印象を引き起こすからです。
この項目では動画コンテンツを活用した企業PRとして会社紹介動画・プレスリリース動画・IR活動動画の3つを紹介します。
会社紹介動画
動画コンテンツを活用した企業PR、1つ目は会社紹介動画です。
今や多くの企業のホームページで会社紹介動画を見ることができます。
会社紹介動画の内容や構成は企業の数だけ違いがあり、一定ではありません。
どの企業も訪問者の目に自社が魅力的に映るよう工夫した動画を公開しています。
事業の紹介に限らず、実際に働いている社員数人にフォーカスした動画である場合も少なくありません。
会社紹介動画を見ることで、企業がユーザーからどのように見られたいと思っているかを推測することもできます。
プレスリリース動画
企業が経営に関する新情報をマスコミを通じて発表するのがプレスリリースです。
伝達力があって高い効果を期待できるという理由から、プレスリリースにも動画を用いる企業が増えています。
プレスリリース動画はストーリー性を意識したできるだけ短いものでなければなりません。
そうでなければ飽きやすい視聴者はすぐに見ることを止めて離脱してしまうからです。
商品紹介やイベント告知、活動報告だけでなく、商品・サービスを利用したユーザーの声などもプレスリリース動画にあたります。
IR活動動画
IR活動とは企業が投資家や株主に対して自社の経営状況や財務状況、実績や今後の見通りなどをお知らせする活動です。
近年このIR活動に積極的に動画を使う企業が増えていることをご存知でしょうか。
自社の魅力をアピールして「投資したい」という意欲をかき立てるには、印象に残りやすい動画の活用が有効なのです。
インターネットを通じて数多くの投資家にメッセージを伝えられることも大きな利点だといえるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
動画コンテンツの企業内での活用事例
動画コンテンツが用いられるシーンはユーザーへの商品紹介や投資家へのアピールなど対外的なシーンだけに留まりません。
社内向きに作られた動画を社員に対して流したり、社員研修に用いたりする場合もあります。
この項目では社員教育動画とインナーブランディング動画についてご紹介しましょう。
社員教育動画
多くの企業では新入社員に対して何らかの社員教育を施します。その際に動画を用いて教育を行うことに注目が集まっています。
動画研修などとも呼ばれており、とても効率的に教育を施すことができるとして人気です。
企業側は会場を押さえたり外部講師を招いたりといった開催のためのコストがかかりません。
新入社員側も自分の都合の良い時間帯を選んで自分のペースで教育を受けることができます。
また動画を何度も見返せることも新入社員側の大きなメリットです。聞き逃しによる抜け漏れを防いで深く理解できます。
インナーブランディング動画
インナーブランディングとは自社の経営理念や社会的な価値を社員に深く理解してもらう活動です。
愛社精神を育み、社内における自分の価値と役割を社員ひとり一人に再認識してもらうことが目的です。
今やこのインナーブランディングにも動画の活用は欠かせません。
印象的な映像演出や感動的な言葉の数々によって社員の心を掴むことが可能となるからです。
インナーブランディングが成功すると社員のモチベーションが上がり、業務上のパフォーマンスもアップすることが期待できます。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
動画コンテンツの導入で困った時は?
視覚と聴覚に強く訴えて相手の感情を揺さぶることができる動画コンテンツは今やマーケティングに欠かせない手法の1つです。
ただ、自社商品やサービスの場合はどのような動画を作成すれば効果的か分からないという方も多いのではないでしょうか。
何のためにどのような動画を制作してどこでいつ流すかは非常に重要な問題です。
もしも動画コンテンツの導入に関して悩んだ時は、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
マーケティングに精通したスタッフが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。本稿では動画コンテンツの活用事例や具体的な活用方法について解説しました。
社会のデジタル化やPC・スマートフォンの普及率アップに伴って動画コンテンツの活用もあちこちで進んでいます。
これほど多方面で活用されるのは、動画コンテンツが伝達力やアピール力にとても優れたツールだからです。
今後も動画コンテンツ市場は拡大の一途を辿ることが予想されます。
動画コンテンツの導入を計画する皆様にとって今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。