動画広告は様々な種類や配信プラットフォームが登場し、市場も拡大傾向です。
それぞれの特徴やメインターゲットにあわせた動画広告を配信することで、高い広告効果が期待できます。
費用も考慮しながら複数の指標を基にPDCAを実施することで当初の目的以上のメリットを得られた事例も珍しくありません。
コンサルティングサービスを利用しながら、自社の広告戦略を強化する効果的な動画広告を制作・活用しましょう。
目次
動画広告の種類を解説
インターネット上で利用されるコンテンツのメインストリームは動画にシフトし始めています。
YouTubeやInstagramを利用した企業の動画広告も一般的なものになりました。
<動画広告の主な配信プラットフォーム>
- YouTube
- X(旧Twitter)
- LINE など
様々なプラットフォームで配信される動画広告の傾向として特に顕著なのがスマートフォン広告の多さです。
つまり、モバイル対応の動画広告戦略で成功できるかどうかがWebマーケティングの成功可否を握っています。
プラットフォームごとの特徴や動画広告の性質をしっかり把握して、効果的な広告戦略を展開しましょう。
動画広告の種類別の特徴
動画広告にはいくつかの種類があり、課金システムや表示される場所などによる違いがあります。
その中でも特に注目されているのがインストリーム広告とインリード広告・インフィード広告です。
この2つの市場規模だけで動画広告全体のおよそ80%を占めています。
インストリーム広告
インストリーム広告はYouTubeなどの動画配信サイトでコンテンツ視聴中に登場する広告です。
動画広告の中でも定番の広告形式で最も多くのシェアを占めています。
再生開始時の広告はプレロール、再生途中であればミッドロール、終了後に流れる広告はポストロールと呼ばれています。
また、スキップ可能なスキッパブル広告とスキップできない設定のノンスキッパブル広告という分け方も一般的です。
<インストリーム広告のメリット>
- ターゲットを絞れば効果的な動画広告配信が可能
- 他の動画広告よりも画面に占める比率が大きく目立つ
- 再生時間が長いため、複雑な内容・メッセージを伝えやすい
インバナー広告
インバナー広告はニュースサイトのトップページなどに表示されている動画広告です。
別名インディスプレイ広告ともいいます。
例えば、一般的なニュースサイトに用意されているバナー広告枠を使って配信されるのがわかりやすい例の1つです。
広告費が発生するかどうかは配信先サイトやプラットフォームごとに異なる点に注意が必要になります。
<インバナー広告のメリット>
- 目にする人が多い
- 動画配信サイト・サービスのユーザーでなくてもアピールできる
- 基本的にスキップ機能がないので最後まで見てもらえる
インリード広告
インリード広告はWebサイト・アプリ・SNSに投稿されたコンテンツ間に挟まれるようにして表示される動画広告です。
動画広告の中では比較的新しい形式でスマートフォンとの親和性が高いのが特徴で、インスクロール広告ともいわれます。
<インリード広告のメリット>
- スクロールするだけで自然にユーザーの目に入る
- インプレッションさせやすい
- ユーザーからのリアクションがわかりやすい
インフィード広告
インリード広告と同様に配信プラットフォームでコンテンツ間やSNSのフィード上、タイムライン上に表示される動画広告です。
インリード広告は動画が多くインフィード広告は画像が多いイメージですが、双方動画形式の広告も増えています。
現状は実質、インリード広告=インフィード広告という認識でもよいでしょう。
<インフィード広告のメリット>
- 動画をスタートから見せることができる
- ストーリー性や個性的な表現を取り入れられる
- 動画広告の中ではインストリーム広告に次いで2番目のシェア
- アプローチできるユーザー層が幅広く、新しいターゲット層の発掘が期待できる
動画広告を作るメリット
動画広告の市場規模が年々拡大している理由はそれだけのメリットがあるからです。
特にユーザーの印象に残りやすく多くの情報を拡散させやすい点が期待されています。
印象に残りやすい
動画広告は文章での広告や画像を使った広告に比べてユーザーの印象に残りやすいのがメリットです。
ストーリーの鍵となるターニングポイントや斬新な表現は多くの人の共通認識になりやすく、高い広告効果が期待できます。
特に最近は長尺の動画広告も珍しくありません。
ストーリー性やインパクトのある表現方法で記憶に残るトリガーを盛り込んだ動画広告もすでに多く登場しています。
情報をより多く伝えることができる
動画広告のメリットとして伝えられる情報量の多さも見逃せません。
登場人物が音楽を聴いているシーンを例に考えてみましょう。
視聴者は下記のような要素から広告がターゲットとして想定している人物像を予想することができます。
<音楽を聴く方法>
- サブスク
- 好きなアーティストの曲をダウンロード
- レコード
- ラジオ
<BGMとして挿入された音楽>
- どのアーティストのいつ頃リリースされた曲か
<音楽を聴いている状況>
- 仕事中BGMとして
- 入浴中や就寝前などリラックスタイムに
視聴者は登場人物の音楽との関わり方を通じて広告が設定するペルソナ情報を読み取ることができます。
しかも実際に伝える場合、わずか数秒の一見何気ないシーンでも十分です。
その他にも動画の形式・小道具・風景・ストーリー展開など、視聴者に情報を伝える手法はたくさんあります。
拡散力がある
動画広告は拡散力の高さも大きなメリットの1つとして挙げられます。
なぜなら、主な動画広告の配信プラットフォームのほとんどに「共有・シェア」機能が備わっているからです。
特にフォロワーの多いインフルエンサーにシェアされた場合、こちらから手を加えずとも自然と拡散されていく仕組みができます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
効果的な動画広告を作る方法は?
動画広告のメリットを最大限活用する制作方法のポイントが3つあります。
<広告の目的とターゲットを明確に設定する>
動画広告制作でスタートとなるのが次の2つを決定することです。
- 制作の目的、最も伝えたいメッセージ
- メインターゲット
目的が明確になっていないとターゲットに「刺さる」表現や視聴後の動線設定ができません。
また、表現形式やワードチョイスは世代や性別によって「快/不快」が明確に分かれることもあります。
<テレビCMをそのまま流用しない>
テレビCMで使用した映像は企業にとって重要な資産ですが、動画広告にそのまま流用できるかは一旦検討する必要があります。
ターゲットの絞り方や見せ方など、動画広告「ならでは」のノウハウがあるからです。
またテレビCMをそのまま動画広告に流用する場合、著作権・肖像権上のハードルが発生する可能性も要注意でしょう。
<広告効果をチェックする>
広告配信中は広告の影響がどの層にどの程度表れているか、しっかりと検証しましょう。
配信中であっても広告効果を鑑みながらPDCAを回すことで新しい広告戦略を検討できます。
PDCAによって得られたデータや知見が企業の広告戦略ノウハウとして蓄積される点も見逃せません。
動画広告の効果の測定方法は?
動画広告の測定方法のポイントは既存のテレビCMや既存のWeb広告と同様にしないこと。
なぜなら、動画広告はその目的次第で様々な指標を検討する必要があるからです。
例えば、広告の第1歩である「認知」の段階は多くの人に商品・サービスを知ってもらうことがゴールになります。
そのため、再生回数・インプレッション数・ブランド認知度といった指標が有効です。
対して商材の購入が目的の場合、クリック数・コンバージョン率・実際の売上高といった指標が有効になるでしょう。
つまり、特定の指標にこだわらず広告の目的にあわせた指標を幅広く検討し分析する視点が必要です。
効果測定方法・指標が特定の手法に偏らないよう、複数の方法を取り入れてみてください。
効果測定で用いられる要素は?
動画広告の効果を高めるためにPDCAサイクルを回すのは必須です。
その際、ゴールにたどり着くまでの目標として設定するKPIにもいくつか候補となる指標があります。
特にどの段階でもよく取り入れられる代表的なものが再生回数・視聴率・コンバージョン率・クリック数の4つです。
再生回数
再生回数は動画広告が再生された回数というシンプルな指標です。
ユーザーがクリックというアクションを起こすことで再生された回数が示されます。
また、すべてのユーザーが動画広告を再生した合計時間として総再生時間という指標もあります。
広告費とのバランスを検討するなら広告視聴1回あたりにかかるコスト「CPV(広告視聴単価)」が参考になるでしょう。
視聴率
視聴率の計算式は下記となります。
- 動画広告の再生回数orエンゲージメント数 ÷ 表示回数
つまり視聴率とは全体の表示回数中、どれくらいの割合でクリック・再生されたのかを示す指標です。
コンバージョン率
コンバージョン率の計算式が下記です。
- コンバージョン数 ÷ クリック数
コンバージョン数とは動画をきっかけにユーザーが商材の購入・利用といったアクションを起こした数です。
クリック数
クリック数とは動画広告を見たユーザーが商材利用を検討するためにクリックした回数です。
「クリック数 ÷ 広告表示回数」でクリック率となります。
また、配信した広告が1度クリックされるためにかかる平均コストはCPC課金という指標で示されます。
動画広告の費用相場は?
動画広告はメリットが数多くありますが、企業規模や期待する効果の程度によって広告費とのバランスも重要です。
一般的な相場は動画の形式・クオリティ・制作期間・動員されるスタッフ数などによって大きく違ってきます。
- 数秒~30秒程度のシンプルなインタビュー動画、スライドショー形式のアニメーション … ~50万円程度
- 30秒~1.5分程度の動画でCG・3DCG・テロップ挿入などの加工、音声編集まで依頼 … ~100万円程度
- 数分程度の長尺動画フルCG・フルセル画アニメーション、撮影期間が数か月に及ぶ場合、海外での撮影を行う場合 … 500~800万円程度
価格帯は幅広く、基本的なサポート内容としてはヒアリング・企画・撮影・編集となります。
また制作の一部段階のみ自社ノウハウを持っている場合、一部をアウトソーシングするプランもあるようです。
例えば、撮影機材・人材を自社調達できる企業が編集・加工のみ制作会社に依頼するなどのケースです。
制作会社ごとの違いもありますが、一部段階のみの依頼であれば10~30万円から依頼できるプランもあります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
動画広告の成功事例をご紹介
動画広告の成功事例を2例紹介します。
共通している特徴は動画広告の目的達成に加えて副次的な効果を得られた点です。
広告費のコスト適正化に成功した事例
スタートはいくつかのプラットフォームにプリロール型のインストリーム広告を配信したことです。
PDCAを実施する中で動画広告のインプレッション数が急激に落ちたプラットフォームがいくつか発生しました。
同時に複数指標を確認する中でコーポレートサイトへの訪問者数・コンバージョン率は微増微減であることを確認。
インプレッション数が急減した配信プラットフォームの影響は少ないと判断し、広告費のコスト適正化を実現しました。
動画広告の目的達成+αの効果があった事例
F1層をメインターゲットにしたブランディングを目的に動画広告をコーポレートサイトで配信しました。
1つネックとなったのがコーポレートサイトは商材の購入促進目的だったことです。
動画広告とのイメージ戦略にギャップが大きかったため離脱率が高くファン獲得には至っていませんでした。
そこでコンサルタントと一緒に広告戦略を再検討し動画の雰囲気とマッチしたLPで動画配信を行いました。
さらにLPからコーポレートサイトのトップページに動線をつないだことで、コーポレートサイトの閲覧数が10倍以上アップ。
動画・コーポレートサイトとあわせてランディングページという価値の高いWebマーケティング資産を得ることができました。
動画広告を依頼したい場合は?
動画広告はリスティング広告・SEO・紙媒体広告など、動画広告以外とのシナジー効果も期待できます。
しかし、動画広告の魅力・メリットを十分理解していても次のようなお悩みを持っている担当者は少なくありません。
- どの動画制作会社に依頼すればいいのかわからない
- 見積もりで提案された企画内容や価格に差がありすぎて比較できない
- 完成した動画の良し悪しを判断できる人材が自社内にいない
そこで利用してほしいのがWebマーケティングのコンサルティングサービスです。
Webマーケティングコンサルタントは最も効果的と考えられる広告戦略のノウハウを有しています。
最も効果的な広告戦略を実施するためのパートナーとして活用してみてください。
動画広告活用の事例はこちら
まとめ
動画広告はあくまでもマーケティング施策の1つです。
動画広告で得られるメリットを最大限にするには動画広告が企業全体の広告戦略に則ったものでなければなりません。
そのため適切な広告手法の選択・効果測定・PDCAの迅速な実施が有効となります。
自社ノウハウがない場合はWebマーケティングのコンサルティングサービスも積極的に利用してみてください。