マーケティングに携わる方の多くは「コピーライティング」という言葉に触れたことがあるのではないでしょうか。
コピーライティングは顧客の購買行動を後押しするためになくてはならない技術の1つです。
ただそんなコピーライティングについて正しく理解し、実践できている方は決して多くはありません。
そこで今回の記事ではコピーライティングについて事例付きで詳しく解説します。
種類や構成要素、成功事例や作成の手順にも触れますのでぜひ参考にしてください。
目次
コピーライティングの概要
コピーライティングとは「顧客の心を推測・理解し、言葉や文章によって行動を促す」技術のことを指します。
商品の特徴を羅列しただけの説明文から一歩踏み込んだ、商品を売るための広告コピーのことだと考えると良いでしょう。
自社商品のノートの販売を仮定してみてください。単なる説明なら「B5サイズ・無地・○○円」と記せば終わりです。
しかしこれだけでは顧客に「ぜひ欲しい」と思わせることは難しいのではないでしょうか。
「開き心地と書き心地を追求した今までにないノート」などと表現された方が購買意欲をそそります。
このように具体的なベネフィットを提示して購買行動を促す文章を作ることこそがコピーライティングなのです。
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コピーライティングの目的・役割
コピーライティングの最終的な目的はターゲットとなる顧客に商品やサービスを購買してもらうことです。
では商品購入のプロセスをもっと具体的に見た際、コピーライティングはどのような役割を持っているのでしょうか。
コピーライティングの果たす役割を分類すると以下のようになります。
- 商品への興味を喚起する
- 顧客に必要だと思わせる
- 顧客の購入を後押しする
コピーライティングは商品の認知後から購買までというマーケティングの重要な部分をほぼ担うことになるのです。
コピーライティングの巧拙によって商品やサービスの売れ行きは大きく左右されます。
コピーライティングを専門で行うコピーライターの存在が重要性を裏付けているといえるでしょう。
コピーライティングの種類
コピーライティングには大きく分けて2種類の方法があります。
どちらも私たちが消費者として日頃からよく接するものです。それぞれ詳しくご紹介しましょう。
イメージコピーライティング
イメージコピーライティングとはブランディングを目的としたライティングのことを指します。
ある特定のコピーを目にすると決まった企業を思い浮かべる、という経験はないでしょうか。
CMなどで聞き覚えのあるフレーズがあればそれこそがイメージコピーライティングだと考えて良いでしょう。
イメージコピーライティングは売上に直結させる目的のライティングではありません。
あくまでも企業やその商品・サービス自体の認知度アップやイメージ向上を目的としたライティングです。
セールスコピーライティング
セールスコピーライティングはその名の通り売ることを目的としたライティングを指します。
イメージコピーライティングよりも、もっと直接的に「売ること」を目的としているライティング技術です。
具体的には、顧客に商品やサービスに対する興味を抱かせ、欲しいと思わせて購入までの後押しをします。
セールスレター・DM・電車内の広告などのコピーのほとんどはセールスコピーライティングだと考えて良いでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
コピーライティングの構成要素
コピーライティングには基本となる構成要素が存在します。
特に「売ること」に力を入れるセールスライティングにおいて重要となる構成要素です。
そのためセールスレターやテレビショッピングなどでは同じ要素を用いている場合が少なくありません。
この項目ではそれらコピーライティングの構成要素のうち重要なものを4つピックアップしてご紹介します。
キャッチコピー(ヘッドライン)
キャッチコピー(ヘッドライン)とはターゲットとなる顧客に興味を持ってもらうという重要な役割を持った要素です。
セールスレターでいえば一番上にあって最も目を引く見出しの部分に相当します。
テレビショッピングでいえば「こんなことに困ってはいませんか?」と視聴者に興味を持たせるフレーズにあたるでしょう。
ターゲットに向けて適切なキャッチコピー(ヘッドライン)を提示し、強く心を掴むことがその後の展開のためにも重要です。
ボディコピー
ボディコピーとはキャッチコピーで興味を持ってくれた顧客の興味をさらに掻き立てて「欲しい」という感情にさせる要素です。
セールスレターでいうと最も紙面を割いている本文の部分を指します。
テレビショッピングでいうと、ターゲットの悩みを具体化して、その悩みを解決するような商品紹介の部分にあたるでしょう。
詳細なペルソナ設定でターゲットのことをよく理解して、強く共感させるようなコピーにすることが求められます。
クロージング
クロージングとは「欲しい」という感情から「買おう」という行動への移行を促す要素のことをいいます。
セールスレターでもテレビショッピングでも、商品の値段の紹介や特典を紹介する部分にあたります。
「欲しい」という感情を持っているターゲットに対してできるだけ魅力的なオファー・提案を行わなければなりません。
ターゲットが抱くためらいや不安を飛び越えるような、魅力的な後押しとなるクロージングが良いクロージングです。
CTA
CTA(Call To Action)は最後にターゲットがすべき具体的な行動を指し示す要素のことをいいます。
「店舗までチラシをお持ちください!」や「今すぐお電話を!」というセリフがすぐに思い浮かぶことでしょう。
「欲しい」気持ちとここまでのコピーライティングに背中を押されたターゲットが迷わないようにしてあげる必要があります。
次の行動をできるだけ分かりやすく具体的に示さなければ、顧客の迷いを助長してCVの機会を逃すかもしれないからです。
イメージコピーライティングの具体例
ここまでコピーライティングの概要や構成要素について解説してきました。
この項目ではイメージコピーライティングの具体例をご紹介します。
株式会社ニトリ
インテリアの小売り大手であるニトリは「お、ねだん以上。ニトリ」という非常に印象的なコピーを用いています。
このコピーもイメージコピーライティングの技術を用いて作成されています。
「お、ねだん以上。ニトリ」といわれてすぐに商品購入などの行動に移せるかというと、かならずしもそうではありません。
これはあくまでもブランディングの手段としてのイメージコピーライティングだからです。
消費者に対してニトリが「値段以上の品質を提供する」というイメージを抱かせる以上の機能は持っていません。
インテル株式会社
半導体素子メーカーであるインテルもイメーコピーライティングの手法を取り入れたコピーを用いています。
「インテル入ってる」というシンプルなフレーズです。こちらもターゲットにすぐに何か購買を迫るようなコピーではありません。
あくまでも「インテルが入っていると安心」というイメージを与えるブランディングのためのコピーです。
イメージコピーライティングはCMなどでよく使われる印象的なフレーズに見られる手法です。
そのコピーが顧客にどんなイメージを持たせたいのかを分析し、自社商品・サービスに活かしてみてはいかがでしょうか。
セールスコピーライティングの具体例
セールスコピーライティングは企業や商品のランディングページ、セールスレターなどに多い手法です。
実例を2つ挙げてご紹介しましょう。
株式会社ミュゼプラチナム
夏になると電車内などでよく見かける脱毛サロン「ミュゼ」はセールスコピーライティングの構成要素をしっかり含んだ好例です。
まず脱毛に興味があってページを訪れた人に「人気脱毛コースセットが総額100円」というキャッチコピーで興味を持たせます。
次にボディコピーとして魅力的なサービスを紹介し、同時にターゲットの不安を解消することも忘れません。
クロージングには通常特典・無料相談・友達紹介の特典を用意しています。
またCTAとして「空席確認・予約する」のボタンを設置しています。
株式会社やずや
健康食品の通信販売事業を展開するやずやも基本に忠実なセールスコピーライティングを行っています。
キャッチコピー(ヘッドライン)・ボディコピー・クロージング・CTAときれいな流れでコピーを作成しています。
毎日の元気がほしいという消費者の悩みに徹底的に寄り添うようなキャッチコピーが特徴的だといえるでしょう。
「がんばるあなたの元気の源やずやの雪待にんにく卵黄」などはその好例といえるのではないでしょうか。
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コピーライティングの成功事例
コピーライティングの手法を使って大きく成長したサービスといえばライザップです。
テレビCMではキャッチコピーとして「ライザップ前」「ライザップ後」の比較を分かりやすく行いました。
テレビCM等で興味を持ったターゲットが「ライザップ」と検索して辿り着くのがライザップのランディングページです。
そのランディングページで魅力的なセールスコピーライティングを行ったからこそライザップは成功したといえるでしょう。
ライザップのランディングページは、興味を持ってくれたターゲットにしっかりと寄り添うようなコピーが書かれています。
「本当にやせられるのか?」「高くないか?」「つらくないのか?」等の疑問をすべて解消しています。
しかも「知識は一生もの」などの「やせられる」以上のベネフィットの提示も忘れていません。
興味を持ってくれたターゲットが安心して「ライザップしかない」と思うような構成になっています。
興味を持ったターゲットの心をセールスコピーライティングの力がっちりと掴んだからこそライザップは急成長したのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
コピーライティングを作成する手順
コピーライティングについて実例を交えて解説してきました。
では実際にコピーライティングをする際にはどのような手順で作成すればよいのでしょうか。
この項目ではその方法を5つのステップに分けてそれぞれ詳しくご紹介します。
ターゲットの設定
初めにすべきことはターゲットの設定です。
販売する商品・サービスがどのような客層になら最も多く売れそうかを考えます。
どのような市場規模を見込んでいるのかという観点や、3C分析などのフレームワークを用いながら策定するのがよいでしょう。
ニーズの分析
次にすべきはニーズの分析です。
「顧客のニーズ」と「自社商品・サービスが提供できる価値」という両方の視点から分析するとよいでしょう。
コピーライティングではニーズの把握こそが重要な部分になるので、決しておろそかにしないようにしましょう。
ターゲットのニーズをしっかりと把握することによって商品やサービスの購入に繋がりやすいコピーライティングになります。
ゴールの設定
次にすべきことはゴールの設定です。
多くの場合「自社の認知度を高めること」や「商品・サービスを購入してもらうこと」になるでしょう。
前者であればイメージコピーライティングが、後者ならサービスコピーライティングが必要となります。
ゴールを明確にして、次の文章作成のステップで作業に迷いが生じないようにしましょう。
文章作成
次はいよいよ中身の文章作成です。
基本的には「キャッチコピー(ヘッドライン)、ボディコピー、クロージング、CTA」の型に沿って文章を作成していきます。
文章を作成する際にはベネフィットを意識すると良いでしょう。
ただの商品紹介にならないように、この商品・サービスを購入することによってどのようなことが期待できるのかを明確にします。
ただしベネフィットはターゲットが求めるニーズに関連付いたものを提示するように意識しなければなりません。
推敲する
最後にできあがったコピーを推敲します。
誤字脱字がないかなどの基本的なことを見るだけではありません。
ターゲットのニーズを満たし、不安を解消できるような書き方になっているか、型に沿った書き方になっているかチェックします。
Webサイトであればリンクが正しく機能しているかなどの細かい部分までしっかりと確認する必要があるでしょう。
一箇所でも間違って書かれていると、それだけで読者の気持ちが逸れてしまう要因になります。
値段の書き間違いなど、場合によっては大きな損失に繋がるミスも起こりかねません。
ダブルチェックを行うなどして質の良いコピーライティングを目指しましょう。
優れたコピーライティングを作成しマーケティングに活かすなら
せっかく優れたコピーライティングを作成してもマーケティングに生かせなければ意味がありません。
マーケティングの一環として活用させるためには、「集客」などの他の機能と強く連携させる必要があります。
コピーライティング自体は集客するという機能を持っていないので、コピーライティングまでの導線を十分に作る必要があるのです。
優れたコピーライティングを作成してマーケティングに活かしたい時は、ぜひデジマクラスのコンサルタントに相談してください。
マーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではコピーライティングの事例や構成要素について詳しく解説しました。
コピーライティングはすぐに応用できる生きた事例が身の回りにたくさん存在します。
それらのコピーがどんな意図で書かれたのかを深く考え、自社商品ならどんなコピーにするか想像力を働かせてみてください。
本稿がそのための一助となれば幸いです。